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月が落ちくる
こんな夜だから
ものを言えぬことを惜しく思うか
深山にそっと人の知れず
はぐれものの猿が居たら
小さなその世界の中で
何も知らずに生きるのか
よしんばその琴線に
触れるものがあっても
けれども獣は獣
空い想けない
それだから
その美さを
表す言葉も持ちえない
そしてまた
それを悲しいとさえ
感じて嘆くこともできはしない
月が落ちくる
こんな夜だから
それでもただ涙を流すのだろうか
されども小さなその世界
空を見上げて生きるなら
おのれに知らぬ何かを知って
小さな願を目覚めさす
或いはただの一言
言葉を紡げたなら
きっと誓ってみせよう
空い想くこと
それだから
その天さばかりを
形容す言葉も知ろうとして
そしてまた
それがかなわぬこと
ある筈がないのだと怒りに震え
獣が
こころはるけく
遠い空を想うときには
いつか空言を積み
己の心も騙すのか
声を上げ
お前は立つのだろう
きっとそここそが《空を想う地》
ああけれど
その誓いがもとに
はるか手を伸ばしていってしまうのか
月が落ちくる
空を想う地で
空を見上げていた
この地平まで
穢れ失わるる
そんな日を夢見ていたのだろうか
最終更新:2025年03月10日 21:39