***刻命館 シリーズの初代となる記念すべき作品。ジャンルはトラップシミュレーション。 主人公はある国の王子。第二王子である弟に父殺しの罪を着せられ、その復讐のために 刻命館の主となり魔神を復活させることを決意した。シリーズの中では唯一の男主人公。 視点が主観、レベルの概念、モンスターの使役など、後の作品とは全く違うゲーム性が特徴。 そして何より特筆すべきは、ロード時間の長さ。ゲーム開始に30秒、セーブ時にはゆうに 1分は待たされる。しかも使用ブロック数は9!メモカ一枚に一つしかセーブできない! ゲームの流れも漫然としているため、正直テンポは最悪。古いゲームということもあって、 グラフィックも見るに耐える代物ではない。だがしかし、それを以って余りあるダークさを 持ち合わせていることも事実。雰囲気やシナリオだけなら、間違いなくシリーズ一だろう。 ***影牢 ~刻命館 真章~ シリーズ初のコンボを搭載した最高傑作との呼び声も高い名作。 ジャンルはこれ以降トラップアクションとなる。 主人公は刻人と呼ばれる種族を育ての親にもつ少女。トラップの力で人間を狩ることを 刻人から教えられる。なお、この作品までの主人公は、劇中で自分の意思を表さない、 いわゆるプレイヤー投影型となっている。そのため、没入度はこの作品までが一番かも。 主人公に殺戮に至る明確な目的がないため、ダークさは少し薄まっている。 しかし、それ以上に深みを増したシナリオは間違いなくシリーズ最高の出来。 どのシリーズから始めようか迷っている人は、まずここから入るとよろし。 ***蒼魔灯 トラップをベースとエンブレムに分け多様性を増した、シリーズ一のコンボゲー。 そのゲーム性は、限られたトラップを選んで使うスタイルの影牢と双璧をなす。 主人公はある島に暮らす少女。大陸からの人攫い組織にさらわれ、目の前で家族を亡くす。 とある事情からトラップの力を得た彼女は、時を自由に操れるという「時空石」を手に入れ 過去を変えることを決意する。この作品から主人公も「登場人物」となり、劇中でいろいろ やらかしてくれることになる。その変更が良かったのかどうかは、推して知るべし。 トラップはベースと追加効果を司るエンブレムによって大まかに分かれる。 その上、起動を司るリング、パワーを司るオーブとの組み合わせで性能が変わり、 細かく分類するとその数は何千種類にも及ぶ。この仕様のおかげで、コンボは トラップを選ぶのではなく、コンボに応じて組み替えるという形となった。 初心者が手を出すにはちょっと厳しいかもしれないが、自由な練習ができる フリートレーニングもあるため、特に問題はないかも。とにかく遊びたいならこれ。 ただし、ストーリーには期待しないこと。あと、それがシリーズ標準だと思わないこと。 ***影牢II -Dark illusion- ダークイリュージョンという大仕掛けをひっさげ帰ってきたシリーズ最新作。 主人公は刻命館と同じく某国の王女。こちらもまた父殺しの罪を着せられ、復讐のために… ではなく、本人の意思とは関係なく魔神の力を手に入れてしまい、それに翻弄されることに。 全体的にボリュームに欠ける。グラフィックは向上したものの、まあそれだけ。 初めて触れる分にはいいかもしれないが、ここから入るとグラフィックの粗さが 目に付くかも。ちなみに、レイチェルは使えませんのであしからず。 ----