50 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 15:17:07.36 ID:TA/FKC86O
さて…
森アライさんの子供達を使って狩りの訓練を行い、肉を食った余所アライさん一家。
一家は巣である穴のあいた木の根元にいた。
木の穴の真下には、アライちゃん達が排泄した大便や糞尿、食った動物の骨などのゴミが山のように積み上がって悪臭を放っている。
鳥の巣の下よりずっと臭くて不潔である。
アライちゃん達が木から降りる時は、基本的に穴から真っ直ぐ下に降りたりはせず、横移動しながらキレイな地面に着地するようだ。
間違って穴から転落し、溜め糞に頭から突っ込むなんてことも稀にあるようだ。
余所アライさん「ふははー、チビ達!狩りの訓練はバッチリなのだ!あとは木登りが上手にできるようになれば、独り立ちできるのだ!」
余所アライちゃん1~5「「「なのりゃー」」」ヨジヨジ
余所アライちゃん達は、木登りの練習をしている。
余所アライちゃん1~4「「「わっちぇ!!わっちぇ!!」」」ヨジヨジ
余所アライちゃん5「わっちぇ…ぴぃ!?」ズルッ
木登りの最中に、余所アライちゃん5が手を滑らせた。
余所アライちゃん5「ぴいいぃいい!」ヒューン
余所アライちゃん5「ぴぎっ!」ボテッ
余所アライちゃん5は、柔らかい草の上に落ちた。
余所アライちゃん5「びえええーん!おがーしゃああーんっ!いぢゃいのりゃあああーーーっ!」ビエエエエン
余所アライさん「しっかり練習するのだ!きちっと受け身も取るのだ!」フフン
51 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 15:24:01.79 ID:TA/FKC86O
余所アライさん「よし、練習はもうバッチリなのだ!みんな、お昼寝するのだ!」
余所アライちゃん1「おひゆねしゅゆのりゃー!」ヨジヨジ スポッ
余所アライちゃん2~5「「おやしゅみなのりゃあ~」」ヨジヨジスポッ
余所アライちゃん達は、木の穴に潜った。
余所アライさん「アライさんのチビ達…立派に育ったのだ。こんだけたくましければ、きっと冬も越せるのだ」ウンウン
余所アライさん「アライさんも寝るのだ」ヨジヨジヨジヨジ
余所アライさんは、木を登り、木の枝の上で眠った。
余所アライさん「のだぁ…のだぁ…」zzz
しばらく眠っていると…
余所アライさん「んん!?」ビクゥ
突如、余所アライさんが目を覚ました。
どうしたのだろうか?
余所アライさん「…!」キョロキョロ
余所アライさんが、あたりを見回している。
すると…
蛇「シャー…」シュルシュル
…アライちゃん達がいる木の穴に向かって、蛇が這い登っているのが見えた。
53 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 15:31:06.70 ID:TA/FKC86O
余所アライさん「…」zzz
余所アライさんは、半目を開けて寝た振りをしている。
蛇「シャー…」シュルシュル
蛇が巣穴に入ろうとしたとき…
余所アライさん「今なのだ!たあー!」ドガァ
蛇「シャギャア!?」ボギィ
余所アライさんが、跳びながら蛇にキック放った。
蛇「ギシャア」ドサッ
地面に落ちる蛇。
余所アライさん「たあああ!」ヒューン ドカァ
蛇「ブギュ!」グシャア
蛇の首めがけて着地した余所アライさんの踵が、蛇の脛椎を破壊した。
蛇「」ビグビグジタバタ…
余所アライさん「お肉なのだ!後で食べるのだ!」ヨジヨジ
余所アライさんは、眠っている間にも、木からの振動を感じ取っている。
風のざわめき程度ならば起きたりはしないが、
『何かが這い登るような振動』に対しては、無意識に強く反応して目を覚ますようだ。
余所アライさん「チビ達は食べ物じゃないのだ、まったく…。ふわぁ…」
余所アライさんは、蛇が他に近付いていないことを確認し…
…再び昼寝した。
54 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 15:51:08.30 ID:TA/FKC86O
なんとたくましい野性であろうか。
もうすぐ冬がやってきそうだというのに、成長期の子供5匹を余裕綽々と育て…
寝ている間でも、枝に伝わった振動を感じ取り、外敵を排除する。
アライさんは全ての個体がこんな芸当ができるわけではない。
余所アライさんもまた、先天的に高い知能を持って産まれ、人里で自ら生きる知恵を学習し…
そうしてインターンシップという戦場から帰還した…
いわば、アライさんの中でも特別に優秀なエリートなのである。
余所アライさん「くかー…むにゃ…。ふふ、チビ…。いいこなのだあ…」zzz
余所アライさんは、木の枝の上で眠りながら、何やら寝言を言っている。
55 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 15:52:17.34 ID:TA/FKC86O
…アライさんは、木から落下した。
57 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 16:06:41.42 ID:TA/FKC86O
余所アライさん「ごびゃあ!」ドシャア
地面に落ちた余所アライさんは身体中にいくつもの穴が空き、真っ赤な動脈血をどくどくと流している。
余所アライさん「ぎ…び…ぎゃああああああ!い…だいの…だああああっ…!げぼおぉっ!」ブシュウウゥドクドク
…一体どうしたのであろうか?
熟練猟師「こんなとこに、もう一匹いおったな」シュウウゥウ
猟犬1&2「「ハッハッハッ…」」ザッザッ
何が起こったかなど一目瞭然。
ブラックハウンドの犬種の猟犬が、匂いをたどってこの巣を探り当て…
熟練猟師が、ショットガンで余所アライさんを撃ったのである。
余所アライさん「いだい…いだい…のだああ…!ぎびいぃ…!だず…げ…で!」ブシュウウゥ
余所アライさんは、木からの振動を最大限に軽快していた。
だが、銃などの飛び道具は全く警戒していなかった。
余所アライさん「おま…えが…やった…のがぁ…!なんなのだ…それぇ…!があぁっ…!いだい…の…だぁあっ…!」ドクドク
それはそうだろう。
余所アライさんの母親は銃で撃たれたことなどないし、
余所アライさんもまた銃など見たことはない。
よって、余所アライさんは銃を知らないのである。
58 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 16:15:14.22 ID:TA/FKC86O
『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』という言葉がある。
余所アライさんの知識など、せいぜい自らの経験と、母親からの言伝のみで蓄積されたものにすぎない。
文字のないアライさんには、祖先から代々伝わる知識の蓄積…
いわば『歴史』など存在しない。
もしかしたら、全国のどこかのアライさんには、銃を見ても生き延びた個体がいたかもしれない。
その個体は、自分の子供に銃に気を付けるように教えるかもしれない。
だが、そこまでだ。
知識がそれ以上まわりに伝わるのは、せいぜいご近所さん程度。
基本的にあまり集団生活が得意でないアライさんに、知識の蓄積と共有などほぼ無縁である。
いかに個体としての才能が優れていようとも…
個体が自らの経験から学べる知見など、たかが知れたものでしかない。
59 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 16:20:58.46 ID:TA/FKC86O
熟練猟師「クソ害獣が!農家のニイちゃんが大事に育てた秋トウモロコシの仇!」ジャキィ
熟練猟師は、余所アライさんの顔にショットガンの銃口を向ける。
余所アライさん「ちがう…のだ…!ごぼっ…!きーろい…つぶつぶ…は…べつの、やつが…!ぶはぁ!やった…!あらい…さん…わるぐない…のだ…!ごぽぉ!」ゴブゥ
余所アライさんは自分は畑からの盗みをやってないと嘘をつき、森アライさんのせいにした。
余所アライさん「だず…げ…!あら…い…さん…には…!かわいい…ちびが…いる…のだぁ…!ぐぶっ…!」
余所アライさんは、必死で命乞いをしている。
熟練猟師「そいつを育てなきゃいかんから殺しちゃならんとか言うんか?」ジャキィ
60 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 16:23:03.37 ID:TA/FKC86O
余所アライさん「チビ…だぢを…!」ブルブル
余所アライさん「たべで…いいがら…!ごろざ…ないでぇ…!」ブルブル
熟練猟師「…」
61 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 16:36:46.35 ID:TA/FKC86O
熟練猟師は無慈悲に引き金を引き、ショットガンで余所アライさんの頭を粉々にフッ飛ばした。
余所アライさん「」ブシュウウゥドクドク…
完全に頭が吹き飛んだ余所アライさんの胴体は、もはや
ゴキガイジムーブすらしなかった。
熟練猟師「『別のアライさんがやった』?そもそもなんでトウモロコシ泥棒がいたことを知っとんじゃボゲ。もっとマシな嘘つかんかい」ジャキィ
熟練猟師「つうか、そもそも最初から畑を荒らすなや!」
猟犬1「ハッハッハッ」シッポフリフリ
猟犬2「クゥン」
世界一鋭い嗅覚をもつ犬種であるブラックハウンドの猟犬は、木の穴の真下にこんもりと積み上げられた溜め糞の悪臭によってこの巣を嗅ぎ当てたようだ。
つまり、余所アライさんを仕留めたのは、熟練猟師の独力ではない。
熟練猟師は、余所アライさんと違って天才などではなく凡人である。
だが、熟練猟師は勤勉な男であった。
それに加え、ブラックハウンドという品種を作り上げた犬ブリーダーの努力…
さらび、ショットガンという武器を作り上げた武器職人達の努力…
それらの生み出した歴史がもつ力が重なりあって、余所アライさんの優秀な頭を打ち砕いたのである(物理的に)。
いかに余所アライさんが、生存能力に長けた天才であっても…
先人が必死に試行錯誤して残した膨大な知識を、必死に苦学して身に付けた凡人には、敵わなかったのであった。
62 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 16:42:37.88 ID:TA/FKC86O
熟練猟師「さて、ガキがおるって言うとったのう。そいつらも獲っておくか」カチャッ
熟練猟師は、木にハシゴを立て掛けた。
そしてトングを持ち、木の穴に向かって登った。
木の穴を覗くと…
余所アライちゃん1「さっきのおっきーおとなんだったのりゃ…?」
余所アライちゃん2「こあいのりゃ、おかーしゃにきーてみゆのりゃ!おかーしゃーん!」
余所アライちゃん3「おかーしゃん!さっきのおっきーおとは…うゆ!?なんかあらいしゃんたちのおうちのぞいてゆのりゃ!」
余所アライちゃん4「おかーしゃんじゃないのりゃ!だれなのりゃおまえ!ここありゃいしゃんのおうちだぞぉ!」フゥーッ
余所アライちゃん5「ごはんをとりにきたのか!?だめなのりゃ!このかえゆしゃんおにくはありゃいしゃんたちのなのりゃ!おまえのじゃなのりゃあ!」
余所アライちゃん1~5「「ふうぅ~~っ!きゅるるぅ!おかーしゃんはつよくておっかないんだぞぉ!」」フゥーッ
余所アライちゃん達は、熟練猟師を威嚇している。
66 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 18:23:59.27 ID:TA/FKC86O
64訂正
熟練猟師「はーうぜぇうぜぇ…無視して回収するか。ひーふーみー…5匹もいらぁ、こいつぁ大猟だ」スッ
熟練猟師「生け捕りなら、ジビエモンのとこに持ってくかな?あーでも、ギョエモンも釣り餌に欲しがっとったか…。どっちにすっかなぁ~」カチンカチン
熟練猟師は、罵倒を無視してトングでアライちゃんを捕まえようとするが…
余所アライちゃん1「くゆなっていってゆのがわかんないのかぁ!このはげぇ!」フゥーッ
熟練猟師「」ピクッ
熟練猟師は、後退しつつある髪の生え際を指摘されて手が止まった。
余所アライちゃん2「うゆ!きーてゆのりゃ!やいやい!はげ!はげ!はーげぇ!!!」パチンパチン
余所アライちゃん2は、手を叩いてハゲ弄りをしている。
余所アライちゃん3「おーいはげ!いきててたのちーのか!?おまえなんかうんちいかなのりゃーはげー!」
余所アライちゃん4「はーげ!はーげぇ!かっこわゆいはーげ!はーげぇ!はーげ!ちゅゆぴかはーげぇ!」シッポフリフリ
余所アライちゃん5「でてけーはげ!ばーか!うんこ!かす!なめくじ!がいじ!はげ!はげ!はげえー!おかーしゃん!このはげどっかやってぇー!」ピギュルルルルル
余所アライちゃん1~5「「「はーげ!はーげ!はーげぇ!」」」
余所アライちゃん達は、執拗に熟練猟師のハゲを指摘し罵倒し続けた。
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 18:22:38.16 ID:48tsT6Vzo
また髪の話してる…
67 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 18:31:01.63 ID:TA/FKC86O
余所アライちゃん1「はーげ♪はーげ♪」シッポフリフリ
余所アライちゃん2「ちゅゆぴかはーげぇ♪」シッポフリフリ
余所アライちゃん3「はーげ♪はーげ♪」シッポフリフリ
余所アライちゃん4「もてないおーしゅぅ~♪」シッポフリフリ
余所アライちゃん1~5「「「やーい!やーい!ちゅゆぴかはーげ!はーげ!はーげ!ちゅゆぴかはーげ♪」」」シッポフリフリ
熟練猟師「…ッ」ワナワナ
余所アライちゃん5「おかーしゃーん!みゆのりゃ!はげあたまなのりゃ!のひゃひゃひゃひゃ!」ゲラゲラ
余所アライちゃん1「おかーしゃーん!みにくゆのりゃー!ぶしゃいくなのりゃー!」シッポフリフリ
余所アライちゃん2「うゆぅ?どーしたのりゃおかーしゃん?みにくゆのりゃー!」シッポフリフリ
余所アライちゃん3「やい!このはげ!おかーしゃんにわらわれたくなかったらかえれー!さっさとか・え・れー!」フゥーッ
余所アライちゃん1~5「「「かっえれ♪かっえれ♪はーげはかえれ♪かっえれ♪かっえれ♪ちゅゆぴかはーげ♪」」」パチン パチン パチン パチン パチン パチン
余所アライちゃん達は、手拍子して熟練猟師を煽る。
一体なぜ余所アライちゃん達は、これほど執拗に熟練猟師のハゲを罵るのだろうか?
アライちゃん達の性格が悪いからであろうか?
68 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 18:56:07.41 ID:TA/FKC86O
まあ、アライちゃんの性格が悪いかどうかはここでは論じないとして…
性格云々は、直接的な動機ではない。
余所アライちゃん達は、体の大きさ…つまり力がでは熟練猟師に敵わない。
そのため、言葉で攻撃することで、熟練猟師の心を傷つけて、撤退させようとしているのである。
熟練猟師「…」カツンカツンカツン…
熟練猟師は、執拗なハゲコールが効いたのか、ハシゴを降りていった。
余所アライちゃん1「やったのりゃ!にげてったのりゃ!」
余所アライちゃん2「ありゃいしゃんのおそろしさにびびってにげてったのりゃー!≧∀≦」シッポフリフリ
余所アライちゃん3「やーいやーい!はげー!すにかえっておかーしゃんになきつけー!」ノヒャヒャヒャヒャ
余所アライちゃん4「うゆぅ…?おかーしゃんはなんできてくれなかったのりゃ…?」クビカシゲ
余所アライちゃん5「なのりゃ!なのりゃ!なのなのりゃ!なのりゃ!なのりゃ!のりゃのりゃりゃ!≧∀≦」シッポフリフリ
余所アライちゃん達は、熟練猟師がハシゴを下りていったのを見て喜んだ。
執拗なハゲ弄りが、熟練猟師を退けたようだ。
69 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 19:07:49.25 ID:TA/FKC86O
だが。
その執拗なハゲ弄りが、逆に熟練猟師の逆鱗に触れた。
完全武装熟練猟師「…」カツンカツンカツン
熟練猟師は、ヘルメットと防具をつけて、再度ハシゴを登ってきた。
余所アライちゃん1「うゆ!?さっきのやちゅのにおいなのりゃ!」クンクン
余所アライちゃん2「やいはげ!そんなぴかぴかであたまかくちてもはげはなおんないぞぉ!」ゲラゲラ
余所アライちゃん3「はげっ!はげっ!やいやい!もっといわれたくなかったらさっさとかーえーれ!」フゥーッ
完全武装熟練猟師「おいお前…いまオレのこの頭のことなんつったッ!」
余所アライちゃん4「はげ!」
余所アライちゃん5「はげ!」
完全武装熟練猟師「オレの頭にケチつけてムカつかせたヤツぁ何もんだろうーとゆるさねえッ!!」ジャキィ
熟練猟師は、余所アライちゃん達に向かってショットガンの銃口を向けた。
70 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 19:14:52.79 ID:TA/FKC86O
余所アライちゃん1「うゆぅ?そんなぼーきれ、おうちにいればぜんぜんあたらないのりゃー!≧∀≦」ゲラゲラ
余所アライちゃん2「はやくかえんないと!おーきくなってからぶっこよしゅぞぉー!≧皿≦#」フゥーッ
余所アライちゃん3「そーなのりゃ!ありゃいしゃんたち、おっきくなったらつよいんだぞぉ!」
余所アライちゃん4「ありゃいしゃんたち、いんたーちっぷいくのりゃ!いっぱいごはんたべておーきくなゆのりゃ!」
余所アライちゃん5「おまえもたべられたくなかったらかえれー!いまかえればおなさけかけてやゆぞぉー!」ピカピカガイジガオ
完全武装熟練猟師「ッ…!」ワナワナ
完全武装熟練猟師「…もう生け捕りなんて止めだァーーーッ!!」プッツン
完全武装熟練猟師「くたばりゃあァアアーーーーッ!!!!クソコバエウジムシ共ォァアアーーーッ!!!」ガチッ
熟練猟師は余所アライちゃん達へショットガンの銃口を向け、怒りを込めて引き金を引いた。
72 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 19:28:33.87 ID:TA/FKC86O
余所アライちゃん達は、ショットガンの弾を浴びて蜂の巣となったが、さらに巣穴の壁で跳弾した弾によって四方八方からブチ抜かれ粉微塵に粉砕された。
熟練猟師がショットガンの銃口から余所アライちゃんの巣へ一斉に大量射出した銀玉は、
巣穴の壁で跳ね返って音速を超える異様にピンボールを繰り広げ、幾度となく跳弾を繰り返し…
余所アライちゃんの血肉と残骸「」グッチャアアアドシャブチャアバシャアアアアアッ
巣穴から大量の残骸を排出し、見事なジャックポットを記録した。
完全武装熟練猟師「おっとっと」バシャッ グラッ…
大量の血肉やショットガンの跳弾をヘルメットやレインコート、防具に浴びた熟練猟師。
彼が乗るハシゴは、ショットガンを撃ち放った反動で後ろにぐらりと倒れた。
完全武装熟練猟師「ほっ!」クルクル シュタッ
熟練猟師は、ハシゴから跳んで宙返りをし、衝撃を殺しながら無事に着地した。
完全武装熟練猟師「慣れっこだもんネ」パシッ
そして、倒れてきたハシゴを手で受け止めた。
完全武装熟練猟師「イチチ…防具ありとはいえ、さすがにイテェな。痣つかねえかな」ヒリヒリ
巣穴の壁で跳ね返った跳弾が防具に当たったが、傷は負わなかったようだ。
73 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 19:37:47.93 ID:TA/FKC86O
熟練猟師「はぁー…。やっちまった、森の新鮮なアライちゃんを生け捕りできるチャンスだったのに」
熟練猟師「まあいいや…死骸を片付けるか。はーげんなりする」スッ
仕留めた獲物の死骸を森に残すのは猟師のルール違反である。
熟練猟師は、巣穴の中や地面から、散らばった余所アライちゃん達の残骸を拾い集め、ビニール袋へ回収した。
熟練猟師「さーて帰るか…」スタスタ
猟犬1&猟犬2「「ワン!」」ノソリノソリ
知能を駆使して自然の中でたくましく生きる余所アライさん一家であったが、
ショットガンには敵わなかった。
強いぞ、ショットガン!
凄いぜ、ショットガン!
負けるな、ショットガン!
害獣を打ち砕け!!!ショットガン!!!
74 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/26(土) 19:38:45.78 ID:TA/FKC86O
続く
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 19:46:34.07 ID:bBWB9y1D0
乙
生け捕りかと思いきや、まさかの展開。
猟師、(メンタル的な意味で)可哀そう...
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 19:49:57.21 ID:yXn8E83g0
乙
フルアーマ猟師怒りのショットガン
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 23:08:50.10 ID:5kwMd2cL0
乙でしゅ
コンプレックスを指摘されちゃ激昂するのも無理はありません
しかし、もし生け捕りしていたとしたら行く末がどうなっていたのかは気になりますね
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 23:59:44.25 ID:Hugl2utF0
まさか余所アライさんがこんなあっさりやられるとは思わなかった
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 13:14:41.54 ID:UIqgYb7C0
乙です。やっぱアライがくたばる時は銃で撃たられるのが一番スカッとしますね、特に原型を留めないくらいの一撃は絶頂もんですよ…
87 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/31(木) 00:31:47.56 ID:ir3E2ndOo
熟練猟師が帰ろうとした…その時。
?「」ガサッ
熟練猟師「!?」ビクゥ
猟犬1「ワゥ!?」ビクゥ
…木の下あたりから、何かが落下した音…
いや、何者かが着地した音が聞こえた。
熟練猟師「…!?」キョロキョロ
今の音は、おそらくアライさんくらいの重さの二足歩行の生き物が着地した音だ。
猿でないならば、アライさんの可能性が最も大きいだろう。
熟練猟師「…」ジーッ
音がしたあたりの草むらを猟師は注意深く観察したが…
何も動く気配はない。
そして、何者の姿も見えない。
熟練猟師「今の音は…いったい…!?」ゾクッ
熟練猟師は、最も恐ろしい想像をした。
89 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/05/31(木) 00:36:08.55 ID:ir3E2ndOo
アライさんは、自分から人を襲うことは滅多にないが…
自分の命を防衛しようとしたとき、襲いかかってくることがある。
接近戦であれば、猟師の銃の前に沈むであろうが…
最悪のケースでは、民間人から奪ったアライボウを放ってきたという事例があるらしい。
熟練猟師「逃げろ!」タタッ
猟犬1&2「「ワンワン!」」ザザザッ
熟練猟師は、仕留めた余所アライさん一家の死骸が詰まった袋を、『頭だけ』持って投げ捨て、その場から一目散に逃げ出した。
…
熟練猟師は、無事に自分の車へ逃げ込むことができた。
熟練猟師「さっきの音は…何だったんじゃ…?」ゼェハァ
熟練猟師「…ともかく、依頼主には頭だけ見せるとするかの…」ブロロー
熟練猟師「さて、バラエモンのとこで和食でも食いにいくかのう」ブロロー
そうして、熟練猟師は街へ去っていった…。
最終更新:2018年07月23日 23:35