204 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 19:53:01.47 ID:rZ17Z8UTo
野良アライちゃん2は泣き止んだようだ。
野良アライちゃん2「うゆぅ…!あした、おばしゃんとあったら、かぞくにしてもらうのりゃ…!」ヒックヒック
野良アライちゃん2「それまで、がまんしゅゆのりゃ…」プルプル
野良アライちゃん2「っ…!」プルプル
野良アライちゃん2「おなが…しゅいだのりゃあ…!たべものさがしゅのりゃあ…!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん2は、夜の公園をよちよち歩く。
野良アライちゃん2「うゆ?くんくん…ふんふん…」クンクン
なにかの匂いに気づいたようだ。
野良アライちゃん2「あっちからおいちそーなにおいしゅゆのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん2は、道路の方へ向かった。
そこには…
野良猫「ヴ…ニャ…」ピクピク
…車に轢かれ、内臓が飛び出して死にかけた野良猫が横たわっていた。
野良アライちゃん2「うゆ…!さっきのねこなのりゃあ!」シッポフリフリ
205 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 19:58:56.99 ID:rZ17Z8UTo
野良アライちゃん2「おまえー!おまえのせーでだいしゅきなおねーしゃんがつれてかれたのりゃ!はぐがぶぅ!」ガブゥ
野良猫「に…ぁ…」
野良アライちゃん2は、飛び出ている内臓に噛みついた。
野良アライちゃん2「くってやゆのりゃ!ふんぐぅぅーーーっ!」ミリミリ
野良猫「ぎ…にゃ…」
野良猫の腸を食いちぎろうとする野良アライちゃん2。
もしもこいつを追っ払ったとしても、もうこの野良猫が助かることはないだろう。
野良アライちゃん2「ふんぐぅぅ!」ブヂィ
野良猫「に…びゃ…」ブシュウドクドク
内臓の肉を噛みちぎった野良アライちゃん2。
野良アライちゃん2「くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ!!!!!あぐあぐあぐあぐあぐあぐ!!がぶがぶもぐもぐもぐもぐ!!!」クッチャクッチャ
野良アライちゃん2は、野良猫の内臓を次々と食い漁る。
野良アライちゃん2「おいちーのりゃあ!おいちーのりゃああっ!もぐもぐ!うおー!おにくぱわーみなにゆのりゃあ!」クッチャクッチャ
野良猫「」
野良アライちゃん2は、野良猫の内臓を食べるのに夢中になっている。
206 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 20:05:44.14 ID:rZ17Z8UTo
野良アライちゃん2は普段、路上で死骸を食べるときは、物音に気をつけていた。
何故なら、かつて自分の妹のうちの一匹が、死骸を食べるのに夢中で車に轢かれ命を落としたのを見たからだ。
野良アライちゃん2「もぐもぐもぐ!おまえのせーなのりゃ、ねこ!おにくになってちゅぐなうのりゃあ!」クッチャクッチャ
姉妹で生活する野良アライちゃん達にとって、姉妹の数とは『残機』に近い。
姉妹の死と共に、死なないための術をひとつ身に付けていくのである。
野良アライちゃん2「うれちーのりゃ!おねーしゃのかたきをうてて!もぐもぐ!てんごくのおねーしゃが!おまえをのろったのりゃ!ばちがあたったのりゃー!」クッチャクッチャバリバリムシャムシャ
207 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 20:20:21.03 ID:rZ17Z8UTo
だが。
野良アライちゃん2は、感情が昂っていた。
野良アライちゃん2は、姉の死にショックを受け、鷲に脅えるとともに憎んでいた。
敵を討ちたいと、頭の片隅で思っていた。
だが、あんな大きな鷲に敵うわけがない。
そのため、姉が連れ去られたのは野良猫のせいだということにして、
野良猫を当面の倒すべき仇としていた。
野良アライちゃん2「ざまみろなのりゃうんこたれー!もぐもぐもぐもぐ!(≧'u(≦ )」クッチャクッチャ
野良アライちゃん2は、野良猫への憎しみ、姉の仇(?)へ自身の手で止めをさせる喜び、美味しい肉をたらふく食える喜びで、頭の中がこんがらがっていた。
209 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 20:40:50.68 ID:rZ17Z8UTo
だから接近する自動車に気付けなかった。
無灯火の電気自動車「」ヒュイィーーーーーーンッ
野良アライちゃん2の尻尾「」グチャアアア
野良アライちゃん2「ぴぎっ!?」ビグゥ
運転手「ん!?なんか轢いたか!?やべ、電気つけ忘れてた」チカッ
自動車は去っていった。
野良アライちゃん2「っ…」ブルブルズキズキ
尻尾の真ん中あたりがタイヤの下敷きとなり、ぺしゃんこになっていた。
野良アライちゃん2「っ…ぴっぎいいいいいいいいいいぃいいぃいいぃぃぃっぃい!!!!!!」ゴロンゴロン
野良アライちゃん2「いぢゃああああああああああああああいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーっ!びぎゅううぅうぃいいいいいいーーーーーっ!」ブシャアアゴロンゴロン
野良アライちゃん2「いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーぢゃああああああああああああああああああああいいいいいいいいいいいいいいのりゃあああああああああああああーーーーーーっ!」ゴロンゴロン
野良アライちゃん2「の゛お゛お゛ぉ゛ぉーーーーーぁ゛あ゛んっ!!の゛お゛ぉ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーんっ!!!い゛い゛ぢゃあ゛あ゛い゛ぃーーーーっ!」ピギイイィィジタバタ
野良アライちゃん2は、尻尾の激痛でのたうち回っている。
なんたって、尻尾には神経も血肉も骨も脊髄も通っているのである。
…実際は、肉体と尻尾の間に体組織としての連続性はなく、『血肉の入った着け尻尾』のような状態らしいが…。
野良アライちゃん2「ぎびゃあああああああああ!ああいぢゃいい!いぢゃいいぃい!びぎゅううぅ!きゅるるうぅぅううっ!」ビエエエエエエン
野良アライちゃん2は大泣きしながら、激痛に苦悶している。
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 20:48:19.73 ID:tY9JPNtp0
やったぜ
アライちゃんの分際で猫にあたるからだ
211 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 20:48:25.95 ID:rZ17Z8UTo
野良アライちゃん2「うゆ…うゆうぅう…!かえゆ…おうぢがえゆうぅぅ…!」ブルブルズキズキ
こんな状態では、野良猫の肉を食うどころの話ではない。
野良アライちゃん2はヨチって巣へ帰ろうとした。
しかし…
野良アライちゃん2「うゆうぅ…!?すすめない…すすめない…のりゃあっ…!」ブルブル
頭がアンバランスなほどデカいアライちゃんにとって、尻尾はヨチヨチ歩きするために必須の重心バランサーである。
それがない以上、野良アライちゃん2にヨチヨチ歩きはできないのである。
野良アライちゃん2「う…うゆうぅう…!もーだめなのりゃあ…!」ブルブル
野良アライちゃん2は、自分の尻尾がまた生えてくることを知らない。
故に、自分はもう一生歩けなくなったと勘違いしているようだ。
野良アライちゃん2「じにだぐないいいぃいい!しにだぐ…ないのりゃああっ…!」ゴロンゴロン
野良アライちゃん2は涙を流しながら、横にゴロンゴロンと転がって進む…。
213 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 20:54:35.83 ID:rZ17Z8UTo
~翌日、公園~
女児1「おばさんはペットは飼わないんですか?」スタスタ
公園おばさん「いや~ペットはねえ。家の中毛だらけになってお掃除大変だし。家の中でオシッコでもしたら最悪よ~」スタスタ
公園おばさんは、公園の野良動物への餌を持っている。
公園「それに私には、公園にいる可愛い可愛い猫ちゃん達やアライちゃん達がいるものね~」スタスタ
女児2「おばさん、ほんとーにどーぶつおもいで優しいね~!」
公園おばさん「そうでしょう、ふふん」スタスタ
そしていつもの餌付け場にいくと…
野良アライちゃん2「う…うゆうぅ…」ブルブル
公園おばさん「…!?アライちゃん!?どーしたのその傷!?」
…尻尾が潰れた野良アライちゃん2が倒れていた。
215 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 21:04:39.11 ID:rZ17Z8UTo
野良アライちゃん2「うゆうぅ…おばしゃ…!ありゃいしゃんの、ちっぽ…だめになっちゃったのりゃあ…!あゆけなくなっちゃったのりゃあ…!」ウルウル
公園おばさん「まあ、可哀想に…」
野良アライちゃん2「おねーしゃんは、おっきなとりにつれてかれちゃったのりゃ…!きっともうたべられてゆのりゃ…!」ウルウル
女児1「ひ、ひどい…!」
野良アライちゃん2「おねがいなのりゃあ…!ありゃいしゃん、このままじゃしんじゃうのりゃあ、ききなのりゃあ!だいしゅきなおばしゃん…!」ウルウル
野良アライちゃん2「かーいいかーいいありゃいしゃんを、たしゅけてぇ…!」ウルウルシクシク
公園おばさん「…」
女児2「…かわいそう…」
公園おばさんの選択は…
217 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 21:13:09.13 ID:rZ17Z8UTo
公園おばさん「もちろん良いわ!あたしが助けてあげるよ!おーよしよし」ガシィ
公園おばさんは、野良アライちゃん2をタオルでくるみ、籠へ入れた。
もう血は止まっているようだ。
野良アライちゃん2「う…ゆぅ…!おばしゃあん…!ありがとなのりゃあ…!おばしゃんはいのちのおんじんなのりゃあ…!」ウルウル
女児1「おばさん…ほんとに『善い人』だね…!」
女児2「優しい!」
公園おばさん「すぐにお家に行きましょ!おばさんが絶対、可愛い可愛いアライちゃんのこと助けてあげるからね!」スタスタ
公園おばさんは、野良アライちゃん2を籠へ入れ、自宅へ向かった。
野良アライちゃん2「う…ゆ…おばしゃん…おねがいあゆのりゃ…!」ウルウル
公園おばさん「何かな?」スタスタ
野良アライちゃん2「おかーしゃが…、もうしゅぐ、うんとさむくなゆって、いってたのりゃ…」ブルブル
野良アライちゃん2「もし、けががなおっても…、あったかくなゆまで、かぞくにちてほちいのりゃ…!」ウルウル
公園おばさん「いいよ!アライちゃんは優しくて良い子だからね!ちゃんと大人しくするんだよ!」スタスタ
野良アライちゃん2「やったのりゃあ!≧∀≦おばしゃんだーいしゅきなのりゃあ!」フリフ…
野良アライちゃん2は尻尾を振ろうとしたが…
潰れた尻尾「」ベギィ
野良アライちゃん2「いっっぢゃあああああいのりゃああああああっ!」ビエエエエエエン
尻尾の傷は悪化したようだ。
公園おばさん「待っててね!もう少しだから…!」タタタタッ
通行人「ん…あれは…?ああ、ペットが怪我したのかな…」スタスタ
公園おばさんは、通行人とすれ違った後、自宅へ入っていった…。
219 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 21:21:30.43 ID:rZ17Z8UTo
もしもこの世界に、あらゆる罪を絶対に裁く、機械仕掛けの神がいたならば…
野良アライちゃん2という、鉢のダリアを食い荒らした害獣は、天罰により裁かれていたであろう。
もしもこの世界に、あらゆるアライさんの運命を操り絶対に死へ誘うアライさん嫌いな神がいたならば…
野良アライちゃん2といわず、日本中の全てのアライさんが、今頃何らかの形で死んでいたであろう。
しかし、現実は違う。
毎年野良アライちゃんは繁殖し、インターンシップを生き残った野良アライちゃん達が森に戻って生息分布を広げている。
そう。
いくら野良アライちゃんが罪を重ねようとも、
いくら悪行をしようとも。
それを裁く神などいない。
生き残る奴は、生き残ってしまうのである。
そして、一度このように人間の保護下に入ってしまえば、外敵から守られるし、越冬も安全にできる。
もしもこの野良アライちゃん2が生き残り、成長し、森に戻って子供を産めば…
きっと自分の子にも、『人間は全てが敵というわけではない。うまく可愛がられれば味方になる』と教えるだろう。
こういった旨味があるから、野良アライちゃん達は、人に媚びるのである…。
223 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/06/03(日) 21:37:09.36 ID:rZ17Z8UTo
花好きおばさん「……」スタスタ
花好きおばさんは、近くのスーパーに向かって歩いていた。
途中、何人かの通行人とすれ違った。
そこへ…
ギャル「お散歩たのしい?パンサー、ティアライ」スタスタ
豹柄の猫「にゃ~」トテトテ
ティアライちゃん「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチ
…猫とアライちゃんを連れたギャルが通りかかった。
どちらもきちんと首輪にリードが繋がれている。
花好きおばさん「…」
ギャルは通りすぎていった。
花好きおばさん「猫…アライちゃん…どっちも大嫌いだ。野良といわず、ペットも含めて全部いなくなればいいのに…」スタスタ
野良アライちゃんがいる限り、これからも花好きおばさんのような被害者が出るのであろうか…。
最終更新:2018年07月24日 22:07