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ダブルテツヤと餌付けアライちゃん・後編

398 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 22:50:27.24 ID:Wbt/Nb+AO
ガンソテツヤは、アライボウの代わりに、大きな袋を持っている。

先程仕留めた2匹のアライちゃんを、ビニール手袋で掴み、袋へ入れた。

男児達は、鞄にアライボウを潜ませ、公園や路地裏、墓場など、様々なところでアライしゃんを探した。

すると、路地裏に…

野良アライちゃん6「なのりゃ~」ヨチヨチ

アライちゃんがいた。

男児兄「お、害獣発見!」ジャキィ

男児兄は、それに向かってアライボウを放った。

矢「」ヒューン ガンッ

矢はアライちゃんの背後のレンガの壁に当たった。

野良アライちゃん6「ぴぃ!?」ビクゥ

男児兄「あ~くそ、外れた!」

男児達は、射撃の訓練などしていない。

ただのクロスボ…否、アライボウでは、距離が5メートルも離れていたら、当てる方が難しい。

野良アライちゃん6「こ、こあいのりゃああああ~~っ!ぴいいぃぃ!」ヨジヨジヨジヨジヨジヨジ

野良アライちゃん6は、レンガの壁を這い登っていく。


399 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 22:55:33.04 ID:Wbt/Nb+AO
ガキ大将「逃がすかよ!」ジャキッ

オカルテツヤ「ここで死ぬんだゾお前は」ジャキッ

男児弟「うぅ…僕もやるの…?」ジャキッ

だが、アライボウを持った三人の男児が、次々と野良アライちゃん6に狙いを定めた。

野良アライちゃん6「うぅ~もーしゅこしでかべのむこーなのりゃあ!わっちぇ!わっちぇ!」ヨジヨジヨジヨジ

ガキ大将「死ねぇ!」ビシュ

オカルテツヤ「処刑!」バシュ

男児弟「えい!」ドシュゥ

三本の矢が次々と野良アライちゃん6に向かって飛んでいく。

矢「」グサブシャアア

野良アライちゃん6「びぎゃあああああああああっ!」ブシュウゥウ

オカルテツヤ「おお、やった!」ガッツポーズ

オカルテツヤが放った矢が、野良アライちゃん6の腰を貫き、下腹まで貫通した。

野良アライちゃん6「びぎっ!」ヒュー ボトッ

野良アライちゃん6は、壁を登りきる寸での所で、アスファルトへ落下した。


400 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 22:59:25.99 ID:Wbt/Nb+AO
野良アライちゃん6「びぃぃい!ぎっぴぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!いいいいぢゃああああああいいいいいいいいいいいいいい!!ぼしゅだぢゅげでええええっ!」ピギイイジタバタ

野良アライちゃん6は、腹と背中から血をどくどく流しながら絶叫し暴れている。

オカルテツヤ「とどめを刺してやるゾ…!」ヌッ ジャキィ

オカルテツヤは、野良アライちゃん6の右の脇の下へ、斜めにアライボウを突きつけた。

オカルテツヤ「ガキ大将、左からやって」

ガキ大将「お、おう!」ジャキィ

ガキ大将は、野良アライちゃん6の左の脇の下へ、斜めにアライボウを突きつけた。

野良アライちゃん6「びぎゅぅううううう!!ひどいいい!ひどいのりゃあああ!ありゃいしゃんがおまえらになにちたってゆーのりゃああ!なんにもぢでないだろおぉ!うぅううう!いぢゃああああいいい!」ポロポロ

野良アライちゃん6はわんわんと泣いている。


401 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 23:09:22.50 ID:Wbt/Nb+AO
オカルテツヤ「いっせーのでいくゾ」

ガキ大将「おう!」

野良アライちゃん6「やべでえええええええ!びぃいいいい!いぢゃいのもーやなああああああああ!おがあああしゃあああああんんっ!おがあああああああしゃああああああああーーーーーーーーーーんっ!やなああああああーーーー!やなああああああ!」ピギイィイイイイイイシッポブンブンブンブンブンブンジタバタジタバタジタバタビエエエエエエン

オカルテツヤ&ガキ大将「「いっ、せー…」」

オカルテツヤ&ガキ大将「「のっ!」」ガチッ バシュッ

二人は同時に、野良アライちゃん6の脇の下へ至近距離からアライボウを放った。

野良アライちゃん6「がびゅっ!」ドズグシャアアア

脇の下へ射たれた2本の矢は、胸の中でクロスして、鎖骨のあたりから突き出た。

野良アライちゃん6「」ブシュウゥウ ビグッ ビグッ

オカルテツヤ「これがアライ磔刑だゾ」

男児兄「おおおおーー!すげえーー!」

オカルテツヤ「ふふん」ガッツポーズ

小~中学生の男子には、希にこのように、自らの残酷性をまわりにアピールする子がいる。

彼は、自分の残酷さを強さとして周囲にひけらかし、凄い奴だと一目置かれたがっているのである。

『自分はこんなに残酷で強いんだぞ、凄いだろう。もっと僕を尊敬しろ』という考えだ。

もっとも、こんなイタい勘違いアピールは、高校に入る前に大抵の人がやめてしまうので、そんなに問題はない…はずだ。


403 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 23:15:11.35 ID:Wbt/Nb+AO
男児兄「いや~しかし、なかなか当たらないな。アライボウなんて今日初めて射ったし」

ガキ大将「ああ。普段は親父が物置にしまってるけど、俺もなかなか触る機会ないんだよな~」

オカルテツヤ「ボクも、アライボウ触ると母さんに怒られるし…楽しいゾ」

ガンソテツヤ「いや~爽快だねえ。ほいっと」ヒョイ

ガンソテツヤは、トングで野良アライちゃん6の死骸を拾い、袋へ投入した。

男児弟「あ…ぼ、僕、お使い頼まれてたんだった。ごめん、先に帰るね」スタスタ

一同「ああ。おつかれ~」

男児弟は、一足先に帰ったようだ。

男児兄「弟が抜けた分、俺が2倍仕留めるぜ!」

男児一同は、雑木林へと進んだ。


404 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 23:25:49.66 ID:Wbt/Nb+AO
雑木林を練り歩くが…

男児兄「なかなかアライしゃん見つからないな~」スタスタ

ガキ大将「どこにいるんだ?」スタスタ

オカルテツヤ「塾メガネのパン屋のうらみ…晴らさでおくべきか…」スタスタ

ガンソテツヤ「ん!あそこ…」スッ

一同は、雑木林の一本の木を見る。

すると…

野良アライちゃん7「たっまご♪たっまご♪」ヨジヨジ

野良アライちゃん8「おっいちーたっがも♪」ヨジヨジ

野良アライちゃん9「とーりしゃんのたっまご♪」ヨジヨジ

野良アライちゃんが3匹、木を登っていた。

鳥の巣に向かっているようだ。

秋に鳥の卵などあるわけがないが、雛か何かを狙っているのだろう。

男児兄「いくぜー!」ジャキィ

ガキ大将「ぶっ殺す!」ジャキィ

2人は、アライちゃんに向かってアライボウを向けた。

その時…



野良猫「ウニャアアアア!」バッ

木の反対側から、野良アライちゃん達へ向かって突然野良猫が飛びかかった。

野良アライちゃん7~8「「「!?」」」


405 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 23:29:18.21 ID:Wbt/Nb+AO
男児兄「あっ」バシュ

ガキ大将「あ」バシュ

あまりに突然のことだった。


それは、二人が木に向かって矢を放つのと同時のタイミングだった。





矢×2「」ドズゥ ドズゥ

木「」グサグサ

野良猫「フギャ!?」ビクゥ

野良アライちゃん7~9「ぴぃ!?」

放たれた矢は、2本とも木に突き刺さった。

猫にも野良アライちゃんにも当たらなかった。

野良猫「フ、フギャアアア!」ザザザ

野良アライちゃん7~9「にげゆのりゃああ~!」ヨジヨジヨジヨジヨジ

放たれた矢を見て、猫とアライちゃん達は逃走した。


406 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 23:32:05.94 ID:Wbt/Nb+AO
ガキ大将「あ…あっぶねえ…」アセダラダラ

男児兄「野良猫に当たるとこだった…」アセダラダラ

野良アライちゃん達は、木の裏側に隠れたようだ。

オカルテツヤ「反対側に回り込むゾ!」タタッ

オカルテツヤは、野良アライちゃん達を射つため、木の反対側に回り込んだ。


キノコ採りおじさん「こらァアアーーー!!何しとるお前らぁああ!」

一同「「!?」」ビクゥ

突然、背中にキノコ入りの籠を背負ったおじさんが現れ、怒鳴ってきた。


407 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 23:36:19.13 ID:Wbt/Nb+AO
キノコ採りおじさん「アライボウなんぞ持ちおって!危うくわしに刺さるとこじゃったぞ!回りもよく見んでバンバン射ちおってからに!」ガミガミ

一同「…」

四人の男児は、説教を食らっている。

キノコ採りおじさん「親にアライボウなんか使うなって言われておらんのか!それでイタズラして毎年あちこちで怪我人や死傷者が出とるってテレビや新聞で言われとるじゃろうが!見とらんのか!近頃じゃ強盗にも悪用されとるんじゃぞ!」ガミガミガミガミガミガミ

一同(説教なげえ…)

キノコ採りおじさん「聞いとるのかわしの話を!」

ガキ大将「あいあいきーてますぅ」ポリポリ

一同は、一刻も早くおじさんが説教を終えることを待っている。


409 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 23:43:24.29 ID:Wbt/Nb+AO
キノコ採りおじさん「だいたい何がアライボウじゃこんなもんただのクロスボウじゃろが!こんな危ないもんホームセンターで売っとる世の中は間違っとる!誰でも買えるなんておかしいわ!」ガミガミガミガミ

一同(それ俺らのせいじゃないだろ…)

キノコ採りおじさん「わしらの若い頃なんてアライボウなんぞ要らんかったぞ!」ガミガミガミガミ

一同(その頃アライさんいなかっただろ…)

キノコ採りおじさん「ったく、わかったか!今お前らが射った矢が猫やわしに刺さらんかったのはただの幸運じゃ!二度も三度もやったら絶対怪我人出るぞ!これに懲りたらもうアライボウなんぞ使うんじゃないぞ!分かったか!」

一同「あ~い」

キノコ採りおじさん「ったく今頃の若いもんは…」ノソリノソリ

キノコ採りおじさんは去っていった。

一同「…」



男児兄「はぁ~…やっと終わったよ」ハァー

ガキ大将「説教なげ~…くそうぜ~…。なんだあの上から目線。偉そうに…」ハァー

オカルテツヤ「喋ってる最中にアライボウ向けてやろうかと思ったゾ」ハァー

ガンソテツヤ「行こ行こ。あんなの無視無視。邪魔者はいなくなった」ザッザッザッ

一同は、雑木林から移動し、野良アライ狩りを続けるようだ。


412 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 23:52:28.45 ID:Wbt/Nb+AO
~お寺の敷地内~

野良アライちゃん10「うゆぅ~かきたべゆのりゃ!」ヨジヨジ

ガキ大将「しねえ!」バシュ

野良アライちゃん10「ぶぎゅぅ!」ブシャアアア

ガキ大将「やったぜぇー!」

野良アライちゃん10「がびゅ…ぶ…」ドチャッ ドクドク

お坊さん「こら!!境内で殺生をするな!!!!なんだそんな危ないもの持って!」

ガキ大将「やべ、見つかった!行くぞ!」タタッ

ガンソテツヤ「お邪魔しましたー」ヒョイガサガサスタタター

男児兄「何だよ、害獣駆除してやったのに~!わけわかんねー坊さんだな!」スタコラサッサ

オカルテツヤ「アーメン」スタコラサッサ

お坊さん「…死骸片付けるのはいいけど…地面の血を拭いていけー!」


414 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/30(木) 23:58:14.46 ID:Wbt/Nb+AO
一同は、重たくなった袋を引きずり、鞄にアライボウを隠し持って夕暮れ時の街を練り歩く。

男児兄「ふぅ~疲れた~。もう夕方かぁ」スタスタ

ガンソテツヤ「袋が重い…」ズルズル

オカルテツヤ「そろそろ帰らなきゃ。でも、目当てのアライさんが見つかってないゾ…」スタスタ

ガキ大将「あーでも楽しかったな!立派に人の役に立ってる感じがするよ!またやろうぜ!」スタスタ

男児兄「ああ!」

男児弟「…」スタスタ

男児兄「お?さっき抜けた弟じゃん。お使い終わったのか?」

男児弟「…ごめん」

男児兄「え?何が…」






男児母親「みんなこんばんは~^^#」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

一同「」


415 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/31(金) 00:03:24.31 ID:eHewRIK/O
そこにいたのは、男児母親だった。

大きなキャリーケースを引いている。

男児兄「あ、ああ、母ちゃん…。今晩のごはん何?」アセダラダラ

男児母親「お父さんがねー。しまっておいたアライボウが無いって騒いでるけどー、知らない?」

男児兄「…さ、さあ?ところでそのキャリーケース何?」アセダラダラ

男児母親「見てみる~?」ガチャ

キャリーケースの中には。二つの大きな袋が入っていた。

袋はどちらも、何かが入っている。
まるで、そう…

丁度、アライしゃんが1匹ずつ収まっていそうなサイズだ。

男児母親「仕事で駆除したの~♪」

ガキ大将「へえ~!凄いですねー!じゃあ俺帰りますんで!じゃ…」

男児母親「みんな何して遊んでたのかな~?」

一同「」アセダラダラ


416 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/31(金) 00:10:04.98 ID:eHewRIK/O
男児母親「ガンソテツヤくん、いつも息子達がお世話になってるね~♪その大きな袋は何に使ってるのかな~?」

ガンソテツヤ「サンタクロースごっこですよ」

男児母親「ふぅーん♪中のプレゼント見てみたいなぁ~♪」

ガンソテツヤ「子供の夢が詰まってるからダメです。抜けて出ていっちゃいますよ」

男児母親「7匹か。ずいぶんドンパチやったのねえ」

ガンソテツヤ「!?」

男児母親は、驚くべきことに、中が見えないはずの袋に詰まった死骸の数を、正確に言い当てた。

男児母親「街の人達から聞いたよ~?アライボウ持ってあちこちでドンパチやってる子供達がいるって」

一同「」アセダラダラ

男児母親「…学校で言われてるよねえ、アライボウ使っちゃダメだって」

一同「」


417 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/31(金) 00:15:45.58 ID:eHewRIK/O
男児兄「…そそ、そんなの持ってないし」アセダラダラ

男児母親「じゃあみんな、鞄の中身み~せ~て~♪…何も無いなら潔白を証明できるよね~♪」

オカルテツヤ「そ、それは…ぷ…プライバシーの侵害だゾ!」アセアセ

男児母親「あら~♪難しい言葉知ってるのねえ、お勉強頑張ってるのね~♪」

ガキ大将「そ…そうだそうだ!見せる義務ねーし!」アセアセ

ガンソテツヤ「個人情報漏洩はダメでーす!」アセアセ









男児母親「 立 場 分 か っ て 言 っ て ん の ? 」

一同「ごめんなさい(土下座)」


アライ攻略パーティは、魔王の一喝で解散した。


418 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/31(金) 00:23:40.30 ID:eHewRIK/O
~翌日~

教師「反省しなさい!!!」ガミガミ

一同「すいませんでした」ペコリ

教師「もう行きなさい。次は気を付けなさい」

一同「は~い」ガラッ

一同「…」


ガキ大将「はぁ~…説教長かった~」

男児兄「派手に動きすぎたのかな…」

ガンソテツヤ「次はばれないように、アライボウ無しでやろう」

オカルテツヤ「反省だゾ…」


419 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/31(金) 00:26:38.33 ID:eHewRIK/O
女児1「ちょっと!!!!公園にアライちゃん来なくなったんだけど!!」ツカツカツカツカ

オカルテツヤ「…!!」

女児2「あなた達が殺したんでしょ!最低最悪ゴミクズ!!!」ツカツカツカツカツカツカ

ガキ大将「ば、ばれてる!」

女児3「ガンソテツヤ君のこと信じてたのに!!可愛いアライちゃん殺すなんて!!信じらんない!!」ガミガミガミガミ

ガンソテツヤ「うっ…」

女児4「あんたたちもアライボウ刺されて死んじゃえ!!」

男児兄「うぬぬ……」




教師「野良アライちゃんに餌付けするな!!!」

女児1~4「ごめんなさい」


420 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/31(金) 00:27:11.48 ID:eHewRIK/O
つづく


最終更新:2019年02月10日 22:43