アラ助と蚕と

538 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 22:21:00.04 ID:I4fI14lDo

~ある休日~

絹男「なあ飼い主男、うちの蚕小屋に害獣が住み着いてるみたいなんだ…。いい業者知らねえか?」

飼い主男「害獣…やっぱりアライちゃんか」

絹男「そーなんだよ!あークソ!」

飼い主男「うーん…ネットで探してみたか?」

絹男「ああ…でも高いんだな、ああいう業者に頼むと」

飼い主男「ケチってても仕方ないだろ…」

絹男「うー…!…とにかく見に来てくれよ!」

飼い主男「ふむ…そうだ。うちのペット連れてっていいか?何かの役に立つかも」

絹男「ああいいぞ、害にならないならな…」

飼い主男は一旦家に戻ると、アラ助を車に乗せて、絹男の蚕小屋へ向かった。


539 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 22:26:46.85 ID:I4fI14lDo
~蚕小屋~

アラ助「おおー!はじめてかいだにおいなのりゃー!ここなんなのりゃ?」シッポフリフリ

飼い主男「ここは蚕小屋。虫を育ててるんだ」

アラ助「むししゃん?」シッポフリフリ

絹男「うわ、見ろよ!糞が落ちてやがる!どこだ…?やっぱ住み着いてんだ…」

アラ助「なのりゃー」ヨチヨチ

アラ助は、蚕小屋の柱を登ろうとするが…

アラ助「う~」コスリコスリ

ヨチライフ手術済みのペットアライちゃんであるアラ助に、木登りはできない。

飼い主男「見るか?よっと」ヒョイ

アラ助「おおー!」

アラ助の目の前には…


蚕たち「むしゃむしゃ…」ウゾウゾ


…大量の蚕が、桑の葉を貪っているのが見えた。


540 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 22:30:45.09 ID:I4fI14lDo
アラ助「むしいーっぱいいゆのりゃあ!」

アラ助は興味津々なようだ。

アラ助「かいぬししゃん!あのむしどーしゅゆのりゃ?たべゆのか?」シッポフリフリ

絹男「チッ(舌打ち)」

飼い主男「違う違う。食べ物じゃない。こいつらは成長すると、繭を張って蛹になるんだ」

アラ助「さなぎ…」

散歩中に、芋虫や蛹を見たことがあるアラ助。

アラ助「これちょーちょになゆのりゃ!?きれーにぱたぱたとぶのりゃ~!≧∀≦」シッポフリフリ

飼い主男「…」



絹男「…いいや、飛べねえよ。こいつらは」

アラ助「うゆ?なんでなのりゃ?」クビカシゲ


541 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 22:42:10.42 ID:I4fI14lDo
絹男「見ろ、これが繭だ。この繭を取って、糸にするんだ」スッ

繭「」

絹男は、窓際で天日干しにされ乾燥させられている蚕の繭をいくつか見せた。

どうやら今は、蚕の終齢幼虫が繭になりはじめる時期らしい。

アラ助「おおー!きれーなのりゃ!これをぶちやぶっておとなのちょーちょでてくゆのりゃ!」シッポフリフリ

アラ助は繭から蚕の幼虫達へと視線を移した。

アラ助「あれはあかちゃんなのりゃ!あらしゅけとおんなじなのりゃ~!いっぱいごはんたべておーきくなって、りっぱなおとなになゆのりゃー!≧∀≦」ワクワク

絹男「いやいや。こいつらが立派な大人になったら…繭が破れちまうだろ」

アラ助「うゆぅ」コクコク

絹男「そうしたら糸は取れない。せっかく今まで育ててきたのが水の泡だ。だから…」



絹男「…殺すんだよ、こんな風に」パッ

繭たち「」ボチャンボチャンボチャン

繭は、お湯を張ったタライに落とされた。

アラ助「ぴっ…!?」ビクゥ

蚕に自己投影していたアラ助は、突然の出来事にビビった。


542 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 22:51:16.76 ID:I4fI14lDo
繭「」プカプカ

これらの繭は、10日目あたりに冷凍され、その後乾燥させられていたものである。

つまり、お湯に沈められる前からとっくに死んでいた。

アラ助「うゆうぅ!?なんで!?なんでこよちたのりゃあ!?おとなになゆとこだったのにぃい!?」

アラ助は、自分の姿を重ねていた蚕が目の前で殺された(ように見えた)ためか、ひどく狼狽えている。

アライさんは、人間に比べて共感能力が低い生き物である。

だがそれでも、幼い頃は育ての親に可愛がってもらうために、それなりに顔色を伺う力はある。

すなわち、幼い頃は、成体よりも共感能力が強いといえる。

絹男「さっき言っただろ。こいつらは大人になっちまったらもう価値がなくなるんだ。そうなる前に…価値があるうちに殺すんだ。糸をとるために」

アラ助「で、でも、でも!そのいもむしは!おとなになゆためにごはんくっておーきくなったのりゃ!そのまゆも、うぅ、おとなになりたいからつくったんじゃないのりゃ…?」コスリコスリ

飼い主男「…アライちゃんもいろいろ考えるんだな…意外だ」



543 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 22:52:00.98 ID:CNZ+0mwJo
どんな虫かと調べたけど蚕って成体になっても飲み食いしないで交尾した後ぐ死んじゃうのか…

544 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 22:57:19.08 ID:mWN5hfXno
蚕はゆりかごから墓場まで人間の助けなしでは生きることができないからね
ペットアライちゃんも一緒だね



545 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 22:58:24.06 ID:I4fI14lDo
絹男「…そうかもな。こいつらは、大人になりたいのかもな」

アラ助「な、なら…!」

絹男「さっきから何度も言ってるが…だからといって、こいつらが大人になりたいからといって…大人になられると、困るんだ」ホグシホグシ

絹男は、繭をほぐして絹糸をとっている。

ほどけた繭から、ミイラのようになった蛹がぼろりとこぼれ、お湯にぷかぷかと浮いた。

絹男「確かにこいつらが葉っぱを食い、繭を作るのは、大人になるためだろう」

絹男「俺たちは、それを利用する。こいつらが大人になろうとするために作る『副産物』である繭…。それだけが欲しい。その『副産物』をとるためだけに、こいつらを育てている」


546 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 22:59:50.68 ID:I4fI14lDo
アラ助「う、うゆうぅ…わかんないのりゃあ…」ピヨピヨ

アラ助はそろそろ話についてこれなくなっている。

しょせんは幼獣、赤ちゃんの頭である。
あまり難しい話をされるとついてこれないようだ。


547 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 23:08:17.66 ID:I4fI14lDo
飼い主男「…絹男、あんまりそういう話は…」

絹男「おっと、まずいか?」

飼い主男「…もし蚕たちが自分が育てられている理由を知ったら、みんな一目散に逃げていくかもな」

絹男「はは、違いないな。自分が殺されると分かっていたら、こんなとこいられないだろ」

飼い主男「だが、こいつらにそんなことは気付けはしない。餌を与えられ、大事に育てられているのは、立派な大人に育てて貰うためだと信じて疑わない」

絹男「虫にそんなこと考える頭はねえだろうけど…まあ、そういうことだな。だからこそ、逃げ出さずに小屋の中で大人しくしているわけだ」

絹男「…もっとも、逃げようにも逃げられないだろうけどな。きちんと囲って、脱走防止はしてるから…。ま、逃げないだろうけど」


548 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 23:16:35.32 ID:I4fI14lDo
アラ助「うゆぅ…かいぬししゃん…」ヨチヨチ ギューッ

アラ助はなんだか怖くなり、飼い主男の足にしがみついた。

飼い主男「おーよしよし」ヒョイッ

飼い主男は、ハムスターよりちょっと大きい程度のサイズであるアラ助を拾い、優しく胸に抱いた。

アラ助「な~のりゃ~♪かいぬししゃん、しゅきしゅきなのりゃあ~♪」スリスリ

飼い主男「おーよしよし。可愛いなぁ」ナデナデ

アラ助は、大好きな飼い主にたくさん甘えた。

どんなに不安でも、どんなに怖いことがあっても。

飼い主は自分を守ってくれる。

己が非力で、一人では生きられない、脆弱な存在だと自覚しているアラ助。

自分を育ててくれている飼い主男が、本当に本当に大好きなようだ。

もっと飼い主に愛されたい。

もっと飼い主に可愛がられたい。

だからアラ助は、芸を覚えたり、飼い主の機嫌を取って、気を引く。

飼い主に好かれるために。

いや…



…自分が、生きていくために。


550 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 23:20:51.72 ID:I4fI14lDo
飼い主男「えーと、で…」

絹男「ああそうだ。アラ助…だっけ?お前鼻いいんだろ。これと同じニオイ、どっかからしてこないか?」スッ

絹男は、床に落ちている糞を指差した。

飼い主男「どうだ?」スッ

飼い主男は、アラ助を床に置いた。

アラ助「ん?くんくん…」クンクン

アラ助は、大便のにおいを嗅いでいる。

アラ助「うぅ~…?こっち、なのりゃ…?」ヨチヨチヨチヨチ

アラ助は、小屋から出ようとしている。

絹男「んん…?」ノソリノソリ

飼い主男「…」ソソクサ

二人は、足音を立てないようにしてアラ助のうしろをついていく。


551 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/25(木) 23:25:37.08 ID:I4fI14lDo
アラ助「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

アラ助は、小屋の裏…納屋の方へ向かって這っている。

やがて、納屋の壁のとこで急に止まった。

アラ助「きゅるるるる!おともだちなのりゃ?」コスリコスリ

アラ助は、小屋の壁に向かって喋りかけた。

すると…

野良アライちゃん「うぅ?だれなのりゃ?はぐはぐ…」モゾモゾ

…壁の下の地面に空いた穴から、蚕の幼虫を咀嚼しているアライちゃんが、ぬっと顔を出した。


566 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/27(土) 19:45:12.43 ID:w9CPwb5KO
アラ助「のりゃー!ありゃしゅけとおんなじかおなのりゃ!」シッポフリフリ

野良アライちゃん「うぅ~、かわったにおいなのりゃ」クンクン

野良アライちゃんは、巣穴から這い出てきた。

アラ助「いっしょにあそぶのりゃー!≧∀≦」シッポフリフリ

野良アライちゃん「うぅ?あそぶのか?あそぶのりゃー!くちゃくちゃ、ごっくん!」ゴクン

野良アライちゃんは、食ってる途中の蚕の幼虫を飲み込んだ。

アライちゃんは、野良もペットも遊ぶことが大好きである。

なぜなら、子供は遊ぶものだ…
…というアレではなく。

遊びとは、高度な知能を有する生き物にとって、知能の発達に必要不可欠な行為といわれている。

好奇心を充足させ、探求心を満足させ、新たな運動行動を身に付けたいという欲求。

それは即ち、『学習』を本能的に行うための習性といえよう。

野良アライちゃん「みんなー!でてくゆのりゃあ!おねーしゃん!いもーとぉー!」シッポフリフリ

野良アライちゃんは、穴の中へ向かって叫んだ。

野良アライちゃん2~4「なのりゃー!」モゾモゾモゾモゾモゾモゾ

穴から、3匹のアライちゃんがぞろぞろと這い出てきた。


567 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/27(土) 19:56:47.78 ID:w9CPwb5KO
…飼い主男と絹男の二人はその様子を、遠くからこっそり見ている。

絹男「な…!くそ、地面にいたのか…!天井裏や木の穴ばっか探してて、盲点だった…!」ヒソヒソ

飼い主男「…」

絹男は、アライちゃんが人間より耳のいい生き物であることを知っている。

自分が潜んでいることに気づかれまいと、小声でひそひそと呟いている。

…怒っているようだが、己を冷静に保っているようだ。

絹男「ぞろぞろぞろぞろと…!よくもうちの蚕たちを…!全員皆殺しに…」ヒソヒソ

飼い主男「…なあ」

絹男「なんだよ?」

飼い主男「…駆除するのはもう少しだけ、待ってくれないか?」ヒソヒソ

絹男「あ?なんで…」ヒソヒソ

飼い主男「…もちろん、あの野良どもがアラ助を虐めようとしたり、あの場から去ろうとしたら、すぐに駆除すればいい」


568 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/27(土) 20:00:53.81 ID:w9CPwb5KO
飼い主男「だけど…」

絹男「…」


野良アライちゃん「おにごっこしゅゆのりゃー!おまえおになー!」ヨチヨチヨチヨチ

アラ助「まてー!まつのりゃー!≧∀≦」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

野良アライちゃん2~4「ここまでおいでなのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチ



飼い主男「…あんなに楽しそうなアラ助の顔は、初めて見たよ…」

絹男「…」

飼い主男「…あいつは、仕事から帰って来た俺に、甘えて、じゃれついて、癒してくれる。どんなに職場の愚痴を吐いても、俺を全面肯定してくれる」

絹男「…話を理解してないからとりあえず頷いて媚を売ってるだけじゃねえか?」

飼い主男「『だとしても』。だとしても…。…いや、『だからこそ』か。…そんな風に、俺を何でも肯定してくれる者なんて、親も前の彼女にもいなかった」

絹男「…」

飼い主男「…俺は救われているんだ、あのペットに」

絹男「…」

飼い主男「だから、今だけは。アラ助への恩返しとして…。遊ばせてやることを許してはくれないか」

絹男「…」



飼い主男は、アラキレスの飼い主であるバイトのようなサディストではない。

ペ虐動画を投稿し続ける狂人卍のような、動物(?)虐待愛好者でもない。

この日本に生きるごく当たり前の感性を持った男性だ。

そんな彼には、たとえ相手が害獣であっても…。

自分のペットが楽しそうに一緒に遊んでいる『お友達』を、この場で即殺処分するという非情な判断はできなかった。


569 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/27(土) 20:10:02.44 ID:w9CPwb5KO
絹男「…ちょっと道具持ってくる。見張っててくれ」スタスタ

飼い主男「…ありがとう」

飼い主男は、野良アライちゃんを見張った。

いや…

ペットのアラ助を見守った。

もしも虐められるようなことがあったら、即座に駆け付けるつもりだ。



野良アライちゃん2「おまえあしおそいのりゃ!おにごっこよわいのりゃー」シッポフリフリ

野良アライちゃん3「おしゅもーもよわいのりゃ」シッポフリフリ

アラ助「うぅ~、だったら、しっぽのてにすしゅゆのりゃ!たあ~!」ペチッ コロコロ

アラ助は地面に転がっている松ぼっくりを尻尾で弾いた。

野良アライちゃん2「たあ~!たのちーのりゃあ!」ペチッ コロコロ

野良アライちゃん4「おぉ~!こんなおもちよいあそびはじめてなのりゃ!おかーしゃんもしらなかったのりゃ!」ペチッ コロコロ

野良アライちゃん3「いーおともだちができてうれしーのりゃあ!たあ~!」ペチッ コロコロ

アラ助&野良アライちゃん2~4「「たのちーのりゃあ~!≧∀≦」」



飼い主男「…」

アラ助の屈託のない笑顔。

それを見た飼い主は、やはり普段アラ助を退屈させてしまっているのだということを、嫌でも実感できてしまった。


570 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/27(土) 21:05:15.54 ID:w9CPwb5KO
野良アライちゃん3「おぉ~!このあそび、きのこしまいもよんでやゆのりゃあ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

野良アライちゃん3は、倉庫の壁の方へ向かった。

アラ助「きのこしまい?」

野良アライちゃん「しらないのか?このへんには、あらいしゃんたちのほかにも、もーひとりしまいがすんでゆのりゃ。それがきのこしまいなのりゃ!」

野良アライちゃん3「おーい、きのこしま…うゆ!?」ヨチヨチヨチヨチ

茸取りアライちゃん1「きゅるるる!おまえたち、さっきからおもしろそーなあそびしてゆのりゃ!」モゾモゾ
ヨチヨチヨチヨチ

倉庫の壁の下の地面に空いた巣穴から、アライちゃんがぴょこっと顔を出した。

どうやら先ほどから、アラ助たちの様子を伺っていたようだ。

茸取りアライちゃん2「ありゃいしゃんたちもまぜてなのりゃ~!」ガサガサッ ヨチヨチヨチヨチ

野良アライちゃん「うゆ!きのこしまいきたのりゃー!」

茸取りアライちゃん1「いもむししまい、それありゃいしゃんたちにもやらせゆのりゃあ!」シッポフリフリ

茸取りアライちゃん2「あっそび♪あっそび♪たのちーあそび♪」ヨチヨチシッポフリフリ

アラ助「すごいのりゃ、おともだちいーっぱいなのりゃあ!よーし、じゃあちっぽのさっかーやゆのりゃ!ずっとやってみたかったのりゃ!」

野良アライちゃん達「なにー!?もっとたのちーあそびあゆのかあ!?」キラキラ

野良アライちゃん達はキラキラと目を輝かせている。


571 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/27(土) 21:30:27.66 ID:w9CPwb5KO
1匹のペットと6匹の野良は、わいわいと無邪気に、楽しそうに遊んでいる。

絹男「…もうすぐ40分だ。もういいだろ。…ほら、パンくずだ」スッ

飼い主男「…ああ」ガシィ

絹男は、右手に持っているパンくずの入った袋を、飼い主男へ手渡した。

その左手には、なにかの道具を持っていた。

絹男「大丈夫か?虐められたり、共食いされたりしなかったか?野良アライちゃん達って共食いするんだろ」

飼い主男「…大丈夫だったよ」

絹男「…今日は助かった。いつかまたアラ助連れてきてくれ」

飼い主男「ああ」スタスタ

飼い主男は、パンくずを持って、アライちゃん達の方へ向かった。

野良アライちゃん「ぴぃ!?ひとしゃんなのりゃ!」ビクゥ

茸取りアライちゃん1「に、にげゆのりゃあ!」ビクゥ

野良アライちゃん達は、飼い主男が来たのに気づいた。
警戒し、逃げようとしている。

アラ助「うゆ、かいぬししゃん!だいじょーぶなのりゃ、かいぬししゃんはやさしくていだいなんだぞぉ!」ヨチヨチ

アラ助「かいぬししゃーん!のりゃっ!のりゃっ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ

アラ助は嬉しそうに飼い主男のほうへ這い寄ってくる。


572 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/10/27(土) 21:57:40.78 ID:w9CPwb5KO
つづく




最終更新:2019年02月12日 00:28