419: 名無しさん (ワッチョイ 2425-a190) :2019/07/12(金) 03:46:19 ID:ulRnjgQU00
まだ小さなアライちゃん、「アラりーな」は飼い主さんに連れられて自宅近くのショッピングモールに来た。
そのショッピングモールは大規模なリニューアル。それに合わせていくつものテナントが新しく開店した。少し前までは近郊の大規模店に客足を奪われていたが今日は久々に人でごった返していた。
そんな人だらけの場所でアラりーなは早々に飼い主さんとはぐれてしまう。
「のやー、かいのししゃん、どこいっちゃのりゃぁぁぁー!!」
ハーネスに取り付けられていたリードのフックは人ごみの中に引きずられ外れてしまった。
身長15cmにも満たないアラりーなはようやくよちよとたっちであんよが出来る様になったばかり。道行く人に踏み付けられずに飼い主さんを探すのは至難の業だ。
しかし運よくアラりーなはすぐ傍にあるアーケードの柱を見つけた。
唯一の特技と言っていい木登りの技を生かしてするすると木製の柱を登って行く。
アーケードの屋根まで上り切り、下を覗き込むが飼い主さんは見当たらない。
飼い主さんの目印、つばの大きな白い帽子を探すがどこにもいない。
「かいのししゃん、きっちょありゃりーにゃをしゃがしてゆのや!じぇったいありゃにーにゃがみつけゆのりゃ!」
アラりーなは初めての大冒険に勇気を振り絞り屋根伝いにモールをひた走る。
しかし強い日差しに当てられて段々とくらくらして来た。
喉も乾いた、こんなに探しているのに見つからないなんて、なんと出来の悪い飼い主なのか!?
アラりーなは心の中で一向に見つからない飼い主さんに悪態をついた。
とにかく日陰に入って休みたいのりゃ!水飲みたいのりゃ!そう思いきょろきょろと周囲を見やると運よく縁日コーナーで金魚すくいのビニールプールが目に入った。
「のりゃっ!おみじゅなのりゃっ!だいぶなのりゃぁぁぁ!」
無謀にも屋根からビニールプールに飛び込んだ!!
ばっしゃーん!
物凄い水しぶきを上げて着水する。幸いにも水が多めに張られていたおかげで大ダメージは避けられたが着水時にしたたかに腹を打ち軽く失神し、ぷかーっと水底から浮かび上がる。
プールに張り付いていた子供たちは突然の水柱に慌てて飛び退いた。
飛び散った水と一緒に結構な数の金魚がプールの外に投げ出されびちびちと跳ねまわっていた。
アラりーなはというとプールの真ん中で溺れかけの状態からようやく目を覚ました。
「がっぼ!がぼぼっ!のりゃぁー!がぼっ!」
起き上がりげほげほと飲み込んだ水を吐き出したがクールダウンも水分補給も出来た様だ。
「ふひー、ちんじゃうとこらったのりゃ・・・うゆ?」
足元ををきょろきょろと見回すと大量の金魚がいる。アラりーなはまじまじと金魚をみる。
その中でも一番大きいデメキンを捕まえるとまるまるとした腹に美味そうにかぶりついた!!
「ありゃりーにゃ、おなかしゅいてたのあー!おしゃかなしゃんだいだいだーいしゅきしゅきなのりゃぁー!んまっ!んまっ!あむあむあむあむあむあむあむー!!!」
デメキンの腹の部分、一番うまい部分だけを喰うと残りはぽいと捨てる。その後も次々と大き目の金魚だけを狙い掴み上げ腹の部分だけを喰いちぎってはポイポイとプールの外に放り投げる。
突然のことに茫然としていた女性係員がようやく我に返ってアラりーなを捕まえようと手を伸ばしたがアラりーなは爪を立て思いっきりの力で引っ掻いた!
「いった!ちょっと、金魚食べちゃダメよっ!」
傷つけられた手をかばいながらアラりーなを制止しようと声をかける。
しかしアラりーなは素早く手ごろな金魚のしっぽをつかみプールの外へ這い出した。
「ふはは!こりはありゃりーなのかりのせーかなのりゃ!うすのりょにはやなないのりゃ!ざまーみゆのりゃっ!!」
そういうとプールのへりから転がり落ち金魚を喰いながら柱を目指し走り去る。
よちよちあんよのアラりーなだが人ごみのおかげで係員は付いてこれない。
しかし踏まれずに移動するもの至難の業だ。大半の人々には小さなアラりーなは見えておらず、ピンチは続いている。
何とかアーケードの柱に取り付き人の手の届かないところまで上ると再び飼い主さん探し再開した。
しばらく辺りを探したが飼い主さんは見つからない。
が、替わりにアラりーなの目を引くものがあった。数人のピンクの着ぐるみウサギが配っている風船だ。
フワフワと浮いて不思議なのりゃー、もしかしアレに掴まれば空飛べるのりゃ?
子供の手を離れ空を昇って行く風船を見てアラりーなは閃いた。
420: 名無しさん (ワッチョイ 2425-a190) :2019/07/12(金) 03:47:43 ID:ulRnjgQU00
アラりーなは普段から空を飛ぶことに憧れていた。
すいすいと泳ぐ様に空を飛び、あのムカつくカアカア鳴く黒い奴やぴゅるるーっと鳴くあのデカくてヤバい奴をぶっ殺したいと常日頃から思っていた。
アラりーなの作戦が図に当たればあのフワフワを使って空を飛びさっくりと飼い主さんを見つけられ、しかもムカつく連中をぶっ殺せるかも、と考えた。
問題はあのデカくてキモいピンク色のケモノだ!
あいつからどうやってあのフワフワの束をかっぱらうかだ・・・・。
「むうーん、むじゅかちいもんだいなのりゃ!ありゃにーにゃがほんきだしぇばらくしょーでぶっころせりゅけりょ・・・てきがおおしゅぎなのりゃぁ・・・」
アラりーなは首を左右に傾げ腕組みをし悩んでいる、様なふりをしている。
が、どうせ大したことは考えていないだろう。
しばらくの間、悩んでいる自分を楽しんだあと、ようやくアラりーなはようやく結論を出した。
「あたっちぇくやけよ!なのりゃ!かいのししゃんもいっちぇたのりゃ!!」
顔を上げぐっと握りこぶしを作る。気分はすっかり中二病だ。
すくっと立ったかと思うと「のりゃぁー!!!」と一人のウサギのハリボテ頭に飛びついた。
ごすん!とした衝撃にウサギの中の人はうろたえた。
「な、なんだ!」
危うく風船を放してしまうところだった。しかし攻撃はこれで終わりではなかった。
ハリボテであることなどアラりーなは理解できる筈がなく、本能に従い唯一の武器である爪を立てウサギの両目に引っかけ一気に引き裂いた!
といってもプラスチックの目玉は表面に薄く傷がついた程度だった。が、立て続けに頭部に響いた衝撃はハリボテの被り物に増幅され中の人を慌てさせるには十分だった。
「おわっ!いったいなんなんだ!?」
頭に居る何かを追い払おうと両手を上げたところでアラりーなは風船を持った手に素早く飛び移る!するすると風船のひもに近づき抱え込むとひもを握ったウサギの手に思いっきり噛みつく!!
「いってぇ!!」
唐突な激痛にとうとう風船を手放してしまう。
アラりーなは風船にしがみつき中に浮いた!!
「やったのりゃ!ありゃりーなはそりゃのおおじゃなのりゃぁぁー!」
行き当たりばったりの作戦だったが図に当たり空を飛んだことで気が大きくなった。
しかし体重の軽いアラりーなが適当な高さで滞空することもなく、ましてや飼い主さんを探せる様な自由飛行など夢のまた夢。
アラりーなは風船の行くがまま、どんどんと高度をあげ風に煽られあらぬ方向に飛んで行く。
「のりゃっ!どこいくのりゃっ!かいのししゃんをさがしにいきゅのりゃぁ!」
アラりーなを乗せた風船は風に流されショッピングモールの上空から離れていく。
「のりゃぁぁぁん!たかいのりゃ!こわいのりゃ!だりかたしけてほしいのりゃぁ!」
「かいのししゃぁーん、たしけてぇー!はやきゅおよしちぇー!ちんじゃうのやぁぁぁ!」
グングン高度を上げる風船にアラりーなはもう恐怖しか感じていない。
「こんにゃことになっちゃのもかいのししゃんがいけないのりゃ!たしけにきてくえないかいのししゃんはそーめーなありゃりーにゃふしゃわしくにゃいのりゃ!」
もはや自力ではどうにもならないことを悟ったのか、ついにアラりーなは飼い主さんへの悪態を口に出し始めた。
「もうだえでもいいのや、ありゃりーにゃをたしゅけてなのりゃぁ、へっへねっくぅー?」
消え入る様に呟いたとき、ようやく事態に変化が表れた。日に当てられぱんぱんに膨らんだ風船が次々と破裂し始めたのだ。
一つ、二つと割れていく風船。その度に少しづつ高度が下がっていく。
それを見たアラりーなの中で風船が割れることと高度が下がることがようやく紐づいた。
「しょうなのりゃ!フワフワじぇんぶこわしぇばおりらりるのりゃ!」
そういうと風船のひもを手繰り寄せ空いた手の爪を立て一気に風船を割った!
もちろん一気に風船を割ることでアラりーなを飛ばせていた力の一切がなくなり、あっという間に頭から地面に落下する。その高さは数十mはあるだろうか?急降下と言うにふさわしい落下ぶりでグングン地面に近づいていく。
「やったのりゃぁ!もうしゅぐおりらえりゅのりゃぁ!ふははははぶぎゅ!」
地面に激突したアラりーながどうなったかは語るまでもないだろう。
アラりーなは飼い主さんとの再会も、大好きなおうちに帰ることもなく、ひっそりとショッピングモール裏の草むらで死んだ。
422: 名無しさん (ワッチョイ 2380-1b7c) :2019/07/12(金) 16:49:52 ID:y0qwhM1E00
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空飛ぶアライちゃん可愛いんだろうなぁ
ひとしゃんもアライちゃんも、空に憧れるのは同じらしい
※このページは、『アライさんアンチスレ避難所』様にあるアライさん、コバエさんなりきり用のスレッド『アライちゃんのおうち』をまとめたものです。
最終更新:2019年09月23日 23:43