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アラジビフェスとショクエモンP―下ごしらえ編その3

86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:31:45.99 ID:JXJuhXZZo
食通の友人は、アライちゃん2のフワフワの尻尾をつかんで逆さ吊りにしながら、
厨房へと戻ってきた。

アライちゃん2「はなすのだ!はなすのだ!はなすのだあぁ!」ジタバタ

そして籠の蓋を開けると、アライちゃん2を中へ戻そうとする。

先程見捨てられたアライちゃん3は、籠の中からじっと姉を睨む。
その目に涙を溜めながら。

食通の友人「ほら、戻った戻った」グイグイ

アライちゃん2「いやなのだ!いやなのだ!いやなのだあぁ!」ジタバタ

87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:39:10.44 ID:JXJuhXZZo
食通の友人「戻れよ」ガンッ

アライちゃん2「のだっ!」ボテッ

アライちゃん2の頭をぶん殴って落とした。
そして、

食通の友人「もう逃げるなよ」

そう言い、籠の蓋を…カタンと中途半端に閉めた。
内側から押せば、おそらく蓋は開くだろう。
うっかり閉め忘れたのだろうか?それとも…

食通の友人「さーて、下ごしらえするか。アラジビフェスは明日だ」

食通の友人「いいかそこのハエガイジ共。こっからは火加減がヒジョーに大事なんだ。うるさくして俺の集中を乱すなよ」

そう言い放つと、食通の友人は流し台で作業を始めた。

アライちゃん2「…」ハァハァ

アライちゃん3「…っ」プルプル

籠の中では、姉妹が再び対面していた。

89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:48:08.74 ID:JXJuhXZZo
アライちゃん3「おねーしゃんは…さっき、あらいしゃんをみすてたのだ…」

アライちゃん2「…」

アライちゃん3「うらぎったのだ!やくそくやぶったのだ!あらいしゃんは、おねーしゃんのこと、しんじてたのだ!」ウルウル

アライちゃん2「…うるちゃいのだ」

アライちゃん3「ぐすっ…!おねーしゃんはうそつきなのだ!あらいしゃんをみごろしにしようとしたのだ!わるいやつなのだぁ!」ビエエエエン

アライちゃん2「うるさいのだ!」ベシィ

アライちゃん3「のだっ!」ビターン

アライちゃん2「あらいしゃんはわるくないのだ!あらいしゃんは、せいいっぱいおまえをたすけようとしたのだ!おまえをぐいぐいひっぱったのだ!」

アライちゃん2「でもおまえがとろとろしてるから!あいつにきづかれたのだ!おまえがおそかったからわるいのだぁ!」

アライちゃん2「わるいのは、おまえなのだぁ!おまえがあしをひっぱったのだ!あらいしゃんはおまえのせいでにげおくれたのだぁ!」ポカポカ

アライちゃん3「のだっ!のだっ!いたのだぁやめるのだぁ!」ジタバタ

91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:59:23.88 ID:JXJuhXZZo
プルルルルル…ガチャ

食通の友人「はい、こちらショクエモンです…。ええ、明日のアラジビフェス…なに?ハエがうるさくて聞こえない?ははぁすいません、ええとですね…」

アライちゃん2「おまえなんか!さいしょからみすててれば!あらいしゃんはひとりでにげられたのだぁ!おうちにかえれたのだぁ!」ベシベシ

アライちゃん3「いだいのだあぁ!」

食通の友人「例のメニューですね、準備間に合いました。丁度3匹…もしもし、もしもし!はい!えーとですね!はい!もっと大きな声で言いますね!はい!例のメニューがですね!!!」

アライちゃん2「それなのに!おまえのせいで、ぜんぶだいなしなのだぁ!おまえなんか…!」

アライちゃん2「うまれてこなきゃ、よかったのだぁーっ!」ベシーン

アライちゃん3「うびゃあぁ!」ベタン

アライちゃん2「はぁ…はぁ…」ゼェハァ

92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 22:09:57.94 ID:JXJuhXZZo
アライちゃん2「あやまるのだ!あらいしゃんにあやまるのだ!」ゲシゲシ

アライちゃん3「おねーしゃんなんて…」

アライちゃん3「おねーしゃんなんて、だいきらいなのだぁ!」ベチーン

アライちゃん2「のだっ!」ビターン

アライちゃん3「ひぐっ…ぐすっ…!あらいしゃんに、あらいしゃんに…!」ゲシゲシ

アライちゃん2「いたいのだ!やめるのだ!おねーしゃんは、いだいんだぞぉ!」ジタバタ

アライちゃん3「あやまるのだ!ごめんなさいするのだ!みすてたことあやまるのだぁ!」ゲシゲシ

アライちゃん2「いいかげんにするのだぁ!あらいたっくる!」ドゴォ

アライちゃん3「うぎゃあ!」ガシャーン

93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 22:20:07.09 ID:JXJuhXZZo
アライちゃん2「そんなにはんこうすると、つぎににげるとき、もうたすけてやらないのだ!」ゼェハァ

アライちゃん3「…!」ハァハァ

アライちゃん2「そうだ…よくみたら、ふたがはんびらきなのだぁ、でられそうなのだぁ」

アライちゃん3「つ、つぎは、あらいしゃんがさきにうえにいくのだぁ!」ヨチヨチ

アライちゃん3は、半開きの蓋の真下へと移動した。

アライちゃん3「のだっ!のだっ!と、とどかないのだ…!」ピョンピョン

二足歩行でまともに立つ脚力すらまだない足で、どうやって一人で外に出ようというのだろうか。

アライちゃん2「あつかましいのだ!」ゲシ

アライちゃん3「のだっ!」

94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 22:24:29.32 ID:JXJuhXZZo
アライちゃん2「おまえなんかもうしらないのだ!あらいしゃんのふみだいになるのだ!」ノシカカリ

アライちゃん2は、妹を踏み台にし、蓋へ手を伸ばした。

食通の友人「それでですね、パン粉を…はい…はい。もしもし?え?コバエを黙らせろって?ええ、はい、わかりました。それじゃ、折り返し電話しますので…」ガチャン

アライちゃん3「んうぅぅううぅ~~~!やなのだ!あらいしゃんがでるのだあぁ!」バタバタ

アライちゃん2「こら!あばれるなぁ!ふみだいはあばれたらだめなのだ!」ゲシゲシ

アライちゃん2「ん…しょ…!」グイッ

アライちゃん2は、なんとか籠の上の口へと手をかけた。
そして、大きな尻尾を籠の上へと出す。

アライちゃん2「これで、おさらばなのだぁ!」

アライちゃん2は、尻尾をぴんと立て、尻を籠の外へと出すことができた。

95 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 22:31:54.13 ID:JXJuhXZZo
アライちゃん2「はぁはぁ、あとちょっとなのだぁ!」グイグイ

アライちゃん3「やなのだぁ!あらいしゃんも、おうちにかえるのだぁ!」ガシッ

なんと、アライちゃん3は今にも脱出しそうなアライちゃん2の足を掴んだ。

アライちゃん2「はなすのだ、このできそこない!あらいしゃんは、いだいなんだぞぉ!」バタバタ

アライちゃん3「あらいしゃんもいっしょにかえるのだぁ!ひとりだけずるおのだぁ!」グイグイ

アライちゃん3は、文字通り姉の足を引っ張って、脱出を阻害している。
本人にその気があろうがなかろうが、姉の足枷となっている事実に変わりはない。

アライちゃん2「うざいのだ!」ゲシィ

アライちゃん3「ぴぃ!」ボトッ

アライちゃん2は、なんと妹の顔面を…いや、目をめがけて蹴りを放った。
目潰しをくらった妹は、再び籠の底へ突き落とされた。

アライちゃん2「はぁはぁ、これでああしでまといはいなくなったのだぁ」ゼェハァ

アライちゃん2「しっぽさえでれば、もう…」

そして、その左右に揺れる大きな尻尾を…
大きな手が、ガシリと握った。




最終更新:2017年11月13日 23:22