111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 20:59:28.01 ID:fhRc0YvGO
『純情~スンジョン~』
この曲は大分前に流行った曲である。
その特徴的なダンスの振り付けが話題となり、結婚式や宴会の一発芸では大人気となった。
動画にもある通り、右手にタオルを持ち、頭の上に掲げて手首のスナップを利かせ、思い切り振り回すのだ。
そして、食通の友人は今、右手にタオルの代わりにアライちゃん2の尻尾を握りしめ、
この振り付けを再現しようとしている。
食通の友人は、籠へと近づき、中吊りになっているアライちゃん2の姿を妹へ見せつける。
食通の友人「よく見ておけ!姉妹のダンスを!」ヌッ
アライちゃん3「ひっ!?」ビクッ
そして、洗浄されて別の籠に移された後、意識を取り戻したアライちゃん1の前へ移動する。
食通の友人「よく見ておけ!俺に逆らった者の末路を!自分も逃げたらこうなることを目に刻んでおけ!」ヌッ
アライちゃん1「や、やめるのだ…いもーとをはなすのだ…」
アライちゃん2「あらいしゃん、このままじゃだんすできないのだ!はやくおろすのだぁ!」ブラーン
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 21:12:15.84 ID:fhRc0YvGO
食通の友人「いくぜ!オーオォ!オーオォ!オーオォォォオー!!!」ブンブン
アライちゃん2「のだあああ!?」グルングルン
なんと、食通の友人は尻尾を握りしめ、アライちゃん2をブンブンと振り回した。
食通の友人「オーオォ!オーオォ!オーオォォォオー!!!」ブンブン
アライちゃん2「あぁ、ぁああああ!!」グルングルン
食通の友人の腕力は、鉈で親アライさんの骨盤をいとも容易く粉砕するほど剛力無双である。
握力たるや、リンゴを握りつぶすことなど造作もないだろう。
そんな怪力の持ち主が、小動物ほどの小ささの幼いアライちゃん2を、尻尾を握りしめ、
一切の手加減なく全力で振り回しているのである。
その遠心力たるや計り知れない。
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 21:20:00.06 ID:fhRc0YvGO
尻尾を中心にブンブンと振り回されるアライちゃんには、尻尾から頭の方へと、強い遠心力がかかる。
皆さんは遠心分離機をご存知だろうか。
液体を多く含んだものを、端を回転軸にして高速で回転させると、
遠心力により液体内の物質が外側へと分離されるのだ。
尻尾を握られ、グルングルンと回されるアライちゃん2は、冗談でも何でもなく遠心分離されていた。
体内の血液がすべて頭部へと集中していく。
頭部の毛細血管内の圧力はパンパンになっており、静血流の逆流を防ぐための静脈弁は完全に機能を失っている。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 21:24:30.09 ID:fhRc0YvGO
アライちゃん2の顔面は熟れたトマトのようにパンパンに赤く膨れ上がっている。
目は完全に充血し、血圧上昇によって破裂した鼻の粘膜からは止まることなく鼻血が吹き出す。
部屋の白い壁に、アライちゃん2の鼻から飛び出した血飛沫が赤い線を作る。
アライちゃん2「ぐぅうぶぐぎゅぐぅううぅう!!!」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 21:30:28.50 ID:fhRc0YvGO
食通の友人は、その後もアライちゃん2の尻尾を握ったまま、激しいダンスの振り付けをこなしていった。
アライちゃん2はガクンガクンと上下左右に振り回される。
完全に白目を剥いており、真っ赤な顔面は紫色を帯びている。
鼻だけでなく、耳からも口からも血液が流れ出ている。
これらは全て、遠心力で急上昇した血圧に毛細血管耐えきれず破裂したことによる出血である。
体外ですらそうなのだ。
果たして毛細血管の塊である脳組織がどうなっているか…
ここに脳外科の医者がいない以上、誰も知る由はない。
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 21:33:22.49 ID:fhRc0YvGO
アライちゃん3「ひ…あ…ぁああ…」ガチガチブルブル
アライちゃん1「やめるのだああ!あらいしゃんのいもーとがしんじゃうのだあぁ!」ガシャンガシャン
そして、再び例のフレーズが来る。
食通の友人は、明らかに千切れかかったボロボロの尻尾を振り上げ、頭の上に掲げる。
食通の友人「さあラストォ!オーオォ!オーオォ!オーオォォォオー!!!」ブンブン
アライちゃん2「」グルングルン
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 21:36:02.01 ID:fhRc0YvGO
食通の友人「オーオォ!オーオ…」ブンッ
突如、ブチィッという音が鳴り、食通の友人の手からアライちゃん2の体の重さが消えた。
食通の友人「オ?」
その手には、フワフワの尻尾だけが握られていた。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 21:47:04.11 ID:fhRc0YvGO
尻尾を失ったアライちゃん2は、そのままハンマー投げの要領で投射され、
アライちゃん3のいる籠に向かって一直線に飛んでいく。
その速度は時速50キロをゆうに超えている。
そして、格子状の籠へと、顔面から真っ直ぐに突っ込み、衝突した。
ガッシャァンと大きな音が鳴り、その衝撃で籠が一瞬宙に浮いた。
涙を流しながら震えるアライちゃん3に、鮮血がどっと浴びせられた。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 21:47:36.13 ID:fhRc0YvGO
続きは後ほど
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 22:39:57.23 ID:7NB2/XZz0
素敵なダンスでした。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 23:02:44.01 ID:QK30j8Is0
友人の腕力強いな
最終更新:2017年11月13日 23:24