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アラジビフェスとショクエモンP―祭りの前・その3

189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 22:46:23.39 ID:mRLhbQykO
アライちゃん1「…の…だぁ…」ピクピク

アライちゃん2「」

アライちゃん3「なの…だぁ…」ピクピク

しばらく失神していたアライちゃん達だったが、水分が体に浸透してきたのか、
意識を取り戻していった。

アライちゃん1「うぅ…すこし、らくになったのだ?」

アライちゃん2「…ぅ…」

アライちゃん3「なんだったのだ…」

すると、籠の外から美味しそうな匂いが漂ってくる。

『さて、後はクーラーボックスの中身だな。毒物検査用意』

『ってか、毒物検査って必要なんかね?』

『知らないのか?毒物検査無かった頃のアラジビフェスでは、アラ信のバイオテロで6~7人病院送りになったんだぞ』

『はぇ~…。うん、オッケーっす』

アライちゃん1「なんなのだ!?おいしそうなにおいなのだ!あらいしゃんにもくわせるのだぁ!」ガシャガシャ

アライちゃん3「たべものいっぱいあるっていってたのだ!あらいしゃんたちもたべれるっていってたのだ!よこすのだぁ!」ガシャガシャ

190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 22:54:41.46 ID:mRLhbQykO
現在時刻はAM10時。

アライちゃん達は、まる1日何も食べていなかった。

アライちゃん1「ぅ…ぁ…しんじゃう…のだ…」ピクピク

アライちゃん3「ご…は…」ピクピク

アライちゃん2「…」

もはや空腹がどうこうというレベルではなく、栄養失調により命の危機に瀕していた。

アライさんの子供は、赤ちゃんのころは仔ウサギ程度の大きさ…体長10cmでありながら、
たった1~2年で人間の少女ほど…150センチの大きさへと成長する。

つまり、3日で1センチ程背が伸びるという恐ろしいほどの成長スピードをもつ。

また、こんなに小さな頃から言語を話せるほどの知能を持つため、
脳が消費するカロリーもそれ故に馬鹿にならない。

よって、アライちゃん達は大変食欲旺盛なのである。
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 22:59:28.31 ID:mRLhbQykO
アライちゃん達は、見た目だけならそれほど痩せ細ってはいなかった。

これまで畑荒らしやゴミ荒らし、母親が狩った小動物の死骸から蓄えた脂肪分がまだ残っている。

危機というのは、血糖値が足りないのである。

少しずつアライちゃんの体内では脂肪の分解が始まっているが、それにより得られるカロリーが、
基礎代謝の消費に追い付かないのだ。

細胞から活動エネルギーが減っていき、
アライちゃん達の意識は朦朧としていた。

192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:01:40.14 ID:mRLhbQykO
アライちゃん1「なにか…なんでもいいのだ…なんでも…」チラッ

アライちゃん3「なにか…」チラッ

アライちゃん2「…あらい、ひゃんも…はえはい…のら…」

アライちゃん1「…」ゴクリ

アライちゃん3「…」ゴクリ

アライちゃん2「な…なんなのら…その、めは…」

193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:03:58.28 ID:mRLhbQykO
アライちゃん1と3が次女へ向ける眼差しは、今まで見たこともない表情だった。

フレンズとして植え付けられた人間の理性が剥がれ落ちたような…
餓えた野生動物の目だ。

アライちゃん1「…はぁ、はぁ…!」ジュルリ

アライちゃん3「ごはん…ごはん…!」ジュルリ

アライちゃん2「こ…こわいのら…ひょんなめれ…みないれ…ほひぃのら…」

195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:08:10.42 ID:mRLhbQykO
アライちゃん1「…!」

アライちゃん3「…っ…」

アライちゃん1「だめ…なのだ…!」プルプル

アライちゃん3「おねーしゃあん…!」ウルウル

アライちゃん1「いもーと、まつのだ、だめなのだ、あとちょっと…あとちょっとだけ、まつのだぁ…!」プルプル

アライちゃん3「おなか、ぺこぺこなのだぁ…!もう、がまん、できないのだああぁ…!」グスングスン

アライちゃん1「ごはん…ごはんが、あらいしゃんたち、さんにんを…まってるのだ!」

アライちゃん3「…!う、ううぅぅぅ!」

アライちゃん1「こらえるのだ…!ううぅうぅ…!」ガクガクブルブル

アライちゃん3「っ…!」グスングスン

アライちゃん2「…」

アライちゃん2「あ、あり…が…と…なのら…いもーと、おねーしゃん…」

198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:16:24.63 ID:mRLhbQykO
アライちゃん達は、禁忌となる行動を思い止まったようだ。
ということは、恐らくまだまだ死には遠いということなのだろうか。

やがて、籠の外から音楽と共に、大きな声が聞こえてくる。

『お集まりの皆様!ようこそおいでくださいました!これより第13回、アラジビフェスを開催致します!』

\オオォオォオォー!/

『みんな、腹空かしてきたかー?胃薬持ってきたかー!』

\ミンミーーーーーーー!/

アライちゃん1「なんかにぎやかなのだ…」

アライちゃん3「きになるのだ…」

199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:21:15.06 ID:mRLhbQykO
『ステージクッキングは10時30分から開催です!それまでしばらくの間、物品販売ベースでのショッピングをお楽しみください!』

やがて、籠の外から一斉に、たくさんの料理の匂いがたちこめてきた。

アライちゃん1「…!すごいのだ!たくさんいいにおいがするのだ!」

アライちゃん3「あらいしゃんたちもおそとにでるのだぁ…!」

『おーいお前ら』

聞き覚えのある声が聞こえた。

アライちゃん1&2&3「!!!」

食通の友人「ハロー」

食通の友人は、皿を3つと、鍋を持っていた。

200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:23:26.92 ID:mRLhbQykO
アライちゃん1「そ、そのおなべから、いいにおいがするのだ!」

アライちゃん2「の…だぁ…」

アライちゃん3「おねがいなのだ…あらいしゃんたちに、それをぜんぶよこすのだ…」

食通の友人「ああ、そのつもりだよ」

アライちゃん1&2&3「!!」

食通の友人は、器を並べると、鍋から液体を器へと盛っていく。

201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:27:12.38 ID:mRLhbQykO
食通の友人「待たせたな。さ、ごはんだぞ。美味しいスープだ」

器に注がれた液体からは、食欲をそそる匂いが漂ってくる。

そして、3つの器を籠の中へ入れた。

アライちゃん1「いただきますなのだー!」ガバッ

アライちゃん2「…ぅ…ぁ…」プルプル

アライちゃん3「おいしいのだ!おいしいのだあああああ!」ペチャペチャ

アライちゃん達は、物凄い勢いで器の上のスープを飲み干していく。

スープと呼ばれた液体は、ドロっとしており、非常に濃い味である。

というか、料理を知るものならば、これをスープとは呼ばない。

相応しい呼び方は、「ソース」である。


203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:33:29.89 ID:mRLhbQykO
アライちゃん1「おかわりなのだ!」ケプ

アライちゃん3「はぁはぁ、いままでがまんしたぶん、もっともっとよこすのだぁb」

アライちゃん2「…は…はっ…」ペロペロ

食欲の友人「ん?そこの奴が飲み終わってないな…」

アライちゃん1「いもーとはきっともうおなかいっぱいなのだ!だからあらいしゃんによこすのだぁ!」バッ

アライちゃん2の器へ手を伸ばす姉。

アライちゃん2「!?」

アライちゃん3「おねーしゃんにあげるのはもったいないのだ!あらいしゃんによこすのだ!」バッ

同じく妹。

205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:38:37.09 ID:mRLhbQykO
食欲の友人「させるかボケエエェ!」

食欲の友人は、籠の中へ手を突っ込むと、アライちゃん1と2を籠の壁へと押し付ける。

アライちゃん1「はなすのだああ!」ガジガジ

アライちゃん3「これっぽっちじゃたりないのだぁ!」ジタバタ

食欲の友人「落ち着けよ…もっとやるから」ガシッ

アライちゃん2「」プラーン

食欲の友人は、アライちゃん2と彼女のためのスープ(?)を籠の外へ出した。

食欲の友人「ほら、おかわりだぞ」コポポ

そして、籠の中の2つの器へスープを注いだ。


アライちゃん1「おいしいのだあぁぁ!」ペチャペチャ

アライちゃん3「しあわせなのだー!」ペチャペチャ

アライちゃん2「…おい…ひぃ…」ペロペロ

アライちゃん達は再び、物凄い勢いでスープ(?)を飲み干していく。
そのお腹はどんどん膨れていく。

206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:43:11.02 ID:mRLhbQykO
アライちゃん2「…の…だぁ…♪」ペロペロ

食欲の友人「しっかしこいつ、飲むの遅いな」

先程も言った通り、アライちゃんは運動機能の障害で、鼻からうまく呼吸ができない。
スープを飲む間はほぼ呼吸が止まっているので、息継ぎが必要なのだ。
それに加え、全身の運動神経も危機的状況であり、
うまく飲むことができずにいた。

食欲の友人「よっと」ガシッ

アライちゃん2「!?」

食欲の友人は、アライちゃん2を掴むと、
スポイトの中へスープを吸い上げる。

食欲の友人「おせえんだよ!さっさと飲めオラァ!」ドシュゥ

アライちゃん2「!!?ごぼ、ぐぼっ!」ジタバタ

食通の友人は、スポイトを使って無理矢理アライちゃん2の口の中へスープを注ぎ込んだ。

207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:50:29.58 ID:mRLhbQykO
…

アライちゃん1「いっぱいのんだけど…おみずじゃおなかいっぱいにならないのだ…」ケプ

アライちゃん2「」ピクピク

アライちゃん3「のみものじゃなくて、たべるものをよこすのだぁ!」

食通の友人「そうだな、そろそろ頃合いか」

『それでは皆様、いよいよステージクッキング午前の部、始まります!』

籠の外から、再び声が聞こえてきた。

208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:52:41.90 ID:mRLhbQykO
『最初に華々しく先陣を切るのはこのお方!いきなりクライマックスだぁ!みんなお待ちかね、僕らのキチガイ野郎!ショクエモンPだぁ!』

\ワーーーーー!!/

食通の友人「よしきた。さ、ごはんにするぞ。先にステージで待ってるぜ」スタスタ

食通の友人は、銀の蓋が被さった大きな大きな皿の乗ったカートを押し、籠から離れていく。

209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 23:58:18.71 ID:mRLhbQykO
~ステージ~

食通の友人「ハローハロー!ショクエモンPでーす!」ガラガラ

食通の友人がステージへ上がると、舞台の下からは大勢の観客の歓声が迎えた。

観客『ショックエモン!ショクエモン!ショクエモン!』

司会「えー、今回はいきなり1人目からの参加となりました。後の人たちのハードルが上がりそうですね!」

食通の友人「それはどうかな?舞台裏で他の参加者と話してたけどさ、みんなヤベー奴ばっかだよ」

司会「それは皆さんとっくにご存知です」

観客『アハハ…』

ステージの上には、ガスコンロ、流し台など、一通りの調理器具が揃っている。

流し台にはディスポーザーが取り付けられており、排水設備もカンペキだ。

210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 00:06:26.73 ID:hnUcJAnPO
司会「さて、本日のメニューは確か…」

食通の友人「おおっと待ちな!ネタバレはもう少し待ってくれ」

司会「おっと、そうでしたね。出来上がってからのお楽しみってことですか?」

観客「なんだー?」

食通の友人「ちょっと違うな…。ネタバレってのは、お客さん達へのでなく…この子達への、さ」チラッ

食通の友人は、舞台の袖(横側の、観客から見えない位置)へ目配せをする。

すると、ステージの横からスタッフが登場し、黒い布で覆われた籠をステージの端へ置いた。

観客「なんだありゃ。籠…?」ザワザワ

観客「おおっ!出たぞ!毎度お馴染みのライブキッチン!」

観客『ショークエモン!ショークエモン!ショークエモン!』

213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 00:12:46.66 ID:hnUcJAnPO
食通の友人「さ、お前ら。待たせたな。ご飯の時間だぜ。カモン!」パチン

食通の友人が指パッチンをすると、スタッフが籠の横の口をさっと開けた。

食通の友人「こっち来な!さっきのスープより、もっと美味しい料理を作ってやるぜ!」

『ほんとなのかー?』

籠の中から声が聞こえる。

『やったのだ!ずっとまってたのだー!やくそくどおりなのだー!』

そして籠の中から、アライちゃん1が顔を出した。

アライちゃん1「なのだー!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん3「なのだー!」ヨチヨチヨチヨチ

観客『ワアアアアアアアアーーー!FOO↑ーー!』パチパチパチパチ

拍手喝采が、アライちゃん達を出迎える。
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 00:13:13.50 ID:hnUcJAnPO
つづく

220 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 00:18:54.46 ID:g402uaHQo
乙
アライちゃんが拍手喝采で迎えられて良かったです
やっぱりアライちゃんは人気者だったんですね

219 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 00:18:03.09 ID:XZsVJ9s0o
アライちゃん2はほとんど寝たきりで指一つまともに動かせない全身まひのような状態だと想像しているんだけどあってる?

221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 00:21:22.60 ID:hnUcJAnPO
219
作中ではゴキガイジムーブしたり、器からノロノロとソースをすするぐらいはやってます




最終更新:2017年11月13日 23:26