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農家への報復・その1

360 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 09:59:39.41 ID:Eg2tRJAmo
…

農夫「くそっ!やられた!」

農夫は自らのカボチャ畑の惨状を目の当たりにして嘆く。

まるで食べ物で遊ぶかのように、カボチャを食い散らかし、破壊し、放置する…。

こんな下品で思慮の浅い畑荒らしをする者はアライさんのみだ。
人間ならば、もっとバレないように狡猾に行うだろう。

農夫は怒り心頭、即座に対策を試みた。

361 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 10:02:50.18 ID:Eg2tRJAmo
農夫「アライさん対策…アライさん対策…」パラパラ

農夫は本をめくり、導入コストの安そうなものを探す。

農夫「おっ、罠籠。これにしとくか」

農夫はさっそくホームセンターへ行き、アライさん捕獲用の籠を5つほど購入した。

農夫「これをあちこちへ設置してと…。これで良し!」カチャカチャ

農夫は籠を設置し、荒れ果てたカボチャ畑を片付けると床についた。

362 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 10:17:09.13 ID:Eg2tRJAmo
…深夜…

アライさん1「今日もお野菜を収穫なのだー!」ガサガサ

アライちゃん1「なのだー!」ピョコンッ

アライちゃん2「のぁー」ヨチヨチ

農場付近の森の茂みから、アライさん親子が姿を現す。

アライさん1「チビ達も野菜の取り方を覚えるのだ!」スタスタ

アライちゃん1「たべるのだー!」ヨチヨチ

アライちゃん2「なのぁー」ヨチヨチ

アライさん1「ん?あれは何なのだ?」キョロキョロ

アライさん1は、農場に設置された5つの籠に気が付く。
どの籠の中からも、揚げパンの匂いが漂ってくる。

アライさん1「美味しそうな匂いがするのだぁ!チビ達はここで待ってるのだ!」

アライちゃん1「わかったのだー」ワクワク

アライちゃん2「のぁー」

アライさん1は、子供達を待たせ、籠に入る。

アライさん1「美味しそうなのだぁ、チビ達もきっと喜ぶのだぁ」ガシッ

餌に手をかけた途端、ガシャーンと音が鳴り、籠の入り口が閉まる。

アライさん1「のだっ!?」ビクッ


363 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 10:24:00.34 ID:Eg2tRJAmo
アライさん1「なんなのだ、入り口が閉まって…開かないのだ!」ガシャンガシャン

アライちゃん1「おかーしゃん、どうちたのだ?」ヨチヨチ

アライちゃん2「どったのぁー?」ヨチヨチ

アライさん1「ち、チビ達!この箱が壊れて空かなくなったのだ!早く開けるのだ!」

アライちゃん1「あかないのだー!」ガチャガチャ

アライちゃん2「かたいのぁー」ガジガジ

叩いてもかじっても開かない。
アライさん捕獲用の籠は、蓋の開け口に南京錠が付いている。
手先が器用なアライさんでも、開けることができないように。

アライさん1「チビ達何やってるのだ!もっと頭を使うのだ!」ガシャ

アライちゃん1「あけかたわかんないのだぁ!」ガチャガチャ

アライちゃん2「かたくてこわれないのだぁ…」ガジガジ

364 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 10:38:48.80 ID:Eg2tRJAmo
森の茂みがガサガサと揺れる。
何かがやってくるようだ。

アライさん2「さっきから畑が騒がしいのだー」ガサガサ

アライさん3「凄い野菜でも見つけたのかー?」ガサガサ

奥から、別のアライさん達がやってきた。

アライさん1「!仲間なのだ!おーい!アライさんを助けるのだ!」ガシャガシャ

アライさん2「!?どうしたのだ!?」タタッ

アライさん3「ひどい、閉じ込められてるのだ…何があったのだ!?」

アライさん1「箱の中からいいにおいがしたから入ったら、出られなくなったのだぁ!アライさんの危機なのだぁ!」ジタバタ

アライちゃん1「おかーしゃんをたすけてほしいのだー!」ビエエエン

アライちゃん2「なのだぁー!」ビエエエン

アライさん2「箱…?」チラッ

アライさん3「そういえば、いいにおいがするのだぁ」クンクン

アライさん1「行っちゃ駄目なのだぁ!アライさんみたいに出られなくなるのだ!」

アライさん2「そ、それは困るのだ…」

アライさん3「危機なのだ…」

365 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 10:42:30.71 ID:Eg2tRJAmo
アライさん1「うぅ、お腹が空いたのだ…。とりあえずこの食べ物を食べるのだ」モグモグ

アライさんは罠の中の揚げパンを食べる。

アライさん2「美味しそうなのだー…」ダラリ

アライさん3「うぅ、アライさんも箱の中の食べ物を取るのだ!」タッ

アライさん1「待つのだ!アライさんみたいに捕まったらどうする気なのだ!?」

アライさん3「うぐぐ…」

アライさん2「箱をひっくり返せば、ゴハンだけ落とせるんじゃないのかー?」

アライさん3「!そうなのだ!やってみるのだ」グイグイ

366 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 10:51:03.06 ID:Eg2tRJAmo
しかし、箱は押しても引いても地面かた離れない。
地面に打ち込んだ杭に繋がれているためだ。

アライさん2「動かないのだ……」ゼェハァ

アライさん3「なんて頑丈なのだ……」ハァハァ

アライさん1「うぅ、このままでは日が暮れるのだ…。みんなヒトに見つかるのだぁ」

アライさん2「お前の助け方は分からないのだ。アライさん達は普通にお野菜をもってくのだ」スタスタ

アライさん3「尊い犠牲なのだー」スタスタ

アライさん1「待つのだぁ!出られないアライさんが可哀想なのだぁ!」ガシャガシャ

アライさん2「可哀想だけど仕方ないのだぁ」ブチブチ

アライさん3「お前に構ってたらチビ達がお腹を空かせるのだぁ」ブチブチ

アライさん2&3は、畑から赤みのついたトマトをもぎ取り、ビニール袋に入れていく。
このビニール袋はおそらく森を訪れた人間がポイ捨てしたものだろう。
こういった人間の行いが、アライさんの生活を助け、害獣の増殖を助長しているのだ。

368 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 11:00:19.56 ID:Eg2tRJAmo
アライちゃん1「おかーしゃん!おかーしゃんをたすけてほしいのだー!」ビエエエン

アライちゃん2「ひどいのだー!」

アライさん1「うぅ…。お願いなのだ。せめてアライさんのチビ達は、見捨てないで欲しいのだ」

アライさん2「ん?」

アライさん1「チビ達は、まだ一人で生きていく生活力がないのだ…。このままでは飢え死になのだ。せめて、アライさんがここを出るまでチビ達を預かって欲しいのだ」

アライちゃん1「おねがいなのだー…」ウルウル

アライちゃん2「おかーしゃんがいないあいだ、あたらしいおかーしゃんになってほしいのだ…」ウルウル

アライさん3「う…分かったのだ。そこのチビ達、こっちに来るのだ。アライさんが野菜収穫するのを手伝うのだ」

アライちゃん1「ありがとなのだー!」ヨチヨチ

アライちゃん2「あたらしいおかーしゃんなのだぁ」ヨチヨチ

アライさん2「おーよしよし。可愛いのだ」ナデナデ

アライさん3「お腹すかせて可哀想なのだ」ダキッ ギューッ

アライちゃん1「のだー♪」スリスリ

アライちゃん2「なのだぁー」シッポフリフリ

アライさん1「ふぅ…。これで、チビ達は一安心なのだぁ…。でも、まだアライさんが危機なのだぁ!」ガシャガシャ

369 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 11:09:37.89 ID:Eg2tRJAmo
アライさん4「何の騒ぎなのだ?」ガサッ

アライさん5「畑がやかましいのだ。それにいい匂いがするのだ」ガサッ

茂みから、さらにアライさんが続々と登場する。

アライさん1「あ、お前達!アライさんを助けるのだ!」ガシャガシャ

アライさん4「何やってるのだ?」

アライさん5「あっちの箱からいい匂いがするのだ」スタスタ

370 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 11:13:10.39 ID:Eg2tRJAmo
アライさん2「ん?お前達も野菜取りに来たのか?」ブチブチ

畑を荒らしているアライさん2&3が、新たな2匹の来訪者に気付く。

アライさん3「お前達、あっちのいい匂いがする箱に入っちゃ駄目なのだ!その箱の中のアライさんみたいに、出られなくなるのだ!」

アライちゃん1「なのだー!おかーしゃんがかわいそうなのだぁ」

アライちゃん2「おかーしゃんをたすけてほちいのだぁ」ウルウル

アライさん4「なに!それは怖いのだ」

アライさん1「多分、ヒトが仕掛けた罠なのだ。酷い事するのだ、あいつらは畑の野菜を独り占めする気なのだ!アライさんを虐めて楽しむゴミなのだぁ!」ガシャガシャ

アライさん5「なんてひどい奴らなのだ…サイテーのクズなのだぁ!」

アライさん1「だから、アライさんを助けて欲しいのだ!」

アライさん4「分かったのだ。畑から野菜を取り終わったら助けるのだ」スタスタ

アライさん1「え」

371 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 11:24:45.99 ID:Eg2tRJAmo


…陽が上り始めた頃、アライさん2&3&4&5が、一通り野菜を荒らし終え、畑から出てきた。

アライさん1が捕まった籠の横を通りすぎて、ぞろぞろと森の中へ帰っていくようだ。

アライさん2「ふぅー大収穫なのだぁ」スタスタ

アライさん3「チビ達と一緒にたくさん食べるのだぁ」スタスタ

アライちゃん1「あたらしいおかーしゃんといっしょにたべるのだー」ヨチヨチ

アライちゃん2「なのだー!」ヨチヨチ

アライさん4「これからは、あの箱に気を付けるのだ」スタスタ

アライさん5「お前のお陰で罠にかからずに済んだのだ。少し野菜を分けてやるのだ」ポイッ

アライさん5は、アライさん1のいる籠の隙間から、キャベツの葉を2~3枚差し込む。

アライさん1「うぅ…。出して欲しいのだぁ…」ムシャムシャ

アライさん4「また夜になったら、棒切れかなんか持ってきて、その箱壊してやるのだ」スタスタ

アライさん5「困難は群れで分け合うのだー」スタスタ

そして、アライさん1を残してアライさん達は森へ帰っていった。

372 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 11:30:14.38 ID:Eg2tRJAmo
…朝…

農夫「どれどれ、罠の様子は…」スタスタ

籠1『出すのだぁ!アライさんをここから出すのだ!』ジタバタ

籠2「」シーン

籠3「」シーン

籠4「」シーン

籠5「」シーン

農夫「ぬお!?1個しかかかってないぞ。しかも畑が荒されまくってるー!?」ガビーン

アライさん1「そこの人!アライさんをここから出すのだ!悪い奴に閉じ込められたのだ!」ガシャガシャ

農夫「……」

アライさん1「他のアライさん達も来たけど、危ないから入らないように言ったのだ!アライさんはなぁ、偉大なんだぞぉ!」

農夫「……………」ワナワナ

373 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 11:35:24.51 ID:Eg2tRJAmo
アライさん1「アライさんは偉いのだ!思いやりがあるのだ!だからここから出すのだぁ!」ガシャガシャ

農夫「てめーの仕業かこのハエガイジ!」

農夫「ったく………」ガシッ

農夫は籠を地面の杭から外し、リヤカーでがらがらと運ぶ。

アライさん1「どうしたのだ?アライさんを助けてくれるのか?」

農夫が籠の乗ったリヤカーを押して向かった先には…


浴槽と、ホースが取り付けられた
蛇口があった。


アライさん1「?これで箱を壊してくれるのか?」

376 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 12:00:44.30 ID:Eg2tRJAmo
この浴槽は、畑の隣の庭へ放置されているものだ。
中には雨水が半分ほどまで溜まり、藻やボウフラが湧いている。

農夫「ウラアァ!」ポイッ

アライさん1「ごぼっ!?」バシャアン

農夫は浴槽へアライさん1の入った籠を投げ込む。

アライさん1「ぷはっ!何するのだ!急に水に入れられたら驚くのだぁ!」プハァ

農夫「うっせーな、くたばれ!」キュッ

農夫が蛇口をひねると、浴槽の水かさが増していく。

アライさん1「なっ!?何してるのだお前、水が増えてるのだ!止めるのだぁぁ!」バシャバシャ

農夫「籠罠じゃ効き目無しか…。別の対策グッズ買うか」スタスタ

アライさん1「ああっ!待つのだ!止めるのだ!止めるのだあぁ!」ガシャンガシャン!

379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 12:19:55.39 ID:Eg2tRJAmo
農夫はアライさん対策グッズカタログを読みながら、浴槽に水が満たされるのを待っている。

アライさん1「誰か!アライさんを助けるのだぁ!アライさんの危機なのだぁ!」バシャバシャ

水位はどんどん増していき、アライさんの下唇が水に浸かった。

アライさん1「ぷはっ!お前!助けるのだ!アライさんを助けるのだ!このままじゃ溺れるのだ!アライさんをここから出すのだぁぁ!」バシャバシャ

アライさん1「なんで!なんでアライさんをいじめるのだ!アライさんはただゴハンを食べに来ただけなのだあぁ!」バシャバシャ

アライさん1「ごぼっ…ぶはっ!なんでも!ずるがら!だずげるのだあぁ!ごぼっ!みずを!どめるのだあぁ!」バシャバシャ

アライさん1「ちび達!アライさん達!だずげでえええええあああああああああ!!!嫌だああぁぁ!溺れるの嫌なのだぁごぼぼがばぼぼぼぶぐぐぶぐ!」ゴボゴボ

アライさん1「ぐぶぶごぼがばぼごぼぼばごぼぼぼがばぼごぼぼ!」ゴボゴボ

農夫はアライさんの頭まで水に浸かったことを確認すると、
蛇口をきゅっとひねり、水を止める。

アライさん1「どべるのがごぼびぼばああ!びぎがべべべふべばぎゃごぼべぶぼ…!」モゴモゴ

アライさん1は何度も檻を叩き、引っ張り…
そして、手を離し、静かになった。

アライさん1「」プカー…

農夫「よし、溺れ死んだか。引き上げよう」ガシッ ザバー…

浴槽から檻を引き上げ、中からアライさん1を取り出す。

380 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 12:40:24.18 ID:Eg2tRJAmo
アライさん1「」グッタリ

農夫「くたばったかな。さてどうやって処分するか………」

農夫「アナグマやイノシシとかだったたらジビエにしてもいいんだが、アライさんはなぁ…。見た目人だし、食いたくないし焼いて土に埋めるとするか」

農夫「火を起こしてくるか…」スタスタ…

農夫はアライさん1を焼却するためにその場を去った。

アライさん1「」

アライさん1「」ピクッ

382 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 12:51:09.15 ID:Eg2tRJAmo
アライさん1「ご…ごぼはっ…!」ゲホゲホ

なんとアライさん1が息を吹き返した。
失神してすぐ引き上げられたため、まだ死んでいなかったのだ。

アライさん1「がばっ…がはっげほ!」

気管に詰まった水を何度もえずいて吐き捨てるアライさん1。

アライさん1「はーはーはーはーはーはーはーはーはーはーはーはーはーはーごぼっ!げぼっほ!」

アライさん1「はぁ…はぁ…」ヨロヨロ

アライさん1「…でられたのだ…はこから…ころされる…とこだっだのだ…」ピクピク

アライさん1「にげなきゃ…なのだ…ちびたちが…まってるのだ……」ヨタヨタ

……

農夫「さてと、アライさんの死骸は…」スタスタ

農夫「あれ!?ない!?」

さっきまでそこにあったアライさん1の死骸は、忽然と消えていた。

農夫「どういうことだ…?仲間が来て連れてったのか?わからん…」

農夫「ま、いなくなったらいなくなったでいいや。今度は籠罠なんて使えないやつじゃなく、もっと便利な罠を買うか…」スタスタ

383 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 12:53:34.58 ID:Eg2tRJAmo
…

~森の中~

アライさん1「はぁ、はぁ…」ヨロヨロ

アライさん1「つたえなきゃ…あのはたけには、わるい人間が、うろついてるのだ…」ヨタヨタ

アライさん1「みんなにつたえなきゃ…!あの人間は…アライさんを殺そうとしたのだ…!」

アライさん1「みんなにつたえなきゃ…!あの人間を…!」

アライさん1「皆で力を合わせて、やっつけるのだぁ…!」

384 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/17(木) 12:54:01.78 ID:Eg2tRJAmo
つづく


385 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/17(木) 13:00:38.59 ID:Mb5LUjn8O
乙
やっぱ素人は駄目だわ





最終更新:2017年11月13日 23:47