751 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 14:32:04.16 ID:+Smt3iqlo
…
翌日、ジビエ料理店『食獲者』は、開店前から行列ができていた。
限定15品の、店内ライブキッチン。
それだけでなく、彼自身の普通のジビエ料理もなかなかの腕前であるため、
せっかくなので食べたいという人も集まったのである。
やがて、開店時刻がやってきた。
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 14:40:36.92 ID:+Smt3iqlo
食通の友人「へいらっしゃい」
客1「クォーターサイズアラフライ定食お願いします!」
食通の友人「かしこまり」
これが今回の目玉、『クォーターサイズアラフライ定食』。
例のアラフライを、1/4にカットしたものをメインにした定食だ。
元々のアラフライはビッグサイズで、一人で食うには多すぎるので、これくらいのサイズが丁度いいのだろう。
??「やあ、来たよ。約束通りにね」
野郎の賑わう声ばかりの店内から、女性の声が聞こえた。
帽子をかぶった女性が、食通の友人へ挨拶しに来た。
ブラウンP「実際に話すのは初めてだね。初めまして、昨日電話した者だ」
明確には名乗らず、あくまで客の一人に扮しているようだが…
彼女がブラウンPで、間違いないだろう。
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 14:45:49.66 ID:+Smt3iqlo
そして、帽子をかぶってはいるが…
人間ではあり得ないような、特徴的な髪の色をしている。
そして彼女の右目をよく見ると、どうやら青のカラーコンタクトを入れて、左目と同じ色へ見せているようである。
その本来の色は、おそらく黄色。オッドアイであることを隠しているのであろう。
食通の友人は、一目で分かった。
フレンズは自身が人間だと思い込むことで、耳と尻尾を隠せるそうだが、
彼女はそれをやっているのだ。
ブラウンPもまた大臣と同じく、フレンズであると。
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 14:55:31.43 ID:+Smt3iqlo
ブラウンP「私も頼もう。クォーターサイズアラフライ定食ひとつ。はい、予約チケット」
食通の友人「まいど。えー、ではこれより!ライブキッチン開始とさせていただきます!」
客1「オー!」パチパチパチパチ
客2「待ってました!」パチパチ
客達『ショックエモン!ショックエモン!ショックエモン!』
ブラウンP「ショックエモンっ、ショックエモンっ、ショックエモンっ」
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 14:57:09.11 ID:+Smt3iqlo
食通の友人は、綺麗に洗浄済みのアライちゃん達を持ってきた。
アライちゃん4「おぼれじぬかとおもったのだ…」ゼェハァ
アライちゃん5「ひとがいっぱいいるのだ」
アライちゃん7「いいにおいしゅるのら!」
アライちゃん8「たのしそーなとこなのだ!ほけんじょとぜんぜんちがうのだ!」
アライちゃん9「いいにおいするのだ!ひとしゃん、だしてほしいのだ!ごはんさがすのだぁ!」
いつも通り、このアライちゃん達も、「これから美味しいご飯をつくる」と
食通の友人に吹き込まれているのだ。
アライちゃん達は、自身の運命を知らず、何か楽しげな雰囲気に飲まれ、期待に胸を高鳴らせていた。
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 15:10:54.49 ID:+Smt3iqlo
…
アライちゃん4「あぢゅいのだあああああああああああ!!」ジュワアアアアア
アライちゃん5「ぎびぃいいいいいいいいいいいいい!!!」バチバチ
アライちゃん7「のぎゃぁあああああああああああ!!!」ドジュウゥウ
アライちゃん8「だずげえええぇ!うぞずぎぃ!おいじいものぐれるっでいっだのにいぃいぃ!!!」ジュワアアアア
アライちゃん9「あぢゅい!あぢゅいのだぁ!やだぁ!じにだぎゅないぃぃいいぃ!」ジュワアパチパチ
食通の友人「ヒャッハー!もっと熱がれ苦しめ命乞いしろォ!己の罪を噛み締めながら、地獄の業火でくたばりやがれェーッ!ヒャーーーハハハハハハ!!!」
客達『うおおぉおぉーーーー!』
客1「すげぇ…これが生で見るアラフライ調理…」ゴクリ
客2「マジキチだぜ…。ショクエモンP、マジで頭がイってやがる…」
客3「この人達頭おかしい…俺含めて…」
ブラウンP「ふふ…素晴らしいよ…」ゾクゾク
ブラウンPは、携帯電話を取り出す。
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 15:12:17.55 ID:+Smt3iqlo
ぱしゃ。
油の中で苦悶し絶叫する、アライちゃん達の顔を撮影する。
ぱしゃ。
異様なテンションでライブキッチンを披露する、ショクエモンPの顔を撮影する。
ぱしゃ。
ライブキッチンを眺める、観客達の顔を撮影する。
ブラウンP「ふふ…。いい顔、いただき」
まだまだ満足し足りないのだろう。油の中で苦しみ、絶命していくアライちゃん達の顔を、動画で撮影している。
ブラウンP「…事実は小説より奇なりとは、まさにこの事だね…」
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 15:23:40.47 ID:+Smt3iqlo
アライちゃん5「じにだぐない!あらいしゃん、じにだぐないのだあ!」ガシッ グイッ
アライちゃん7「おごぼっ!」ザブン
アライちゃん4「のぎゃああ!」ザブン
アライちゃん5は、姉妹達の体を踏み台にし、鍋から出ようとする。
アライちゃん5「あらいじゃんは!いぎるのだああ!おがーしゃんが、しぬまえにいったのだ!しまいでいちばんつよくそだてって!」バシャバシャ
全身大火傷で、フライの衣に覆われかけているアライちゃん5。
どうやら、やっと母親の死を受け入れたらしい。
大きな成長と言えるだろう。
アライちゃん5「だがら!あらいしゃんは、おがーしゃんとのやぐぞぐを、まもるのだぁ!いぎなぎゃいげないのだあああ!」ズルリ
アライちゃん4「」ジュワアアアアア
アライちゃん7「」ジュワアアアアア
姉妹を踏み台にしたおかげで、あと少しで鍋から出られそうなアライちゃん5。
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 15:29:27.72 ID:+Smt3iqlo
食通の友人「おっと。料理が鍋から落ちちまう」ガシッ
食通の友人は、菜箸でアライちゃん5の頭を掴む。
アライちゃん5「のだあぁっ!?」ビクッ
食通の友人「もう、おかーしゃーんって叫ばないのか?ようやく親離れしたか、成長したなぁ」
アライちゃん5「やめるのだおねがいなのだあらいしゃんしにだぐないのだもうあづいのやなのだおねがいなのだはなすのだ」ジタバタ
食通の友人「だったらその成長を報告しに行きなァ!天国のおかーしゃんのところへよォ!」ポイッ
アライちゃん5「のぎゃああああ!!!あぢゅいのらあああああ!」ボチャーンッジュワアアアアア
食通の友人「ん?違うな。母親がいるのは天国じゃなく、地獄か?いや、それも違う…」
食通の友人「冷蔵庫の、中でした」
観客達『ドワッハハハハハ』
やがて、アライちゃん達の声は完全に止まった。
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 15:33:18.91 ID:+Smt3iqlo
アラフライちゃん4「」ホカホカ
アラフライちゃん5「」ホカホカ
アラフライちゃん7「」ホカホカ
アラフライちゃん8「」ホカホカ
アラフライちゃん9「」ホカホカ
アラフライが、完全に出来『揚』がった。
食通の友人「さーて、それじゃー切っていきますよ」スッ
ざくざくと、アラフライを食べやすいサイズにカットしていく。
食通の友人「へいおまち!クォーターサイズアラフライ定食、15皿ァ!」
客達『ウォォオォォー!ショックエモン!ショックエモン!ショックエモン!』パチパチパチパチ
店内ライブキッチンは大成功だったようだ。
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 15:40:02.86 ID:+Smt3iqlo
…
アラフライ定食は完売。
残りの客達は、冷蔵庫の中のアラジビで作れる料理や、鹿や猪、アライグマ等のジビエ料理を注文した。
大繁盛であった。
ブラウンP「ご馳走さまでした」
食通の友人「お粗末様」
ブラウンP「いやぁ、良かったよ。料理の味も、ライブキッチンも。またいつか頼もうかな」
食通の友人「…」
おそらく、アライちゃんバーグではここまでの盛り上がりは期待できないだろう。
自身はこの先、アラフライを超えるライブキッチンができるのだろうか?
…自らの壁を越えることの困難さを、食通の友人は感じていた。
食通の友人「…ブラウンPは、自分の店はあるんですか?」
ブラウンP「私にはないよ。一応調理師免許を持ってはいるけど、本職は料理人じゃない」
食通の友人「じゃあ本職は?」
ブラウンP「それを言うと身バレしそうだからやめとくよ。ほら、この通り私は変装してきてるんだから」
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 15:46:51.29 ID:+Smt3iqlo
客1「ん?今、ブラウンPって言いました?」ピクッ
客2「ブラウンPが来てるのか!?」
客3「どこだ!?」キョロキョロ
食通の友人「あっ…」
ブラウンP「…会計にしよう」
ブラウンPは、会計を済ませると、そそくさと出口の方へ行った。
ブラウンP「…さっきの顔、みんないい表情だったよ。夢に出てきそうなくらい」
食通の友人「え」
ブラウンP「捗りそうだよ、本職の方もね」
彼女はそう言うと、店を後にした。
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 15:47:28.07 ID:+Smt3iqlo
つづく
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 17:49:40.27 ID:yMXW7SiGo
血抜きもしない捌きたて生肉は流石に腹壊すだろ……
リアルタイムで切り分けながらの焼き肉なら大丈夫そうだけど
最終更新:2017年11月14日 12:41