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若い猟犬のデビュー サスケェ!その1

776 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 08:38:33.27 ID:82dELM9IO
…

食通の友人は、こないだ山で捕まえたアライさん達で、うまく料理できたようだ。
自分本位で利己的なアライさん達が、その命をもって人のために献身できたのだ。
奴らも天国へ行けるだろうか…?

いや、無いな。
奴ら害獣の狼藉は、命をもった償いでも許されるものか。
地獄で罰を受けることすらおこがましい。

778 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 09:32:26.39 ID:2Lyz+TXpo
さて。
今、俺の目の前には犬が1頭おり、俺を見つめている。
犬種はイングリッシュ・ポインターだ。

大型犬ではあるが、こいつは成犬ではなく、まだ若い。
育ち盛りであり、これからまだまだ大きくなる。

俺は犬に向かって言葉を発する。

「佐助!伏せ!」

犬はスッと伏せる。
よし、次は…

「佐助、待て!」

犬は待機のポーズをとる。
ちゃんと聞き分けているな。

俺はそのまま、部屋の外へ出る。

779 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 09:38:04.26 ID:2Lyz+TXpo
そして、部屋の外にある籠罠へ近付く。
籠の中では、立って歩けるくらいの発育状態のアライさんが眠っている。
生後8ヶ月程度だろうか。身長は1m程度だ。

アライしゃん「すぴー…すぴー…」zzz

俺は籠を掴み、犬が待つ部屋へ戻った。

犬は、待機しながら、籠の中のアライさんを見ている。

780 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 09:48:17.38 ID:2Lyz+TXpo
アライしゃん「すぴー…すぴー…」zzz

この状況で、よく寝ていられるものだな。
俺は籠を蹴りつけ、ガシャンと音を立てる。

アライしゃん「のあっ!?」ビクッ

さすがに起きたようだ。

アライしゃん「な、な、なんなのだここは!?あ、ヒトなのだ!それと、どうぶつがいるのだ」

アライしゃん「ヒトしゃん!アライしゃんをここからだしてほしいのだ!あ、そのまえに、あのこわいやつをおっぱらってほしいのだ!」

注文が多いな。
オーケーだ。

佐助、部屋から出ろ。

犬は俺の命令通り部屋から出た。
単純な動詞だけでなく、「部屋から」という部分まで理解できるのは、
飼い主として利口さを自慢したいところである。

今開けてやるからな。
俺は、籠を開ける。

アライしゃん「やっとでられたのだ。ヒトしゃん、ありがとうなのだぁ!」

アライさんの子供は、親と違って礼を言うことがある。
幼いうちは人になつきやすいというアライグマの性格だろうか。

781 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 09:56:54.67 ID:2Lyz+TXpo
アライしゃん「あらいしゃんのおうちはどっちなのだ?おかーしゃんのいるとこにかえるのだ」トテトテ

二足歩行に慣れてきたばかりといった様子である。
まだバランスを取ることに慣れていないようだ。

アライしゃん「そのまえに、おなかすいたのだ。ヒトしゃん、このへんにたべものがとれるはたけはあるのか?」

この野郎。
俺がてめーらと同じように、野菜泥棒してるとでも思ってんのか。

ああもう無理だ。限界だ。
食通の友人を見習い、こいつらと会話して情報を引き出す術を身に付けようと考えていたが、
こいつらはあまりに頭が悪く、会話が通じない。
話しても何も得られず、ただストレスが溜まるばかりだ。

782 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 10:02:24.90 ID:2Lyz+TXpo
もういい、こいつへの用は、あと1つのみだ。

アライしゃん「アライしゃん、このへんをたんけんしてごはんさがすのだー」テクテク

俺は部屋の外に向かって叫ぶ。
「佐助!捕らえろ!」

途端に部屋の外から先程の犬が飛び出して、アライさんの子供目掛けて走ってくる。

アライしゃん「のだあぁ!?こ、こわいのがきたのだ!にげるのだぁ!」トテトテ

だが、歩くのに慣れないアライさんのスピードでは、犬から逃げ切れない。

犬はアライさんの首に噛みつき、地面に押し倒す。

アライしゃん「のあぁっ!」

783 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 10:21:20.58 ID:82dELM9IO
「捕らえろ」は、獲物を捕まえて拘束するという命令だ。
よし、合格だ。俺はアライさんを再び籠へ戻そうと…

アライしゃん「いだいいぢゃいいだいいぢゃいのらあぁ!のだあああぁぁぁあっ!ヒトしゃん!だじげでぇぇぇっ!びいぃぃっ!」ジタバタ

犬「ガウ!ワウウゥ!」メリメリ

…おい待て、何をしてる!?
そうじゃないぞ!「仕留めろ」の指示はまだ出していない!
佐助、待て!待て!

犬「ガウ!バウウッ!」ブンッブンッ

アライしゃん「ぎびっ!ひぎっ!」ドゴッベゴッ

犬は、身長1mはあるアライさんを軽々と振り回し、地面へ何度も叩き付けている。

アライしゃん「の゛だっ!のあぁぁっ!」ブシュウゥゥ

首には歯が食い込み、血がボタボタと吹き出ている。

佐助!そうじゃない!殺すことまで命令してない!

俺は再度命令する。
「待て!」

786 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 10:29:58.48 ID:2Lyz+TXpo
犬「フゥッ…」ポイッ

アライしゃん「ぎび…ひ…ぅぁ…」ドサッ ピクピク

犬はアライさんを離した。
首から血が流れているが、あれは頸動脈のダメージではない。
致命傷ではないだろう。

まあ、命令を間違えたのは訓練し直すとして。
「待て」の命令を聞いた分良しとするか…

犬「バガウゥゥ!ガルルゥグャウウゥゥ!」バグンッ

アライしゃん「ぎびぃぃーーーっ!!??」

犬はアライさんの腹に噛みついた。
おい!待て!待て!ってば!




788 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/27(日) 10:43:51.90 ID:A4nPdJRZ0
訓練された犬ですら、アライさんへのイラつきを抑えられないのか…




789 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 10:49:15.62 ID:2Lyz+TXpo
犬はアライさんの腹に噛みつき、腹の肉をメリメリと引っ張る。

アライしゃん「あぎゃぁああーーーー!ぎぴぃぃいぃーーーっ!!」ジタバタ

俺は何度も「佐助!待て!」の命令をするが、
犬は頭に血が上り、耳に入っていないようだ。

犬「グバウゥゥーッ!」ブヂイィ

アライしゃん「いぢゃいのだあああああああああああ!!!!!」ブシュウウゥウ

犬はアライさんの腹の肉を噛み千切った。
薄い皮膚と脂肪層が引き裂かれ、未発達は腹筋が露になる。

言っておくが、うちの犬は普段はこうじゃないのだ。
小鹿やイタチで訓練するときは、「捕らえろ」の命令で必要以上に傷付けることはないし、
「仕留めろ」の命令の最中でもちゃんと「待て」の命令を聞いてくれる。

それに、まだ成犬でないのだ。
今までこいつは、体長1mの動物をブンブンと振り回すパワーなど見せたことがないし、
腹の肉をあっという間に引き裂くような、成犬すら超えるアゴの力があったなどと、飼い主の俺ですら今初めて知ったのだ。

790 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 10:58:13.83 ID:lzsIFwrwO
犬「ウゥ!ガウルルゥ!」ガブゥブヂィ

アライしゃん「いぢゃい!いぢゃいぃぃ!ヒトしゃん!だずげでえぇっ!こいつをごろじでほじいのだあぁ!」

あ゛ぁ゛!?
何の義理があっててめーのような害獣を助けなきゃならねえんだ。
死ぬのはてめーだクソガイジゴキバエがぁ!

「佐助!仕留めろ!」

…しまった。
訓練の予定にはなかったのに、つい余計な命令を口走ってしまった。

792 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 11:07:48.64 ID:2Lyz+TXpo
犬「グギャルルルゥゥウーーーッ」ガブブヂイィ

アライしゃん「ごぶえぇーーーーっ!!」ズルズルウゥゥ

俺が間違えて「仕留めろ」の命令を出した途端、
犬はさらなるパワーでアライさんの腹筋を食い破り、腸を引きずり出した。

おおう、何だこれ。
お前本当に犬か?
こんな所業は狼とかチーター等の猛獣がやる芸当だぞ。

犬「ギャウウゥゥウゥ!」ブヂィポイッ ブヂィポイッ

アライしゃん「ぶぎいっ…ご…ぼごぼぇっ…」ブシュウウゥウ

腸を引き裂き、腎臓を噛み千切り、肝臓を引きずり出し、胃を切断し、膵臓を放り捨てる。

犬は腹から引きずり出した臓物を、噛み千切って辺りへ放り捨てていく。

…おいおい、もっと効率的な仕留めかたはいくらでもあるんじゃないのか?

俺は小鹿とかで教えたぞ。
動脈とか神経束とかの急所を狙えば、必要最小限の力で効率的に仕留められるのだと。

795 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 11:59:23.52 ID:2Lyz+TXpo
アライしゃん「ぎ…び…」ピクピク

犬「ハッハッ…クゥーン…」

消化器系の内臓をバラ撒き終わった後、犬は大人しくなる。
まだ循環器系は残ってるが、このまま放置すれば死ぬだろう。
「仕留めろ」の命令は完遂した。…結果はともかく、やり方に問題を感じるが。

この犬は、訓練中の猟犬見習いである。名は佐助だ。

猟犬は俺の家系を代々助けてくれたパートナーだ。
その嗅覚で獲物を探し当て、速いスピードで獲物を追い詰め、格闘する。
その最中に、俺ら狩人が獲物を銃で仕留める…。
猟師と猟犬の連携によって、獣を捕らえるのである。

もうすぐ、実戦経験を積ませようと考えている。

佐助のやつは、普通の獣を狩るときにはまともに命令を聞くし、並の身体能力で狩りをするのだが…。
アライさんを狩るときのみ、異常に狂暴になり、まるでリミッターを解除したかのように体の力を振り絞るのだ。
そしてその後2日は、筋肉痛と疲労でヘトヘトになりやがる。

一体、なぜなのだろうか…。
こいつをアライさん狩りに連れていっても大丈夫だろうか。

796 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 12:00:22.85 ID:2Lyz+TXpo
つづく


800 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/27(日) 14:43:06.97 ID:ycyFai+d0
アライさんの容姿と言動のウザさは
そうそう訓練で克服できるものではなかったかw






最終更新:2017年11月14日 12:56