860 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:42:34.12 ID:oQZw67t8O
佐助「ハッハッ」
…結果オーライ、ではないぞ。
今回はたまたまうまく言ったとはいえ、狩猟は単独プレーでやるもんじゃない。
連携が大事なのだ。
調子に乗って己の力を過信すると、やがて痛い目に遭うぞ。
佐助「クゥーン」
これはお前のために言っているんでもあるんだぞ。
敵を深追いするあまり、危険な地形に迷い込み、転落したり戻ってこられなくなったらどうする。
もしくは、アライさんの罠に誘い込まれ(まあ、ないとは思うが…)、袋叩きにされたらどうする。
その時は、お前が死んでしまうのだぞ。
未来の相棒よ、早死にするような真似はよせ。
後でたっぷり躾し直してやる。
こいつらの死体を材料にドッグフードを作った後でな。
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:47:13.27 ID:2Lyz+TXpo
だが、その前に。
せっかくお前を連れてきたのだ。
ま だ や っ て お く こ と が あ る だ ろ う ?
俺は、動かなくなった子供アライさんを佐助の眼前に置く。
「佐助、嗅げ」
佐助「クンクン…」クンクン
佐助は子供アライさんの匂いを嗅いでいる。
「佐助、探せ」
佐助「ハッハッ、クンクン…」ザッザッ
佐助は、地面の匂いを嗅ぎながら、森の奥へ進んでいく。
俺は籠を持って佐助のあとを追う。
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:52:37.19 ID:2Lyz+TXpo
俺は籠へ、動かなくなった子供アライさんを入れ、佐助の後を追っている。
佐助の進むペースは、徐々に遅くなってきている。
筋肉に疲労が溜まっているのが見て分かる。
やがて、佐助は岩の下にある穴を見つけ、そこを嗅ぐ。
佐助「ワン!ワンワン!」
俺に向かって吠えた。
さて、どうすべきか…
ここまで来たのだ。やらせてやろう。
「佐助、捕らえろ!」
佐助は、岩の下の穴へ顔を突っ込んだ。
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:56:36.38 ID:/7e0sCDZO
佐助「…」ゴソゴソ
「けものなのだー!」
「こわいのだー!」
「のだああぁ!?はなすのらああ!」
佐助が穴をゴソゴソしてると、うるさい声が聞こえてくる。
佐助「ワン!」ズルゥ
アライちゃん1「のあぁぁ!はなすのだああぁぁ!」ジタバタ
オーケー、上出来。
あの母親の巣穴が見つかり、生き残ってたガキを捕らえたというわけだ。
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:05:18.98 ID:/7e0sCDZO
佐助が獲物を捕らえてこっちへ来る。
佐助「クゥーン…」ブラン
アライちゃん1「ひ、ヒトなのだ!よかったのだ、ヒトしゃん!あらいしゃんをたすけるのだ!このけものをやっちゅけてほしいのだぁ!」ジタバタ
あ゛ぁ゛!?
てめえどのツラ下げて我が優秀な愛犬より偉くなった気でいるんだ地上を穢すクソ虫共が!!
佐助、そいつを地面に落とせ。
佐助「ハッハッ」パッ
アライちゃん1「のあぁっ!?」ボトッ
アライちゃん1「よかったのだ、たすかったのだ!これでおうちに帰れるのだ」ヨチヨチ
帰すわけねーだろウジ虫。
ハエの幼虫を逃すと思うか?
俺は弾丸装填済みのエアライフルをアライちゃん1の背中に押し付け、
引き金を引いた。
アライちゃん1「びっ!」グチャアァ
アライちゃん1は、派手に内臓を撒き散らして宙を舞った。
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:15:32.38 ID:2Lyz+TXpo
さて、今のやつが最後なのか?
佐助「ハッハッ」ザッザッ
佐助は巣穴に顔を突っ込む。
どうやら、まだ獲物がいるようだ。
佐助「クゥーン」ザッ
顔を穴から出す。
そう、佐助は若いとはいえ大型犬。
アライさんの巣穴に潜り込むことはできない。
じゃあどうするか?
…ここからは、俺の出番だ。
まずは巣穴のそばに、姉の死体を置く。
「くんくん…おねーしゃんのにおいなおだ!」
「おねーしゃんがかえってきたのだ!」
「のあー」
「ちのにおいなのだ!とりをつかまえてきてくれたのだ!」
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:18:00.15 ID:2Lyz+TXpo
俺は釣り竿の先へ、錘とスルメをくくりつける。
そしてそれを巣穴へ投げ込む。
「のだっ!?」
「たべものなのだぁ!おねーしゃんがくれたのだ!」
「これがとりなのか?」
「たべるのだー」ガシッ
手応えあり。
俺はリールを巻く。
「にげるなー!」
アライちゃん2「のだー!」スポッ
出てきた。
バカみたいなやり方だが、これが通じるのがアライさんなのである。
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:28:25.41 ID:2Lyz+TXpo
アライちゃん2「かたいのだー」アギアギ
アライちゃん2は、スルメをかじっている。
俺はエアライフルへ弾を込めると、アライちゃんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く。
アライちゃん2「」バチャアッ
頭が吹っ飛んだ。
アライちゃん2「」ビグンビグンッビグビグガグッガグッビククッバッタタッタバタタッ
次の弾をエアライフルへ込める。
そして、巣穴を注視する。
アライちゃん3「たべものー?」ヨチヨチヨチヨチ
続いて、巣穴からもう一匹アライちゃんが現れた。
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:33:38.35 ID:2Lyz+TXpo
アライちゃん3「?おねーしゃん?なんでうごかないのら?」ユサユサ
アライしゃん「」ガクガク
巣穴の前に置いといた子供アライさんに近寄っている。
アライちゃん3「おねーしゃん?どちたのら?なんでへんじしないのらぁ?おかーしゃんは、とりは?」クイクイ
まあいい。
アライちゃん3の頭を照準に捉え、引き金を引いた。
アライちゃん3「」グチャアァ
頭がガクンと動いた。
アライちゃん3「」ビグビグガクガクバタッバタッタタタッビグビグ
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:37:51.27 ID:2Lyz+TXpo
もういないのだろうか?
俺は巣穴に再びスルメを投げ込む。
「のぁー?」
「ぁー」
…かからない。
だが、声が聞こえる。
恐らく、残りは乳児だろう。放っておいてもそのうち死ぬだろう。
佐助「ウゥウゥ……」シッポブンブン
佐助が尻尾をブンブンと振っている。
これは、尿意、便意が近いというサインだ。
まいったな。
猟犬の匂いがこの辺につくと、他のアライさん達に警戒される恐れがある。
どこか、便を出しても匂いが漏れないところはないだろうか…?
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:39:25.94 ID:7+yui2zzO
…そうだ。
俺は巣穴を指差し、こう言う。
「佐助、シーシー」
佐助はそれを聞くと、巣穴の前へ歩いていき、尻尾を上げた。
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:41:47.66 ID:2Lyz+TXpo
佐助「ハッハッ」ジョボボボボボ
佐助は、アライさんの巣穴の中へ排尿していく。
今までよほど我慢していたのだろう。すごい量だ。
「ぴいいぃいぃ!!?」
「やぁなああ!」
巣穴の中から乳児の声が聞こえるが、構うもんか。
続いて、佐助は尻を巣穴の上へ近付ける。
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:46:22.18 ID:2Lyz+TXpo
佐助「フゥー」ブリブリブリブリブリブリ ボトッ
佐助は、巣穴の中へ排便した。
こちらも相当我慢していたのであろう。
「びぎゃぁああああ!」
「ぴぃいいぃいぃい!!」
悲痛な叫びだ。
…俺はスコップを出すと、
土を掘って巣穴へ落としていく。
「ぎぴいぃ…」
「おがーしゃ…」
土を落としていくと、そのうち声が聞こえなくなった。
…やがて、巣穴は完全に埋まった。
これで他のアライさん共が、佐助の小便と大便のにおいに気付くことはないだろう。
俺達は、獲物の死骸を持って森を後にした。
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:51:04.85 ID:2Lyz+TXpo
…
翌日。
今日はみっちり躾直すぞ。
訓練が済んだら戦利品として、アライさんで作ったドッグフードを佐助へくれてやろう。
俺は犬小屋へ向かう。
佐助!訓練だ、起きろ!
…しかし、呼んでも佐助は出てこない。
どうした?佐助…
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:52:57.48 ID:2Lyz+TXpo
俺は犬小屋の中を覗く。
佐助「…ゥウゥ~…ォフゥ…」グッタリ
明らかに疲労困憊し、筋肉痛に苦しんでいる。
…あんだけの怪力で暴れたのだ。今度は回復するのはいつになるやら…
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 23:58:26.33 ID:2Lyz+TXpo
…
ハンター達が去った後、森の中では…。
アライさん1「うぅ、また知り合いのアライさん一家がいなくなったのだ…」ザッザッ
アライさん2「きっとヒトにやられたのだ……」ザッザッ
アライさん3「うぅ…なんでヒトはアライさん達を殺すのだ。仲良くしようとは思わないのか…」ザッザッ
??「やあやあアライさんたち。ヒトと仲良くしたいなら、いい方法があるよ」
アライさん1「!?」
突然、帽子を被った少女がアライさん達に声をかけてきた。
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 00:04:14.04 ID:UavrjrOjo
アライさん2「だ…誰なのだ!?」
アライさん3「この声、アライさんの仲間じゃないのだ。ヒトなのか?」
??「いーや、違うよ~。私はアライさんの友達。フレンズさ」スッ
そう言った少女は帽子を脱いだ。
黄色く大きな2つのけもみみが現れる。
??「ヒトと仲良くするなんて簡単だよ~。戸籍をとればいいんだからねー」
アライさん1「こ…こせき?」
アライさん2「なんなのだそれ?お宝なのか?」
??「うーん、ある意味お宝かな。ヒトと共存できる権利。うん、間違いなくアライさんにとってお宝だね」
アライさん3「欲しいのだ!」
アライさん1「探すのだ!どこにあるのだ?」
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 00:10:03.56 ID:UavrjrOjo
大きな耳のフレンズ「そうだな~。明日の朝、日が出るとき、できるだけたくさんアライさんの仲間をここへ連れてきてくれるかな?」
アライさん1「わかったのだ!」
アライさん2「アライさんにお任せなのだ!」
大きな耳のフレンズ「…」
アライさん3「みんなで宝探しなのだ、わくわくするのだ!」
大きな耳のフレンズ「…そういうところ、やっぱ君達もアライさんなんだね」
アライさん1「?何を言ってるのだ?アライさんは元々アライさんなのだ!」
大きな耳のフレンズ「うん…うん。そうだ、言っておくけど、戸籍を取得するには、とっても簡単なテストを1個だけやる必要があるよ」
アライさん1「テスト?難しいのか?」
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 00:15:15.59 ID:UavrjrOjo
大きな耳のフレンズ「簡単だよー。私なんて、10秒もせずテスト終わったからねー。アライさん達もすぐ終わるはずだよ」
アライさん2「戸籍を手に入れると、どうなるのだ?」
大きな耳のフレンズ「ヒトとおんなじ暮らしができるんだ。普段、ヒトがどんな美味しいもの食べてるか分かる?…野菜の丸かじりなんかより、ずっと美味しいよ」
アライさん3「楽しみなのだぁ!」
大きな耳のフレンズ「それじゃあ、また明日ねー」スタスタ
アライさん2「待つのだ!お前の名前は何なのだ?」
大きな耳のフレンズ「…」
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 00:16:43.74 ID:UavrjrOjo
大きな耳のフレンズ「…キツネ。キツネって呼んでくれる?アライさん」
アライさん1「わかったのだ、キツネ!」ザッザッ
アライさん2「恩に着るのだ!」ザッザッ
アライさん3「仲間をたくさん集めてくるのだ!」ザッザッ
大きな耳のフレンズ「…」
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/28(月) 00:17:10.91 ID:UavrjrOjo
つづく
最終更新:2017年11月14日 19:02