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ブラウンPvsショクエモンP その6

237 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 22:16:53.66 ID:1xja7xEro
観客1「いーじゃねーか!そんな細かいことくらい!」

観客2「揚げ足とりだー!嫉妬かフェイロン!?」

観客3「それの何が悪いんだよ!」ブーブー

フェイロンP「…よいか?そもそもアラジビ料理とは、経済破壊者であるアライさんを駆除する『ついで』に、資源として有効活用しよう、という試みなのじゃ」

フェイロンP「いわば、アライさんによってもたらされた経済損失の、『穴埋め』さえできればそれでいい…。そういうもんなのじゃ」

観客1「そうなのか?」

観客2「さぁ…」

フェイロンP「アライさんが絶滅するまでは死体を有効活用して経済損失を抑え、アライさんが絶滅したらハイお仕舞い。…と、アラジビ料理の終着点はそこなのじゃ」

フェイロンP「いわば、物好きどものB級グルメ。…そんな立ち位置で、好きなもの同士で身内っぽいノリでやるもんなのじゃ」

観客3「…?」ポカーン

239 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 22:23:44.37 ID:1xja7xEro
ブラウンP「お言葉ですが…それが何故『物言い』に繋がるのですか?私は敗北しましたが、彼の料理は本当に素晴らしく、価値あるものですよ」

司会「大会規定では、『繁殖させたアライさんは禁止(というか違法)』とだけあります。2年も食事を与えたとはいえ、繁殖させてないなら違反ではありません」

フェイロンP「わからぬか!…ショクエモンPは、アライさんに…いいや!『デブアライさんの脂肪肝』へ!最高級食材としての価値を与えてしまったのじゃ!」

司会「…あの、それが何か?」

会場の客は皆、ポカーンとしている。

242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 22:30:06.10 ID:1xja7xEro
フェイロンP「わからぬか。あのフランス大使は、帰国したら嬉々としてフォアグライの美味を語るじゃろう」

フェイロンP「そして世界史の誰もが、やがて高級食材であるフォアグライを食いたがるじゃろう」

司会「…?アラジビ料理が評価されるのならば、良いことでは?」

フェイロンP「違う。需要があるのは、『赤ん坊の頃から肥やされたデブアライさん』だけじゃ。野良アライさんのジビエ料理の需要は伸びぬ」

ブラウンP「それだけアライさんの駆除が進むということでしょう」

フェイロンP「進まぬ。何故なら他国の者共は、アライさんの駆除を望まなくなるからじゃ」

ブラウンP「あ…」

フェイロンP「アライさんに、農作物の経済損失におつりがくるほどの価値がもたらされたとき…それでも尚、アライさんを絶滅させようとするならば」

フェイロンP「わしらの立場は逆転する。真の経済破壊者は、アライさんどもでなく、それを滅ぼそうとするわしらの方となる」

観客達『………』

246 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 22:37:30.95 ID:1xja7xEro
司会「そんな突拍子もない…飛躍しすぎですよ」

観客1「でも、なんか…あのジィさんの言うこと、分かる気がするぞ!」ザワザワ

観客2「確かに…いや!ただ単に迫力に気圧されて、わかった気になっただけかも」

観客3「よくよく考えると、あのジィさんの言ってること、曖昧なことばっかで具体性がねーぞ!」ドヨドヨ

会場はどよめき立っている。
あちこちで議論だか何だかわからない話が始まった。

司会「で、ではどうしろというのですか?」

フェイロンP「この試合、勝者は無しじゃ。フォアグライは悪魔の魅力を持つ食材。この場で永遠に封印し、お蔵入りとするしかないのう」

フランス大使「そうはいきませんよ?これだけ素晴らしい食材が見つかったのです。世界中に発信せねばバチ当たりですなぁ」

フェイロンP「ぬぅ…!」

247 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 22:44:41.53 ID:1xja7xEro
会場は大混乱。
もはや司会がどう仕切っても、収拾はつかないだろう。

食通の友人「どうすんだこれ…」

ブラウンP「…」

「お前達、頭を冷やすのです」

そこへ、何者かの声が聞こえた。

食通の友人「…?誰だ?」

「シンプルに、考えるのです」

声の主は、空から飛んでやってきた。

頭に生えた翼を羽ばたかせ、一人の少女がステージへ舞い降り、着地した。

観客達『…!?』

??「…少し落ち着くのです」

アライちゃん1「はなちてー!」ジタバタ

アライちゃん2「はなすのらー!」ジタバタ

空から来た少女は両手に1匹ずつ、アライちゃんを握っている。

フェイロンP「誰じゃお主…?フレンズ省の大臣に似ておるが、色が違うの。それに、あやつより落ち着きがある」



249 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 22:50:31.36 ID:ZQpZKY9w0
あ、カレーの鳥だ


250 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 22:50:54.08 ID:1xja7xEro
ブラウンP「…あなたは…。お久し振りですね」

食通の友人「…まさか…。『特定有害駆除対象フレンズ根絶委員会』の…『会長』…ですか…?」

会長「そうなのです。私は会長です。偉いのです」バッサバッサ

司会「か、会長…!」

フェイロンP「…そうか、あんたが…」

『特定有害駆除対象フレンズ撲滅委員会』。

それは、特定有害駆除対象フレンズ撲滅のための活動を考え、運用する組織である。

アラジビフェスも、この委員会により支援・運営されているのだ。

アライちゃん1「はなしてー!」ジタバタ

アライちゃん2「やなのだー!おかーしゃんのとこかえるのだー!」ジタバタ

252 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 22:53:14.06 ID:1xja7xEro
フェイロンP「な、なんじゃ…?わしの言うことに、間違いがあるか…?」

会長「大有りなのです」スッ

そう言うと会長は、フェイロンPに右手に握るアライちゃん1を見せる。

会長「アライさんの肉は、美味しいのです」ギュウ

アライちゃん1「ぐ、ぐるじいのら!」ジタバタ

253 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 22:57:12.66 ID:1xja7xEro
会長「森にいくらでもいて、効率化すればたくさん捕まるのです」アーン

会長は大口を空ける。

会長「あぐっ」ガブゥ

アライちゃん1「ぐびっ…!」ブシュウゥウ

観客『!?』ドヨッ

なんと、会長と名乗ったその少女は。
魚肉ソーセージでも頬張るかのように、アライちゃん1を丸かじりにした。

流れ落ちる血で、口が汚れ、服が汚れ、手が汚れ、床が汚れる。

会長は、美味しそうにアライちゃん1の肉を咀嚼している。

アライちゃん2「ひ、ひいいいぃぃぃっ!だ、だじゅげでぇーーーっ!」ジタバタジタバタ

目の前で、姉妹が丸かじりにされたのだ。
暴れないわけがない。

255 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 23:01:16.97 ID:1xja7xEro
ブラウンP「うっ…わっ………」

食通の友人「ヤベぇ…」

フェイロンP「!?!?な、な…う、嘘じゃろ…?」

会長「うん、美味なのです」サクサク

アライちゃん1「」ビグビグッビグビグッバタババタッガグガグビッグッ

観客1「ひ、ひえええええええっ!!」

観客2「うわああああっ!く、食った!丸かじりにしたッ!!」

会長「何がおかしいのですか?んむんむ…お前達も食ってるのです、同じなのです。あぐっ」ガブブチィ

会長は、アライちゃん1の肉を強靭な顎で噛み千切り、咀嚼し、飲み込む。
口のまわりは血で染まっており、まるで映画のヴァンパイアか…、サバンナで獲物を狩る猛獣だ。

256 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 23:04:52.24 ID:1xja7xEro
会長「うん。とても美味なのです」ゴクン

食通の友人「…よ、よく、丸かじりなんてできますね…」ゴクリ

会長「主食なのです」

食通の友人「しゅ、主食ゥ!?」

会長「1日3アライなのです」

食通の友人がアラジビ料理を振る舞うのは、常日頃からのことではない。
ハンターが仕留めたときに告知する程度である。
自身が食する機会は、新メニュー考案の時や、たまに食いたくなった時くらいだ。

間違っても主食になど、したりはしない。

257 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 23:11:06.25 ID:1xja7xEro
フェイロンP「ひ、ひ…」ブルブル

会長「そんなに調理のための創意工夫が悪いなら…」ズイッ

アライちゃん2「ぴぃっ!?」

片手に握るアライちゃん2を突き出す。

会長「あなたも丸かじり、するといいのです」ズイイッ

アライちゃん2「ひ、ひぃぃ…お、おねがい…た、たべないで…ほじいのだ…ぐすっ…」シクシク

フェイロンP「ひ、ひいっぃぃぃいいーーーーっ!!!うわああぁーーーーーっ!!!!!」

完全にビビっているフェイロンP。

会長「美味しい肉を、美味しく料理することは、いいことなのです」

会長「だからどんどん捕まえて、どんどん殺して、どんどん食べる。それを楽しみ、盛り上げる。ただ、それだけなのです」

会長「そこに理念とか、小難しい理屈はいらないのです」

フェイロンP「し、しかし…、アライさんが絶滅したら…膨れ上がったビジネスは崩壊するんじゃぞ………」ブルブル

会長「そもそも今のままじゃ農業が崩壊するのです。滅ぼした後の心配は滅ぼした後でするのです」

会長「まだ何かあるのですか?」

食通の友人「……」

誰も、何も、言い返せなかった。

258 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 23:17:58.56 ID:1xja7xEro
あまりにも、考えがブッ飛びすぎていて。
それでいてピュアであり、スマートな結論である。

会長のことを知らない者であっても、会場の誰もが瞬時に理解した。

ステージで花形となったブラウンPも、ショクエモンPも、所詮は仕事人にすぎないのだと。

彼女…会長こそが、この国のアラジビ食の親玉。
すべてのアラジビの流れを作り、支配する『王』なのだと。

彼女の動機は極めてシンプルであった。
『美味しいからたくさん食べたい。』
『だからたくさん捕まえる。』
『滅んでも別にいい。だって害獣だから』

会長は、姿はヒトのようであっても。
思考は完全に肉食獣そのものなのである。

彼女は、はなからアライさんを滅ぼすために食っているのではない。

アライさんを食うことそれ自体が目的であり。
滅ぶまで乱獲した後のことを考えていない。
ただそれだけの食欲が動機なのである。

259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 23:22:57.71 ID:1xja7xEro
会長「皆さん、アラジビは美味しいですか?」

観客『……』シーン

どう答えていいか分からなかった。

会長「美味しいアラジビを食べたいですか?」

観客1「た…食べたい!」

観客2「食べたいぞ!」

観客3「おーいしー!」

会長「では、アライさんをたくさん捕まえて、美味しく食べるのです。我々は、それを心から応援し、後押しするのです」

会長「…では、さらばなのですあーん、がぶっ」ガブウゥ

アライちゃん2「ぐびっ」ブシュウウゥウ

会長はアライちゃん2を丸かじりにすると、飛び去っていった。

262 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 23:30:57.35 ID:1xja7xEro
フェイロンP「…」ゼェハァ

食通の友人「…キチガイだ。俺みたいなファッションキチとは違う。ありゃマジモンだ」

ブラウンP「彼女…あんなだったかな…?いやいや…昔はあんなじゃなかったはずだが…」ウーム

司会「…というわけで、し、仕切り直し!」

司会「勝者はショクエモンPーッ!皆様、盛大な拍手をーーーッ!」

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

観客『ショックエモン!ショックエモン!ショックエモン!』

司会「そして素晴らしいステージクッキングを披露してくれた、ブラウンPにも拍手をお願いします!」

観客『ブラウン!ブラウン!ブラウン!!』パチパチパチパチ

観客1「俺はあんたの方が好きだぞーッ!」パチパチパチパチ

観客2「ショーではあんたが勝ってたぞーッ!」パチパチパチパチ

観客3「いつかまたリベンジしてくれーッ!」パチパチパチパチ





先程の混沌とした雰囲気とは一変。
会場は、温かい拍手に包まれた。





デブアライさん1「だからそんなことしてないで!アライさんをたすけるのだーーッ!!!」ジタバタ

266 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 23:38:13.48 ID:1xja7xEro
…

メインイベントのステージクッキングは終了。
20:30の閉会まで、客達はあちこちでアラジビ料理を楽しんでいた。

5番ブースでは、長蛇の列ができており、水餃子や小籠包がたくさん売れていた。
隣のブースでは、デブアライさん1と2が仲良くアライトロ焼肉となっていた。
勿論、デブアライさん1の肝臓は食通の友人が自分のブースへ持っていった。


夜も賑わう屋台の傍らで。
ステージの上にぶちまけられた血と肉片を、清掃員が片付けていた。

269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 23:45:25.84 ID:1xja7xEro
清掃員「…」サッサッ

客「…彼女、随分手際いいですね」

スタッフ「ああ。彼女は凄いぞ、血の跡も、孤独死した老人の死体も、なんだって綺麗に清掃しちまうんだ」

客「へぇ~…」

スタッフ「なんでも、ジャパリスタジオっていうフレンズの芸能事務所のスタッフなんだとか。いつもはペパプライブの前後で清掃をやってるらしい」

客「ああ、そういえば…。オープニングで出てましたね」

スタッフ「まあ、清掃員を眺めるより、アライさん料理でも眺めてはいかがですか?」

スタッフが5番ブースの隣を指差す。

デブアライさん1「あが…ぁっ…」ブラン

シャークP「ヒャッハー!そーうら、またその腹の脂肪を削ぎ取って!焼いてやるぜえぇ!」ザグザグ

客達「Yeahhhhhhhh!!」







最終更新:2017年11月14日 20:48