322 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 21:54:41.11 ID:qV0IX2gFo
…
食通の友人「さて、明日を待つか。交渉の日を…」
ドア「」ドンドンドン
食通の友人「ん?はーい、誰だ?」ガチャ
アライさん1「お宝をよこすのだ!」ドドドドドド
アライさん2「
天下を取るのだ!」ドドドドドド
アライさん3「ここにお宝があるって聞いたのだ!」ドドドドドド
アライさん4「なのだー!」ドドドドドド
食通の友人「ぶべら!」ドゴァ
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 21:59:53.85 ID:qV0IX2gFo
なんということだろうか。
ドアを開けた瞬間、大量のアライさんが店に雪崩れ込んできた。
食通の友人「な、なんだこいつら!?一体なぜ…どこから!」
アライさん5「ここにお宝があるって聞いたのだ!」ゾロゾロ
アライさん6「探すのだ!ふはははっはは!」ドンガラガッチャン
アライさん7「うまそうな匂いがいっぱいするのだ!きっとお宝は食べ物なのだ!」ガサゴソ
アライさん8「ちび達が喜ぶのだー!」ガチャガチャ
食通の友人「やめろ!ああ食器を壊すなてめぇら!やめろ!」ガシッ
食通の友人は包丁を握る。
アライさん9「ここがお宝の家なのか?」ゾロゾロ
アライさん10「戸籍を取りに行った奴等には出遅れたけど、こっちのお宝があるのだ!」ズカズカ
アライさん11「見付けたのだ!干されたニンジンなのだ!美味しそうなのだ!ふはははは!」ガジガジ
食通の友人「てめえ!俺の朝鮮人参を食うんじゃねえ!」
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:05:19.81 ID:qV0IX2gFo
食通の友人「くたばれクソガイジ!」ザグッ
アライさん12「いだいのだあぁあ!」ブシュウウゥウ
アライさん13「な!あいつ、武器を持ってるのだ!」
アライさん1「こっちも武器を探して戦うのだ!」ガサゴソ
アライさん2「ふはははは!刀があったのだ!かっこいいのだ!」キラン
食通の友人「それは、俺の出刃包丁…!」
アライさん3「すごいのだ!それはきっといにしえの名刀か、呪われし妖刀なのだ!もってかえって使うのだ!」
食通の友人「13匹か…骨が折れそうだ…が、やるしかねえ!」ダッ
アライさん3「刃物持ってるのだ!逃げるのだ!」ササーッ
食通の友人「隠れても無駄だ!」バッ
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:13:59.60 ID:qV0IX2gFo
アライさん4「たあ~」ドガッ
食通の友人「いでっ!」
アライさん4は、食通の友人の後頭部をフライパンで殴った。
食通の友人「てめぇブッ殺す!だらぁ!」ドゴォ
アライさん4「ガードするのだぁ!」カキィン
フライパン「」ベゴン
食通の友人が放った正拳突きは、フライパンにガードされた。
あわれフライパンの底は拳の鋳型をとったかのように凹んでしまった。
食通の友人「くっ…そのフライパンお気に入りだったのに…」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:32:10.49 ID:qV0IX2gFo
食通の友人は、刃物を持ってアライさん達を牽制している。
いい時間稼ぎだ。
おかげでエアチャージが完了した。
見せてやるぜ、この新兵器の威力をな。
俺は店の外から小窓へ身を乗り出し、アライさんの群れ目掛けて発砲した。
アライさん1「ごぎゃああぁ!」ブシュゥ
アライさん2「のだあぁ!?」ブシュゥ
アライさん3「がびいぃ!!」ブシュウウゥウ
アライさん4「いぎゃいぃぃ!」ブシャアァ
アライさん5「あろぇっ」グチャアァ
食通の友人「!?」
アライさん6「な…なんなのだお前ら、なんで怪我してるのだ!?」アセアセ
俺は窓の下へ身を隠す。…効果てきめんだ。
いいな、この新兵器は。仕事が捗って最高だ。
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:39:32.62 ID:qV0IX2gFo
12連射式エアライフル。
クッソ高かったが、それでも元が取れる活躍だ。
俺は弾と空気をチャージしながら、別の小窓の下へ移動する。
アライさん6「な、何なのだ!?」
アライさん7「あっちの窓からシュパシュパって音がしたのだ…!」アセアセ
アライさん8「何か飛んできたのか!?危ないのだ、近づいちゃまずいのだ」テクテク
俺がさっきまでいた小窓を警戒しているようだ。
だが、こっちの方向からは狙いやすいな。
俺は小窓の外から、アライさん達向かって12連射を放った。
アライさん6「ぎびぃっ!?」グシャアァ
アライさん7「あぐえぇぇっ!?」ドブシャ
アライさん8「な、なんぎゃあぁああ!!」ドシャアァ
食通の友人「これは、空気銃…まさか、ハンターか!?」
この雑魚どもは陽動だ!狙われてるのは地下室のブツだ!
警察には通報しといた、お前は地下へ行け!
食通の友人「わ…わかった!」タタッ
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:48:01.09 ID:qV0IX2gFo
…
~地下室~
不審者1「きっとここだぞ…扉は、鍵かかってるな」コンコン
不審者2「丸ノコで切ってやる!」ブイイイィィイン
扉は鍵を建ちきられてしまった。
不審者1「開けるぞ!」ガチャ
デブアライさん4「…う………」
デブアライさん5「ヒト…なのだ…」
不審者1「うわぁ、こんなに太らされて、可哀想に…大丈夫かい?」
不審者2「こっちに車があるから、来て!僕らは君たちを助けにきたんだ!」グイグイ
デブアライさん4「たす…け…?」
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:54:38.04 ID:qV0IX2gFo
不審者2人とデブアライさん4&5は、地下室を出ようとしている。
地上への階段を上ろうとしていた。
デブアライさん4「ぜぇ…はぁ…もう、はしれないのだ…」ヨタヨタ
デブアライさん5「やすませて…ほしいのだ…」モタモタ
不審者1「あとちょっとだぞ!頑張れ!急げ!」
デブアライさん4「休憩するのだ…」ノソリ
デブアライさん5「もう走れないのだ…」ズシリ
デブアライさん姉妹は、その場に座り込んでしまった。
不審者2「座っちゃダメだ!走ってってば!」グイグイ
すると、階段の上から…
食通の友人「ハーーーローーーーゲーーーーーーン!!!!!」ドゴォ
唐突に、食通の友人が飛んできて、ダブルラリアットをキメた。
不審者1「ぐげぇーッ!」ドサァ
不審者2「ぐえっ!」ドゴォ
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:02:00.77 ID:qV0IX2gFo
不審者1「」ピクピク
不審者2「」ピクピク
食通の友人「やべぇ…思わずアライさんをブッ倒す感覚で殴っちまった。大丈夫かな?」
食通の友人「とりあえず縛っておくか…」
…
やがて警察がやってきた。
不審者2名は連行され、店内を通りすぎていく。
警官「オラとっとと歩きなさい!」
不審者1「うぅ……」
不審者2「なぜ僕達が捕まる側なんだ…捕まえるべきは、アライさん達を殺すショクエモンじゃないのか!?」
警官「不法侵入に窃盗未遂!こんだけやらかしてなにいってんですか」
アライさん1の死骸「」ドクドク
アライさん2の死骸「」グチャグチャ
不審者1「うっ…あぁ…酷い…!見てよおまわりさん!アライさんが殺されてる!」
不審者2「酷すぎる…このアライさん達とは、友達になれたのに!心を通わせられたのに!おまわりさん!これは殺人だよ!」
警官「うるせえ!パトカーに乗れ!」
ピーポーピーポー…
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:08:49.48 ID:qV0IX2gFo
食通の友人「…助かったぜ、ハンター」
ああ…
お前がフェスやたら儲けたっていう、フォアグライだな。
あれを狙ってくる強盗がいるかもしれねえと、踏んでいたんだ。
まさか、アライさんを囮にするなんて予想してなかったけどな。
食通の友人「そういう割にはエアライフル持ってんだな。すげーなそれ、セミオートか?」
ああ。
強盗相手に、丸腰じゃ話にならんだろ。
さすがに人に向けて撃つのはまずいが、殺されるよりマシだ。
食通の友人「…お前、いつから潜んでた?仕事は大丈夫なのか?」
心配すんな。
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:13:30.83 ID:qV0IX2gFo
…にしても、あのコソドロ、何者だろうな。
食通の友人「ああ、あいつらはただのアラ信だろうが…、それでも、俺の家に直接突撃してくるようなバカは初めて見た」
アラ信ってのは、よく知らんが…
アライさん達を陽動に使えるような連中なのか?
食通の友人「知らねえ…が、可能性はあるな。奴ら、森でアライさん達に餌をやってるって話だぜ。仲良くなるためなのか、単に愛でてるだけなのか」
クソが。
害獣も害獣だが、それを愛でる奴らも頭がおかしいぞ。
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:19:39.60 ID:qV0IX2gFo
食通の友人「ただ…どうもおかしい。アラ信は口がでかいだけで行動が伴わない連中ばっかだったはずだ」
行動が伴われてたまるか。
食通の友人「少なくとも、こんな過激なことをしでかすのは稀だったんだが……」
…何かに支援され、指示されてるのかもしれねえな。
今回の犯行も、『何者か』が計画し、奴等に指示したのかも。
食通の友人「デブアライさん姉妹を奪うためにか…」
あれを交渉に使うなら、さっさとやれよ。
なるべく早くな。
食通の友人「ああ…わかった」
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:33:13.83 ID:qV0IX2gFo
…翌日…
食通の友人「…以上が俺からの要求だ。どうだ?」
フランス大使『……誰に相談したのです?』
食通の友人「誰でもいいだろ。どうすんだよ」
フランス大使『…あなたは、いい知り合いを持ちましたね。交渉条件の追加とあらば、ひとまず持ち帰って検討します。1時間後にかけ直しま…え?必要ない?OK?…えーと、その交渉条件でよい、とのことです』
食通の友人「マジか…ほんとに通っちまった」
フランス大使『すみません、ちょっとお電話を替わります』
食通の友人「え」
中年女性の声『ボンジュール、ムッシュー・ショクエモン!あなたって最高だわ!』
食通の友人「む…?」
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:36:49.03 ID:qV0IX2gFo
中年女性の声『あなたのこと、動画でばかり追いかけてたけど。こうやって直接電話できるなんて夢みたい!キャー!』
食通の友人「…はは、どうも」
中年女性の声『ただのショー役者だと思ってたけど、そんなステキなアイディアを持ちかけてくれるなんて、あなたって本当に最高だワ!』
食通の友人「そんなにステキですか…?」
中年女性の声『ええ。だって、あなたがフォアグライを牛耳るってことは…』
中年女性の声『これからいつでも、貴方のライブキッチンを見せてくれるってことでしょ?』
食通の友人「…は、はい?」
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:46:02.32 ID:qV0IX2gFo
中年女性の声『正直、これまで考えていたアイデアじゃつまらなかったワ。アライさん達を、ただのフォアグライ材料にしちゃうなんテ』
中年女性の声『でもそれじゃつまらない。アライさん達には、肝臓以外にもたーっぷり魅力が詰まってるワ!絶望の悲鳴も、恐怖に染まる顔も、とってもチャーミング!』
中年女性の声『アナタもそう思って、あのコ達をできるだけたくさん苦しめて、絶望する顔を見ながら殺すために、フォアグライの管理者になるんでショ?』
食通の友人「…」
中年女性の声『ああステキ!そうよ、アライさん達へ死の恐怖を与えるタナトスであるアナタこそが、フォアグライの支配者に相応しい!キャーステキ!』
食通の友人「…」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:51:39.99 ID:qV0IX2gFo
中年女性の声『何にせよ、頑張ってネ。今後も気持ちいいライブキッチン動画の配信よろしクン♪』
食通の友人「…ど、どうも」
中年女性の声『それじゃあネ!アビヤント♪』
食通の友人「…」
フランス大使『…』
食通の友人「…」
フランス大使『…なにとぞ、彼女の期待に応えて差し上げてくださいますようお願いします』
食通の友人「…善処するよ」
そして、電話は切れた。
これで正式に、食通の友人はフォアグライ加工会社の経営を始めることになったのだ。
つい先程まで、フォアグライに似た何かの特許が、いくつもの日本企業から出願中であったらしい。
しかし電話の後しばらくすると、それら全ての出願が取り下げられたという。
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:56:16.68 ID:qV0IX2gFo
~地下室~
デブアライさん4「うぅ…結局また、ここに戻されたのだ…」
デブアライさん5「いいヒト達が助けに来てくれたのに…。正義のヒーロー達はやられてしまったのだ…」
デブアライさん4「この世には神も仏もいないのか…」
食通の友人「ちーっす」ガラッ
デブアライさん4「うぅっ……」
デブアライさん5「ま、また、アライさん達に無理矢理ごはんを食べさせにきたのか…?」
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 00:00:59.29 ID:qw44hvz2o
食通の友人「いいや、もうそんな事しないさ。ただ、ちょっとお腹を軽くしてやろうと思ってさ」
デブアライさん4「お腹を軽く…?」ブヨン
デブアライさん5「痩せられるのか?」ブヨン
食通の友人「ああそうだ。脂肪を落とすんだよ」
デブアライさん4「苦しくなぐなるのが?」
食通の友人「ああ。この世のあらゆる苦しみから解放されるぜ」
デブアライさん5「ほんとうか、はやくやるのだ!」
食通の友人「ああ、やってやるぜ。…ん?こりゃ何だ?」チラッ
食通の友人は、扉の側に転がる道具を見た。
デブアライさん4「ああ、それは正義のヒーローがアライさん達を助けるために、ドアを壊してくれた道具なのだ」
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 00:03:39.31 ID:qw44hvz2o
食通の友人「へえ、そうか。これで鍵を壊しやがったのか。それじゃあ………」
食通の友人「この丸ノコ、使っちゃおうかなああぁ」ブイイイィィイン
デブアライさん4「…?」
デブアライさん5「何に使うのだ?」ブヨンブヨン
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 00:06:00.55 ID:qw44hvz2o
食通の友人「知りたいかい?秘密だとしても…どうしても?」ブイイイィィイン
デブアライさん4「教えるのだ!」
食通の友人「それじゃあ!腹を割って!話そうかああああァァアーーーーーッ!!」ブイイイィィインブグシャアアアアア
デブアライさん4「うぎびいいぃぃいぃぃぃぃぃっ!!!!?」ブッシュウウウウゥゥ
デブアライさん5「ひいぃ!?」ビクゥ
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 00:09:37.69 ID:qw44hvz2o
…
デブアライさん4の脂肪肝「」ブルン
デブアライさん5の脂肪肝「」ブヨン
デブアライさん4「あっ…ご…えええぇ…」ブッッシュウウウゥ
デブアライさん5「が…がええぇ…ぜええぇぇ…」ドクドク
食通の友人「こいつを冷凍して配送すりゃいいわけだな」
食通の友人「…にしても」
食通の友人「わかってたが。欲しいのは脂肪肝だけか。料理は向こうのベテランフォアグラ料理人にやらせるのか…」
食通の友人「…なんかちょっと、くやしい」
デブアライさん4「うぅぅ………」ドボドボ
デブアライさん5「ぎびぃいぃ……」ブシュゥー…
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/02(土) 00:16:58.86 ID:qw44hvz2o
こうして、食通の友人は多額のカネを得た。
だが、そのカネは豪遊するために使うものではない。
フォアグライ加工会社を設立するための運用資金に使うのだ。
…もっとも、食通の友人は料理店の経営はともかく、会社の経営のことなどあまり興味がない。
料理人やってた方が楽しいので、経営は信頼できる人物へ任せておき、彼自身は権利書を持ってハンコ押すだけの役に就いたのであった。
最終更新:2023年08月18日 10:25