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アライハザード① ~襲撃される村~その2

744 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 21:53:08.43 ID:7DSIJ9VCo
…

~森の近くの村~

のどかな田舎の夕方。
農家の老夫婦が畑仕事を終え、麦茶を飲んでいた。

老人「ふぅ~、今年はいいトウモロコシができたのー」

老婆「そうじゃの。ふふ、東京の息子に送ったら喜ぶかのう」

老人「ばーさんや、あいつはもうそんなトシじゃねえ。トウモロコシなんかよりいーもんいっぱい食っとる」

老婆「…しばらく便りも寄越さんで、なにしとるんかのう」

老人「寂しいのう…元気にしとりゃいいんじゃが」

746 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 21:56:31.99 ID:7DSIJ9VCo
老婆「さ、お風呂沸きましたよ。お入んなさい爺さんや」

老人「おお、じゃあひとっ風呂浴びるかのう!」

……

老人は、風呂に浸かる。

老人「ふぅ…極楽じゃわい」カポーン

老人「このひとっ風呂が、腰の痛みに効くんじゃよな~。ふぅ~…」

ギャー!ワー!

老人「ん?…婆さんの声…?」

老人「ばーさん?どうした!」ザパァ

老人は、ろくに服も着ずに居間へ駆けつけた。

749 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 22:01:22.00 ID:7DSIJ9VCo
老人「ばーさん!」ガラッ

居間にいたのは。

アライさん1「ここは居心地良さそうなのだ!」

アライさん2「お野菜美味しいのだ!黄色いツブツブが甘くて美味しいのだ!」モグモグ

アライさん3「たくさん食べるのだー!」モグモグ

アライちゃん1「なのだー!」ゴロンゴロン

アライちゃん2「ひろくてきもちいのだー!」ゴロンゴロン

アライちゃん3「かいてきなのだー」ノンビリ

老婆「」グッタリ

老人「ば…ばーさん!お前らばーさんに何をした!」

アライさん1「アライさん達がご飯食べてたら、こいつが襲いかかってきたのだ!だからやっつけたのだ!」

アライさん2「正当防衛なのだ!」

アライちゃん1「なのだー!」ヨチヨチ

アライちゃん2「せーちょーぼーえーなのだ!」ヨチヨチ

751 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 22:07:32.38 ID:7DSIJ9VCo
老人「ぬっ…ぬがあああ!殺してやるうぅ!」バッ

老人は、鉈と鎌を持って飛びかかった。

アライさん1「たっくる!」ドガァ

老人「ぎゃっ!アッ痛ッだだーッ腰が!腰がグギっと!」ドテッ

アライさん2「弱いのだ!こいつもやっつけるのだ!」ズイッ

アライさん2は、畑を耕す鍬を持っていた。

アライさん3「正義の鉄槌なのだ!」ズイッ

アライさん3は、シャベルを持っていた。

アライさん2「のだぁ!」ズガァ

アライさん3「のだぁ!」ズブシャ

アライさん1「なのだぁ!」ドグシャ

756 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 22:11:04.87 ID:7DSIJ9VCo
…

老人「」

老婆「」

老人と老婆は血塗れになり、ピクリとも動かなかった。

アライさん1「敵を倒したのだ!」

アライさん2「なんだか強くなった気がするのだ!」ピカー

アライさん3「正義は勝つのだ!」

アライちゃん1「おかーしゃんちゅよいのだー!」キャッキャッ

アライちゃん2「これでのんびりできるのだー!」ピョンピョン

アライちゃん3「わるいやつはやっちゅけたのら!このおうちはもうあんぜんなのらぁ!」ワイワイ

アライさん1「まだなのだ。死体はほっとくと臭くなるのだ。どかすのだ」ズルズル

アライさん2「あのゴミ捨て場に捨てるのだぁ」ズルズル

アライさん3「ポイなのだ!」

老人と老婆は、牛糞の肥溜めに投げ捨てられる。
老夫婦は牛の糞と藁の中に沈んでいった。

759 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 22:18:03.84 ID:7DSIJ9VCo
襲われたのはこの家屋だけだろうか。
違う。

悲鳴とアライさんの声は、村のあちこちから聞こえていた。

…

夜が明けた。

鶏が鳴くより早くから、アライさん達の声が聞こえていた。

「ヒトに勝ったのだぁ!」

「残ったやつらもみんな逃げていったのだぁ!」

「大勝利なのだぁ!」

「アライさんにお任せなのだぁ!」

「お野菜が美味しいのだ!」

「こっちの鳥も美味しいのだ!」

769 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 22:31:03.31 ID:7DSIJ9VCo
…

木々が立ち並ぶ夜道を、村から逃げていく人々が歩いていた。
20人程だろうか。

子供「うえーん!」シクシク

青年「…もう警察に電話したからな。しかし、なんてことだ…くそっ…」スタスタ

年配女性「アライさんのせいで…父ちゃんも、母ちゃんも…」スタスタ

その時。

子供「あうっ!」ドガァ

青年「!?ど、どうした!」タタッ

子供の頭に、小さな岩がぶつかったのである。

「逃がさないのだ!」ガサッ

「助けは呼ばせないのだ!」ガサッ

青年「あ…あ…」

アライキング・ボス「お前達が悪いのだ!」ブンッ

青年「ぎゃっ!」ドサッ

また一人。また一人。
岩にぶつかり、倒れていく。

アライキング・ボス「お前達が先に、何も悪いことしてないアライさんを殺したのだ!これはその報いなのだ!」ブンッ

…

村から逃れたものは、誰一人いなかった。

772 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 22:34:18.86 ID:7DSIJ9VCo
…

翌日。

村ひとつがアライさんに襲撃されたニュースは、全国で大々的に報じられた。

官邸も、フレンズ省も、特定有害駆除対象フレンズ根絶委員会も大騒ぎだ。


職員「か、会長!奴ら、どうするのですか!?」

会長「根絶やしにするのです」

大臣「皆殺しなのです」

職員「一体どうやって!?今までだって、ずっと駆除活動してきたのに、こんな調子だったじゃないですか!」

大臣「それは、この害獣が…人の命までは脅かさない存在だったからなのです」

職員「え…」

777 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 22:38:40.54 ID:7DSIJ9VCo
大臣「たった今、特定有害駆除対象フレンズ達への警戒レベルに上がったのです」

職員「警戒レベル…?」

大臣「内閣総理大臣が承認したのです。特定有害駆除対象フレンズの活動が、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態…だと」

職員「…まさか」

779 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 22:41:01.90 ID:7DSIJ9VCo

大臣「日本を…」



大臣「武力をもって防衛しなくてはならない緊急事態なのです」






最終更新:2017年11月14日 23:25