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アライハザード⑭ ~決戦と決着~その2

764 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/11(月) 22:35:18.46 ID:nNax/Hqfo
大きな耳のフレンズ…フェネックは、ジャパリスタジオという芸能事務所に所属し、漫才師をやっているらしい。

相方との絶妙な掛け合いは、お茶の間でも大人気だ。

そんな彼女が、アライグマのチューターとしてやってきてから数日後。

大きな耳のフレンズ「アライさん、今日は一緒にお出かけしない?」

アライグマ「行くのだ!フェネックといると、どこでも楽しいのだ!どこ行くのだ?」

大きな耳のフレンズ「…人間達がジャパリパークと呼ぶ場所だよ」

2人は外出する。


765 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/11(月) 22:43:39.62 ID:nNax/Hqfo
外を歩く二人。

アライグマ「フェネックー、これは何なのだ?」テクテク

アライグマはマンホールを指差す。

フェネック「それはマンホール。下水道を塞いでいるんだ」テクテク

アライグマ「下水道って何なのだ?」テクテク

フェネック「蛇口をひねると飲み水が出てくるよね。それを流すのが下水道だよ」テクテク

アライグマ(なるほど、この下に飲み水があるのか)テクテク

…

やがて二人は地下鉄へたどり着く。

アライグマ「暗いのだ!ここは何なのだ?」

フェネック「地下鉄だよ。線路を地地上にひくのには限界があるから、地下に通したんだ」

アライグマ(地上は狭いから、ヒトは地下を歩くのか…)


767 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/11(月) 22:48:19.75 ID:nNax/Hqfo
アライグマ「じゃあ、あれは何なのだ?」

アライグマは、通気口を指差す。

大きな耳のフレンズ「それは通気口。外と繋がっているよ」

アライグマ(つまり、緊急時の避難経路なのか)

地下鉄に、列車がやってくる。

アライグマ「うわ、大きいのがきたのだ?あのけものは何なのだ?蛇みたいなのだ!」

大きな耳のフレンズ「けもの…?ふふっ、アライさんは面白いなー。あれは電車。人を乗せて運ぶんだよ」

アライグマ(人のペットなのか)

二人は電車に乗り込む。


769 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/11(月) 22:59:06.29 ID:nNax/Hqfo
…

二人は、目的地までの道のりを楽しんでいる。

アライグマ「ジャパリパークって何なのだ?」テクテク

大きな耳のフレンズ「…昔は、島ひとつ使って、フレンズが自由に暮らせる楽園があったんだ」テクテク

大きな耳のフレンズ「ルールは一つだけ。自分の力で生きること」テクテク

アライグマ「森と変わらないのだ。アライさんも自分の力で、畑のまんまるやお野菜、鶏を捕まえたのだ!」テクテク

大きな耳のフレンズ「…」ピタッ

アライグマ「どうしたのだ?」

大きな耳のフレンズ「戸籍を取った以上、盗むのは犯罪だよ~アライさん。これからは働いたお金で、もっと美味しいものを買うんだよ」テクテク

アライグマ「わかったのだ」テクテク

思わぬ犯罪自慢に話の腰を折られかけたが、話を再開する。

大きな耳のフレンズ「…その土地では、セルリアンっていう怪物との戦いがあって…。奴らは、全ての植物をセルリアンに変えちゃったんだ」テクテク

アライグマ「それじゃ畑のまんまるやお野菜も食べられないのだ!」テクテク

大きな耳のフレンズ「そう。植物がなければ、誰も生きられない。大規模な掃討作戦があったけど、結局土地は汚染されてしまった…」テクテク

大きな耳のフレンズ「フレンズの楽園、ジャパリパークは…もう無いんだ」テクテク


771 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/11(月) 23:08:07.78 ID:nNax/Hqfo
アライグマ「じゃあ、そこに暮らしてたフレンズはどこへ行ったのだ?」テクテク

以外にも、まともに会話を続けているアライグマ。

大きな耳のフレンズ「行き先は3つあったよ。1つは自然の中で、動物として生きること」テクテク

大きな耳のフレンズ「2つめは、人間社会の中で生きること」テクテク

大きな耳のフレンズ「…だけど、どちらも簡単なことじゃない。特に2つめは…ね」テクテク

アライグマ「じゃあ3つめは何なのだ」

大きな耳のフレンズ「…着いたよ。ここが、自然にも人間社会にも馴染めなかった、行き場のないフレンズが辿り着く成れの果て」

大きな耳のフレンズ「人間が、かの楽園と同じ…ジャパリパークと名前を付けた場所だよ」

大きな建物の前に着く二人。


772 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/11(月) 23:19:52.00 ID:nNax/Hqfo
そこは動物園だった。

ただし、動物の檻の中には、その動物のフレンズが一緒に入っていた。

コツメカワウソ「…」ピョコピョコ

コツメカワウソのフレンズ「一緒にあそぼー!たーのしー!」ワイワイ

動物とフレンズは、アライグマ達が通りかかると、楽しそうに遊び出した。

アライグマ「な…何なのだ、ここは…」テクテク

大きな耳のフレンズ「ここに居れば、衣食住すべてを賄ってもらえる。三大欲求も、うち一つは制限があるけど…まあ、ぜんぶ満たされる」テクテク

アライグマ「凄いのだ!」テクテク

大きな耳のフレンズ「だけど、ここにいるフレンズ達は、檻の中が全て。自由なんてない。ピエロに…見世物にならなくちゃいけない」テクテク

大きな耳のフレンズ「さっきの子…コツメカワウソは、こないだ鬱病からやっと回復してきたばかりなんだよ」テクテク

アライグマ「…窮屈で退屈そうなのだ」テクテク


776 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/11(月) 23:24:36.88 ID:nNax/Hqfo
アライグマ「ここはどんな客が来るのだ」テクテク

大きな耳のフレンズ「子供や家族連れ…は、あんまり来ない。フレンズが檻にいるのって、牢屋みたいで不気味だからね」テクテク

大きな耳のフレンズ「一番沢山来るのは…男性客、だよ」テクテク

アライグマ「ヒトのオスなのか?何しに来るのだ」テクテク

大きな耳のフレンズ「…ここも経営資金稼ぎのために、出来ることはなんでもやらなくちゃいけない。まあ、この美少女動物園なら…いっぱい稼げるだろうねー…」テクテク

アライグマ「?」

大きな耳のフレンズ「私や相方の漫才師も、最初はここで働きながら勉強してた。でも、そういうサービスが嫌で嫌で…、外に出てバイトしたんだ」テクテク

アライグマ「?」テクテク


781 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/11(月) 23:34:08.64 ID:nNax/Hqfo
大きな耳のフレンズ「…アライさんは、ここに入りたい?」テクテク

アライグマ「嫌なのだ。よく分からないけど、閉じ込められるのは嫌なのだ」テクテク

大きな耳のフレンズ「でも、ヒトの社会は難しいことばかり。一般常識として身に付けなきゃいけないことのレベルが高すぎる」テクテク

大きな耳のフレンズ「今のジャパリ学校の勉強が難しいって言ってたね。お勉強ができなかったら、アライさんは人間社会で暮らせない。いずれここに入るしかなくなる」テクテク

アライグマ「い…嫌なのだぁ!」テクテク

大きな耳のフレンズ「だったら、どうすればいいか、分かるかい?アライさん」テクテク

アライグマ「…べ、勉強するのだ」テクテク

大きな耳のフレンズ「難しいよ。厳しいよ。だけど逃げ出さずに、きちんと知識を身に付ければ、アライさんは人間社会で自由に暮らせる。…できる?」

アライグマ「で、できるのだ!」

大きな耳のフレンズ「できなかったら、ここに入ることになる…これは脅しじゃない。ただ事実を言ってるだけだよ。…本当にできる?」

アライグマ「やるのだ!」

大きな耳のフレンズ「…それじゃあ、一緒に幸せな生活目指して、お勉強頑張ろう。アライさん」

アライグマ「頑張るのだ!」


788 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/11(月) 23:45:22.79 ID:nNax/Hqfo
その後、アライグマはとにかく勉強した。
まずは、世間一般の常識を身につけることが第一課題であった。

しかし、知識はいろいろ身に付いたものの…

彼女に求められる『一般常識』とは、知識でなく、道徳なのである。

アライグマは世間一般で当たり前とされる道徳が、まったく理解できなかった。


なぜ道を譲り合う必要がある?
自分が通れればいいではないか。

なぜ自分のことより周りを優先する必要がある?
そんな事したって、自分の得にはならないではないか。


…アライグマは、道徳心に対して叱られる度に、怒り返して食ってかかった。

自分の何が悪いか、全く理解できなかった。
意味不明な考え方を押し付けてくる、周りが悪いとしか思えなかった。


792 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/11(月) 23:53:16.91 ID:nNax/Hqfo
…

ある日、食堂にて…

アライグマ「今日も安いうどんなのだ。財布はフェネックが管理してるから、贅沢できないのだ…」ズルズル

テレビ『続いてのニュースです。アライグマのフレンズが、またも農地を襲いました』

アライグマ「?アライさんが映ってるのだ…。いや、別のアライさんなのだ」ズルズル

テレビ『現場をご覧ください。8名のアライグマのフレンズが捕獲されています。農作物はズタズタに荒らされており、家屋からは多くの物品が盗まれています』

アライグマ「…人間はおかしいのだ、食べ物なんて腐るほどあるのに、なんでアライさんに分けてやらないのだ」ズルズル

テレビ『今日本では、各地でアライグマのフレンズが大繁殖しています。フレンズ性善説が、今崩れようとしています』

アライグマ「アライさんが可哀想なのだ」ズルズル


794 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:00:17.10 ID:6KqnRYA9o
ウェカムヨーコソジャーパリパー♪

アライグマの携帯電話が鳴る。
厳密にはアライグマ個人所有品ではなく、ジャパリ寮の貸し出し品だ。

アライグマ「はい、アライさんなのだ」ピッ

大きな耳のフレンズ『…ゴメン。しばらく、そっち行けない』

アライグマ「どうしたのだ?」

大きな耳のフレンズ『ちょっと…相方が……いろいろ大変で。家庭の方もやばくって…私がいなきゃ…』

アライグマ「?そうなのか。それで、いつ来れるのだ?」

大きな耳のフレンズ『…分からない。来れないかも』

アライグマ「それは困るのだ!アライさんの味方はフェネックだけなのだ!用事が済んだらすぐ来るのだ!」

大きな耳のフレンズ『…ゴメン…私にも、出来ることとできないことがあるんだ。またね』ピッ

アライグマ「…一体なんなのだ…」


797 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:06:27.79 ID:6KqnRYA9o
フェネックが来なくなってから、アライグマの毎日はひたすら辛いものになった。

周りの視線が、いやに冷たい。
街の住人達も、あからさまに自分を避けている。

ジャパリ学校でも、自分に味方してくれる者は少ない…いや、ほとんどいない。

最初は皆優しかったが、どんどん冷たくなっている。

そして。
そんな傷ついた心を癒してくれる友が。
唯一どんな時も、自分の味方をしてくれた友が…側にいない。

…

やがて、アライグマは考えた。
『こんな所にいられるか』と。


800 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:11:20.10 ID:6KqnRYA9o
そんなある日。

~フェネック宅~

大きな耳のフレンズ「…アライさん…。どうして、こんなことに…」

大きな耳のフレンズ「…もう少し一緒にいてあげたいけど。そろそろ、向こうのアライさんにも顔出さなきゃな…」

そのとき、玄関からドンドンとドアを叩く音がする。

大きな耳のフレンズ「…誰?」ガチャ

アライグマ「フェネック、こんばんはなのだ」

大きな耳のフレンズ「ああ、寮の方のアライさん…どうしたの?」


801 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:20:00.44 ID:6KqnRYA9o
アライグマ「…お別れを言いに来たのだ」

大きな耳のフレンズ「!?…な、ど、どういうことなのアライさん!?」

アライグマ「アライさんは、人間社会でもない。ジャパリパークでもない。…自然に、帰るのだ」

大きな耳のフレンズ「帰るって…!ち、ちょっと待って!どういうこと?」

アライグマ「人間社会は嫌なことしかないのだ。みんながアライさんを虐めるのだ。そんな中で美味しい食べ物を食べても、不味くなるだけなのだ」

大きな耳のフレンズ「…そ、そんな…ゴメン、私がついてない間に何かあったの!?」

アライグマ「…もう、愛想がつきたのだ。何もかも。人間社会は、ゴミなのだ」

大きな耳のフレンズ「え…!」

アライグマ「フェネック、お前だけは、ずっとアライさんの味方で…友達でいてくれたのだ。ありがとうなのだ」

アライグマは『ありがとう』と人に言わされたことはあった。
だが自分の意思で感謝を伝えるのは、これが人生で初めてのことだった。


808 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:30:09.83 ID:6KqnRYA9o
大きな耳のフレンズ「…ごめん、なさい…アライさん。アライさんを…仲間にしてあげられなくて…ごめんなさい…!」ウルウル

フェネックは泣き出した。

アライグマ「どうして泣くのだ。アライさんは見切りをつけただけなのだ」

大きな耳のフレンズ「うっ…ぐしゅっ…!こんな、こんな、はずじゃ、なかった…っ。私、何が、悪かったんだろっ…」ボロボロ

アライグマ「フェネックは悪くないのだ。アライさんも悪くないのだ。この社会が悪いのだ」

大きな耳のフレンズ「うっ…うっ…」シクシク

アライグマ「…でも、きっとフェネックは、そう思ってないのだ。…アライさんが悪いと思ってるのだ」

大きな耳のフレンズ「そっ…そんなこと…!」

アライグマ「だけど、ヒト達の『当たり前』は、アライさんの『当たり前』じゃないのだ。だから、おさらばするのだ」

大きな耳のフレンズ「…」

アライグマ「だけど、フェネック。お前だけは、ずっと友達でいてほしいのだ」

大きな耳のフレンズ「…うん、うん。ずっと、友達だよ、アライさん…」グスン

アライグマ「また会おうなのだ」タタッ


こうして、アライグマは街を去った。
見返済の奨学金を滞納したまま。

ジャパリ寮とジャパリ学校の退学手続きは、周りのみんながやった。

しかし、ここでリタイアしたからといって、アライさんの戸籍が本人の同意なしに抹消されることはないのである。

…いつか、また帰ってくるかもしれないから。


812 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:35:25.65 ID:6KqnRYA9o
…

それからの出来事は、結果だけ書こう。

アライグマはしばらくの間、森で過ごしていた。

だが、アライグマのフレンズが『特定有害駆除対象フレンズ』に指定された後、
アライグマはアライさん達がハンターに狩られ、ショクエモンPに調理されるのを見た。


その時、アライグマは確信した。
『こんな奴らが世界を支配しているのは間違っている』と。
『アライさん達が、この世界を支配しなくてはいけない』と。

それができるように、アライグマは長い鍛練を続けた…。

ニワトリを狩り。
ウサギを狩り。
イタチを、豬を狩り。

どんどんアライグマのサンドスターは、レベルアップしていった。


816 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:38:51.97 ID:6KqnRYA9o
だが、レベルは伸び悩んだ。
得られるEXPが、レベルアップに足らなくなってきたからだ。

一体どうすれば、もっと強くなれる?
そう悩んだとき、ふと思い浮かんだ。


そうだ。
人間は、フレンズを…アライさんを食べていた。


もしかしたら。





自分も…フレンズを食べれば、もっとレベルアップするかもしれない。


820 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:45:33.49 ID:6KqnRYA9o
アライグマは、自分以外の戸籍持ちのアライさんを探し当てた。

フェネックの知人に一人、戸籍持ちのアライさんがいることを聞いていた。

その人物を見つけることは簡単だった。


その後、その人物の知り合いのフレンズを探す。
そして、戸籍持ちアライさんに成り済まし…
隙をついて、フレンズを襲った。


バールで一撃。
フレンズは倒れた。


822 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:48:41.21 ID:6KqnRYA9o
フレンズを食べることには、物凄く強い嫌悪感を覚えた。

だが、人間達を倒さなくては、いずれ自分が倒される。
だから、強くならなくてはいけない。

アライグマは、フレンズのサンドスターが詰まった部位…
脳を食った。一欠片も残さずに食った。

結果。
大きなレベルアップを果たした。

…これだ。
これを続ければ、もっと強くなれる。

アライグマは、さらに戸籍持ちアップへ成り済まして、その知人のフレンズを狩った。


825 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:51:33.80 ID:6KqnRYA9o
…

よく行く店の店主。

その店の常連。

そして、戸籍持ちアライさんの、武道の師匠。


成り済ましによって彼女達を油断させ、騙し討ちをし、そして…脳を食った。

特に、武道の師匠を食ったときのレベルアップは絶大であった。


830 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/12(火) 00:54:39.83 ID:6KqnRYA9o
…

そうして、力を得たアライグマは、
アライキング・ボスを名乗り、アライさんを率いたのだった。


勝機はあると確信していた。
なのに。


…勉強不足だった。



アライキング・ボスは、敗走した。
森へ逃げれば、まだなんとかなるはずだ。



835 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 01:02:13.86 ID:cFjF+ayz0
こいつはジョジョ4部のスタンド能力が付いたネズミと同じか、
それ以上に存在してはいけない糞だ






最終更新:2017年11月15日 23:38