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ありゃいちゃんぷゆー、つくゆのだ!その1

556 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 12:06:54.16 ID:9zWFivDMO
~ブラウンP宅 キッチン~

ブラウンP「ふんふん、カメラセット完了」カチャッ

アライちゃん「さっそくはじめゆのらぁ!」ヨチヨチヨチヨチ

ブラウンPは、キッチンへ設置されたカメラの録画ボタンを押す。

洗ったばかりのフライパンの上には、アライちゃんが1匹乗っている。


ブラウンP「さあ、みんなに挨拶しようね」

アライちゃん「みなしゃん、こんにちわなのあ!あらいしゃんくっきんぐ、はじめゆのらぁ!」

アライちゃんは、カメラに向かって話しかけている。


559 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 12:32:28.16 ID:9zWFivDMO
ブラウンP「今回は、生放送でお届けするよ。ライブ映像だね」

アライちゃん「らいぶきっちんなのやらぁ!」ワイワイ

ブラウンP「料理を始める前に。アライちゃんがここに来たいきさつを教えてあげられるかな?」

アライちゃん「わかったのだ!あらいしゃんはここにくゆまえ、もりにすんでたのら。でも、あらいしゃんのおかーしゃんがかえってこなくなっちゃったのだ…」

アライちゃん「あらいしゃん、おなかぺこぺこだったのや。それで、もりに、おいしそうなにおいのつつがあったのら。あらいしゃんは、おててをつっこんだのだ」

アライちゃん「そしたら、おててがはしゃまって、ぬけなくなっちゃったのあ!ぶらうんおねーしゃんがたしゅけてくりぇなかったや、あらいしゃんはうえじにしてたのら!」

アライちゃん「ぶらうんおねーしゃんは、あらいしゃんのいのちのおんじんなのだ!きょうはおいしいごはんつくって、おんがえしすゆのら!」キャッキャッ

何ということであろうか。
アライちゃんの口から、「恩返し」などという言葉が出てきた。


560 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 12:50:45.82 ID:9zWFivDMO
ブラウンP「それじゃあ、お着替えしようか」スッ

ブラウンPは、小さなピンクの布を2枚取り出す。

アライちゃん「わかったのだぁ!」ヌギヌギ

アライちゃんはカメラの前で服を脱ぎ、全裸になった。
断っておくが、この映像はネットで生放送されている。
人間の少女が裸体を晒せば即アカウントBANされるであろう。

アライちゃん「ぶらうんおねーしゃん、きさせてなのらぁ!」バンザイ

ブラウンP「はいはい」シュルシュル

ブラウンPは、全裸のアライちゃんの胸と腰に、2つのピンクの布を巻く。

アライちゃん「おきがえ、できたのだぁ!さっそく、おりょーりつくゆのあ!」

ブラウンP「今日のお品書きは?」

アライちゃん「きょうは、ありゃいちゃんぷるー、つくゆのだ!」


563 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 12:59:06.72 ID:9zWFivDMO
ブラウンPは、フライパンの上に材料を置いていく。
皮を剥いたタマネギ。
豆腐。
綿抜き済みのゴーヤ。
そして、卵。

…一般的なゴーヤチャンプルーの材料だが、
肉は入っていないようだ。


567 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 13:13:10.89 ID:9zWFivDMO
ブラウンPは、ミニナイフをアライちゃんに渡す。
ミニナイフは少しくすんでおり、細かい傷がついている。

アライちゃん「これは、あらいしゃんの、おきにいいいないふなのらぁ!」

ブラウンP「お気に入りかい?」

アライちゃん「おきにいいいなのだぁ!」

ブラウンP「そのナイフはね、アライちゃんのお姉さんも、そのまたお姉さんも、ずっと、ずーっと使ってきたものなんだよ」

アライちゃん「?ありゃいしゃんのおねーしゃんは、あらいしゃんがつかまってうときにありゃいしゃんをおいてどっかいっちゃったのあ」

ブラウンP「ああ、皆さん。この子のお姉さんが見たいなら、動画リストのpart12をご覧ください」

アライちゃん「?」


574 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 13:35:30.41 ID:9zWFivDMO
アライちゃん「えーと、まずは、おやさいさんを、きうのだぁ!」ザクザク

ミニナイフは一般のナイフよりずっと小さく、アライちゃんの腕力も人間よりずっと弱い。

アライちゃん「にがうりさんきうのだ!」ザクザク

全身の力を使って、ゴーヤを一生懸命切っていく。

もちろん、そんな必死になって切るもんだから、
カットしたゴーヤの形はとても雑で粗い。

アライちゃん「ぜぇ、はぁ、できたのあ」ゼェハァ

アライちゃんは汗だくである。

アライちゃん「はぁはぁ…おちゅぎは、おとーふさんをきうのだ!」トントン

豆腐は簡単に切れるのだが、なにぶんミニナイフの刃渡りが短い。
結局、豆腐もかなり不揃いで雑に切られた。

アライちゃん「はぁ、はぁ…つぎは、たまねぎさんなのあ…」


583 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 14:36:15.18 ID:9zWFivDMO
アライちゃん「うぅ…ありゃいしゃん、たまねぎきうのやなのあ…」

アライちゃん「おねーしゃん、たまねぎなしじゃだめなのか?」

ブラウンP「どうして私に聞くんだい?君が私に料理を作ってくれるって言ったんだよね。…その料理は、タマネギ無しじゃあ美味しくないよ」

アライちゃん「うぅ!でもあらいしゃん、たまねぎきるのやなのあー!」ジタバタ

ブラウンP「…期待外れだったみたいだね。君にとっての恩返しが、そんな程度でしかないって事がよく分かったよ」クルッ

アライちゃん「う…!」

ブラウンP「…その料理は、君が勝手に食べたら?私はもう、君に期待しないから」

アライちゃん「ぴいぃぃっ!?わ、わかったのだぁ!ありゃいしゃん、がんばってたまねぎきうのらぁ!」ブルブル

アライちゃんは、恐怖に怯えた表情をしている。

アライちゃんのライブキッチンでは、一般的には(既にライブキッチンの時点で一般的ではないが)アライちゃんが恐怖の表情を見せるのは、
暴力を浴びせられることに対して恐れるときのみである。

しかし、このアライちゃんが見せる恐怖の顔は、そういった類ではない。

アライちゃん「だからありゃいしゃんをきらいにならないでほしいのだああっ!」ブルブル

自分を愛してくれる者、自分の成長を見守ってくれる者に…
嫌われ、見捨てられることを恐れている顔である。

特定有害駆除対象フレンズのアライちゃんがこんな表情を見せるのは、きっと世界中どこを探しても、
ブラウンPの前以外にはあり得ないだろう。

ブラウンP「…よしよし、いい子だ。やっぱり君は、ちゃんとできる子だね。偉いよ」ナデナデ

アライちゃん「え、えへへ…」

アライちゃんは優しく撫でられて、安堵の笑みを浮かべている。


590 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 14:44:42.65 ID:9zWFivDMO
一体どうしてブラウンPは、害獣として忌み嫌われる存在のアライちゃんに、こんなに慈愛をもって接することができるのだろうか?

アラ信だからであろうか?
…違う。
アラ信は、アラジビシェフになどなったりしない。

それとも演技がうまいのだろうか?
…それも違う。
そもそも本当に嫌っているのなら、こんな演技自体が不要であろう。


…理由は単純だ。
彼女、ブラウンPは…


アライさんのことを、害獣だと思っていない。



それどころか嫌ってすらいない。

その天真爛漫な振る舞いを愛おしくさえ思っているのである。


592 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 14:49:53.50 ID:9zWFivDMO
ブラウンPにとってアライさんは、人間やフレンズと同じく、生命を全うせんとする尊い生命体一種にすぎないのだ。

だから「害獣」という呼称も、アライキング・ボスのような人格破綻者へ個人的な侮蔑としては言うことがあるが、
アライさんという種族全体に対して見下したり、侮蔑の感情を持ってはいないのである。


嫌悪しておらず愛おしく思っている相手に対してならば、
慈愛をもって接することができるのは当然であろう。

そして、その心理こそが、
ブラウンPがアラジビシェフ達に「なんか違う」と思われる特異性の原因であり、
世界中で信者とすらいえる熱狂的なファンを獲得している原因でもある。


595 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 15:01:02.33 ID:9zWFivDMO


…この際、回りくどい言い方はやめよう。

ブラウンPは、アライさん達を、特定有害駆除対象フレンズとしてではなく…

フレンズとして。

一個人として。

自らの人生を生きる、一人のヒトとして見ているのである。


610 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 17:55:04.94 ID:9zWFivDMO
アライちゃん「うぅ…がんばって…たまねぎ…きうのだ…」ザクザク

アライちゃん「っ…!」ザクザク

アライちゃん「ぴいいぃぃっ!おめめぢゃいのりゃあああっ!ぐすっ、なみだとまらないのだああ!」ビエエエエン

ブラウンP「頑張るんだ!私は君がさっき言ってくれたことを信じているよ。恩返しに、美味しい料理をご馳走してくれるってね」

アライちゃん「うぅ…!ありゃいしゃん、ぐすっ、ぶらうんおねーしゃんのためにがんばうのらぁ!」ザクザク

タマネギは乱雑に切られていく、
パソコン画面に映っている生放送映像のコメント欄には、
「なんか可愛く見えてきた」
「がんばれ」
「これがあの害獣になるのはやだな…」
「さっさと殺せ」
などのコメントが書き込まれている。


612 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 18:03:21.71 ID:9zWFivDMO
火のついていないガスコンロに乗ったフライパンの上で、
アライちゃんはタマネギを切る。

涙が止まらないため、目をつぶりながら、しっちゃかめっちゃかにミニナイフを振っていた。

しかし、その途中で。

アライちゃんの手に、刃が食い込んだ。

アライちゃん「ぎぴいいいっっ!いぢゃいのりゃああっ!」ゴロンゴロン

アライちゃん「びええええんっ!おててきったのだあぁっ!」ビエエエン

ブラウンP「ふふ…」

ブラウンPは痛みでわんわんと泣くアライちゃんの顔を見つめていた。
その口元は歪んでおり、愉悦を感じていることを隠し切れていない。


619 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 22:08:40.04 ID:Sdma9gbTo
ブラウンP「大丈夫かい?ほら、手当てしてあげるね」シュルシュル

ブラウンPは心をこめて丁寧に、アライちゃんの手へ粘着テープを巻く。

アライちゃん「えへへ、ありがとーなのらぁ」

冷静に考えれば傷口に粘着テープを巻くなど正気の沙汰ではない。
しかし料理に無駄な血が混ざらなければいいという判断なのであろう。

アライちゃん「おやしゃい、きりおわったのらぁ!」

ゴーヤ、タマネギ、豆腐が切れた。
不揃いでぐちゃぐちゃである。

アライちゃん「つぎは、たまごをわゆのらぁ!」

アライちゃんは、卵を触る。


620 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 22:19:35.18 ID:Sdma9gbTo
アライちゃんの身長は、尻尾を含めなければ20センチ程。
つまり人間の1/8である。

卵の大きさは、相対的には人から見たときの8倍の大きさに見えるだろう。

しかもアライちゃんはまだ二本足で立てず、四本足で歩いている段階だ。

目の前の大きな物体を、どうやって割るのだろうか?

アライちゃん「うぬぬ~、たあ~!」ガスガス

アライちゃんは、ミニナイフで殻を打った。
卵の殻は次第に割れ、破片が散らばっていく。
そして。

卵の殻「」パッカーン

アライちゃん「ふはははー!われたのだ!」

卵の中身「」デロデロオォ

アライちゃん「のああっ!」ベチャアッ

卵の白身がこぼれ、アライちゃんにひっついた。


628 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 23:10:07.62 ID:Sdma9gbTo
アライちゃん「われたのだ!このたまごをいまからぐちゃぐちゃに…」

アライちゃんは、白身と黄身を混ぜようとする。

ブラウンP「アライちゃん。殻、殻」

アライちゃん「あっ…殻を、ぽいすうのあ!」ポイッ

アライちゃんは、卵の殻をフライパンの外の皿へ捨てる。

アライちゃん「それじゃあ、おたまごをぐちゃぐちゃに…」

アライちゃんは、再び白身と黄身を混ぜようとする。

ブラウンP「アライちゃん。殻の破片、殻の破片」チョイチョイ

乱雑に卵を割ったため、白身の中やフライパンのあちこちに、殻の破片が飛び散っている。

アライちゃん「あっ…うぅ~、いっぱいあってめんどくさいのあ~!」ポイポイ


629 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 23:17:10.15 ID:Sdma9gbTo
アライちゃんは、卵の殻を捨て終わった。

アライちゃん「こんどこそ、おたまごをぐちゃぐちゃにすゆのあ!」バッ

アライちゃんは卵の白身と黄身の上にダイブする。

アライちゃん「あはははは!たのちlのあ!」ベチャベチャ

アライちゃんは全身を使って卵をかき混ぜている。
当然、アライちゃんの体も卵まみれになった。

アライちゃん「できたのだ!あとはこれをまじぇまじぇして、しおこしょーふっていためえば、ありゃちゃんぷるーのかんしぇいなのらぁ!」キャッキャッ

アライちゃんは楽しそうだ。

ブラウンP「そうだね」パッパッ

ブラウンPは、フライパンの上の材料へ塩コショウを振りかける。

アライちゃん「ぷしっ!へぷしっ!おねーしゃん、まだあらいしゃんがいうのら!ざいりょーだけにかけなきゃだめなのあ!」プンプン


632 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/16(土) 23:21:19.89 ID:Sdma9gbTo
ブラウンP「そうだね」

アライちゃん「…ありゃいしゃんがじゃまで、へぷちっ、かけられなかったのあ?じゃあ、ありゃいさんどくのあ」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃんは、フライパンから降りようとする。

ブラウンP「いや、まだそのままでいいよ」カチッ シュボッ

アライちゃん「そうなのか?もうざいりょーできたのら」

ブラウンP「まだ肉が仕込みできてないね」

アライちゃん「おにく?そういえばおにくがないのら、おねーしゃんものわすれなのだー!」

ブラウンP「…」


658 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/17(日) 11:29:42.06 ID:I7b+GIpmo
ブラウンP「これからするんだよ」カチッ

ガスコンロ「」バチチチチチチチッボウッ

おお、何ということだろうか。
今ブラウンPは、アライちゃんがフライパン越しに乗るガスコンロへ、強火で着火した。

アライちゃん「そうなのか?それじゃあ、きるおにくだしゅのら!おにく、たべやすくきってあげうのら!」

ブラウンP「いや…もう準備済みだよ」

アライちゃん「?何いってうのだ?どこにもおにくないのら」ガサゴソ

アライちゃんはフライパンの上を見回す。

アライちゃん「…?なんかあったかくなってきたのら…」


659 : ◆19vndrf8Aw [sage]:2017/09/17(日) 11:30:17.56 ID:I7b+GIpmo
一旦ここまで

寝落ち爆睡してました
おかげで目パッチリです






最終更新:2017年11月17日 23:37