903 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 21:09:01.60 ID:NnVYTPTIo
~森の中~
アライさん達にとって、最大のお宝は何であろうか?
食糧?
そんなものは畑やゴミ捨て場で採れる。
安住の地?
そんなものはない。
猟師はどんな山奥にでも入ってくる。
最大のお宝は…
雄のアライグマである。
ご存じの通り、アライさん達は雌しか生まれない。
よって、雄のアライグマによる生殖活動が必要だ。
しかし、年々雄のアライグマの数は減っている。
何故か?
…ひとつの理由は、雌のアライグマがアライさん達との食糧争奪競争に負け、飢え死にしつつあるためである。
もう1つは、近年猟師によるアライグマ駆除のペースが早くなっているためである。
雄のアライグマを生むのは雌のアライグマ。
その雌が減ったとなれば、雄のアライグマも減っていくのである。
905 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 21:11:56.94 ID:NnVYTPTIo
それを嘆いたのか。最近は…
なんとアライさん達により、雌雄のアライグマの保護が行われていた。
雄と雌のアライグマを発見すると、テリトリーへ監禁。
食糧を与えて、仲間を増やさせるのである。
それだけの事ができるならば農耕もできそうだと思うが…
そっちはムリなようだ。
907 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 21:16:08.44 ID:NnVYTPTIo
~アライさんテリトリー~
幼アライグマ♂「キュルルルル」
アライさん1「ああ~可愛いのだ!ボクちゃん、はやく大きくなるのだ!はい、ご飯なのだ」ナデナデ
幼アライグマ♂「パクパク」
アライさん2「可愛いのだ~!アライさんも餌付けするのだ!」
雄のアライグマはみんなのアイドル。
大人気である。
幼アライグマ♀「キュルルルル」
アライさん3「全く…何が悲しくて、雌の世話なんかしなきゃいけないのだ」
アライさん4「雄がホモセックスで殖えてくれれば、お前らなんか要らないのに」
それに対して、雌の扱いはぞんざいである。
まるで生む機械といった扱いだ。
917 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 21:28:13.53 ID:NnVYTPTIo
そしてこのテリトリーを管理しているアライさん達は、周りのアライさん達の支配権を握っているようだ。
伊達メガネアライさん「ほら、お前。子供が欲しければ、食糧を寄越すのだ!」
伊達メガネアライさんは、『の』の字が象られた腕輪のついた右手で、他所からきたアライさん2匹を指差す。
アライさん5「はぁ、はぁ…。とってきたのだ!パンなのだ!」ゴソゴソ
アライさん6「たくさんあるのだ!」ゴソゴソ
アライさん達がビニール袋に詰めて持ってきたのは、コンビニで売れ残って廃棄処分されたパン10個であった。
梱包用段ボールを破いて、中身を頂戴してきたらしい。
伊達メガネアライさん「おおー!これはご馳走なのだ!よろしいのだ、交尾させてやるのだ!」
アライさん5「やったのだぁ!」
アライさん6「これでアライさん達にもチビが産まれるのだぁ!」
922 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 21:37:53.81 ID:NnVYTPTIo
伊達メガネアライさん「プリンス!ハンサム!こっちに来るのだ!」
腕輪のアライさんがそう言うと、2匹のアライグマがやってきた。
どうやらフレンズは、元となった動物と意志疎通ができるようだ。
アライグマ♂1「キュルル」ノソノソ
アライグマ♂2「キュ~」ノソノソ
アライさん5「き…来たのだ!ああ緊張するのだ…」
アライさん6「もう我慢できないのだ!早くするのだ!」ズイッ
アライさん6はアライグマへ尻を向け、尻尾を上げている。
アライグマ♂1「キュ^~」ノシカカリ
アライグマ♂2「^~」ヘコヘコ
アライさん5「ああー気持ちいいのだあぁ!」
アライさん6「くぅ、たまんないのだぁ!」
あークソ腹が立つ。
スコープの中に見える、あの涎を垂らした顔をブッ飛ばしてやりたい。
佐助「フゥーッフゥーッ」ブルブル
佐助が興奮している。
獲物がたくさんいるからだろうか?
929 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 21:45:46.57 ID:NnVYTPTIo
だが、俺は仕事に私情は挟まん。
今、この場で狙うべきは…
あのアライグマ二匹だ。
俺はアライグマの脳天へ、サイレンサー付き12連射式エアライフルの照準を合わせる。
逃がすものか。俺は即座に引き金を引く。
フルオートで6発の弾が連射される。
アライグマ♂1「ギュッ!」ドサッ
アライさん5「のあ?ど、どうしたのだ?」
アライグマ♂1「」ガクガクビグビグググッバタバタタタタッ
アライちゃん5「ひぃっ!?あ、頭から、血が出てるのだぁ!」
伊達メガネアライさん「!?何だって!?こ…これは、弾丸…鉄砲なのだぁ!」
まずは一匹。
もう一匹も逃がすものか!即座に照準を動かす。
931 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 21:50:43.50 ID:NnVYTPTIo
アライグマ♂1「」ビグビグググッ
伊達メガネアライさん「あ、あああ、そ、そんな!アライさんの、アライさんの可愛いプリンスがああぁーーっ!」ガクッ
アライグマ♂2「キュ^~」ヘコヘコ
アライさん6「んっ、あっ、あっ」
なんだあの害獣ども!?
仲間がくたばったのに気付いてないのか!?
伊達メガネアライさん「は、ハンサム!逃げ…」
残念。ゲームオーバーだ。
俺は残りの6発を連射した。
アライグマ♂2「ギュッ!」バタッ
伊達メガネアライさん「は、ハンサムうううぅぅっ!」
アライグマ♂2「」ガクガクビグビグググッバタバタタタタッ
伊達メガネアライさん「ひ、ひぃ、ひひひひひひ、あ、アライさんの可愛い子達が、こ、こんな、こんな…」ケタケタ
ナイスヒット。
標的は無事射殺した。
933 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 21:55:05.38 ID:NnVYTPTIo
アライさん5「ひ、ひぃーっ!」タタッ
アライさん6「逃げるのだあぁーっ!」タタッ
伊達メガネアライさん「…う、あ、あぁ、そ、そうなのだ。まだダンディーと、子供達がいたのだ」ヨタヨタ
伊達メガネアライさん「守りにいかなきゃなのだ…」フラフラ
そんなにショックだったのだろうか。
伊達メガネアライさんは、ふらふらと森の奥へ行った。
あの奥が繁殖場か!
俺は奴らを静かに追跡する。
佐助「フゥーッフゥーッ」ノソノソ
佐助も、物音を立てないように、慎重に進んでいるようだ。
936 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:00:09.34 ID:NnVYTPTIo
俺は弾をエアライフルへ込め、奴を追跡する。
そして、湖へ着いた。
…アライグマどもは、いない。
伊達メガネアライさん「そこの人間!アライさんを追ってきたのは分かってるのだ!」
むぅ!?
伊達メガネアライさん「お前だけは、絶対に許さないのだ…!絶対に殺してやるのだ!」
何だ…随分強気だな。
どういうつもりだ?
俺はふと、後ろを振り向いた…
後頭部のすぐ後ろに、こちらへ飛んでくる岩があった。
おわぁっ!?危ねぇ!
俺はなんとか身をよじり、岩を回避する。
941 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:05:28.38 ID:NnVYTPTIo
アライさん5「かわされたのだ!?惜しかったのだ!」ガサッ
アライさん6「でも今度は外さないのだ!」グイッ
アライさん7「たあー!」ブンッ
アライさん7が、こちらへ岩を投げてくる。
くっ!なんとかかわしたが…
あれが当たったら割とシャレにならねえ!
しかし、なぜだ!こいつら、どうしてこんなに連携がとれている!?
追跡している間、話し声はしなかったはずだ…!
アライグマ♀「キュルルルル」ガサッ
…こいつか!
この雌のアライグマが、アライさん達の間を走り回り、意思伝達を仲介していたのか!
アライグマ♀「キュルルルル…」
…なんだかあの雌アライグマも、俺を睨んでいる気がする。
奴もまた、雄を殺した俺を憎んでいるのだろうか。
949 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:12:23.84 ID:NnVYTPTIo
クソが!くらいやがれ!
俺は石を構えるアライさんを射撃する。
こいつらの前でリロードはできない。大切な12発を、シングルで撃つ。
アライさん5「のびゃっ!」ドシャァ
ヒット!しかし…
アライさん6「くらうのだ!」ブンッ
おっと!俺は石をかわす。
アライさん7「今なのだ!」グイイッ
まずい!
今狙われたら…
佐助「ガアアウワウ!」ガバッ
アライさん7「のぎゃああっ!?」ドサッ
佐助ェ!
よくやった!
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 22:14:35.97 ID:WxRbVwOb0
まるでアラ虐博士だ
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 22:19:14.75 ID:NdCfUfwwO
佐助がお助けェ!
952 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:20:22.36 ID:NnVYTPTIo
伊達メガネアライさん「たあああああああああああーーーーーーーーーーーーーーっ!」ブンッ
こいつっ…!
俺が後ろに気を取られている間に、ナイフを出して突出して来やがった…!?
俺はギリギリでナイフをかわすが、体当たりを食らってしまった。
ぐぅっ、エアライフルを落としてしまった…!
伊達メガネアライさんは、俺に馬乗りになってくる。
伊達メガネアライさん「のああああーーーっ!アライさんの大事なボーイフレンドを殺したお前は地獄に送ってやるのだああぁっ!」 ブンッ
殺されてたまるか!
俺は伊達メガネアライさんがナイフを握る腕を掴む。
伊達メガネアライさん「ぬうううぐぐぐぐうううう!」ギリギリ
ぐおおっ…体重をかけて、ナイフを押し込んできやがる…!
クソが!アライさんなんぞに腕力で負けてたまるか!
俺は腕を押し返す。
955 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:26:00.82 ID:NnVYTPTIo
「たあーっ!」
「キャウン!」
「やった、当たったのだぁ!おまけの一発なのだぁ!」
「バウウゥ!」
…何だ。
奴ら、俺の佐助に何してやがる!
伊達メガネアライさん「うががああああああーーっ!」グイイイッ
くそっ!こいつ、なんて力だ!
フレンズってのは、こんなに強くなるもんなのか!?
まずい、刺される…!
961 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:30:08.71 ID:NnVYTPTIo
その時。
伊達メガネアライさん「のぎゃあああっ!?」ドサッ
伊達メガネアライさんが倒れた。
何だ!?
鷹「キュロロロ!」バッサバッサ
…え。
どういうことだ。
なんか、鳥がいるんだけど…
伊達メガネアライさん「ぐっ…うぅうぅ…」ヨロヨロ
伊達メガネアライさんがこめかみから血を流している。
…こいつが突撃したのか!?
だが…どうして!
967 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:34:39.28 ID:NnVYTPTIo
アライさん6「とどめなのだ!犬を倒すのだ!」グイイッ
アライさん7「くたばるのだ!」グイイッ
佐助「グゥ…ルルウ…」ヨロヨロ
まずい、佐助がやられる!
幼鷹1「ピィー!」ドガァッ
幼鷹2「チィー!」ドガァッ
幼鷹3「ビチグリー!」ドガァッ
アライさん6「ぎゃっ!」グラッ
アライさん7「な、何なのだこいつらあ!やめるのだ!」ブンブン
なんと、幼い鷹がやってきて、アライさん2匹を襲撃した。
どういうことだ!?わ…わからん!!
970 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:37:49.39 ID:NnVYTPTIo
佐助「グガウウウゥ!」グワッ
アライさん6「のぎゃああっ!」ドサッ
無事でいろよ、佐助…!
俺はエアライフルを拾う。
伊達メガネアライさん「うあああああーーーっ!」ダダッ
悪いな。
鷹が来なければ、お前の勝ちだったよ。
俺はこちらへ突撃してきた伊達メガネアライさんの右膝を撃った。
伊達メガネアライさん「ぎゃああっ!」ドサァ
伊達メガネアライさんは倒れた。
973 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:41:39.40 ID:NnVYTPTIo
伊達メガネアライさん「く…ううぅっ…」ブルブル
立ち上がらせるか!
俺は左膝を撃ち抜いた。
伊達メガネアライさん「のぎゃああっ!」バタッ
伊達メガネアライさん「ふぅーっ…ふぅーっ…!」
もうこいつは放っておこう。
佐助はどうだ?
アライさん6「の…の…だ…」ピクピク
アライさん7「の…あぁ…」ブシュウウゥ
佐助「フゥー…フゥー…」
なんと…
2匹を仕留めていた。
恐るべし、佐助。
976 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:45:51.43 ID:NnVYTPTIo
…
俺は伊達メガネアライさんの足を引っ張り、引きずりながら車へ着いた。
伊達メガネアライさん「…どうして、アライさんを放っておいてくれないのだ…」
ああ?
増えるからだよ。
伊達メガネアライさん「アライさんは、生きてちゃいけないっていうのか…」
そうだよ。
だが、てめーは戸籍持ちみたいだな。
さすがに殺すわけにはいかん。このまま警察に連れていく。
伊達メガネアライさん「…好きにするのだ…アライさんはもう…疲れたのだ…」
ああ、そうかい。
俺はアライさんをトラックの荷台へ乗せると、車を飛ばした。
978 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:48:15.04 ID:NnVYTPTIo
…
帰路の途中、俺は車を止めた。
飲み物でも買おうかと思ってだ。
トラックの荷台の奴は、どうしてるか…?
ちょっと気になって、覗いてみた。
…なんと。
奴がいなくなっていた。
982 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:50:33.64 ID:NnVYTPTIo
バカな。
俺は来た道を引き返した。
すると。
伊達メガネアライさん「」
奴は、路上に血まみれで倒れていた。
…落っこちたのか?
いや…自然に落ちるはずがない。
こいつは…
車から、投身自殺したのだ。
985 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:52:31.57 ID:NnVYTPTIo
バカな…
生きることへの執念ではこの世の何にも勝るアライさんが、どうして?
…わからねえ。
俺は死体を積み、街へ向かった。
990 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/18(月) 22:56:24.14 ID:NnVYTPTIo
※お詫び
「今回の話つまんないな」と思った読者の方へお詫び申し上げます。
今回の話は、本来は突然変異で産まれたパルコアライちゃんが、
親からの贔屓と姉妹からの虐めを受けながら奮闘するお話でした。
しかし、繁殖シーンを書いてるうちになんか腹が立ってきて、
つい俺さんを呼んでアライグマを撃ち殺させてしまいました。
そのお陰で、俺さんと佐助が傷を負うことになりました。
繁殖してる害獣どもを殺したくなる気持ちを押さえられなかったことを、深くお詫び申し上げます。
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 23:00:22.13 ID:LW5vemb10
989
そんなことないですよー、異なる動物同士の友情が素晴らしかったと思います
1さんの書きたい様に書いて下さい
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 23:10:08.20 ID:dxSD7Mgf0
腹が立って射殺は草
もしパルコアライさんもとい、白カビの話書くんでしたら
親に贔屓されてるのをいいことに傍若無人な振る舞いしてたら親にも見放されて
他の姉妹から逆襲受ける話の方がスカッとするからそういう話が見たいです
ともあれss乙でした
最終更新:2017年11月18日 21:07