152 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/19(火) 23:17:31.83 ID:6QtIrEHaO
アライさん達の食糧不足は厳しい。
アライさんはヒトの姿を得たせいで、
代謝に必要なカロリーがアライグマより多くなった。
決して飢えに弱いわけではないが、
それでも森の中のカエル、昆虫、小魚等で腹を満たすとなっては、
アライさん達の間での食糧争奪戦も厳しくなるというものだ。
アライさん達が危険を犯してでも人里へ住み着いたのは、
食糧を探し求めていることが最大の理由である。
だが、人里で金のないアライさん達が食糧を手に入れることは、決して容易ではない…。
155 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/19(火) 23:31:17.83 ID:FgT9nRq1o
~滅びゆく村~
廃村の近くの森から、何かが出てきた。
雄牛が1匹と、フレンズが2人である。
雄牛「ウモォ~」ズリズリ
ホルスタインしゃん1「おとーしゃん、ちからもちですね!」ズリズリ
ホルスタインしゃん2「わっせ!わっせ!」ズリズリ
彼女たちは、森から腐葉土を集めていた。
雄牛は、フレンズ達の数倍の量の腐葉土を、リヤカーで牽引している。
ホルスタインしゃん1「ふぅ…これだけあれば、おやさいもおおきくそだちますね!」
ホルスタインしゃん2「あおいトマトも、もうひといきであかくなります!」
雄牛「ウモォ~」
157 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/19(火) 23:37:21.70 ID:FgT9nRq1o
バッグアライさん「おお~、これはいい畑なのだ!」ザッ
突如そこに、ショルダーバッグを持ったアライさんがやってきた。
腕には『の』の字を象った腕輪をしている。
ホルスタインしゃん1「!?」ビクッ
ホルスタインしゃん2「あ、あらいさん…!ひ、ひっ…!」ブルブル
雄牛「ウモオオオォ!」ブルルル
アライさん1「すごいのだ、野菜がいっぱいあるのだ!」
アライさん2「もらっていきたいのだ!」
ホルスタインしゃん1「あ、あわわわわ…さ、さんにんも…!おとーしゃんっ…!」ブルブル
ホルスタインしゃん2「た、たべないで、くだしゃい…!」プルプル
雄牛「ブモォアアア!」ブルルル
雄牛は激しく威嚇をしている。
161 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/19(火) 23:44:34.77 ID:FgT9nRq1o
バッグアライさん「落ち着くのだ。アライさんが欲しいのは知識なのだ」ザッ
ホルスタインしゃん1「ち…ちしき…?」
ホルスタインしゃん2「なんのことですか…?」
バッグアライさん「お前らから略奪しても、一時の食べ物はすぐに無くなるのだ。それよりも、あのガキ大将が荒らし尽くした畑をどうやってここまで復活させたか…アライさんはそれが知りたいのだ」
ホルスタインしゃん1「そ、そんなこといって…!ぜんぶもっていくきなんでしょう…!」プルプル
ホルスタインしゃん2「おねがいです…みんなでおおきくしたはたけなんです…!ここだけは…」プルプル
アライさん1「ごちゃごちゃ言うななのだ!」
バッグアライさん「まあまあ落ち着くのだ…これでも食べたらどうなのだ?」スッ
バッグアライさんは、飴を2つ取り出した。
ホルスタインしゃん1「…そ、それ、どうしたんですか!」
ホルスタインしゃん2「ぬ、ぬすんだんでしょう!」
バッグアライさん「森で拾ったのだ。嘘じゃないのだ。誰かが捨てていったのだ」
バッグアライさん「ずっとこんな山奥にいて、甘い味が恋しいんじゃないのか?」
ホルスタインしゃん1「う…!」
ホルスタインしゃん2「っ…!」ゴクリ
166 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/19(火) 23:50:54.78 ID:FgT9nRq1o
…
ホルスタインしゃん1「あ…あなたのいうこと、しんじただけですからね」コロコロ
ホルスタインしゃん2「うそじゃないっていったのはあなたですからね」コロコロ
雄牛「ウモォ…」
フレンズの子供達は、あっさり懐柔されてしまった。
バッグアライさん「それじゃあ約束なのだ。どうやって畑を大きくしたか教えるのだ!」
ホルスタインしゃん1「ええと、ママからおそわったのは…」
ホルスタインしゃん2「おやさいのタネをのこしておいて…」
バッグアライさん「ふむふむ…」
アライさん1「わかりにくいのだ!」
アライさん2「いいから野菜をよこすのだ!」
ホルスタインしゃん1&2「「ひっ!」」
バッグアライさん「お前らはでしゃばると話が振り出しに戻るのだ!いいから黙ってるのだ!」
ホルスタインの子供達は、バッグアライさんへ畑作りのことをいろいろ教えた。
170 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/19(火) 23:54:56.58 ID:FgT9nRq1o
バッグアライさん「なるほど、助かったのだ。礼を言うのだ。…じゃあ、アライさん達はこれでおさらばなのだ」ザッザッ
ホルスタインしゃん1&2「「は…はい…」」ポカーン
アライさん1「ええ!野菜がこんなにいっぱいあるのにか!?」
アライさん2「1つくらい持ってってもバレないのだ!」
バッグアライさん「いいから黙って帰るのだ!」ザッザッ
結局アライさん一行はそのまま帰って行った。
ホルスタインしゃん1「…」ポカーン
ホルスタインしゃん2「…たすかりましたね…」ポカーン
雄牛「ウモォ~?」
177 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/20(水) 00:02:32.92 ID:4uBY8zwbo
…
~廃村~
ここはずっと前に人がいなくなった廃村。
ここの住人はどこへ行ったのか?
…街中へ引っ越していったようだ。
バッグアライさん「ここをアライさん達の村にするのだ!」
アライさん1「天下を取るのだー!」
アライさん2「なのだー!」
アライちゃん1「なのあー!」
腕輪のアライさんのもとへ、10匹ちょいのアライさんが集まっている。
バッグアライさん「人里へ下りて食べ物を手に入れるのは危険なのだ。いつまでもやってられることじゃないのだ」
バッグアライさん「アライさん達は、ここを開拓して野菜を育てるのだ!」
アライさん1「わくわくするのだ!」
アライさん2「早速やるのだぁ!」
180 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/20(水) 00:10:01.02 ID:4uBY8zwbo
バッグアライさんは、バッグから園芸用の野菜の種や、ジャガイモの種芋を出す。
も ち ろ ん す べ て が 盗 品 で あ る 。
バッグアライさん「さあ、仕事をするのだ!3日まじめに働いた奴には、このかいがらチップをやるのだ!」
アライさん1「それは何なのだ?」
アライちゃん1「きれいなのだー」
バッグアライさん「かいがらチップ。野菜を収穫したとき、これをもってる数が多い奴がたくさん配当を貰えるのだ!」
アライさん2「わかったのだ!いっぱい働いて、たくさん貰うのだ!」
アライさん3「たくさん貰うのはアライさんなのだー!」
バッグアライさん「そうだ、その意気なのだ!他の奴がさぼってる間にたくさん働けば、それだけ野菜をいっぱい貰えるのだ!」
アライさん4「頑張るのだー!」
186 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/20(水) 00:14:18.01 ID:4uBY8zwbo
アライさん達は、意外にもまともに農業をやっていた。
各個人はバカでも、バッグアライさんの言う通りにしておけば、とりあえずなんとかなったようだ。
肥料となる天然資源の入手の仕方は、ホルスタインの子供達がやった通りだ。
もちろん不真面目なアライさん達は、サボったりもした。
…が、バッグアライさんが活を入れると、再びしぶしぶ働いた。
187 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/09/20(水) 00:21:13.41 ID:4uBY8zwbo
…
しばらく後。
いくつかの苗はダメになったが、それでも枝豆やトマト等はまともに実っていた。
夕暮れ空に、カラスの鳴き声が響く。
バッグアライさん「お前たち、よく働いたのだ!」
アライさん1「いい汗かいたのだー!」
アライさん2「アライさんはもうイナゴ狩りの達人なのだー!」
アライさん3「野菜作り、楽しいのだぁ!」
バッグアライさん「明日は待ちに待った収穫なのだ!みんな、さっさと寝るのだ」
アライさん4「天下を取るのだー…」
アライさん5「明日が楽しみのだー…」
こうして、アライさん達は就寝した。
最終更新:2017年11月18日 23:42