175 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 09:47:33.21 ID:1lVjKjBpO
アライさんは、自転車のサドルに跨がり、ペダルを踏んだ。
アライさん「さあ出発なのだー!」グイッ
自転車の鍵「」ガチャッ
アライさん「のぁ!?回らないのだ!」グッ グッ
自転車の鍵「」ガチャ!ガチャ!
アライさん「う、うぬぬ~!なんで動かないのだ~~!たあ~!」グッグッグッグッグッグッ
自転車の鍵「」ガチャガシャガチャガチャガチャガチャ
アライさん「ふぅ、ふぅ…きっとこれは、壊れてるのだ。壊れてるから捨てられてたのだ」ハァハァ
アライちゃん「のぁ~」ヨチヨチ
アライしゃん「おかーしゃん、ここがひっかかってるせいでまわらないのだ」グイグイ
アライしゃんは、鍵に気付いたようだ。
176 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 09:59:00.43 ID:1lVjKjBpO
アライさん「よぉ~し、アライさんが修理してやるのだ!えんじにあなのだ!」スッ
アライさんは石を拾った。
何をするつもりなのだろうか。
アライさん「たあ~!」ガンガン
アライさんは、ママチャリの鍵を何度も石で叩く。
…
鍵「」ベギィ
何度も何度も石で打ち付けられた鍵は、とうとう壊れてしまった。
アライさん「これでどうなのだ?」グイッ
自転車のタイヤ「」グルグル
アライさん「やったのだぁ!回ったのだぁ!アライさんが直したのだぁ!アライさんは修理の達人なのだぁ!」エヘン
アライしゃん「すごいのだ~!」コスリコスリ
アライちゃん「のぁ~」
アライさん「壊れて捨てられてたものを直して使うアライさんはえころじすとなのだ!」エヘン
アライさんはフェイロンPの自転車の鍵を破壊できたことにご満悦なようだ。
178 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 10:08:05.34 ID:1lVjKjBpO
アライさん「さあ~乗るのだ!」ガチャ
再びサドルに跨がり、ペダルを踏むアライさん。
アライさん「たあ~!」グッグッグッグッ
自転車の後輪「」グルグルグルグルグルグル
後輪はその場でグルグル回っているが、前輪は全く動かない。
アライさん「進むのだー!」グッグッグッグッ
自転車の後輪「」グルグルグルグルグルグル
アライさん「わっせ!わっせ!」グッグッグッグッ
自転車の後輪「」グルグルグルグルグルグル
アライさん「なんで言うこと聞かないのだぁ!ちゃんとアライさんが言うとおりに進むのだぁ~!」グッグッグッグッ
自転車の後輪「」グルグルグルグルグルグル
アライしゃん「おかーしゃんがんばれー!」
アライちゃん「ごはんー」ヨチヨチヨチヨチ
芋虫「」モゾモゾ
アライちゃん「たべうのあー」ガシッ
芋虫「」ジタバタジタバタ
アライちゃん「あーん、ぱくっ。もぐもぐ…」プチッ クチャクチャ…
キックスタンドが立った自転車を必死で漕ぐアライさん。
娘達は、意味もなくペダルを踏み汗を流す母親を応援していた。
182 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 10:18:46.52 ID:1lVjKjBpO
アライさん「ぜぇ…はぁ…まだ壊れてるのだ…」ハァハァ
アライしゃん「おかーしゃん、これがじゃまではしれないみたいなのだ」ツンツン
アライしゃんは、キックスタンドによって後輪が地面と接触するのを妨げられているのに気付いた。
アライさん「なるほど、ここを直せば走るのか!よーし、修理するのだ!」サッ
再び、さっきの硬い石を拾った。
アライさん「たあ~!」ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン
キックスタンド「」ガシャガシャガシャガチャガチャガチャガシャガシャ
…
キックスタンド「」ガコンッ
キックスタンドの部品が破損し、バネによってキックスタンドは解除された。
もう立てることはできないだろう。
アライさん「やったぁ!直ったのだぁ!アライさんは人間が直せないものを修理できたのだ!天才なのだぁ!」ゼェハァ
アライしゃん「すごいのだ~!」コスコスコスコス
アライちゃん「ご~~は~~ん!!のあああぁ!」
183 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 10:25:50.36 ID:1lVjKjBpO
アライさん「さあ、走るのだ!」ガシャ
アライさんは、サドルに跨がった。
アライさん「…」
アライしゃん「どうしたのだ?」
アライさん「アライさん、大変なことに気付いたのだ…」
アライしゃん「なんなのだ?」
アライさん「…このまま足を離したら倒れるのだ!漕げないのだぁ!」
アライしゃん「のあぁっ!?」
アライちゃん「のだああぁ」キョロキョロ
毛虫「」モゾモゾ
アライちゃん「のぁ」ガシッ
毛虫「」ジタバタ
アライちゃん「あーん」パクッ モグモグ
アライちゃん「!…ぺっ!」
噛み潰された毛虫「」ベチャ
アライちゃん「のあああああぁーーーんっ!のあああああぁーーーんっ!!」ヒリヒリ
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 10:30:22.33 ID:0N5JV+NsO
なんで毛虫食ったんだこいつ
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 10:30:42.54 ID:aoCIEiuOo
アライちゃんの自由っぷり
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 10:33:01.99 ID:q9ubYWk3o
アライちゃん一日眺めてるだけで殺意の波動に目覚めそう
188 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 10:36:11.14 ID:1lVjKjBpO
アライさん「でも人間達はこのまま漕いでたのだ。どうやって…」
アライしゃん「きっとそれは、あしをはなせばたつようにできてるのだぁ!」
そんな魔法のような技術はない。
乗り手の訓練が全てである。
アライさん「うぬぬぬ~!人間が乗れるのだ、アライさんに乗れないわけないのだぁ!」
アライさんの脚の筋力は、同じ身長の人間の少女よりずっと強い。
これは種族の差によるものではない。
単にアライさんは常にあちこち歩き回っているおかげで筋力が鍛えられており、
人間の少女は学業を修め知能を鍛えらるために椅子に座っているからである。
アライさん「足を離すのだ!たあ~!」パッ
アライさん「のあぁっ!」グラッ ガッシャアアン
…しかし、自転車を乗りこなすには、筋力より知能の方が重要なようだ。
189 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 10:48:07.44 ID:1lVjKjBpO
アライさん「うぬぬ~…!」タッ
アライさんはサドルに跨がったまま、片足で地面を蹴った。
しかしバランスがとれないアライさんは、すぐに転んでしまった。
アライさん「のだあぁ!」ガッシャアアン
アライさん「うぅ~!どうするのだこんなの!人間が乗れるんだから、アライさんも乗れるのだあぁ!」ウルウル
だったらまずはサドルの高さを調節すべきであろう。
フェイロンPとアライさんには20センチ程の身長差がある。
このまま走るのは、同身長の人間の少女でもそこそこ大変であろう。
アライちゃん「のああぁぁ~ん!のああぁぁ~ん!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん「のあーー!のあーー!」グイグイ
アライちゃんは、大きく口を開けてベロを出しながら、母親の片足を引っ張る。
アライちゃん「あー、あー!」アングリ
アライさん「なんなのだ邪魔なのだ!アライさんは今忙しいのだ!後にするのだ!」
アライちゃん「のああぁ!?」
190 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 11:06:56.79 ID:1lVjKjBpO
アライしゃん「おかーしゃん、あらいしゃんがおさえてたてるのだ!そのあいだにすすむのだ!」ガシッ
アライさん「おぉ!大きいチビはお利口さんなのだ!」
娘に自転車の練習を手伝ってもらう母親。
人間社会では惨めに見られるであろう光景だ。
アライさん「たあー!」グッグッ
アライしゃん「おぉすすんでるのだー!」ヨタヨタ
アライしゃんは自転車を掴んで、バランスをとるのを補助している。
アライさん「わははー楽しいのだー!」キコキコキコキコ
アライしゃん「のあぁっ!速いのだぁ!追い付けないのだぁ!」ヨタヨタヨタヨタヨタヨタ
アライしゃん「のぎゃっ!」ボテッ
アライしゃんは自転車から手を離して転んだ。
アライさん「うぉ~~進んでるのだ~~!」キコキコキコキコキコキコ
自転車はふらふらと左右に揺れながら進み…
アライさん「…のだぁ!」ガシャン
そして転倒した。
アライさん「あはははははは!!楽しいのだあぁ!」アハハハハ
どうやらコツを学習してきたようだ。
アライさんといえども、腐ってもフレンズである。
アライちゃん「ぺっ!ぺっ!…のああぁ」ヨチヨチ
196 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 14:36:03.48 ID:1lVjKjBpO
…1時間後…
アライさん「もう一回…!」タッ
アライさん「わははぁー!」フラフラキコキコフラフラキコキコ
自転車の車体は左右にふらふらと揺れているが、娘の補助なしで乗れるようになっていた。
アライさん「楽しいのだー!」キコキコキコキコキコキコキコキコ
草原を移動するアライさん。
足で走るよりも速いようだ。
アライしゃん「わぁ、まつのだー!」ヨタヨタヨタヨタ
走って後を追うアライしゃん。
アライちゃん「の、のあー!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライちゃんも後を追うが、スピードの差は歴然としており、どんどん差をつけられていく。
197 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 14:41:39.07 ID:1lVjKjBpO
アライさん「おっと、ちびを置いていくとこだったのだ」クルッ
アライさんはUターンしようとしてずっこけた。
まだハンドル操作に慣れていないらしい。
アライさん「のあああっ!」ガッシャアアン
スピードがついた状態で転んだため、アライさんは地面に膝を打ち、すこし悶絶すた。
アライさん「おっ…ォォォォっっ…」ジタバタ
アライしゃん「だいじょうぶなのか!?」ヨタヨタ
アライちゃん「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ
娘達は母親のもとへ駆け寄る。
アライさん「へ、平気なのだ!アライさんはその辺バッチリなのだ!」
アライちゃん「のぁー」
アライさん「ちび!前のカゴに乗せてやるのだ。風が気持ちいいのだ!」ヒョイ
アライちゃん「のあー」
アライさんは、ママチャリの前のカゴへアライちゃんを乗せた。
アライちゃん「なのだー」ピョコ
アライちゃんは籠のフチ両手で掴み、顔を出した。
200 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 14:47:46.16 ID:1lVjKjBpO
アライさん「出発なのだー!」キコキコキコキコキコキコ
アライちゃん「ののののーあ!」キャッキャ
アライしゃん「は、はやいのだー!まつのだー!」ヨタヨタヨタヨタ
アライさんは草原を自転車で駆け抜けていった。
フェイロンP「フゥ~、今日はダメじゃのう、一匹も釣れんかったわい」ガサガサ
フェイロンPは、並木の間から出てくる。
フェイロンP「…んん!?ワシの自転車がない!」キョロキョロ
自転車があった場所を見ると、割れた石、破壊された鍵の破片があった。
202 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 14:49:42.70 ID:1lVjKjBpO
フェイロンP「ぬ、盗まれただと!…一体誰が…」チラッ
フェイロンPは、噛み潰された毛虫を見つけた。
フェイロンP「…ほう」チラッ
そして注意深く観察すると、草原に自転車のタイヤの跡が線を引いているのを見つけた。
203 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 14:56:01.56 ID:1lVjKjBpO
アライさん「楽しいのだー♪」シャァァァァ
アライちゃん「なーのだー♪」キャッキャ
アライさん「…ところでこれ、どうやって止まるのだ?」シャァァァァ
アライちゃん「のだー♪」キャッキャ
アライさんの前方に、低い並木が迫っていた。
アライさん「えっと、止まるのだー!」ザッ
アライさんは足で地面を踏みしめた。
しかし自転車は止まらず…
低い並木へ突っ込んだ。
アライさん「うぎゃ!」ガコンッ
並木へ突っ込んで転び、自転車を止めることに成功した。
アライちゃん「のああぁ!」スポーン
籠に乗っていたアライちゃんは、鍵から投げ出され…
アライちゃん「のあああっ!」ゴロゴロゴロゴロ
草原の上を転がった。
アライちゃん「のーーーあぁんっ!のああぁーーんっ!のびゃああーーんっ!」ビエエエエン
アライしゃん「のだぁ…のだぁ…」ハァハァ
204 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 15:02:03.30 ID:1lVjKjBpO
アライちゃん「ひぐっ…ぐしゅっ…」シクシク
アライさん「あー、ごめんなのだチビ。怪我はないのか?」コスリコスリ
アライちゃん「のぁぁ…のぁぁ…」
すぐに泣き止んだということは、体を打っただけであり、怪我はないということだ。
アライさん「はぁ、はぁ…さっきはいっぱい転んで疲れたのだ…」ハァハァ
アライさん「少しここでお昼寝するのだ」ゴロン
アライしゃん「きもちいいのだー」ゴロン
アライちゃん「のだー…」ペタン
親子は、草原に横たわった。
205 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 15:05:07.61 ID:1lVjKjBpO
アライちゃん「まんまー」ヨチヨチ
だがアライちゃんはお腹が減って動けないようだ。
…その時…
青イソメ「」ポトッ
アライちゃん「のだぁ?」
青イソメ「」ジタバタジタバタ
アライちゃんは、草原の上を青イソメが這っているのを見つけた。
…青イソメは本来、海に住む生き物。
なぜこんな所にいるのだろうか?
アライちゃん「なのだー♪」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
美味しそうな餌を見つけたアライちゃんは、四足歩行で青イソメへ一直線へ近寄る。
210 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 15:24:02.21 ID:1lVjKjBpO
アライちゃん「のだぁ」ガシッ
青イソメ「」ジタバタ
アライちゃん「あーん、ぱくっ」ガブゥ
アライちゃんは、青イソメを口に含んだ。
その時。
アライちゃん「ぎびっ!?」グイイッ
アライちゃんの口の中に激痛が走った。
なんと、針が唇に刺さっている。
しかも針には、細い糸がついていた。
糸「」グイイイイイッ
アライちゃん「ぎびいいいぃぃぃぃいぃーーーーーーーっ!!びぎひぃぃぃいーーーーーっ!!」ズルズル
糸は引っ張られており、アライちゃんは草原を引きずられていく。
アライさん「むにゃ…!?ちび!?どうしたのだ!?」ハッ
アライしゃん「のあぁ!?」ビクッ
アライちゃんの悲鳴に飛び起きた母と姉。
212 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 15:38:36.00 ID:1lVjKjBpO
アライちゃん「じーびびびびびびびぃ!ぐぎびぃ!」ズルズルズルズル
アライちゃんは唇を針でぐいぐいと引っ張られている。
アライちゃんは痛みを和らげるために、引っ張られている方向へ這い這いで進む。
そのスピードはとても速い。
アライさん「どうしたのだちび!?…おぉ!?その走り方はなんなのだ?速いのだ!」
アライちゃん「ぎびいいいぃぃぃぃいぃーーーーーーーっ!!びいいいぃぃっっ!!」ズルズルズルズル
アライしゃん「うるさいのだぁ!」
アライさん「ちび!なんで走ってるのだ!?止まるのだ!」
しかし止まれと言われて止まる状況ではない。
アライさん「分かったのだ、アライさんと競争したいのか!」ガタン
アライさんは、寝かせておいた自転車を立てて跨がった。
アライさん「アライさんに勝とうなんて10年早いのだぁ!」キコキコキコキコキコキコ
アライさんは、自転車をこぎ、アライちゃんを追いかける。
213 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 15:46:09.13 ID:1lVjKjBpO
アライさんはアライちゃんを追い抜いた。
アライさん「ははー!アライさんの方が速いのだー!」キコキコキコキコキコキコ
アライちゃん「びぎぎぃ!じびいぃ!」ズルズルズルズル
アライさんは、アライちゃんの唇から血が流れているのを見た。
アライさん「…!?ちび、その口はどうしたのだ!?」キコキコキコキコ
アライさん「うぅー、一旦止めるのだ!」キコキコキコキコ
アライさん「…ところで、これは何なのだ?」ガチッ
ようやく自転車のブレーキに気付いたアライさん。
自転車は止まった。
218 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 16:16:38.75 ID:1lVjKjBpO
アライさん「ちびっ!待つのだ!なんで逃げるのだ!」ガシッ
アライさんは自転車から降り、アライちゃんを抱きしめる。
アライちゃん「ぎびいいいぃぃぃぃいぃーーーーーーーっ!びいぃっ!!」ジタバタグイグイ
アライさん「のぁ!?なんかチビの口を引っ張っているのだ!!」
アライさんは針に気付いたようだ。
アライさん「バカ!なんでこんな危ないものを食べたのだ!ぐっ!とっ、取れないのだぁ!」グイグイ
針には返しがついており、簡単には取れない。
アライちゃん「ぎび!ぎびいぃ!」グイイイイイッ
そうしている間にも、アライちゃんは引っ張られていく。
アライさん「うーどうすればいいのだああぁ!ちびいぃぃ!」グイイイイイッ
アライちゃん「ぎびぃーーーっ!?」
なんと愚かなことであろうか。
アライさんはまるで綱引きにように、糸が引っ張られるのと反対方向へ、全力でアライちゃんを引っ張った。
アライちゃんの唇はさらに強く引っ張られる。
そして…
唇「」ブヂイィッ
アライちゃん「びぎゃあああああああああああーーーーーーっ!!」ブシュウゥ
アライさん「ち、ちび!」
…唇が裂け、針は外れた。
219 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 16:24:25.79 ID:1lVjKjBpO
アライちゃん「のああぁーーんっ!のびゃああーーんっ!のぎゃあああああーーーんっ!」ビエエエエン
アライちゃんの唇からどくどくと血が流れている。
アライさん「ち、ちび!もう大丈夫なのだ安心するのだ!」ナデナデ
アライちゃん「うーあぁ!ぁああーあ!」ギューッ
アライさんに抱き付き泣きじゃくるアライちゃん。
痛みは強くなったが、恐怖からは解放されたのであろう。
アライしゃん「いもーとはどうしたのだ!?」ヨタヨタ
アライさん「ちびが尖ったものを食べたのだ!なんて馬鹿なことをしたのだぁ!」
??「」ポトッ
アライさんの後ろから、何か音がした。
アライさん「ん?何なのだ?」クルッ
221 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 16:33:49.12 ID:1lVjKjBpO
練り餌「」
…草原に、不自然に練り餌が転がっていた。
人間ならば絶対に…青イソメ以上に警戒するであろう。
アライさん「くんくん…いい匂いがするのだぁ!」
アライさん「ちび、もうあんな尖った危ないもの食べちゃだめなのだ。この柔らかいお団子でも食べて元気出すのだ」ヒョイ
アライさんは練り餌を拾い、アライちゃんの口へ近付けた。
アライちゃん「のあぁ…」アーン
アライちゃんは、口を開けた。
母親がくれる食べ物であれば安全だと思ったのであろう。
アライちゃん「あむっ」モグモグ
アライちゃん「ごっくん!」
…そして、練り餌を飲み込んだ。
224 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 16:44:27.74 ID:1lVjKjBpO
も ち ろ ん 針 と 糸 が 付 い て い な い わ け が な い 。
引っ掛かる方がバカなのは当然ながら、餌を投げた方もナメていると言わざるを得ない。
だが、アライちゃんが餌を飲み込んだのは事実。
結局、餌を投げた者の見込んだ通りになったようだ。
アライちゃん「びぎいいじぃっっ!?ごえええええぇっっ!!」グイイイイイッ
針はアライちゃんの喉に引っ掛かったようだ。
アライさん「のあぁ!?ま、また…!?何でなのだぁ、アライさんは柔らかいお団子をあげただけなのだぁ!ちびいぃ!」グイイイイイッ
アライちゃん「ぎびぃぃーーーっゃぁああああーーーっ!!」ジタバタ
226 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 16:48:57.96 ID:1lVjKjBpO
アライさん「うぬぬー!きっとこの針は、悪い奴がアライさんを虐めるためにやったイタズラなのだ!」ピンピン
どうやら、やっとアライちゃんを引っ張る糸に気付いたらしい。
アライさん「あっちから糸が伸びてるのだ!行って懲らしめてやるのだ!」チリン
アライさんは自転車を起こしてまたがる。
アライさん「わっせ!わっせ!たあ~!」キコキコキコキコキコキコ
228 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 16:54:25.95 ID:1lVjKjBpO
アライちゃん「ぎびっ!ごぼえぇぇっ!」ズルズル
アライちゃんは喉から血を流し、大量の涙を流しながら、高い並木の方へ引きずられていく。
アライさん「待ってるのだちび!悪い奴をやっつけるのだ~!」キコキコキコキコキコキコ
アライさんは、高い並木の方へ全速力で移動した。
アライさんは高い並木の間を通り抜けようとした。
235 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 17:48:03.20 ID:1lVjKjBpO
その時…
何者かが突然、並木から飛び出してきた。
フェイロンP「チェエエエエリャアアアアアアアアッ!!!」ドズウゥッ
アライさん「のぎゃあああああああああーーーーっ!!!?」ザグゥッ
フェイロンPが、血抜き用のナイフを振りかざし、自転車に乗ったアライさんの喉を突き刺した。
完全な不意討ちがキマった。
アライさん「ぐごぼえっうぇぇぇ!!」ガッシャアアン
自転車から転倒するアライさん。
アライさん「ぎびいぃ!ぐぶ!ごぼええぇ!」ブッシュウウウゥゥ
アライさんは喉を深く刺され、大量の血を吹き出し、地面の上を転げ回っている。
フェイロンP「魚は一匹もとれんかったが、新鮮なアラジビが獲れるとはのぉ!!」ドスドス
アライさん「がばあぐぅぇええぇ!!」ブシュウゥ
フェイロンPは、アライさんの急所…
皮膚から浅い位置に動脈がある箇所を的確に突き刺していく。
237 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 17:57:32.26 ID:1lVjKjBpO
喉への不意討ちに続いて流れるような猛攻を浴びたアライさんは、
なにか抗議する間も、反撃して抵抗する間もなく、
あっという間に身体中の血管に致命傷を負った。
アライさん「ぐぶ…がば…」ゴポポ
フェイロンP「これで血抜き完了じゃな」
もはやアライさんの回復力があっても、助からないであろう。
アライしゃん「ひ…ひぃっ…!おがー…しゃん…!」ペタン
アライしゃん「にげるのだあぁ!」ヨタヨタヨタヨタヨタヨタ
フェイロンP「逃がさんぞ」スッ
アライちゃん「びぃーっ!ぎびぃーっ!」ジタバタ
フェイロンPは、アライちゃんを拾い上げると…
フェイロンP「ふんっ」ズパッ
アライちゃん「びっ」ブシャアア
フェイロンPは、躊躇せずアライちゃんの頸動脈をかき切った。
アライちゃん「ぎ…びぎ…」ブシュウゥ
フェイロンP「獲物はもう一匹じゃな」ガタン
フェイロンPは、自転車を起こして跨がる。
238 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 18:03:25.82 ID:1lVjKjBpO
フェイロンPの乗った自転車は、あっという間にアライしゃんに追い付いた。
フェイロンP「逃げられんぞ」ピタッ
アライしゃん「ひ…ひぃ…ま、まつのだ…た、たのむ、ゆるしてほしいのだ…」ペタッ
アライしゃん「そ、そのくるまがほしいのなら、おまえにやるのだ…」ブルブル
フェイロンP「…」ツカツカ
アライしゃん「それはおかーしゃんのものなのだ。おかーしゃんがしんだから、おまえのものにしていいのだぁ」ブルブル
フェイロンP「…」スッ
アライしゃん「ひぃいぃ!いたいのはやなのだぁ!やめるのだああぁ!」ヨタヨタヨタヨタ
241 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 18:12:40.54 ID:1lVjKjBpO
フェイロンP「安心せい。苦しませはせんよ」ガシッ
フェイロンPはアライしゃんを捕まえる。
アライしゃん「ほ…ほんとなのか?痛いことしないのか?」ブルブル
フェイロンP「ふんっ」ズパッ
アライしゃん「びっ!」ブッシュウウウゥゥ
フェイロンPは、アライしゃんの頸動脈を突き刺した。
アライしゃん「びいいいっぃぃ!ぎぃっぅぃぃぃ!」ブッシュウウウゥゥ コスリコスリコスリコスリコスリコスリ
アライしゃんは首の傷を一生懸命擦っているが、血は止まらない。
アライしゃん「じ…にだ…ぐ…な…」ドサッ
アライしゃん「」ビグッビグッバタタッビグンッ
フェイロンP「食材を…無駄に苦しませはせんよ」ヒョイ
アライしゃん「」ズルズル ビクッビクッ
243 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/08(日) 18:21:58.81 ID:1lVjKjBpO
…
通行人1「うわぁ…」ドンビキ
通行人2「ひぇっ…」ドンビキ
通行人3「や、ヤバイ奴がいるぞ…」ドンビキ
子供「うわーーん!うわーーん!こわいよぉ!」ビエエエエン
女性「見ちゃダメよ」サッ
フェイロンP「フゥ~、魚釣りに来たはずなんじゃがな。なぜかアラジビが獲れたわ」キコキコ
アライさん「」ブラーン
アライしゃん「」ブラーン
アライちゃんinクーラーボックス「」ヒンヤリ
フェイロンPは、仕留めたアライさん達を自転車へくくりつけながら帰宅していた。
アライさん達から流れた血が、自転車の後ろに点々と落ちている。
その姿はどう見ても不審人物である。
警官「すみません、ちょっと…お聞きしたいことがあります」
フェイロンP「エエよ。免許なら持っとるぞ、ホレ」ピラリ
警官「ああ、どうも…それもそうですが…アライさんは見た目はほとんど人なので。運搬するならカバーか何かかけてもらえまえんか?」
フェイロンP「やっぱし?」
最終更新:2017年11月20日 19:58