15 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 22:45:26.56 ID:GzSdUw/4O
清掃員「っ…うあああああああっ!!」ドズゥ
アライさん3「ぐうぅぇええええっ!!」ブシュウウゥ
アライさん3のみぞおちに槍が突き刺さった。
肝臓の動脈から血が吹き出す。
アライさん3「ひっ…し、しに、だぐ…ない…」ガクガク
アライさん3「ち、ちび、ちびいぃぃ…」ガクガク ドクドク
清掃員「っ…」コツンコツン
清掃員は、洞窟に入っていく。
19 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 22:50:03.02 ID:GzSdUw/4O
~洞窟~
清掃員「はぁ…はぁ…」
洞窟の中には、たくさんの枯れ葉や草が敷き詰められていた。
ベッドか何かであろう。
子供達はどこであろうか。
清掃員「っ…」キョロキョロ
どうして。
どうしてこんなことをしなくてはいけないのか。
何の罪もない母親から産まれた、何の罪もない子供達。
なぜそれを探し回り、虐殺しなくてはいけないのか。
今の自分の行動のどこに正しさがあるのか。
清掃員は、身を裂くような罪悪感に苛まれ、眩暈さえしていた。
28 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 22:56:29.31 ID:GzSdUw/4O
清掃員「…」
落ち葉絨毯の膨らみ「」コンモリ
清掃員は落ち葉の中に、震えている膨らみを見つけた。
落ち葉絨毯の膨らみ「」プルプル
もう、このまま見なかったことにして、帰ればいいのではないだろうか。
いや…
今清掃員が手を下さなくとも、結局アライさんは誰かの手により滅ぼされるのである。
ならば、その誰かに迷惑をかけるよりも。
自分がここで仕留めるべきではないだろうか。
清掃員「…」ジィー
落ち葉の膨らみ「へっくち!」ビクゥ
落ち葉の膨らみ「」ガサゴソ モゾモゾ…
清掃員「…」
なんと弱々しいのだろうか。
この槍で突けば、子供達は死ぬだろう。
だが、この子供達は生きている。
生きているのだ。
自分と同じ生き物なのだ。
御手洗自身には、『アライちゃん』の時期は無かったが、
それでも目の前にいるのは、同族の小さな命である。
清掃員「何を今さら…」
清掃員「こいつらの母親は死んだのだ。あたしが殺したのだ…」
37 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:03:00.03 ID:GzSdUw/4O
清掃員「うっ…ぅあああああーーーーーーーーーっ!!!」ドズウウゥゥ
清掃員は、落ち葉の膨らみを貫いた。
アライちゃん1「ぎびいぃぃぃぃぃーーーーーっ!!!」ブッシュゥウゥ
アライちゃん3「いぢゃあいいいぃぃぃぃぃーーーーっ!!!」ブシュウウゥ
アライちゃん5「おがああぢゃああああああああああああああああん!!」ブシュウウゥ
アライちゃん3匹が、団子のように槍に貫かれた。
アライちゃん1「ぎぃ…びいぃ…!」ジタバタ
アライちゃん3「だ…じゅげ…しぬの…やだ…」シッポブンブン
アライちゃん4「い…ぢゃいぃ…のりゃあ…」シッポブンブン
槍に貫かれ、致命傷を負ってなお、
アライちゃん達は苦しみ、死にたくないと訴えかけてくる。
がさがさと、枯れ草が揺れる。
アライちゃん2「ぴぎゃああああああああっ!!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん5「にげゆのりゃあああああああああっ!!!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん6「だぢゅげでええええええええええええっ!!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
残りの子供達は、洞窟の外へ逃げ出そうとしている。
43 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:08:23.26 ID:GzSdUw/4O
清掃員「…」ドズゥ
アライちゃん2「じび!!」グシャアア
また一匹、罪のない子供が致命傷を負った。
清掃員「…」ドズゥ
アライちゃん5「ぐじゅびいいぃっっ!!」ブッシュウウウウゥゥゥウ
また一匹。
アライちゃん6「あ、ぁああ、だ、たしゅけでぇ、あ、ぁああ」プルプルプルプル
アライちゃん6は絶望して泣いている。
もう逃げられないと悟ったようだ。
アライちゃん6「し、しにだぐ、ない、だ、だれが、ぎで、だじゅげでえぇ」フルフルフルフル
清掃員「…」スッ
アライちゃん6「ひぅっ…」プルプル
アライちゃん6は縮こまり、目をつぶって泣きながら震えている。
47 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:13:57.71 ID:GzSdUw/4O
清掃員「…」ドズゥゥゥ
アライちゃん6「げぶっ…」ブッシュウウウウゥゥゥウ
清掃員「…」
アライちゃん6「かふっ…お、おね、しゃ…」ブルブル
清掃員「…」
アライちゃん6「あ、あらいしゃ、て、てんごく、いけゆ、のだ…?おねーしゃ、たちと、また、あそべゆ、のだ…?けふっ…」ドクドク ブルブル
清掃員「…行けるのだ。お前は…うっ…」ブルブル
清掃員「天国で、うぅ…ぐすっ…!お姉さんや…お母さんと…!ひぐっ…楽しく…過ごせる、のだぁっ…!!うぅぅっ…!」ペタン
清掃員は泣き崩れる。
清掃員「うあああっ…お前は、なんにも悪くないのだああっ…!ひぐっ…ぁああああああああぁ…!わあああああああんっ……!!」シクシク
アライちゃん6「…おか、しゃ」
アライちゃん6「」コロン
清掃員「うあああああああああああっ!!わあああああーーーーっ!!!」
清掃員は、泣いた。
ただただ泣いた。
自分が殺した骸の散らばる中で、
返り血に染まりながら泣いた。
49 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:17:05.30 ID:GzSdUw/4O
…
キツネ「…」ハラハラ
清掃員「…た、だいまなのだ、ふぇ、ふぇねっく」ガサッ
キツネ「御手洗さん…」
清掃員「あ、あたしは、し、しごと、ちゃんと、やったのだ、ほ、ほら、みるのだ」ドサアッ
袋には、キルマークの鼻が11個入っていた。
清掃員「…こ、これで、いい、んだな?あたしは、あたしは…」フルフル
キツネ「…帰ろう、御手洗さん」
二人は軽トラで街へ戻った。
56 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:23:31.06 ID:GzSdUw/4O
…
~仮設死骸処理所~
キツネ「ここで、アライのキルマークを渡すんだ。そうすれば、ヒット数に応じて報酬が入るよ」
清掃員「…行ってくるのだ」フラフラ
キツネ「御手洗さん!帽子!コート!」アセアセ…
…
受付「ひぃ、ふぅ…はい、受け取りました」
清掃員「ありがとうございましたなのだわ」ペコリ
清掃員は、軽トラへ戻ろうとする。
??「ほーん、えらくぎょーさん殺したみたいやな」
60 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:26:43.28 ID:GzSdUw/4O
清掃員「っ…この声は!」クルッ
MCチヘドロー「ご無沙汰やな、ID2番」
清掃員「…チヘドロー…!お前…!」ワナワナ
清掃員の顔は憎しみに染まっている。
MCチヘドロー「なんや?やるつもりか?アカンやろ、お前はここに殺人犯として自首しに来たんか?」
清掃員「っ…」ワナワナ
MCチヘドロー「安心せーや。別にバカにしに来たわけやない。よー頑張ったやんけ、なぁ?大した戦果や」
63 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:29:10.47 ID:GzSdUw/4O
清掃員「殺人犯として自首って…あたしは、誰も殺して…」ブルブル
MCチヘドロー「世間は忘れとらんで、ID2番。ま、蒸し返してもしゃーないわ。証拠不十分やしな」
清掃員「だからっ…あたしはっ…何も…!」ブルブル
MCチヘドロー「まーええわ。お前の初陣に水をさす気はない。よーやったわ。祝ってやるわ」
清掃員「っ…」
MCチヘドロー「だが…覚えときや」
71 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:36:11.48 ID:GzSdUw/4O
MCチヘドロー「お前は、同族の血肉を金に変えた。お前は同族を、ゼニのために殺したんや」
MCチヘドロー「そして、お前はその金でおマンマを食うんや」
MCチヘドロー「分かるか?お前のやったことは…マクロな目で見れば、同族の血肉を食らうようなもんや。それ、なんと言うか知っとるか?」
MCチヘドロー「…共食いやで」
清掃員「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
清掃員が今、一番言われたくないことを…
MCチヘドローは意図も容易く見抜き、残酷に言い放った。
清掃員「あ、ぁああ、やめろ、やめろおおおぉ!!!」ブルブル
MCチヘドロー「頭ン中でいくら否定しても構わんで。せやけど、お前が飯を食う金は、同胞の血肉や」
MCチヘドロー「分かるか?お前は同族がくたばったお陰で飯が食えるんやで?感謝せなあかんで」
MCチヘドロー「これから毎回、飯を食うとき、お前がキルマークを削ぎとったときの事を思い出せや」
MCチヘドロー「お前はその死骸を、同族の血肉を貪っとるちゅうこと、忘れるんやないで」
清掃員「あ…ぁ…」ブルブル
MCチヘドロー「ほな、またな」スタスタ
74 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:38:16.90 ID:GzSdUw/4O
…
清掃員「」フラフラ
キツネ「だ、大丈夫?御手洗さん」タタッ
清掃員「」グラッ… バタッ
キツネ「み、御手洗さん!!!!!しっかりして!!!御手洗さん!!!」ユサユサ
83 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:45:48.56 ID:GzSdUw/4O
…
…3日後…
キツネ「…御手洗さん、今日もハンティングの仕事入れてたっけ…」プルルルル
キツネ「もしもし、御手洗さん?大丈夫、落ち着いた?」
御手洗『ふぇ、ふぇね…だ、だいじょうぶ、なのだ、あたし…は、そのへん、ばっちり、なのだわ』
キツネ「い…今行くから!」
キツネは軽トラを飛ばし、御手洗を迎えに行った。
~アパート~
キツネ「御手洗さん」コンコン
清掃員「おまたせ…なのだ」ガチャ
キツネ「…!」
清掃員の元々細かった体は…
さらに痩せこけていた。
85 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:47:41.39 ID:GzSdUw/4O
キツネ「な…なんでそんなに、痩せこけてるの…?」
清掃員「へ…平気、なのだ…はやく、いくのだ」ブルブル
キツネ「…この3日間、何食べた?」
清掃員「…みずは…飲んでる…のだ…」ブルブル
キツネ「水道水しか飲んでないの!!?な、なんで!!!」
87 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:51:04.19 ID:GzSdUw/4O
3日前のハントで、清掃員には手取り25万円の報酬が振り込まれた。
それなりにいいものが食えるはずである。
清掃員「…食べ物が、喉を通らないのだ…」ブルブル
清掃員「食べようとしても…!うっぷっ…あたしが殺した、あいつらの…血が、肉が、頭に浮かんで…!うっ…ぷっ…!」ヨロヨロ
清掃員は、流し台に行くと、
清掃員「おええええっ!げええええっ!!」
胃液を吐いた。
キツネ(拒食症…)
90 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:53:40.52 ID:GzSdUw/4O
清掃員「はぁ、はぁ…でも、大丈夫なのだ…行くのだ、フェネック」ヨロヨロ
どう見ても大丈夫ではない。
逆に狩られてしまいそうだ。
キツネ「…」
清掃員「はやく、連れていくのだ…ふぇねっ…」
キツネ「御手洗さんごめん!」バチチチチチチッ
清掃員「ぎびいいいっ!!?」バリリ
キツネは清掃員にスタンガンを当てた。
清掃員「」バタッ
キツネ「…」ピポパ
キツネは誰かに電話をかける。
93 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/12(木) 23:57:23.20 ID:GzSdUw/4O
キツネ「大臣…御手洗さんは、もうリタイアです」
清掃員「…ふぇ、ね…あた…し…は、まだ…」
キツネ「本人は続けるって言ってますが、もう無理です。…やめましょう」
キツネは電話を切った。
清掃員「だい…じんが…せっかく…あ、たしに…くれ、た…おしごと…」
他人に勝手に仕事を止めさせられた。
たまったもんじゃない。
キツネ「…もう、やめよう」ギュ
清掃員「」ガクッ
清掃員は気絶した。
やがて救急車がやってきて、清掃員は運ばれていった。
97 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/13(金) 00:00:12.17 ID:uXsJ7l+vO
…
~病院~
清掃員「」
清掃員は病院のベッドで点滴を受けていた。
何を食べても受け付けず、吐き出してしまうからだ。
清掃員「…あたし、は…なんにも、できない…のか…」
清掃員「アライさんは…ゴミなのだ…」
携帯電話「」ムゥーッ ムゥーッ
その時、清掃員の携帯電話が振動した。
清掃員「はいなのだ」ピッ
98 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/13(金) 00:02:32.38 ID:uXsJ7l+vO
大臣『お前に、連絡があるのです』
清掃員「…なんなのだ」
大臣『お前がこないだ稼いだ、25万円』
大臣『全て、没収なのです』
清掃員「え…」
大臣『お前がアライさんを殺して得た報酬は、すべて無しなのです』
清掃員「…はい」
なんという酷いことだろうか。
しかし清掃員は一切反抗しなかった。
大臣『…その代わり…』
99 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/13(金) 00:06:59.13 ID:uXsJ7l+vO
大臣『お前を辛い目に合わせてしまったのです。これから毎月8万3千円、3ヶ月の間、お前に振り込むのです』
清掃員「え…」
大臣『最初の月だけは8万4千円なのです』
清掃員「…」
大臣『これはお前が稼いだ金じゃないのです。お前が稼いだ金は無くなったのです。お前に振り込まれるのは無関係な補償金なのです』
清掃員「…」
総額は25万円。
どう考えても、清掃員が稼いだ金である。
大臣『文句があるのですか?』
100 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/13(金) 00:10:06.71 ID:uXsJ7l+vO
清掃員「…無いのだ…」
大臣『いいですね。お前はその補償金で、揚げパンでも買って食うのです。では』
大臣『…』
大臣『…無茶をさせて、すまなかったのです』
清掃員「っ…大臣…あたしは、期待に応えられなかったのだぁ…!」ウルウル
清掃員「ご免なさいなのだあぁ…!」ボロボロ
大臣『…私も、何かお前に斡旋できる仕事を探してやるのです。待ってるのです』
電話は切られた。
102 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/13(金) 00:12:23.00 ID:uXsJ7l+vO
…
清掃員の体力は戻り、退院した。
~コンビニ~
店員「いらっしゃいませ」
清掃員「…」スタスタ
清掃員は、ATMを確認し、補償金が振り込まれているのを確認した。
1万円ほど現金を引き出す。
清掃員「…揚げパンくださいなのだわ」
店員「150円になります。ありがとうございました」チャリン
清掃員「…」フラフラ
104 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/13(金) 00:14:29.21 ID:uXsJ7l+vO
清掃員「あーん…」
清掃員は、揚げパンにかぶりついた。
清掃員「…」モグモグ
清掃員「…美味しいのだぁ…」モグモグ
清掃員「おいしいのだぁっ…!」モグモグ
数日ぶりに、食事が喉を通った。
108 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/13(金) 00:17:41.30 ID:uXsJ7l+vO
…数日後…
キツネ「…」
清掃員「…」
テレビ「ソコダッ!イケー!」
二人は、テレビでスポーツ観戦をしている。
キツネ「!」プルルルル…
キツネ「はい、もしもし、大臣…。え?候補がある?けどかなりハード?」
キツネ「…」
キツネ「…だ、ダメですよ!御手洗さんは今弱ってるんですから!そんなのダメです!」
清掃員「代わるのだフェネック!」ガシグイ
キツネ「み、御手洗さん!今度こそダメだから!」
109 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/13(金) 00:19:12.45 ID:uXsJ7l+vO
清掃員「大臣?お仕事があるのか?何でもやるのだ!」
清掃員「え…?何…?オススメしない?いいから言うのだ!」
清掃員「…」
清掃員「…特殊清掃員?なんかカッコいいのだ!やるのだぁ!」
キツネ「」
110 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/13(金) 00:19:44.58 ID:uXsJ7l+vO
つづく
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 00:20:01.32 ID:4A3znyk7o
直接殺さないから精神的には楽か
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 00:21:14.31 ID:tLl5Sir9o
死体の掃除だよね?人間のもあるかもしれない
御手洗は一時期保健所でも働いてたし慣れてるんじゃね?
最終更新:2017年11月23日 23:26