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アライさんネバーランド計画の提案その2

436 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/16(月) 19:50:02.24 ID:l1G0kQQRO
大臣「しかし、そんな無人島…アテはあるのですか?」

山小屋アライさん「瀬戸内海に位置する、大久野島。…あの無人島に、果実のなる木を植林して使わせるのだ」

大久野島。
かつては野生のウサギが多く住んでおり、観光客で賑わっていた。

ウサギの過剰繁殖により草は食い尽くされ、虫や鳥がほとんど居なくなっていた。

しかし、セルリアンの侵攻によりウサギは居なくなってしまった。

現在はただの無人島になっている。
土地を買い取ろうという者もいない。

そのせいか、渡り鳥が落とした糞に混じった種子が発芽し、虫や鳥、小型爬虫類などの生態系が回復している。

大臣「…成る程。瀬戸内海なら、他国からの密猟を防げるし、監視もしやすいのです」


437 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/16(月) 19:56:07.05 ID:l1G0kQQRO
山小屋アライさん「ただ、詳しく調べた訳ではないのだが…今のままでは食物が足りない。掃討作戦期間が1~2年と見積もるとして、その前に果樹の植林活動が必要なのだ」

大臣「…作業員はどうするつもりですか?」

山小屋アライさん「運搬はともかく、植林作業はうちの群れのカースト下位連中にやらせるのだ」

山小屋アライさん「もし植林をサボったら、奴らの自業自得。うまくいったら成績を上げるチャンスというわけなのだ」

大臣「自己責任というわけなのですね」

山小屋アライさん「…」

大臣「…」

山小屋アライさん「アライさん達は、お前達にとって間違いなく害獣なのだ。滅ぼせば農作物被害が減るというメリットがあるのだ」

山小屋アライさん「だが、個体数を絞って生存させるメリットは、少なからずあるのだアライさんは、その折衷案を…ごほっ…げほっ…!」

山小屋アライさん「…はぁ、はぁ…折衷案を提案しているのだ。よく考えるのだ…本当に、一匹残らず絶滅させることに意味はあるのか?人の暮らしに被害が出なければ、共生はできずとも共存ならできるのではないのか?」

大臣「…うぅ…」

会長「乗ったのです。お前達の群れを視察させるのです」

大臣「会長!?」

山小屋アライさん「…分かったのだ」


442 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/16(月) 23:56:17.08 ID:l1G0kQQRO
…

会長、大臣、山小屋アライさんは、車で山へ向かった。

中腹あたりで、車を降り、徒歩で山小屋へ向かった。

大臣「食糧はどうするのですか?」ザッザッ

山小屋アライさん「はぁっ、はぁっ、ぜぇっ、はぁっ…、野良ウサギの生き残り達の肉や、植物の実、それと魚なのだ。釣りを教えるのだ」ザッザッ

会長「瀬戸内海なら水産資源も豊富なのです」ザッザッ

山小屋アライさん「はぁーっ、はぁーっ…着いたのだ、ここなのだ…」ゼェハァ

一行の目の前には、山小屋があった。

山小屋アライさん「入るのだ。罠はないから安心するのだ」ノソノソ

大臣「これは…管理されていない山小屋なのです」スタスタ

会長「…?アライさんはいないのです」キョロキョロ


443 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 00:00:15.01 ID:eQVUxcrRO
~山小屋の中~

会長「おい!どこにもアライさんがいないのです!どこにいるのですか?」キョロキョロ

山小屋アライさん「あいつらには、不審な人物が近付いたら、地下トンネルに避難するよう言ってるのだ。人を見かけても決して攻撃せず、隠れろと」ゴソゴソ

山小屋アライさんは、床板を外す。
すると、床板の下の地面にはトンネルが掘ってあった。

会長「モグラみたいなのです」

山小屋アライさん「お前達!はぁ、はぁ…取引の時が来たのだ!覚悟を決めるのだぁ!」パンパン

山小屋アライさんは、トンネルの中へ向かって叫ぶ。


444 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 00:15:47.80 ID:eQVUxcrRO
程なくして、地下トンネルからたくさんのアライさん達が出てきた。

ロッジアライさん1「家主…!」ノソノソ

ロッジアライさん2「うぅ…ついにこの時が来たのだ…」ノソノソ

外へ出てきたのは10匹程の生体アライさんだ。

山小屋アライさん「チビ達はまだ地下に隠れてるのだ」

大臣「…視察するのです」スタスタ

会長「するのです」スタスタ

大臣と会長は、教育施設、食糧庫、首塚、鶏小屋、新聞置き場、かまど、成績の記録場所などを見て回った。


447 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 00:23:30.60 ID:eQVUxcrRO
大臣「どうやら…ID1番の言ってたことは本当のようです」

会長「本当のようです」

山小屋アライさん「…お前達は、ここでアライさん達を皆殺しにすることもできるのだ。そうせずに、こいつらを味方にすることもできるのだ」

山小屋アライさん「…判断は、お前達に任せるのだ」

ロッジアライさん1「くっ…うぅっ…!」フゥーッ

ロッジアライさん2「か…かかってくる気なのか…!?」フゥーッ

ロッジアライさん達は、会長と大臣を警戒しているようだ。





会長「…ふむ。いいのです。お前達の要求を呑むのです」

大臣「な…!?」




山小屋アライさん「…!」

ロッジアライさん1「や…」

ロッジアライさん2「やったのだあああああぁぁ!!」


452 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 00:32:07.80 ID:eQVUxcrRO
大臣「だ、大丈夫なのですか!?」

会長「大臣…」ゴニョゴニョ

大臣「…!」

会長「できそうですか?」

大臣「…」コクリ

会長「さて…というわけで、約束なのです。お前達には、一斉掃討作戦に加わって貰うのです」

ロッジアライさん1「アライさんにお任せなのだぁ!」

ロッジアライさん2「やってやるのだ!」

山小屋アライさん「そうか…感謝するのだ。だが、お前達には、取引の保証をしてもらうのだ。戦わせるだけ戦わせて、最後に約束を反故にする…というのは無しなのだ」

山小屋アライさん「1つ…1週間以内に、大久野島への植林計画を立てるのだ。そして1ヶ月以内には作業を動かすのだ」

大臣「む…」

山小屋アライさん「2つ。一斉掃討作戦に加わる10人のアライさん達に…、戸籍を…腕輪を与えるのだ!」

大臣「!?」


453 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 00:38:09.84 ID:eQVUxcrRO
大臣「戸籍を…!?」

山小屋アライさん「そうなのだ。植林作業員のアライさん達はいいから、戦闘員達に戸籍を与えるのだ。勿論、あのテスト無しでなのだ」

大臣「そ、そんなことを…」

山小屋アライさん「これは、契約の証なのだ。アライさんは…お前達が約束を反故にして、ロッジアライさん達をついでに殺すことを何よりも恐れてるのだ」

山小屋アライさん「殺さずに、島へ移住させてくれると本当に約束してくれるなら…、戸籍の取得をさせても、お前達は何も困ることはないはずなのだ」

大臣「っ…」

会長「お前達が、戸籍取得後にそのまま逃げるという可能だってあるのです」


455 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 00:47:07.44 ID:eQVUxcrRO
山小屋アライさん「だから戸籍を与えるのは戦闘員達だけに限定するのだ。戦闘員達にも可愛がってるチビがいるし、群れにはカースト下位の連中だっているのだ」

山小屋アライさん「もし戦闘員達が戸籍取得後に逃げ出したら、お前達はチビ達や他のアライさん達を殺せばいいのだ」

会長「…つまり、戸籍を持たない連中は、人質…ということなのですか?」

山小屋アライさん「そう。アライさん達がお前達を裏切らないと保証するための人質なのだ」

山小屋アライさん「この群れは、カースト下位の連中に支えられてできているのだ。…そいつらや、可愛いチビ達を失うのは、戦闘員達だって痛手なのだ」

山小屋アライさん「きちんと働けば一切失わずに済むものを、バカな判断で失うほど、うちの戦闘員達はバカじゃないのだ」

大臣「…互いに裏切らないことを保証し合おうという訳なのですね」

山小屋アライさん「アライさん達は、お前達と化かし合いをするつもりはないのだ」

会長「分かったのです。そいつら10匹に、特別に戸籍を取らせてやるのです」


457 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 00:54:57.28 ID:eQVUxcrRO
会長「ただし、腕輪精製機はかれこれ7年近く使ってないのです。色々と調整が必要なのです」

会長「だから、戸籍の取得には3日待つのです。3日後、戦闘員達を戸籍登録しに行くのです」

山小屋アライさん「3日…分かったのだ。じゃあ3日後、こいつらを迎えに来て欲しいのだ」

会長「分かったのです。…それじゃあ帰るのです。お前もついてくるのです」クイクイ

山小屋アライさん「…逮捕するのか?」

会長「いや。作戦の説明や、植林計画について話すのです」スタスタ

山小屋アライさん「…分かったのだ。ぜぇ、はぁっ…」ヨタヨタ

副リーダーアライさん「や…家主!」アセアセ

山小屋アライさん「大丈夫…帰ってくるのだ。それまでの間、群れは任せたのだ」ヨタヨタ

副リーダーアライさん「アライさんにお任せなのだぁ!」


459 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 00:57:35.84 ID:eQVUxcrRO
…

~夜~

会長「…」プルルル

会長「もしもし、私なのです。頼みたいことがあるのです」

会長「3日後に、野良アライさん達10匹の腕輪を作りに行くのです。だから…調整して欲しいのです」

会長「…」

会長「頼んだのです」ガチャッ

会長「…」


460 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 00:58:02.81 ID:eQVUxcrRO
つづく





最終更新:2017年11月24日 20:44