505 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 20:18:17.18 ID:c1gYR+HRO
研究員2「それと主任。新しい患者がお見えになりました」
理科の先生「分かりました。実験は一旦中断。人命第一です」スタスタ
理科の先生は、患者のもとへ向かう。
…
~診察室~
顔が爛れた女性「うぅ…先生…この…かおを…なおひて…くだひゃい…」
理科の先生「ここへ来られたということは…アライさんからの移植で構いませんね?」
顔が爛れた女性「はい…よろひく…おねがいひまふ…」
理科の先生「しかし、顔面の皮膚を移植するとなると、あなたの顔はやはりアライさんに似た顔になってしまいます。まあ、整形でツリ目を治すことはできますが…。そのリスクは負えますか?」
顔が爛れた女性「………」
顔が爛れた女性は、しばらく悩んだ。
アライさんに似るくらいなら、このままの方がマシではないかと、本気で迷っているようだ。
508 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 20:22:08.81 ID:c1gYR+HRO
しばらく悩んだ後…
顔が爛れた女性「…ツリ目は、なおひぇるんれひゅね?」
理科の先生「はい。治せます。こちらに整形でツリ目を治させたアライさんの写真がありますが、これに似た顔になります」トン
えらい美少女の顔がそこに写っていた。
アライさんは、キツいツリ目が賛否両論だが、それ以外はフレンズらしい顔なのである。
顔が爛れた女性「お願いひまふ!」
女性は即答した。
理科の先生「分かりました。では、手術の準備に取りかかりましょう」
512 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 20:32:18.04 ID:c1gYR+HRO
~手術室~
顔が爛れた女性「…」
理科の先生「全身麻酔をかけさせて頂きます。顔の皮膚を換えるのですから、痛みは強いですからね」
顔が爛れた女性「…お願いひまふ」
ナース「では、じっとしててくださいね」スッ
ナースは、女性へ点滴を取り付ける。
研究員1「主任、ドナーを連れてきました」ガラガラ
達磨アライさん「嫌なのだあああああああっ!もうアライさんの体を取らないで欲しいのだああっ!頼むからもうやべでえええっ!痛いのは嫌なのだあああああああっ!」ガラガラ
手足と右目がないアライさんが、担架に乗せられ運ばれてきた。
このアライさんは過去に手足と右目だけでなく、右肺と左腎臓もドナー提供させられている。
515 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 20:37:40.65 ID:c1gYR+HRO
理科の先生「では、サンドスター拘束固定剤を投与します」ブスゥ
達磨アライさん「だずげでええぇ!嫌なのだあああああああっ!いやだ…もう…」
達磨アライさん「…」フゥフゥ
今度の薬剤は、顎を動かすこともできないバージョンだ。
顔の皮膚を提供するのだから、当然であろう。
尚、動きは止まるが、アライさんの意識と痛覚はそのまんまである。
理科の先生「では、執刀します」カッ
理科の先生は、メスでアライさんの顔の皮膚を裂いていく。
アライさん「ーーーーーー~~~~~~~~~~っ…!!!!!!」
アライさんはピクリとも動かない。
ただ荒い呼吸で胸が上下しているだけだ。
516 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 20:45:53.21 ID:c1gYR+HRO
理科の先生が、アライさんへ麻酔を使わずに、この薬剤を使う理由はただ一つ。
製造コストが、サンドスター拘束固定剤の方が格段に安いためである。
患者の費用負担を少しでも減らしてあげたいという、理科の先生の思いやりであろう。
理科の先生「患者は顔の筋肉は幸い無事なようなので…。移植は皮膚だけでいいですね」ベリベリ
理科の先生は、達磨アライさんから顔の皮膚を剥がしていく。
唇も、頬も、瞼も、鼻も。
アライさんの顔から、機械のような精密さで剥がされていく。
達磨アライさん「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」ジョボボボボボボ
麻酔一切無しで顔の皮膚を剥がされている達磨アライさんは、激痛のあまり失禁する。
尿はアライさんの尿道へ挿入されたカテーテルから、袋へ溜められていく。
517 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 21:00:09.17 ID:c1gYR+HRO
…
理科の先生「手術成功です」
女性(包帯ぐるぐる巻き)「」
女性はまだ眠っているようだ。
達磨アライさん「ーー!~~~~~~~~~~っ!ーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
達磨アライさんの顔の皮膚は無くなった。
筋肉が露出しており、もう瞼を閉じることも、口を閉じることもできない。
頬がなくなった口の端からは、血の混じった涎が垂れ流しになっている。
瞼の無くなった目は、皮膚と共に涙腺が切除されており、涙を流すこともできない。
理科の先生「このままだと失明しますね。勿体無いので眼球も、移植用に摘出しましょう」ザクザクブチイイィイ
達磨アライさん「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
達磨アライさんの残された目は、かなり雑に切除された。
現在、眼球まるごと移植する技術は確立されていないため、
角膜さえ傷付いていなければ平気なのである。
達磨アライさん「ああああああああああああああああああああああ!!いあい!ああいあうおあおあああああ!いあいいいいいいいいいいい!!!」ビッタンバッタン
どうやら薬剤の効果が切れたようだ。
唇も頬もないアライさんは、母音だけで何かを訴えかけている。
理科の先生「安心してください、まだ殺しませんよ。貴女にはまたベッドに戻って、次の移植手術のドナーとして役立って貰います」
519 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 21:02:18.73 ID:c1gYR+HRO
理科の先生「アライさんはいいですね…病原体に強い耐性があるから、組織摘出後に一切消毒せずとも、化膿も感染症も起こさない」
理科の先生「貴方達は、これからも益獣として、我々に貢献し続けることでしょう…」
手術は終わり、女性は入院した。
達磨アライさんは研究員に運ばれて、また元の場所へ戻されていった。
524 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 21:09:07.89 ID:c1gYR+HRO
研究員2「お疲れ様です、主任」
理科の先生「ふううぅぅ~~…」グッタリ
理科の先生は手術を終え、ぐったりしていた。
アライさんの顔を裂くのはともかく、人間の女性の顔へメスを入れる作業は、極度の集中を要し、神経を披露させるのである。
研究員1「主任、実はもう一人お客様が…」
理科の先生「…いいでしょう、行きましょう。人名第一です」フラフラ
理科の先生は、再び診察室へ向かった。
~診察室~
理科の先生「…どこが悪いのですか?」
ブラウンP「…多分、脳かな…」
527 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 21:18:24.51 ID:c1gYR+HRO
ブラウンPは、すべてを語った。
人を殺したくて仕方がないこと。
その気持ちをアライさんへぶつけていること。
まわりの人を、誰にも傷付けたくないこと。
理科の先生「…人類の脳科学は、かつて一度…大きく発展した時期がありました。ご存知ですか?」
ブラウンP「…第二次世界大戦、だろうか…?」
理科の先生「その通りです。銃で脳を損傷した兵士が続出し、その治療が盛んに行われた時期です」
理科の先生「脳を損傷した多数の患者というサンプルをもとに、コルビニアン・ブロードマンという偉大な医師が、人の脳の機能局在を解き明かしていきました。かの有名なブロードマンマップです」
ブラウンP(知らない…)
理科の先生「…大戦後は、脳切開のサンプルは減りましたが、MRIなどの非侵襲計測器の発達で、それなりに脳研究は進みました。…が、大戦時ほどの急速なイノベーションは得られませんでした」
理科の先生「アライさんといういくら殺しても構わないサンプルを得た我々は、ブロードマン氏以上の脳機能研究イノベーションをもたらせるでしょう」
528 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 21:24:22.47 ID:c1gYR+HRO
理科の先生「しかし、そんな我々でさえ…、貴女の深層心理に深く根付いたその殺人願望を、手術で病巣を摘出するかのようにスパっと治すことは…まだできません」
ブラウンP「くっ…」
理科の先生「ただ…、結果的に、あなたの殺人を防ぐ方法はあります」
ブラウンP「…?」
理科の先生「大きく分ければ…」
理科の先生「『力を失う』か、『心を失うか』。…その2択となります」
ブラウンP「っ…」
ブラウンPの手に汗が滲む。
529 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 21:38:41.18 ID:c1gYR+HRO
理科の先生「失うといっても、半永久的に手放すという意味ではありません。どちらも投薬で実施可能です」
理科の先生「我々がアライさんを用いた実験で作り上げた向精神薬や身体拘束剤には…、様々な効果のものがあります」
理科の先生「今すぐに、手段を絞ることはできませんが…、地道かつ確実に、適した方法を見つけましょう」
ブラウンP「…ありがとう、ございます」
理科の先生「しかし…、殺人願望のある方の診察をするのは初めてですね…」
ブラウンP「…」
理科の先生「実際の所、どんな感じなのですか?先程私が話した、アライさんを実験台にしている話。それを聞いたとき、あなたはどんな感情を持ちましたか?」
ブラウンP「っ…」
530 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 21:40:45.28 ID:c1gYR+HRO
ブラウンP「…男性の前で言うのは、ちょっと…気が引けます」ハァハァ
ブラウンPは、ミニスカートから伸びた太腿をむずむずと擦り合わせながら言った。
理科の先生「…治療のための情報が増えました」
535 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/17(火) 21:50:14.29 ID:c1gYR+HRO
…
ブラウンPは帰路についていた。
ブラウンP「今はまだ、私の中の、殺人願望という武器を…手放すわけにはいかない」ザッザッ
ブラウンP「アライさん一斉掃討作戦のために…そして…」ザッザッ
ブラウンP「今週末の、アラジビフェスで…!彼に、勝つために…!」ザッザッ
こんなご時世ではあるが…、
大規模アラジビフェスが、再び開かれるのである。
地方の小規模なフェスを除けば、きっと最後のアラジビフェスになるであろう。
ブラウンPは、アライさんがまだ残っているこの時期を、最後まで愉しむつもりのようだ。
最終更新:2017年11月24日 20:55