アットウィキロゴ

ラストアラジビフェス② ~ブラウンPの悪意の刃~その2

108 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 19:09:37.36 ID:co+XcUVkO
麦わら帽子アライさん「がぁっ…ぎぁっ…」モゾモゾ

麦わら帽子アライさんは、手足の傷から血を流しながら、もぞもぞと蠢いている。

司会「…やめるという選択肢は、なかったの…ですか…」

ブラウンP「ハァ…。いいかい?今この国は、腕輪のないアライさんを全て駆除しようとしている。…その中に、もしかしたらそいつのような『善良でありたいアライさん』がいるかもしれない…だろう?」

ブラウンP「だがこの国は、それらもまとめて殺すことを選んだ。…私は世論に従って、野良アライさんを駆除するまでだ」

ブラウンP「そう。腕輪のないアライさんを保護すべきという君達の考えは…『間違っている』。皆殺しにすべきという私の考え方が『正しい』」

司会「しかし、あなただって、大変な思いをして一生懸命育てたのでは!?こんなにいい子に育ったのに…それを殺すなんて…!」

ブラウンP「君は法律を勉強した方がいい。『特定有害フレンズの駆除促進のための法律』では、こう規定されている」

ブラウンP「『特定有害駆除対象フレンズの飼育と生体の搬送は、研究目的以外では、その駆除をもって達成される目的でのみ認可される』…とね」

ブラウンP「分かるかい?つまり今の法律では、アライさんを世話するとしたら…」




ブラウンP「例え善良に育とうとも最終的に、絶対に殺さなくてはならないんだよ」





司会「…」

観客達「…」

麦わら帽子アライさんを擁護していた司会は、完璧に論破されてしまった。

一見狂った間違いだらけのように見える、ブラウンPの行動は…


奇妙なことに、今の法律と国家政策に沿った『正しい行為』なのであった。


109 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 19:38:14.49 ID:co+XcUVkO
ブラウンP「まだ料理の邪魔するのかい?」

司会「……」

もうこの女には、この魔獣には、何を言っても止めることはできない。

そう悟った司会は、ただ黙った。

ブラウンP「さて、もう邪魔はないようだね。えー観客の皆様、お待たせしました 。ようやく料理ショーを開始します」ニッコリ

ブラウンP「皆は、アライさんを殺してジビエにする料理ショーが見たくてここに集まってくれた来たんだね?今から君達が目当てにしていたものを見せてあげよう」ニッコリ

ブラウンP「^^」

観客達「*1)」ガクガクブルブル

アライさんの返り血を浴びたブラウンPの笑み。

その姿は、悪魔的なほどに魅力的であり、その場の男性客も女性客も魅了された。


110 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 20:10:31.60 ID:co+XcUVkO
ブラウンP「まずはここにある、そこのアシスタントの脚」ブラン

ブラウンP「そう、私が一年半みっちり教育した漫画のアシスタントの脚だ。これからモモ肉を引き剥がしていくよ」ゾリッゾリッ

ブラウンPは、包丁でアライ脚から肉を削いでいった。
びちゃびちゃと血が滴り落ちる。

ブラウンP「うーん、肉が足りないな。それじゃ…」ツカツカ

麦わら帽子アライさん「ひぐっ、ぐすっ、ご、ごめんなさいなのだ、生まれてきて、ごめんなさ…」グスングスン

ブラウンPは包丁を持ち、麦わら帽子アライさんへ近付く。


115 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 21:20:44.35 ID:co+XcUVkO
ブラウンP「おいハエガイジ。その役立たずになった腕もよこせよ」ザグゥゥッ

麦わら帽子アライさん「ひぎびいぃぃぃぃっっ!」ブシャアアア

麦わら帽子アライさんの、真っ二つにになってだらんと垂れ下がっていた両腕が肩から切断された。

麦わら帽子アライさん「ぁ、あああああ…」ブシャアアアドクドク

麦わら帽子アライさんは、完全に両手両脚が無くなった。

ブラウンP「この腕からも、肉を削いでいくよ」ゾリッゾリッ

脚も腕も肉が削がれ、ほとんど骨だけになった。

ブラウンP「そしてこの肉をフードプロセッサーにかけるよ」カチッ

フードプロセッサー「」ギュウイイイイイイン ガリガリガリ…

ブラウンP「まずはこれで、アライ挽き肉が出来たね」


126 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 21:46:01.26 ID:co+XcUVkO
観客達「……」

観客達は、黙ってじっと観ている。

ブラウンP「そして、挽き肉を塩コショウと砂糖、そしてハーブを加えてよくかき混ぜるよ」コネコネ

ブラウンP「う~ん、いい香りだ」コネコネ

狼の嗅覚は、人の一万倍優れているという。
狼のフレンズであるブラウンPは、ハーブの香りを楽しんでいた。

ブラウンP「さて、次に…」ツカツカ

麦わら帽子アライさん「う…ぁ…」ピクピク

ブラウンP「皆さん。ここから大事な工程なんだ、よく見ているんだよ」ガシッ グイイイッ

ブラウンPは、手足を失った麦わら帽子アライさんの尻尾を掴んで、ステージの前まで引きずる。

麦わら帽子アライさん「ぎ、ひ、ぃ…」ズルズル

ブラウンP「さて。このケダモノはさっき、気持ち悪いイモムシを食ったね。…だから胃は使えない」

ブラウンP「だけど…おい、昨日の飯は何だった?言ってみろゴミ蝿」

麦わら帽子アライさん「…あ、アライさん…は、ご、ゴミ蝿…なのだ…。うぅ…わたがしと…ゼリーと…アイスを…たべさせて…もらったのだ…」ブルブル

ブラウンP「そう。こんな感じで、キチンと腸内の糞抜きは済んでいるんだ」

麦わら帽子アライさん「…ぶ、ブラウンおねーさん…。アライさんに、生まれてきて…ごめんなさ…」ブルブル

ブラウンP「ふっ!」ザグゥゥッ

麦わら帽子アライさん「ぐぎびゃぁああああああああああああああっ!!」

ブラウンPは、右手の鋭い爪で、アライさんの腹を引き裂いた。

ブラウンP「観客席の皆さん、ご覧下さい!私の優秀なアシスタントの腸だ!」グイイイッ

麦わら帽子アライさん「ぎぃぃぃぃびいいいいいいいいぃぃぃっぃっ!!」ズルズル

ステージの上で、アライさんの腸が引きずり出されていく。


132 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 22:02:45.02 ID:co+XcUVkO
ブラウンP「小腸を全部取り出してしまおう、よいしょ、よいしょ」ズルズル

麦わら帽子アライさん「あ…ぁ…」ズルズル

麦わら帽子アライさんは、身を捩って抵抗したりはしなかった。
もう自分がここで死ぬことを悟ったのだろう。

ブラウンP「さて、腸を根元から切り取るよ」ツカツカ

ブラウンPは、包丁を持つ。

麦わら帽子アライさん「…ブラウン、おね、さ…。害獣の、アライ、さんを…育てて、くれて…あ…りが…」ウルウル

麦わら帽子アライさんは、涙と鼻水を流しながら、ブラウンPに話しかけた。

ブラウンP「うるさいな…」




ブラウンP「もう黙れよ、不快害獣」ブンッ

麦わら帽子アライさん「」ズパァァッ




ブラウンPが振った包丁は、麦わら帽子アライさんの頭から縦に入っていき、喉仏まで食い込んだ。

麦わ/ /ら帽子「」パサッ ボトッ

麦わら帽子が半分になって地面に落ちる。

アライさん「」

アラ/ /イさん「」ズパッ ダラン…

アライさんの頭は真っ二つに割れ、地面から生えた二葉の新芽のように首から垂れた。

頭の断面から、血と脳漿がこぼれ落ちた。




134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/22(日) 22:05:06.64 ID:2vn0rR+K0
…今のはブラウンの言葉を借りてなかったな、自分の言葉で育ててくれた礼を言った、殺されてるのに


136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/22(日) 22:11:31.02 ID:m+20FfGA0
134
しかも、ブラウンPのこと恨んでなくて憎んでも呪ってもないのが重い気持ちにさせられる・・・
ブラウンPはもうまともな精神状態じゃないんじゃ・・・?






137 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 22:12:03.11 ID:co+XcUVkO
観客1「う…うわああああああぁぁあああああああああ!!!!」

観客2「おええええええええええぇぇええええっ」ゲボゲボゲボロロロロロ

観客3「ヒャッハーーーーーーーーーーーーーー!!!イエスッ!!イエスッ!!!」ブンッブンッ

観客4「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッァァァアアアアーーーー!!!!」

観客5「う…おおぉぉぉお…ぉええええっっ……」ゲボゲボ


観客席は、恐怖と絶望と、ほんの少しの歓喜に包まれた。

ブラウンP「っっっーーーーーーーーーーー……………っっ♪♪♪♪」ゾクゾクッ

ブラウンPは恍惚の表情でカメラを取り出し…

ブラウンP「…いい顔、いただき…♪」パシャッ

…観客達の写真を取っていった。

ブラウンP「♪」クルッ

食通の友人「!…」ピクッ

そして、ステージの袖で静かに見守っていた食通の友人の方を振り向く。

食通の友人「…」ピース

ブラウンP「はい、チーズ」パシャッ

そして、苦笑いでピースした食通の友人を撮影した。


141 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 22:25:07.20 ID:co+XcUVkO
その後、ブラウンPは腸から粘膜層や筋肉層を引き剥がし、薄い透明な皮膜である粘膜下層だけを残した。

その後、皮膜を適当な長さに分割し、
それらへアライ挽き肉を詰めて縛った。


そして、腸詰めアライ挽き肉をじゅうじゅうと焼き…


ブラウンP「さあ、お待たせ。…完成だ。アラウィンナーだ」トンッ

アラウィンナー「」ジュウウウウゥゥウ…


…アライさんの腸と手足の肉でできた、山盛りのウィンナーが完成した。


ブラウンP「さあ、完成だよ。マスタードとケチャップはお好みでどうぞ、皆さん」ニッコリ


148 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 22:39:51.81 ID:co+XcUVkO
先ほども言ったが、狼の嗅覚は人の一万倍以上。

アラウィンナーの香ばしい香りが、ブラウンPを楽しませていた。

司会「…で、では…試食タイムです。試食した方は、こちらの投票券をお取り下さい」

ブラウンP「さあ、誰か試食しないのかい?」

観客1「…」

観客2「…」

…誰も、すぐには動けなかった。
アラウィンナーがまずそうだからではない。
理由は3つある。

第一に、観客の多くはこれをアラジビと認識していなかった。
ブラウンPを喜ばせようと頑張ってきて、その気持ちを裏切られ、理不尽に殺された麦わら帽子アライさん…。

それを、観客達は『アライさん』でなく『フレンズ』として…
意思あるヒトとして認識していた。

観客達がこれまでアライさんを食ってこれた理由は、命を軽く見ていたからだ。

いくら殺してもいい、むしろ殺すことが推奨される命。
完全なる害悪であり、決して相容れない人類の敵。

だからこそ、いくらでもアライさんを殺し、食うことができた。

だが、目の前のアライさんは明らかに殺される謂れがなく、人類の友であろうとした。

同じアライさんでも、その命の重さが野良害獣達とは違って見えたのである。

ブラウンP「早くしないと料理が冷めてしまうよ~?」

冷めたのは、観客達のアラジビに対する熱意の方であった。


152 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 22:49:06.04 ID:co+XcUVkO
第二に…ステージの上に、ブラウンPが育ててきたアシスタントの惨殺死体がある。

野良害獣の死骸なら平気な観客達でも、一度ヒトと認識してしまったモノの死体となると、明らかに拒絶する。

こんな脳みそをぶちまけた死体の隣で、どうやって肉を食えというのか。
これでは食欲減退どころの話ではない。



そして第三が、ブラウンPの存在感だ。
大切に大切に教育し、育ててきたアシスタントを、
こんなたった一回の料理のために精神的に追い詰めて残虐に殺してしまったのだ。

そんな鬼畜の所業をやってのけた上に、頬を赤く染め、恍惚の表情で雌の香りを漂わせる魔獣。

…こんな恐怖の危険人物に、近づけるはずがない。


司会「…試食者はいないのでしょうか?」

ブラウンP「残念だな。そこでくたばってる私のアシスタントが、卒塔婆の影で泣いているよ?」

観客達はざわめきに包まれたまま、その場から動けずにいた。


154 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 22:52:34.70 ID:co+XcUVkO


その時。





「はーい!ほんなら、ワイが食うでー!」ガタッ






…この空気の中、観客の一人が席を立ち、ステージへ登った。


158 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 22:56:50.06 ID:co+XcUVkO
ブラウンP「っ…あ、あなたはっ…!?」

MCチヘドロー「ちわーっす。チヘちゃんでーす。ブラウンちゃんの事は、動画で見てたで」ツカツカ

…アラアンチに崇拝される、大のアラジビアンチ…
MCチヘドローであった。


ブラウンP「あ、あなたは…アライデスゲームの…!」

MCチヘドロー「そうそう。見ててくれたんか。同じアラ虐パフォーマー通し、仲良くしようや」

ブラウンP「…あなたは確か、ラジオでアラジビを絶対に食べたくないと言っていたが…」

MCチヘドロー「あーそれな」




MCチヘドロー「気が変わったわ。アラジビデビューするで」





観客達「「!!?」」

この男は、絶対にアラジビを食わないと言っていたのに…
あっさりと、『気が変わった』と言った。


163 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 23:03:37.71 ID:co+XcUVkO
ブラウンP「…気が変わった…?あなたの本心はどこにあるんだ…?」

MCチヘドロー「さーな。ホラ、食わしてもらうで」サクッ

MCチヘドロー「テレビの前のみんなー!クソバエガイジの殺戮ショーは楽しかったかなー?この料理があんまり美味そうだったんで、ついにワイ、アラジビデビューするで!」

MCチヘドローは、アラウィンナーにマスタードとケチャップをつけて食った。

MCチヘドロー「むぐむぐ…」ポリポリ

MCチヘドロー「…」ゴクン




MCチヘドロー「…ンマーーーーーーーーーーーーーーーィイ!!!!」

MCチヘドロー「これは…まさに…。…味の宝石箱やぁーーーーーーッ!!!」



観客「お、おぉ…」ドヨッ


164 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 23:07:38.41 ID:co+XcUVkO
MCチヘドロー「ワイが今まで食ったどんなウィンナーよりも美味いで!あー、これつまみながらビール飲めたら最高やなぁ!」

MCチヘドロー「皆も食べたってや!こら食わな損するで!!」

MCチヘドローは、投票券を取った。

ブラウンP「喜んで貰えて光栄だ!」

MCチヘドロー「エエ仕事すんなーねーちゃん」スッ

MCチヘドローは、ブラウンPの耳元へ、口を近づけた。


165 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 23:10:47.99 ID:co+XcUVkO
そして小声で言った。





MCチヘドロー「…余計なことしてくれたなぁ、馬鹿女」ヒソヒソ

ブラウンP「っ…!?」






MCチヘドロー「…てめーのせいで、なんもかんもパァや。全部台無しや」ヒソヒソ

MCチヘドロー「…覚えてろよ。下衆な変態クソビッチが」ヒソヒソ

ブラウンP「…っ」

MCチヘドローは、マイクに拾われないように小声でそう言うと、
ステージを下りていった。


171 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 23:18:49.93 ID:co+XcUVkO
ブラウンP「…」

ブラウンP「そうだ。この料理を、是非食べてほしい人が一人いるんだ」

ブラウンP「ショクエモンPー!来てくれ!」

ブラウンPは、ステージの袖に向かって呼び掛ける。


食通の友人「…よう」ツカツカ

ブラウンP「ショクエモンP!このクッキングバトルは、両方を食べた観客の投票数で競う勝負だ」

ブラウンP「だが、料理人としての戦いならば…、互いの味覚でも、勝負してみようじゃないか!」


173 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 23:25:39.81 ID:co+XcUVkO
観客「…」

食通の友人「いいぜ。俺はあんたに色々アラジビを食わせたことがあったが…あんたの飯を食ったことはなかったな」ツカツカ

食通の友人「受けて立つぜ。お前のアラジビ、味わわせてもらう」スッ

食通の友人は、麦わら帽子アライさんの死体を指差した。

食通の友人「…なんかさっきから、善良な生き物は食っちゃいけねーみたいな空気が漂ってるが…。人間は昔から、卵を産んでくれた鶏を殺して食ってたんだぜ」

食通の友人「その鶏はきっと善良な奴だっただろう。…そこのアライさんのようにな」

食通の友人「だが、人は人、獣は獣だ。俺らは生きるために獣を殺す。そこに善だの悪だの関係ねえ!」

食通の友人「そこの死んじまったアライさんも、今となってはその料理の姿だ。ならばせめて、食って弔ってやるぜ」スッ

食通の友人は、アラウィンナーをつまようじに刺した。

食通の友人「ぱりっ」モグモグ

そして、まずは調味料をつけずにウィンナーのはしっこを食べた。


182 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 23:38:08.69 ID:co+XcUVkO
食通の友人「…ああ。うめえな」モグモグ

食通の友人「なるほど。…アラジビでウィンナー作ると、こうなるのか…」モグモグ

食通の友人「…」モグモグ

食通の友人「しかし、ケーシングが硬てえな。今回はライブキッチンだからしゃーねえが、マトモに作るときは多少発酵させて柔らかくするといい」ポリポリ

食通の友人は料理人である。
他者の料理を評価するとき、どうしても『作る側』の立場で考えてしまう。

食通の友人「…ふむ。ご馳走様」ゴクン

食通の友人「…あーーーーー!ビール欲しい!!!!」


185 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 23:43:48.71 ID:co+XcUVkO
食通の友人「美味かったぜ。最後のライブキッチンだから、どんなスゲー料理でくるかと思ったら…こういう地味なもんでくるとはな」

食通の友人「だが…あんたがやりたかったのは、料理の…前座の方だろ?」

ブラウンP「ふっ、そうさ」

食通の友人「…見ろよこの空気。なんつーメシマズ感だ。あんたのせっかくのうめえウィンナーが、これじゃ食ってすらもらえねーぜ…」

食通の友人「…なあ、その辺にいんだろ?ホントは食いてえけど、空気が重くてステージに来れねえ奴。…そこのあんたとか、どうだ」スッ

観客3「…ああ。食いてえ」スッ

観客1「マジかよ…」ヒソヒソ

観客2「この空気で…ないわー」 ヒソヒソ

観客3は、多くの者達に白い目でみられる。


187 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/22(日) 23:58:50.80 ID:co+XcUVkO
食通の友人「お前はこの会場では、すっかり少数派になっちまったな。…だが、アラジビはもともと少数派だ」

食通の友人「おい、飯も食わず、ゲロぶちまけながら見てる連中。あんたら今、なんでここにいんだ?」

観客1「え…」

観客2「なんでって…」

食通の友人「ホントはもう帰りたいけど、事の顛末を見届けるために、惰性でここにいるのか?」

食通の友人「…だったらお前らには、後から生放送の録画をオンデマンドで見るとかの手段があるはずだ」

食通の友人「…あんたらはきっと、もうアラジビを楽しめねえ。少なくとも今はな。きっとこれからは、アライさんが駆除されることにすら心を痛めるかもしれねえな」

食通の友人「だが、お前らがここで何を見たとしても、奴らの本質は変わらねえ。駆除業者やハンター達は、畑泥棒やったり家屋を破壊するアライさん達を生かして帰すわけにはいかねえ」


188 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/23(月) 00:01:08.54 ID:PSyZUnUdO
食通の友人「…奴らを遊び半分に殺すことに罪悪感を感じるようになった奴は、もう帰った方がいい」

食通の友人「アライさん達と真剣に戦い、人々を守っている政府や業者をこれからも応援してくれる奴」

食通の友人「駆除されたアライさん達の命を無駄にせず、食って弔う気のある奴」

食通の友人「そして、今までと変わらずアラジビを食いてえ奴。…それだけここに残れ」

食通の友人「…なーに、吐いたゲロは気にすんな、スタッフが掃除するからよ。…じゃあ、あばよ。今まで応援ありがとな」

観客1「…」ガタッ スタスタ…

観客2「…」ガタッ スタスタ…

観客の多くは、帰っていってしまう…

司会「え、ち、ちょっと!まだ…」アセアセ

食通の友人「いいって、引き留めるな。これ以上引き留めるのは拷問だ」


190 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/23(月) 00:07:32.17 ID:PSyZUnUdO
観客は2/3以上が帰ってしまった。

会場はガラガラになった。

食通の友人「…ここにいる奴ら全員、アラジビ好きってことでいいんだな?」

観客3「…」コクリ

食通の友人「…はは、昔を思い出すな。まあ、ノスタルジーに浸って喋ってたら、せっかくのブラウンPのアラジビが冷めちまう」

食通の友人「さあ、来いよキチガイ共。今日でアラジビフェスは終わりなんだ。世間の誰が何と言おうが、最後までアラジビを楽しもうぜ!」

観客3「…」パチパチパチ

観客6「…」パチパチパチ

観客達『パチパチパチ…』

司会「…え、えー、それでは…。試食してみたい方がおりましたら、こちらへどうぞ」

観客3「行くぜ!」ガタッ

観客達の何名かが、ステージの前に並んだ。


…クッキングバトルは続く。


191 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/23(月) 00:07:59.16 ID:PSyZUnUdO
つづく






最終更新:2017年11月25日 22:35

*1 (( ;゚Д゚