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ラストアラジビフェス③ ~発酵アライスカ~その2

317 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 19:28:22.53 ID:B6cN2QDtO
観客達は、ステージをカメラで撮影しまくっていた。

ブラウンP「」グッタリ

食通の友人「ふふっ…」スッ

食通の友人は、大股開きで失神しているブラウンPをスマホの画面に捉え…

食通の友人「いい顔、いただいたぜ」パシャ

静かにシャッターを切った。

…いや、シャッター音が鳴るので静かではないが。

食通の友人「…」スッ

そしてブラウンPの脚を動かし、脚を閉じさせた。

食通の友人「さーてさてさて!魔獣もブッ飛ぶこのお味!一度体験してごらんあそばせ!損はさせねーぜ?多分」

司会「そ、それでは試食タイムです…食べてみたい方はステージへお並びください!」


観客3「…」

観客6「…」

観客7「…」


…観客は、すぐには並ばなかった。


319 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 19:39:02.70 ID:B6cN2QDtO
なぜか?
…聞くまでもないであろう。

キビヤックは、この世の料理の中でもトップクラスのゲテモノである。

それを食ってみたいという者なぞ、この日本では50人に1人居れば大したものだ。

そして言わずもなが、アラジビもまた(フォアグライ以外は)ゲテモノである。

アラジビ肉は非常に美味だ。
だが、だからといって、たとえ害獣でも、人間の少女とほぼ同じ姿をした生き物を殺して食うことに抵抗を感じない者は稀有である。

この会場には、その稀有な者達が集まっているのだが…

このアライビャックは、ゲテモノで作ったゲテモノ。
ゲテモノとゲテモノのコラボレーションだ。

マイナスとマイナスをかけてもプラスにはならず、この混沌より這い寄るハイブリッド・ゲテモノは、殺人魔獣ブラウンP以上に何者も寄せ付けない存在感と発酵臭を放っていた。


320 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 19:48:10.86 ID:B6cN2QDtO
食通の友人「おーい、MCチヘドロー!食ってみねーか?」

MCチヘドロー「殺す気かワレェ!これどー見てもアカン奴やろが!アラジビ初心者のワイじゃ食ったら一ヶ月は寝込むわ!」

食通の友人「まあまあそう言わず。俺とお前が同じステージに立って共演することを望む奴ぁ多いぜ?ここは芸人魂の見せ所じゃねーか?」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!』パチパチパチパチパチパチ

MCチヘドロー「何やお前らその拍手は!?アホぬかすなや!芸に身を張ってくたばったら元も子も…」

観客3「チッヘドロー!チッヘドロー
!チッヘドロー!」パンッパンッ

観客達『チッヘドロー!チッヘドロー!チッヘドロー!チッヘドロー!チッヘドロー!チッヘドロー!チッヘドロー!』パンッパンッパンッパンッパンッパンッ

MCチヘドロー「やめーや!!!!殺す気かクラァ!!!」

MCチヘドロー「ワイらのことをテレビかスマホかパソコンか何かで観とるお客さん達も、別にワイがあのサラブレッド・ゲテモノをすすり食うとこなんぞ見とうないやろ?」チラッ

MCチヘドローは、生中継カメラをチラ見している。


334 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 22:05:34.33 ID:B6cN2QDtO
MCチヘドロー「ええぇい!クソァ!やったるわ!そこまで言うなら食うてやるァ!」ズカズカ

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!』パチパチパチパチパチパチ

MCチヘドロー「よこせァショクエモンP!芸人魂見せたるわ!…ってうっわ臭っせェ!近くに寄ると更にくっせェ!」ツーン

食通の友人「ほい。こいつの肛門を口につけてチューチュー吸うんだぜ」

漬けアライちゃん「」モワアアアァアアアアン

MCチヘドロー「ひー!顔がグロいわ!もうホンマあかん奴やて!これ食ったら腹壊さんか!?」

食通の友人「病は気からって言うだろ。あんまり思い詰めると腹に来るかもしれねーぜ」

MCチヘドロー「あーもう!クッソ…なんで肛門なんや!つーかお前なんでこれ作った!?訳わからんわマジで!!」

食通の友人「インパクト重視だ。2年前の時点で既にネタ切れしかけてたから、奇抜な方向で行ってみた」

MCチヘドロー「奇抜すぎるわアホ!…ふーふー、あかん、食う勇気が湧かんのやけど」

食通の友人「ほんじゃ食う勇気、お客さんから貰おうか!みんな!チヘドローに勇気を分けてくれェ!チッヘドロー!チッヘドロー!」パンッ パンッ

観客達『チッヘドロー!チッヘドロー!チッヘドロー!チッヘドロー!』パンッパンッパンッ


336 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 22:12:33.41 ID:B6cN2QDtO
MCチヘドロー「ああああああああああああああああもうヤケクソや!おい!横田副プロデューサー!見とるやろお前!ワイが今ここで死んだら、デスゲームはお前が運営せいや!分かったな!?」ゼェハァ

MCチヘドロー「ほないくで!もしこれ食って生き残ったらワイは祖国に帰って結婚するでぇ!嫁さんもうおるけど!」ガバァ

MCチヘドロー「ファイヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」ブヂュウウゥゥウゥゥ

MCチヘドローは、漬けアライちゃんの腹を押し、肛門から内臓を啜った。

観客3「うわ、すげぇ!ホントにいったァ!」ドヨッ

観客6「パネェ…」ドヨッ

MCチヘドロー「<●><●>」

食通の友人「どうだ?」

MCチヘドロー「≪◎≫三≪◎≫#」プルプル…

食通の友人「…どうした?ほら、噛んで飲み込めよ」

MCチヘドロー「≫~≪;」モグモグ…

食通の友人「中々やるなお前…」


339 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 22:18:01.20 ID:B6cN2QDtO
MCチヘドロー「アアアアアアアァァァァア~~~~~」ゼェハァ

食通の友人「どうだ」

MCチヘドロー「あのな?一つええか?」

食通の友人「何だ」

MCチヘドロー「…ウン…あのな…」

MCチヘドロー「……ワイの晩飯、衛星放送局のお偉いさんと会食なんやけど…口のニオイ取れるか?」

食通の友人「諦めな」

MCチヘドロー「ざけんなやああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!あ、味は以外と悪ぅなかったよ、ごっそさん」

観客達『アッハハハハハハハハハハハハハ』パチパチパチパチパチパチ


341 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 22:24:29.18 ID:B6cN2QDtO
MCチヘドロー「ゼェーハァー…こんな世界があるんはな。一つ勉強なったわ」ハァハァ

食通の友人「言うなれば保存食ってわけだな。タンパク質のある食物に不足しがちなビタミンを増やし、保存するエスキモーの知恵だ」

MCチヘドロー「ほー、大したこと考えるわーホンマ…。先人はよーこれ食える思うたなぁ」

食通の友人「すげーよな?まあ今の時代、肉を保存したけりゃ密封して冷凍庫に入れりゃいいけどな」

MCチヘドロー「最初からそーしろや!!!!」

食通の友人「まずかったか?」

MCチヘドロー「…ニオイさえマシならなかなか美味いと思うで」



そしてMCチヘドローはステージを降りた。


344 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 22:34:26.28 ID:B6cN2QDtO
食通の友人「他に食う奴は…ハハ、いねえか。まあ、そんならそんでいいさ」

司会「…え~、それでは、試食タイム終了とさせていただき…」

???「ちょーっと待ったァ!」

司会「!?」

観客1「食うぞ!ショクエモンP!俺が食ってやる!」ツカツカ

観客2「俺もだ!料理はアレだけど…ショクエモンP、あんたの長い功績を讃えて、食わせてもらうぜ!」ツカツカ

観客4「私もだ!あんたが最後に作るステージクッキングの料理、食わなかったらアラジビ生の損だ…って何だこのニオイ!やっべぇwww」スタスタ

観客5「チヘドローがあんなに体張ったんだから、俺も敬意を表すぜ!」スタスタ

…なんと。
先程会場を去った観客達が、ステージへ並び始めたのである。

「俺も食うぞ!」「ショクエモン!あんたは最高だ!」「今までありがとう!ショクエモン!」「うっわwwwくっせぇwww」

『ショックエモン!ショックエモン!ショックエモン!』


…なんと…

食通の友人が持ってきたアライビャックは、全て観客達の腹に収まったのであった。


347 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 22:43:54.63 ID:B6cN2QDtO
ブラウンP「うぅ…」フラフラ

司会「おや、起きましたか」

ブラウンP「むぐ…」フゥフゥ

ブラウンPは、ほっぺを膨らませている。
まだ口の中にアライビャックが入っているのだ。

食通の友人「食えねえなら吐くか?無理すんな」

ブラウンP「んん…」ブンブン

ブラウンPは、首を横に振っている。

食通の友人「食うつもりか?」

ブラウンP「んーんーっ…」コクコク

食通の友人「そっか。ほら、ファイトだぜ」

ブラウンP「っ…!」モグモグ

ブラウンP「…っ」ゴクン

ブラウンP「…っはぁあ…はぁ…」ゼェハァ

食通の友人「良くできました。さて、そろそろ投票の結果が出るぜ。しゃんと立ちな」

ブラウンP「はぁはぁ…」ヨロヨロ

ブラウンPは、かなり鼻に来ているようだ。
まだ涙を流している。


349 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 22:46:47.31 ID:B6cN2QDtO
司会「それでは結果発表です!投票者は自分が持っている2つの投票券のうち、片方をボックスに入れます!多い方が勝ち!」

司会「では参りましょう!最後のアラジビフェス、ステージクッキングの勝者は…」

ドラムロール「デレレレレレレレレレレレレレレレレレレレレレレレレレレ…」

ブラウンP「…」ゴクリ

食通の友人「…」ゴクリ

観客達『…』ゴクリ


会場の緊張が高まる。


350 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 22:49:22.64 ID:B6cN2QDtO
ドラムロール「ツクテーン!」











司会「…ブラウンPでぇぇーーーーすッ!!!!」

投票した観客達『パチパチパチパチパチパチパチパチ…』

ブラウンP「…」

食通の友人「ま、そらそうなるわなwwwwww」


353 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 22:55:00.10 ID:B6cN2QDtO
観客達はどよめいている。

「何でだー!」「納得いかねーぞー!」

今回のシステムは前回同様、『両方食べた観客が、2枚のうちどちらかの投票券を入れる』システムである。


つまり、たとえブラウンPのアラウィンナーが少しの客にしか食べられず、食通の友人のアライビャックが多くの観客に食べられていたとしても…

その両方を食べた者にしか、投票権はないのである。


作るまでの過程は最悪だが、出来映えのいいアラウィンナー。

作るまでの過程は良いが、出来映えがヤバいアライビャック。


…結局、客は普通に美味しい方を選んだ。
なんとも低レベルな最終戦であった。


357 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 23:09:57.40 ID:B6cN2QDtO
ブラウンP「…(まさか勝ってしまうと思ってなかったのでコメントに困っている)」アセアセ

食通の友人「みんな!アラジビフェスは楽しかったか!?」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!!』

食通の友人「アラジビフェスはこれで終わりだ。だが、アライさんが滅ぶまでの間は!アラジビは不滅だぜ!」

観客達『YEAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!』

ステージに、本日のイベントでステージクッキングやブース出店したアラジビ料理人達が集まってくる。

フェイロンP「新たな食材が見つかって、探究が楽しかったよ。ま、もうじき無くなるらしいがの。…美味しい料理と楽しいイベントをもたらしてくれたアライさん達に感謝じゃ。…畑泥棒は感心せんがの」ペコリ

シャークP「ヘーイ!コバンザメのみんな!俺はアライトロ焼き肉以外も作れるんだぜ!今日の俺のアラジビはどうだった!?」

観客『普通に美味しかったー!』

シャークP「シャーーシャッシャッシャ!!そりゃーよかったぜェ!終わり良ければ全てヨシキリザメェ!!」

観客達『…?』ポカーン

なんだかんだで、いい感じにアラジビフェスは幕を閉じた。


363 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 23:21:54.98 ID:B6cN2QDtO
…

~駐車場~

ブラウンP「…」スタスタ

ブラウンPは帰宅するため、駐車場へ向かった。

「よう、変態ビッチ女」

ブラウンP「…」pitaxtu

「こっち向けや、変態ビッチ女」

ブラウンP「…人を出会い頭に変態だのビッチ女呼ばわりする輩とは、話したくないんだが」クルッ

MCチヘドロー「あ?ビッチ女やろが。言葉通り、雌犬の女やろ?それに変態なのは自分で否定できへんはずや」

ブラウンP「…何の用かな」

MCチヘドロー「お喋りしに来ただけや」

ブラウンP「お喋りねえ…聞こうじゃないか」


364 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 23:30:10.82 ID:B6cN2QDtO
MCチヘドロー「お前のライブキッチン、よーく見させてもろうたで。あのクソバエガイジは、ええ絶望の顔しとった。お前はハエガイジを精神的に追い詰める達人やな」

ブラウンP「…どうも。デスゲームのプロデューサーにそう言って貰えるとは光栄だ」

MCチヘドロー「ほいで、ステージの上で全国のお客さん達の目の前でやるマスターベーションは気持ちよかったか?」

ブラウンP「…は?」

ブラウンPは、露骨なセクハラ発言に嫌悪感を露にする。

MCチヘドロー「何や?お前にとって料理するんはついでやったんやろ?お前が本当にやりたかったんは、大勢の前で堂々と人殺しをやる陶酔感を味わうことやろうが」

MCチヘドロー「それがマスターベーション以外の何やっちゅうんや?」

ブラウンP「…心外だな。まず私は人殺しなんてしていない。殺したのは害獣のアライさんであって…」



MCチヘドロー「心にもない事言うな。知っとんのやで?お前は人もフレンズもハエガイジも、対等に見とるっちゅーことをな」

MCチヘドロー「さっき害獣や害獣やと罵っとったんは、それが一番あのハエガイジを傷付ける言葉だったからや。お前の本心やない。…せやろ?」

ブラウンP「…だったら、何だ」


365 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 23:34:47.36 ID:B6cN2QDtO
MCチヘドロー「お前…分かっとるんか?ショクエモンPが、なんでお前をヒーローショーの悪役みたいにやっつけたか」

ブラウンP「…私が、アシスタントを殺したことに怒っていたからか?それとも、会場を盛り上げるためか…」

MCチヘドロー「ちゃうわボケ。見方がせっまいなお前は。ええか、教えてやるわ」

MCチヘドロー「ショクエモンPはな、お前を…」





MCチヘドロー「…『護るため』に、お前をやっつけたんやで」



ブラウンP「…『護る』…だって…?」


367 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 23:41:14.43 ID:B6cN2QDtO
MCチヘドロー「人間はな、悪いヤツがおるんを見つけたら、そいつが懲らしめられなアカン、報いを受けさせなアカンっちゅう心理が働くんや」

MCチヘドロー「もしお前があのまま、パッと見善良に見えるハエガイジを虐殺してそのまんまやったら、動画を見たネット上の偽善者どもに総攻撃されてたで」

MCチヘドロー「『裏切られた可哀想なアライさんの報復のため』っちゅう建前で、お前に毎日誹謗中傷の嵐を浴びせるやろな。たとえお前がその後で降参しても許されへん。一生ネットのオモチャや」

MCチヘドロー「せやけどショクエモンPは…お前の公開オナニー残酷ショーに、お前が懲らしめられるっちゅう『オチ』を付け加えた」


374 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 23:50:28.02 ID:B6cN2QDtO
ブラウンP「オチ…?」

MCチヘドロー「せや。調子乗って強キャラぶっとるお前が、あの場でパンツ大公開して無様に倒され、懲らしめられた。そのお陰でネットの偽善者どもは満足して、お前を叩かんでエエと思うようになるんや」

MCチヘドロー「もっとも、お前のアンチ共やアラ信共は許さへんかもしれへんけどな…。正義のヒーローショクエモンは、お前ん中に巣食う制御できへんようになった悪魔から、お前を守ったんや」

MCチヘドロー「しかもあいつは、その後で害獣共の悪行三昧を見せて、同情的な流れを『やっぱアライさんは悪や。駆除せんと』っちゅー流れに戻したんや。大したもんやあの男は」

ブラウンP「…そこまで考えていたのか。…ふふ、私の完敗だ」

MCチヘドロー「せやろ?」


375 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/24(火) 23:54:48.15 ID:B6cN2QDtO
MCチヘドロー「どんな気持ちや」





MCチヘドロー「お前の『本当の狙い』の方まで潰されちまった感想は」





ブラウンP「…!」

MCチヘドロー「アホか。まさかバレてへんつもりやったんか?お前が公開オナニーショーにかこつけて、本当に達成しようとしとった目的の方に」

ブラウンP「…お前…!」

MCチヘドロー「お前の本当の狙いは」


376 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 00:03:07.35 ID:kUI8EdjnO
MCチヘドロー「世の中には、悪くないええアライさんもいるんやっちゅう風潮を作って…」

MCチヘドロー「お前っちゅう悪役に惨殺されたハエガイジに、世間が同情する風潮を作るつもりやったんや」

MCチヘドロー「そう…ID2番たった一人を、世間から守るためにな」

ブラウンP「くっ…!?」

MCチヘドロー「お前がこの国がうんたら~とか、法律がなんたら~とか、そういう説教臭いことばっか言うとったのは…」

MCチヘドロー「そうやって世間を風刺して、『善良なアライさんまで殺されなきゃいけない世間はおかしい』っちゅー風潮を作るためや」

MCチヘドロー「そしてID2番のまわりの連中に、『善良なアライさんもおるのに、辛い目に合っとる』っちゅーことを思い知らせ、ID2番に人が同情するような…そんな風潮を作りたかったんやろ?」

MCチヘドロー「残念やったなぁ!ショクエモンPは、お前の目論見を台無しにしてくれたで!ハエガイジ共の本質は救いようのない悪やって、目を覚まさせてくれたで!アヒャヒャヒャ!!」ゲラゲラ

ブラウンP「く…ぐぅっ…!」ギリギリ


381 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 00:13:16.48 ID:kUI8EdjnO
MCチヘドロー「ワイは別にID2番に個人的な恨みはないが…そんでも、たとえ一匹でもクソバエガイジが幸せになろうとしてるんを見ると反吐が出るわ!!!」

MCチヘドロー「残念やったなぁ!!お前が2年かけて育てたアシスタントは、ただの犬死にや!ヒャーハハハハハハハ!!!」

ブラウンP「っ…べ、別に、あんな害獣なんて…」ワナワナ

MCチヘドロー「何を強がっとるんや?ワイには分かるで。お前は害獣でさえ愛せる奴や。お前はあいつにムカついてたんやない、天真爛漫な行いに癒されとったんや!」

ブラウンP「…やめろ」

MCチヘドロー「ざまーねーなあ!お前のネットでの評価は急転直下!ID2番にも誰も同情せーへん!お前独り善がりなショーはダダ滑りで、なーんの成果も残せませんでしたとさァ!アヒャヒャヒャ!!ごしゅーしょーさん!」

ブラウンP「…やめてくれっ…」

MCチヘドロー「アーハハハハ、気は済んだわ。ほなワイは帰るで。バイなら~」ブゥーン

MCチヘドローは、ミニバンに乗って帰っていった。


386 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 00:24:15.58 ID:kUI8EdjnO
ブラウンP「…私も帰るか」スッ

ブラウンPが自家用車に乗ろうとしたとき。

電話「プルルルルルル」

ブラウンP「…はい」ガチャ

『もしもし、私だよ。キツネだよ』

ブラウンP「…キツネさん」

キツネ『…あなたがやった事、聞いたよ』

ブラウンP「…うん」

キツネ『どうして…アシスタントの子を、殺したの』

ブラウンP「…それは…」


389 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 00:30:51.46 ID:kUI8EdjnO
ブラウンP「…法律だからね。野良アライさんを飼育するなら、必ず殺さなきゃいけなかった。…どのみち最初からやるつもりだったさ。それが今だったってこと」

キツネ『…私は、ブラウン先生と友達でいたいと思ってるよ。世の中のたくさんの人が、アライさん達を殺してるのも知ってるよ。ブラウン先生が…どんな気持ちで、野良アライさんを狩ってるかも…知ってるよ』

ブラウンP「…うん」

キツネ『それを全部受け入れようとしてきた…。でも…もう、あんなことやられたら…』

キツネ『ブラウン先生のこと、怖くて…仕方ないよ…』

ブラウンP「…ごめん」

キツネ『…これだけ言わせて。もしタイリクさんが、御手洗さんを手にかけたら…』

キツネ『…刺し違えてでも、タイリクさんをこの手で倒すから』

ブラウンP「…わかった。できれば、手にかける前に…そうして欲しい」

キツネ『…うん。それじゃあ…。あなたが本当に人殺しになるまでは、友達でいよう』

ブラウンP「…ありがとう」

電話は切れた。
ブラウンPは、自宅へ帰った。


393 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 00:37:31.21 ID:kUI8EdjnO
…翌朝…

~ブラウンPのアトリエ~

ブラウンP「…おはよう」ガチャ

アシスタント1「あ、おはようございます」

アシスタント2「おはようございます…」

アシスタントの数は、7人から2人へ減っていた。
週間連載を2本持っているブラウンPには、痛いダメージだ。
まさしく自業自得といえよう。

それでも、まだ2人が残っていた。
全ての事情を知って尚、ブラウンPを受け入れた2人である。


399 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 00:45:26.13 ID:kUI8EdjnO
ブラウンP「…さあ、今日も仕事、頑張ろうか」

アシスタント1「はい!」

アシスタント2「頑張りましょう」

「さあやるのだ!天下を取るのだぁ!」

ブラウンP「!!!!!!!!!」バッ

アシスタント1「?どうしたんですか?」

アシスタント2「急にこっち向いて…」

ブラウンP「…」

ブラウンPは、いるはずのない者の声が聞こえたような気がした。

いつも元気よく応えてくれて、どんな時でも自分を和ませ、微笑みを与えてくれる声。

ブラウンP「…」

どうやらそれは、幻聴だったようだ。

ブラウンP「…うん。やろう」クルッ

ブラウンPが、自らの目的と快楽のために裏切って殺した、大切な仲間の一人の声が、アトリエから消えた。

ブラウンPには、彼女の死を悼む権利も、弔う資格もない。
身も心も鬼畜に堕ちたブラウンPには、失った仲間のために涙を流すことさえ許されない。


404 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 00:53:08.09 ID:kUI8EdjnO
~害獣駆除チャンネル オフィス~

スタッフ1「チヘドローさん!アラジビフェスのPPV購入数やばいッスよ!めちゃ売れまくりッス!」

MCチヘドロー「ほぉ~!あんなに低レベルな戦いだったのに!!?」

スタッフ2「ブラウンPが育てた、あの『善良なアライさん』。それが日本中で物凄い注目を浴びてます!」

MCチヘドロー「…つまりこんだけ売れたんは、ブラウンPが育てたハエガイジのお陰か。感謝せんとなぁ」

スタッフ3「それから調査したところ、ある客層が、何度も何度もリポート再生しまくっているシーンがあるみたいです。それもまた、動画購入数を上げている原因かと」

MCチヘドロー「どれどれ?客層と…シーンは…。あ、なるほど!アヒャヒャヒャ!!」

MCチヘドロー「ほんじゃ功労者に、電話しましょっか!」ピピポパピポ

MCチヘドローは、ある人物に電話をかけた。


407 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 00:58:45.71 ID:kUI8EdjnO
ガチャ

ブラウンP『…はい。こちらタイリクです』

MCチヘドロー「もしもしー?ブラウンちゃん?昨日のイベントはご苦労様ちゃん。お陰で動画が最高に売れましたわ!ホンマありがとな~!」

ブラウンP『…どうも。デスゲームの運営資金にしてください』

MCチヘドロー「あいよー。ところでさ。ある客層が、あるシーンを何度も何度もリピート再生しまくっとるみたいなんよ」

ブラウンP『どのシーンですか?』


409 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 01:02:28.73 ID:kUI8EdjnO
MCチヘドロー「なんでも、その客層は20代~30代男性で、リピート再生されてるシーンは…」

MCチヘドロー「お前がショクエモンPに追い詰められて失神し、試食タイムが始まる直前までの短いシーンや。…何でだか分かるか?」

ブラウンP『…』

ブラウンPは、しばらく黙り混む。

ブラウンP『…私という悪役が、ショクエモンPというヒーローに倒される爽快感』

MCチヘドロー「ホンマにそう思う?」

ブラウンP『…』


411 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 01:05:16.45 ID:kUI8EdjnO




ブラウンP『死ね変態!!!!!!』プツッ


…通話が切られた。



MCチヘドロー「ハハ!あんがとさん!ぎょーさん稼がせてもろうたわ!」

MCチヘドローの電話「」プルルルルルルルル

MCチヘドロー「?はーいもしもし!こちら害獣駆除チャンネ…」


413 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 01:10:24.47 ID:kUI8EdjnO
MCチヘドロー「…誰やお前」

MCチヘドロー「ああ…そっちのほうの人か。ども。チヘドローです。本人です」

MCチヘドロー「…はぁ?だから滅ぼすてゆうてるやんけ………ほう、ほう…」

MCチヘドロー「…はは。おもろい事考えるなーあんたら。エエわ、乗ったるその話。どーせ作戦終わったらテレビプロデュースの仕事もやめるつもりやったしな」

MCチヘドロー「…ええで。段取り教えてくれや」

MCチヘドロー「ほーほー…」

MCチヘドロー「…はい。成る程…おもろい事になってきたわ」

MCチヘドロー「ま、取らぬ狸の皮算用や。そんときまた話そうや。ほな」

MCチヘドロー「…」

MCチヘドロー「…ひひ、なーるほど…」

MCチヘドロー「世の中、色んなこと考える奴がおるんやなぁ…」


414 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/10/25(水) 01:10:51.67 ID:kUI8EdjnO
つづく






最終更新:2017年11月25日 22:50