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人工衛星パークキーパー

151 : ◆19vndrf8Aw [sage]:2017/11/01(水) 21:19:12.94 ID:0rwGqsYSo
…

~種子島~

ロケット『』シュゴオオォォォ…


監視センターのモニターに、上空へ打ち上げられているロケットが映っている。

研究員1「宇宙ロケット、間もなく高度約36,000キロメートルへ到達します!」

研究員2「現在秒速7.9km!第一宇宙速度到達!」

理科の先生「衛星フェアリング分離!」



ロケット『』バカァッ

ロケットの先端がパージされる。

人工衛星『<ー> <ー> <ー> <ー> <ー> <ー> <ー> <ー>』シュウウウゥウ…

ロケットから現れたのは、正十二面体の人工衛星であった。
それぞれの面には、シャッターが閉じた円形の窪みが12個、計144個ついている。



研究員1「人工衛星『パークキーパー』、静止軌道に乗りました」

研究員2「誤差修正完了。ソーラーパネル展開完了!起動シーケンスに入ります!」

理科の先生「教授、見ていらっしゃいますか?間もなく教授の作った衛星が起動しますよ」

カメラ「…」ジィー

理科の先生は、台の上のカメラに話しかける。
ビデオカメラは、モニターの方を向いている。


152 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/01(水) 21:29:29.45 ID:0rwGqsYSo
人工衛星『<ー> <ー> <ー> <ー> <ー> <ー> <ー> <ー>』ゴオオオォ…

正十二面体で表面が水色のクリアパーツに覆われた人工衛星。

管制センターへ、起動準備OKの信号を送っている。



理科の先生「準備完了ですね。日本列島全域が撮影範囲内に入っています。では…監視衛星パークキーパー、起動!」



人工衛星『<ー> <ー> <ー> <ー> <ー> <ー> <ー> <ー>』

工衛星についた、計144個の窪みのシャッターが…

人工衛星『< ● > < ● > < ● > < ● > < ● > < ● > < ● > < ● >』バカカカカカカカカカカカカカカカカッ

一斉に開いた。
窪みの中には、目無機質で不気味な目玉のようなパーツが並んでいる。

人工衛星『< ◎ > < ●> <● > < ー > <○ > < ・> < ● > < ◎>』ギョロギョロギョロギョロギョロ…

ずらりと並んだ目玉のようなパーツは、一斉に地球の方を向いた。



研究員1「モニター正常に作動しています。間もなく、観測データが送信されてきます」カタカタ
153 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/01(水) 21:38:13.64 ID:0rwGqsYSo
研究員2「観測データ受信完了!地図データと同期して表示します!」



管制センターのモニターに、巨大な地図が表示される。
地図には白い光の点がたくさん重なっている。



理科の先生「サンドスター監視衛星、パークキーパー。…ここに映っているすべての点が、サンドスター線放射物質というわけですね」

研究員1「どこかご覧になりますか?」

理科の先生「それでは…我々の、サンドスター科学研究所を映してください」

モニターの地図が切り替わり、サンドスター科学研究所の建物を真上から映している。
建物には、光の点は重なっていない。

理科の先生「…光の点がありませんね。やはり、モルモットのアライさんや、教授の存在は捉えませんか」

カメラ『それは仕方ありませんね。まあ、フレンズさん達にもプライバシーがありますし…丁度いい塩梅なのかなって思います』ウイイイン

台の上のカメラについたスピーカーから、少女の声が聞こえた。


154 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/01(水) 21:49:29.12 ID:0rwGqsYSo
理科の先生「サンドスター線は、不可可視光…。光ですからね。水や植物程度は透過できても、土砂やコンクリートを通過することはできない」

理科の先生「それでも、まあ…。植物を透過できるなら、自然物の中のサンドスター線放射物質を監視する目的ならば、十二分の効果といえるでしょう」

理科の先生「…えー、聞こえますか?ハシビロコウさん、森の上を飛んで、ビデオカメラの映像を送信していただけますか?」

『了解です』

無線から、女性の声が聞こえた。

直後、モニターの画面に新規ウィンドウが立ち上がり、上空を高速で飛行している映像が映る。


155 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/01(水) 21:56:08.70 ID:0rwGqsYSo
『どの辺を撮影すればいいですか?』

地図には、赤い点が映っている。
おそらく上空を飛んでビデオカメラの映像を送っているフレンズの位置だろう。

やがて赤い点は、白い点と重なった。

理科の先生「そこです。そこでストップです」

『はい』

ウィンドウに表示されている映像が、直進を止めた。
映像は、森の木々を上から映している。

理科の先生「そのまま、降下していただけますか?可能であれば、木の葉の下が見たいです」

『…怖いけど、分かりました』バッサバッサ

ウィンドウのカメラ映像は降下し、森の木の中をがさがさと通っていく。

理科の先生「教授。もうすぐあなたの発明の素晴らしさが自明のものとなりますよ」

カメラ『…』ウイイイン

台の上のカメラは、モニターをじっと見ている。


156 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/01(水) 22:04:36.64 ID:0rwGqsYSo
やがて、映像は森の木々の葉っぱを突き抜けた。
そこには…

アライさん『ふははー!待つのだぁ!』ドタドタ

ネズミ『チューチュー』テテテテ

ネズミを追っているアライさんの姿が映った。

『…アライさんがいます』バッサバッサ

理科の先生「素晴らしい!これで森の中のアライさんの位置が分かります!たとえ富士樹海の中だろうと、この衛星の目からは逃れられません!」

『…そこの岩場の巣穴から、アライちゃん達の声が聞こえます。地図には映ってますか?』バッサバッサ

理科の先生は地図を見る。
岩場のある辺りには、特に白い点は映っていない。

理科の先生「…映ってませんね。やはり、岩や地面の下に隠れているフレンズまでは位置を捉えることはできないようです」


157 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/01(水) 22:19:27.30 ID:0rwGqsYSo
理科の先生「…それでも、一生岩場の中でやり過ごすなど不可能でしょう。食糧をとりに巣穴から出たところを捕捉し、狩猟業者を送り込めばよいのです」

理科の先生「…素晴らしい。素晴らしいですよ教授!あなたの発明のおかげで、この日本に巣食う忌まわしい害獣を一匹残らず排除できます!」

理科の先生は、台の上のカメラに向かって話しかける。

カメラ『…!』ウイイイン

理科の先生「教授!あなたは救世主になれますよ!あなたのお陰で、森中のアライさん達が我々に捕捉され、逃げ場無く駆除されるというわけです!」

カメラ『っ…!』

理科の先生「もはやこれは、アライさん達はあなたが駆除したと言ってもいい!この衛星を使った作戦で野良アライさんが死に絶えれば、それはすなわち教授!あなたのおかげで…」

カメラ『』ブツッ

カメラのスピーカーからの音声が途絶えた。

理科の先生「…ううむ。教授はどうにも、褒められると照れてしまうのでしょうかね…?私はあなたを敬愛し、誉め称えているというのに…」

研究員1「…主任は教授を虐めるのが好きなんですか?」ジトー

理科の先生「虐めるだなんて…なぜそんな事を。理解できないのですよ…。野良アライさんを根絶やしにするのは、誰にとっても喜ばしいことではないのですか?」

研究員1「…多くの人にとっては、そうなんでしょうけども…」アセアセ


162 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/01(水) 22:56:29.03 ID:0rwGqsYSo
『あの…もっと撮影してた方がいいですか?そ、それとも…』バッサバッサ

理科の先生「いえ、結構です。もう戻って大丈夫ですよ、ハシビロコウさん。ご協力頂き、ありがとうございました」

『はい。お疲れ様でした』

森の中のアライさんを映していた映像が止まり、モニター上のウィンドウが消えた。

理科の先生「…さて、親機の準備はできましたね。…それでは、一斉掃討作戦の支援物資、あなたに預けます」

白衣のフレンズ「…任せてください」ガチャガチャ

白衣を着たフレンズが、荷物の整理をしている。
謎のアンプルや、水色の奇妙な機器、武器のようなものを、バッグへ詰め込んでいる。

白衣のフレンズ「では…行って参ります」スタスタ

白衣を着たフレンズが、管制センターから出ていった。


163 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/01(水) 23:08:01.86 ID:0rwGqsYSo
研究員1「…これで、2週間前に逃走したフレンズの赤ちゃんが見付かるでしょうか」

理科の先生「生きていれば…の話ですがね。小さな赤ちゃんに、あれから3週間も生存する能力があるか…疑問ではあります」

研究員2「しかし…えと…レベル表示値…いくらでしたっけ?32723?」

研究員1「65491じゃなかったですか?」

理科の先生「65513です。…我々の作ったレベル測定器が、こんな異常な数値を出したのは初めてですね」

研究員2「どういうことなんでしょうか…あのレベルは?あんな赤ちゃんが。まさか、過去に物凄い数のフレンズを殺してるとか…」

理科の先生「その可能性は…考えるのは難しいでしょう。例の赤ちゃんは、車を破壊するパワーは無かったと聞きます。戦闘能力が高いとはいえません」

研究員2「しかし、白くて耳が赤いアライさん…突然変異でしょうか?フレンズに突然変異が起こるなんて…考えられません。けものプラズムの形成異常でしょうか…」


165 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/01(水) 23:14:41.27 ID:0rwGqsYSo
理科の先生「それもそうですが…むしろ、私が気になるのは…65513という数値ですね」

研究員1「数値そのもの…ですか?」

理科の先生「…まだ今の時点では何とも言えません。例え既に死骸となっていたとしても、回収したいところですね…」スタスタ

研究員2「…」

理科の先生「ちょっとコーヒーを飲んできます」スタスタ

…

理科の先生「…」ゴクゴク

理科の先生「まだ仮説ですが…もしも、私の考えが正しければ…」

理科の先生「あの男…チヘドローさんが研究員だった頃に言っていた、『オカルト法螺吹き話』…。それが正しいことの証明に、なるかもしれませんね」ゴクゴク

理科の先生「…ともあれ、今は野良アライさんの一斉掃討作戦が第一です。支援に尽力することにしましょう…」

理科の先生「先程戦場へ向かった…彼女の…。私の助手の活躍と無事を祈りましょう…」ゴクゴク


166 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/01(水) 23:15:16.04 ID:0rwGqsYSo
今日はここまでです





最終更新:2017年11月26日 16:50