935 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 20:36:26.37 ID:nfVXhkx+o
~大久野島~
アライさん移住予定地、大久野島。
山小屋にいたアライさん達は、戦闘員の10匹を残して、全てこの島へ移住済みであった。
島へ移ったアライさんのうち、ある程度成長した者達は、副リーダーの指示のもと、植林活動を行っている。
ちなみに餌は、成績のいい個体…つまりよく働いた個体から優先して、人間に餌付けしてもらっている。
島アライちゃん1「たんけんなのだー!」ヨチヨチヨチヨチ
島アライちゃん2「すごいのりゃ!おーっきなみずうみなのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
島アライさん1「ロッジにいた頃はこんんなの見たことなかったのだー…ふははー!魚を探すのだぁ!」バシャバシャ
皆が島へ移り住んだ目的は、植林以外にもう1つある。
それは、戦闘員以外の全アライさんの身柄を、『人質』として人間へ引き渡し、命を預けるため。
この孤島からは、人質となったアライさん達は誰も逃げられない。
すなわち、山小屋アライさん一味が、人間に対し裏切りの意志がないことを証明するためである。
937 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 20:47:29.85 ID:nfVXhkx+o
海辺では、波の音が聞こえる。
山小屋アライさん「…ここが、アライさんネバーランドになるのだな…」
大臣「なのです」
山小屋アライさん「うちのアライさん達は、ちゃんと働いてるか?」
副リーダーアライさん「中にはサボってる奴もいるのだ。そういう奴は、飯がだんだん質素になってきているのだ」
山小屋アライさん「…そういう負け組の存在が、ある意味ウチの要なのだ…」
大臣「…しかし、全員を人質として預けるとは…。本当に何も悪巧みはしてないみたいなのです」
山小屋アライさん「悪巧み…。昔はそういう方向性も検討したのだ。お前たちと戦うって可能性も…」
山小屋アライさん「でも、アライさんはバカだし弱いのだ。お前達にちょっとでもケンカ売る方向でモノを考えたら、活路はないのだ」
大臣「よく分かってるのです」
山小屋アライさん「だから、できる限りのメリットを提示し、お前達の味方につく。お前達にとって有益な存在…益獣として奉仕する。これがアライさん達が生き残る、唯一の方法なのだ…げほっ!ごほっ!」
副リーダーアライさん「家主!?大丈夫なのか?」アセアセ
山小屋アライさん「ぜぇ、はぁ…。アレがないから、仕方ないのだ」ハァハァ
副リーダーアライさん「家主…」
山小屋アライさん「…大臣。アライさん達は、お前を裏切らないのだ。お前達はどうなのだ?」ハァハァ
山小屋アライさん「全てが終わった後…アライさん達を使い捨てて、裏切るのか?」ハァハァ
大臣「…」
938 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 20:56:27.66 ID:nfVXhkx+o
そこへ、会長がやってくる。
会長「…我々はフレンズなのです。味方を裏切るようなことは、決してしない。…約束するのです」
山小屋アライさん「…その言葉、信じるのだ。…本当に…ありがとうなのだ。…こいつらを、頼むのだ」
大臣「…ところでお前は、どういうモチベーションで、今まで家主としてこいつらを導いてきたのですか?」
会長「戸籍持ちのお前は、一斉掃討作戦があっても殺されないのです。普通にしてれば楽に過ごせたのです」
山小屋アライさん「アライさんは、パークからここに移り住んだ後…、どうしても、人間達と気持ちが合わなくて…辛かったのだ。人間は気難しくて、すっごく気を遣わないとすぐ不機嫌になるのだ」
山小屋アライさん「でも、山で会ったこいつらは…。野良アライさん達は、アライさんをありのまま、受け入れてくれたのだ。心に安らぎを与えてくれたのだ」
939 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 21:01:33.49 ID:nfVXhkx+o
副リーダーアライさん「アライさん達も、家主と会えて幸せなのだ」
波の音が、心地よく響く。
山小屋アライさん「今度はアライさんが、こいつらに報いる番なのだ。こいつらが生き延びてくれた方が…その方が、アライさんも嬉しいのだ」
大臣「…」
山小屋アライさん「アライさんは、共感とか、思いやりとか…そういう綺麗な美徳は分からないのだ。ただ、自分の喜びのためだけに、こうやって働いてるのだ」
大臣「…お前のこと、よく分かったのです」
大臣「…さて、我々は帰るのです。また明日も、野良アライさん達を狩りに行くのです」フワッ
会長「お互い頑張るのです」フワッ
副リーダーアライさん「なのだー!」
山小屋アライさん「なのだ」
大臣と会長は、大久野島を離れた。
次の戦いのために…。
940 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 21:19:06.19 ID:nfVXhkx+o
…
~大久野島 植林作業現場~
植林の作業計画と指示は、人間の業者が行う。
アライさん達は、実際の労働を行う。
行うのだが…。
業者1「えー、いいですか?ここは果樹園とします。ブドウみたく手入れが大変なものはあまり植えません」
業者1「アケビ、ブルーベリー、ビワ、イチジク、桑…などなど、丈夫なものを中心に植えます。柑橘類は、春や秋でも収穫できますね」
業者1「ただ、あまり一ヶ所に果樹が集まってると、収穫の楽しみがなくなりますので。島のあちこちに植えていきましょう」
業者1「では、まずはこの辺の土地を耕していきましょうか。栄養を吸いすぎる雑草はむしりましょう」
島アライさん2「うぅー、つまんないのだー」コスリコスリ
島アライさん3「もっと楽しいことしたいのだー!」コスリコスリ
島アライさん4「ウサギ狩りしたいのだー!」コスリコスリ
島アライさん5「明日でいいんじゃないのか?」コスリコスリ
業者1「お前らっ…」
元々集団行動が苦手なアライさん達。
働かせるのにも一苦労である。
941 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 21:25:29.42 ID:nfVXhkx+o
島アライちゃん3「ひとしゃんひとしゃん!あらいしゃんたちとあそぶのだー!」ヨチヨチヨチヨチ
島アライちゃん4「たかいたかいすゆのりゃ!ひとしゃんおっきーから、おかーしゃんよりおもちろそーなのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
島アライちゃん5「かまってかまってー!かまうのだー!あしょぶのだあぁー!」スリスリ
島アライしゃん1「ひとしゃん!おさかなとりたいのだ!とりかたしらないのだ?」コスリコスリ
業者1「アアアアアーーーーーーもう!こいつら働く気あんのか!?それに子供達は今お勉強の時間じゃないのか!?」
島アライちゃん2「さぼったのだ!つまんないのだ!それよりあそびたいのだ!」キャッキャ
島アライちゃん3「おべんきょーなんてあとでできゆのりゃぁ!≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチ
島アライちゃん4「いまはうゆしゃいやぬしみてないのりゃ!あそびほーだいなのりゃ!かまうのりゃー!」スリスリヨジヨジ
業者1「アーーーーーーーーーーーーーーー!!誰のために働いてると思ってんだァァーーーーーーーーー!!」ワナワナ
946 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 21:35:31.91 ID:nfVXhkx+o
島アライちゃん2「なのだー!≧∀≦」コスリコスリ
島アライちゃん3「なのだー!≧∀≦」コスリコスリ
島アライちゃん4「なのだー!≧∀≦」コスリコスリ
島アライちゃん5「なのだー!≧∀≦」コスリコスリ
島アライさん2「山小屋にいたときはもっと楽しかったのだー!」ブーブー
島アライさん3「この島、虫も草も少ないのだ!おやつが無いのだー!」コスリコスリ
島アライさん4「それより魚をとりに行きたいのだ!」コスリコスリ
業者1(もうやめようかな…この仕事…)
副リーダーアライさん「コラーお前ら!!またか!何サボってるのだ!!チビ共、勉強はどうしたのだ勉強は!!」ズカズカ
島アライさん2「やべーのだっ!副リーダーなのだ!」タタッ
島アライさん3「サボってるのばれたら成績下げられるのだ!」タタッ
島アライさん4「うるせーやつが来たのだ!人間、アライさん真面目に働くのだ!」シュビッ
業者1「えっ」
947 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 21:38:09.30 ID:nfVXhkx+o
島アライちゃん2「ぴぃぃー!ふくりーだーなのだぁ!にげゆのだー!」ヨチヨチヨチヨチ
島アライちゃん3「べんきょーごやにもどゆのりゃぁ!」ヨチヨチヨチヨチ
島アライちゃん4「ふくりーだー!これはかがいじゅぎょーなのりゃ!あらいしゃん、さぼってないのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
島アライちゃん2~5「「「のりゃ!のりゃ!のりゃ!」」」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
島アライちゃん達は、どこかへ去っていく。
おそらく学校のような場所へ戻るのだろう。
副リーダーアライさん「てめーら!…たく…だからお前たちはいつまで経ってもカースト底辺から抜け出せないのだ…」ブツブツ
業者1(なんとなく、この群れの仕組みが分かった気がする…)
どうやらアライさん達による植林作業は、大変そうである。
最終更新:2017年11月26日 22:15