59 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 21:01:21.92 ID:QMCLBnTho
…
~民家の倉庫~
民家の倉庫に、美味しそうな揚げパンが3つ並んで置いてあった。
早速、その匂いにつられて、何者かがやってきた。
ネズミ「チューチュー」ゴソゴソ
ネズミは、揚げパンを食べようとする…
その時!
バチンッと音がした。
ネズミ「ヂュウウウウウウゥゥゥッ!!?」メシャボギィ
昔ながらのバネ式ネズミ取り罠。
それもとびきり強力なやつが仕掛けてあった。
※仕組み解説の参考動画
ネズミ「ギ…ジュウゥ…」ビグビグ
ネズミの腹部は破れ、内臓が飛び出ていた。
完全なオーバーキルだ。
明らかにこのネズミ取りと思わしき罠、ネズミごときを相手に作られたものではない。
…本当の狙いはおそらく、もう一回り大きな何かであろう。
61 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 21:11:11.64 ID:QMCLBnTho
「いいにおいがすゆのだぁ!」ヨチヨチ
「なのだー」ヨチヨチ
「なのりゃぁ」ヨチヨチ
…倉庫の奥から、何かが聞こえてきた。
アライちゃん1「くんくん、ふんふん…こっちなのだぁ!」クンクンヨチヨチ
アライちゃん2「ごはんなのりゃ!?」クンクンヨチヨチ
アライちゃん3「ひさびさのごはんなのりゃ?」クンクンヨチヨチ
ご存知、ネズミなど比にならぬほどの害獣。
ゴミパンダヴィランこと、アライちゃんである。
地面の匂いを嗅ぎながら、短い手足をよちよちと動かして四足歩行し、揚げパンの方へ近付いてくる。
アライちゃん1「あったのだぁ~!」ヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん2「たっべもの♪たっべもの♪」ヨチヨチシッポフリフリ
アライちゃん3「たべゆのしゅきしゅきなのりゃぁ!」ヨチヨチシッポフリフリ
尻尾を振りながら揚げパン…もとい、ネズミ取りの方へ近付くアライちゃん達。
3つあったうち1つはネズミの下敷きになっているので、残りは2つだ。
66 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 21:16:49.27 ID:QMCLBnTho
冒頭で説明し忘れていたが、一斉掃討作戦が始まってから3ヶ月が過ぎていた。
この倉庫は、まだアライさん駆除が終わっていない地域にある建物だ。
ネズミ「ギ…ジ…」ヒクヒク
その時、ネズミ取りでブッ潰されたネズミが呻いた。
アライちゃん1「むぅ!?なんなのだ?」ピタッ
アライちゃん2「ねずみしゃんなのりゃ!」ピタッ
アライちゃん3「なんでけがしてゆのりゃ?」ツンツン
アライちゃん達は、ネズミを挟んでいる金具に気付く。
アライちゃん1「はさまれてしんでゆのりゃ」
アライちゃん2「このふわふわも、おなじのがあゆのりゃ」
アライちゃん3「わ…」
アライちゃん1~3「「「わななのりゃぁ!!」」」
流石に動物よりは知恵のあるアライちゃん達。
目の前でつぶれて死んでいる動物がいりゃ、流石に気付く。
…というか、この罠の設置の仕方はおかしい。
67 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 21:21:37.24 ID:QMCLBnTho
アライちゃん1「きっとこれは、ひとぢゃんがねずみをとってたべゆためのわななのりゃ!」シッポフリフリ
アライちゃん2「あらいしゃんたちもつかまったらたべられちゃうのりゃ…」シッポフリフリ
アライちゃん3「ぴぃぃぃっ!あらいしゃんたち、たべものじゃないのりゃあああっ!」シッポフリフリ
アライちゃん2「どうすゆのりゃ?おいしそうなたべものあゆのに、たべたらひとしゃんのごはんになっちゃうのりゃぁ!」
アライちゃん3「うゆゆゆゆぅ…。ここまできて、たべものあきらめゆのやーなのりゃぁ…」ショボン
アライちゃん1「もうずっとなにもたべてないのだ…これいじょうおなかがすくと、あらいしゃんたちのききなのだぁ!」
ネズミ「ギ…ジ…」ブルブル
アライちゃん1「…」
アライちゃん2「…」
アライちゃん3「…」
アライちゃん1~3「「「たべものあったのりゃ!!」」」
69 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 21:28:26.28 ID:QMCLBnTho
アライちゃん1「おにくなのだ!」ヨチヨチ
アライちゃん2「ねずみさんはやいからつかまえゆのたいへんなのりゃ」ヨチヨチ
アライちゃん3「ひとのわなをりよーすゆのりゃ!」ヨチヨチ
瀕死のネズミを囲うアライちゃん達。
そして…
アライちゃん1「た!」ガバッ
アライちゃん2「べ!」ガバッ
アライちゃん3「ゆ!」ガバッ
アライちゃん1~3「「「のりゃ~っ!≧∀≦」」」ガブウゥッ
ネズミ「ヂュ…ゥッ…!」
アライちゃん達に群がられ、噛みつかれるネズミ。
アライちゃん1「はぐっ!はぐっ!がぶがぶ!」ハグハグ
アライちゃん2「かわをやぶゆのりゃ!がぶがぶっ!」ガブガブ
アライちゃん3「はんぐうぅっ!おにくしゃんでてくゆのりゃあっ!んぐうぃっっ!」グイグイ
ネズミ「ヂュ…」
ネズミの皮膚に噛みつき、食い破ろうとしているアライちゃん達。
アライちゃん1「うゆ!こっからないぞーでてゆのだぁ!」カプッ
アライちゃん2「こっからくいやぶゆのりゃ!」カプッ
アライちゃん3「つよいきばをとくとみよ!」カプッ
72 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 21:43:31.46 ID:QMCLBnTho
そして。
アライちゃん1~3「「「うゆ~っ!」」」バリバリィ
ネズミ「グヂュ…」
ネズミの皮膚を食い破り、肉を露出させたアライちゃん達。
アライちゃん1「おいしそーなおにくなのりゃぁ!」キラキラ
アライちゃん2「たべゆのりゃ~!はむっ!」ガブゥ
アライちゃん3「かみちぎゆのりゃ!ふんぐ~っ!ぶぢぃ!#≧A≦」ブヂブヂィ
アライちゃん達に食べられていくネズミ。
アライちゃん1「はぐっ!はぐっ!もぐもぐっ!))」クッチャクッチャ
アライちゃん2「ん~おいちーのりゃぁあ!))」クッチャクッチャ
アライちゃん3「クッチャ))クッチャ」
凄まじい勢いネズミを貪り、肉を胃袋へ詰め込んでいくアライちゃん達。
余程腹を透かせていたのだろう。
74 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 21:48:49.86 ID:QMCLBnTho
ネズミの骸骨「」カラン
アライちゃん1「げぇーーーっぷぅ!」ゴゲェーップ
アライちゃん2「おいちかったのりゃ~~!」シッポフリフリフリフリフリフリ
アライちゃん3「うお~!げんきのみなもとなのりゃ!おっきくなゆぱわーがみなぎゆのりゃ!」ゲプー
ネズミ肉を食い終わったアライちゃん達は、揚げパンには見向きもせず…
アライちゃん1~3「「「のりゃ!のりゃ!のりゃ~!」」」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ…
…倉庫の外へヨチり去って行った。
ネズミ取り1「」ネズミホネ
ネズミ取り2「」アゲパン
ネズミ取り3「」アゲパン
…罠はまだ2つ残っている。
???「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ
…倉庫の奥から、また何かがヨチり寄って来た 。
78 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 21:55:25.82 ID:QMCLBnTho
パルコアライちゃん「おなかへってしにそうなのら~…」ヨチヨチヨチヨチ グーギュルルー
…何と、ヒルズアライちゃんの娘の生き残り…
真っ白い体のパルコアライちゃんである。
生後三週間で親が死んだというのに、この四ヶ月近くを生き延びていたようだ。
恐らく、そうとう運が良かったのであろう。
パルコアライちゃん「うぅ~たべもの…」グーギュルルー ヨチヨチヨチヨチ
…だが、その運も尽きそうである。
ガリガリに痩せ細っており、今にも栄養失調で死にそうである。
パルコアライちゃん「いいにおいがすゆのりゃ~」ヨチヨチヨチヨチ
パルコアライちゃんは、ネズミ取りの方へヨチり寄る。
81 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:02:03.81 ID:QMCLBnTho
パルコアライちゃん「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ
ヨダレを垂らしながら、揚げパンに突進するパルコアライちゃん。
罠にはさまれたネズミの骨「」グチャァ
パルコアライちゃん「のぁ?」ピタッ
さすがに嫌でも、ネズミの死骸が目に入る。
…何度も言うが、この罠は明らかに配置が悪い。
こんなあからさまに死骸が残る仕掛け方では、アライちゃんどころかネズミでも怪しんで警戒するであろう。
83 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:04:46.67 ID:QMCLBnTho
パルコアライちゃん「…」
だが、パルコアライちゃんは一味違った。
パルコアライちゃん「なのだー」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
臆することなく、ネズミ取りの上へ突撃し…
パルコアライちゃん「はぐっ!」バクゥ
正々堂々と、揚げパンへかぶり付き…
ネズミ取り「」バチィン
パルコアライちゃん「のぎゃあぁぁ!?いぢゃいのりゃあーーっ!」ブチャアァ
そのまま、バネ式の罠に引っ掛かったのであった。
89 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:10:16.53 ID:QMCLBnTho
パルコアライちゃん「びいいぃぃ ぴいいぃぃ、いだいのりゃ、とれないのりゃ」グイグイ ピイイイィイ
罠にかかり、必死にもがくパルコアライちゃん。
だが、生後三ヶ月とはいえ未だヨチラーのパルコアライちゃんでは、力が足りない。
ミシミシとパルコアライちゃんの背中を締め付けるネズミ取り。
パルコアライちゃん「ぎいいぃぃ、びゃああああ、ひぎいいぃぃ」ペタペタ
罠を引き摺って歩こうとするパルコアライちゃん。
だが罠は床にしっかりと固定されており、手足をジタバタやっても逃れることはできない。
パルコアライちゃん「たちゅけて、いだいのりゃ、ぴいいぃぃ、やーなのりゃー」ジタバタジタバタ
いくらエアヨチヨチをしようとも、もはや脱出不可能である。
93 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:15:12.68 ID:QMCLBnTho
揚げパン「」コロン
パルコアライちゃんの目の前には、揚げパンが転がっている。
パルコアライちゃん「のあ、のああああ」ガシッ
手を繋ぐ伸ばし、揚げパンを掴んだ。
パルコアライちゃん「がぶぅ、もぐもぐ」クッチャクッチャ
そして、背中の痛みに耐えながら、必死に揚げパンを貪り食っていく。
パルコアライちゃん「げふー」ゴクン
食い終わったらしい。
パルコアライちゃん「ぴいいぃぃ、おなかいたいいたいのりゃぁあああああああ」ジタバタ ピイイィィ
そりゃあ、ネズミ取りに背中を挟まれた状態でものを食えば…
腹が膨らんで、締め付けは更に強くなって当然であろう。
そのようなことは、パルコアライちゃんにはまるで予想できなかったようだ。
96 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:25:30.50 ID:QMCLBnTho
と、そこへ。
アライさん「はぁはぁ…。チビ達のご飯を探さなきゃなのだ…」ドタドタ
先程よりさらにデカい生き物がやってきた。
この倉庫は、どれだけの害獣が住んでいるのだろうか。
アライさん「ふんふん…なんかいい匂いがするのだぁ!」クンクン
アライさんは、3つめの揚げパンの方へ近寄ってくる。
パルコアライちゃん「のぁあああ、のぁあああ たすけゆのりゃぁ」
必死助けを求めるパルコアライちゃん。
アライさん「ぬぬ?何やってるのだお前」
パルコアライちゃん「これにひっかかったのりゃぁ、たしゅけてなのりゃぁ」グイグイ
ネズミ取りを見せるパルコアライちゃん。
97 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:31:45.37 ID:QMCLBnTho
アライさん「…っていうかお前なんなのだ?何のけものなのだ?」
パッと見、アライグマのフレンズには見えない姿である。
尻尾が短くて丸く、耳は赤くて大きい。
パルコアライちゃん「あらいしゃんはあらいしゃんなのだぁ、はやくたしゅけゆのりゃぁあ」ジタバタ
アライさん「…な、何でアライさんが、よその子を助けなきゃいけないのだ」
パルコアライちゃん「のあー」
アライさん「のあーじゃないのだ!お前を助けたら、その分アライさんのチビの食い物が減るのだぁ!」
パルコアライちゃん「のあー しらないのや、あらいしゃんのききなのりゃぁ」
アライさん「…お前を助けたら、何をしてくれるのだ?」
パルコアライちゃん「のあー、いっぱいごはんたべゆのりゃ、おなかぺこぺこなのあ」グーギュルルー
アライさん「………」
98 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:39:38.63 ID:QMCLBnTho
アライさん「…知ったこっちゃないのだ!勝手にくたばるのだ。アライさんは自分のチビを育てるので精一杯なのだ!」タタッ
パルコアライちゃん「ヒイイィィ ひどいのだ みすてゆなんて」ジタバタ
アライさん「罠に引っ掛かったお前がバカなのだ!」タタッ
アライさんは去って行った。
パルコアライちゃん「うぅ~…」
パルコアライちゃん「あらいしゃんは、いつまでこのいたみにたえつづければいいのりゃ…」
パルコアライちゃん「いやなのりゃいやなのりゃ、やーなのりゃ、まま、ままあぁぁ」ジタバタ
地獄の母親へ助けを求めるパルコアライちゃん。
いくら彼岸の向こうの住人へ助けを呼んでも、差し伸べられるのは地獄へ誘う手ばかりであるというのに。
パルコアライちゃん「まま、まま、まま、たすけゆのりゃ、まーまぁ」ジタバタ
もっとも、こんな小さい頃は、母親に守って貰いながら育つのが当たり前である。
一人でここまで生きてこれたことが、幸運以外の何物でもない。
94 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:18:49.34 ID:QMCLBnTho
パルコアライちゃん「うううぅぅ、このままじゃずっといたいままのりゃああ」ジタバタジタバタ
必死にエアヨチヨチを繰り返すパルコアライちゃん。
どれだけもがこうとも、何も起きない。
だが、それでも諦めず、エアヨチヨチを繰り返すパルコアライちゃん。
何を信じてもがき続けるのであろうか。
まるでひっくり返ったミニカーだ。
きっとエネルギーが切れるまで、そのまま暴れ続けるのであろう。
101 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:46:53.17 ID:QMCLBnTho
突然、ぐいいとネズミ取りの金具が引き上げられる。
パルコアライちゃん「のあ?」ビクッ
パルコアライちゃんの背中を締め付け続けていた圧迫は取り除かれた。
パルコアライちゃん「なんなのあ」クルッ
パルコアライちゃんは、後ろを振り返る。
アライさん「…」グイイイ
パルコアライちゃん「のあー、さっきのあらいしゃんなのあ」
アライさん「…さっさと罠の上からどくのだ!」ゲシィ
パルコアライちゃん「のあああ」ゴロンゴロン
アライさん「ふん」スッ
罠を元に戻すアライさん。
パルコアライちゃん「のあー…」キョトン
先程去ったはずのアライさんが戻って来て、パルコアライちゃんを解放したのであった。
アライさん「…同じ目に会いたくなかったら、そこの3つ目の罠には…」
パルコアライちゃん「ごはんー ぴぎいいいぃぃ」バチィン
3つめの罠に手を挟まれるパルコアライちゃん。
アライさん「人の話を聞くのだあ!」グイイイ
パルコアライちゃん「ぴいいぃぃ」シクシク
またしても救出されたパルコアライちゃん。
105 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:52:07.43 ID:QMCLBnTho
アライさん「いいのだ!?これに懲りたら、もう少し脳ミソ使って生きるのだ!もうアライさんはお前に関わらないのだ!」
パルコアライちゃん「…ま…」
アライさん「何なのだ」
パルコアライちゃん「…ままぁ…」ウルウル
アライさん「のあ…!?」
パルコアライちゃん「のああああ あらいしゃんのみかたしてくれゆのは、ままだけだったのら あいたかったのあ、まま、まーまぁ」グスングスン ヨチヨチ
涙を流し、鼻水を啜りながらアライさんへ這い寄るパルコアライちゃん。
アライさん「ふざけんなのだ!赤の他人に甘えるななのだぁ!」ダッシュ
パルコアライちゃん「まつのだ、まま、まーまぁ」ヨチヨチヨチヨチ
結局、アライさんは、パルコアライちゃんを置いて去って行った。
106 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:55:13.02 ID:QMCLBnTho
パルコアライちゃん「…」
パルコアライちゃん「くんくん ふんふん」クンカクンカ
パルコアライちゃん「こっちなのだー」ヨチヨチヨチヨチ
パルコアライちゃん「のあー」ヨチヨチヨチヨチ
だが、パルコアライちゃんは、アライさんの匂いを辿って追跡を始めた。
107 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 22:55:43.65 ID:QMCLBnTho
続きはあとで
最終更新:2017年11月26日 22:38