アットウィキロゴ

アラアンチと罠とフレンズの涙

665 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 15:06:33.14 ID:dao9Gu34o
…

~森の前~

若い男性2人が、森の前にいる。

アラアンチ1「この森は、確かまだ軍が来てないんだっけ?」

アラアンチ2「らしいな。公式発表はないけど」

アラアンチ1「それじゃあ俺達も、アライ狩りして社会貢献しようぜ!」

アラアンチ2「おうよ!」



…数日後…

アラアンチ1「オークションで買ったぜ、アライさんトラップ!」ジャラッ

アラアンチ2「俺も中古ショップで買ったぜ」ジャラッ

若い男性達は、筒型のトラップを持っていた。
これは通称『アライさんトラップ』。
免許がなければ正規メーカーからは購入できない代物だ。

これは強力なバネ仕掛けになっている。
筒の中の餌を取り出そうとして手を突っ込むと、骨に食い込む程強く手を締め付けるのである。

さらに、仕掛けは鍵を開けなくては解除できないようになっている。

ようは通常のアライグマトラップを、アライさんが手を突っ込めるくらい大きくし、締め付けを強くし、鍵付きにしたものだ。

アラアンチ1「よーし、森に仕掛けに行こうぜー!」スタスタ

アラアンチ2「説明書はばっちり読んだぜ」スタスタ

男性達は、森の奥へ入っていった。
そしてそれぞれ別々に、森の中へ5~6kmの距離をとって罠を仕掛けた。


667 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 15:12:44.12 ID:dao9Gu34o
…翌日…

アラアンチ1「さーて、まずは俺が仕掛けた罠を見に行くか」スタスタ

アラアンチ2「レッツゴー」スタスタ

アラアンチ1が仕掛けた罠の地点に近づくと、やがて声が聞こえてきた。

アラアンチ1「この声は…!」ガサガサ



アライしゃん1「うぐぐぅぅぅーー!いぢゃいいいいーーーーっ!いぢゃいのだあああーーっ!」ビエエエエン ジタバタ

アライしゃんが、罠へ手を突っ込んで、泣き喚いて暴れている。

アラアンチ1「やったぜ!クソガイジだ!」スタスタ

アラアンチ2「小さいやつか」

アラアンチ1は、アライしゃん1へ近寄る。

アライしゃん1「ひ、ひとなのだ!おねがいなのだ、このいたいのとってなのだあああっ!!」ヒグッグスン

アライしゃん1の顔は激痛に歪んでおり、涙と鼻水を流している。


668 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 15:16:23.97 ID:dao9Gu34o
アラアンチ1「助けてほしいか?」ニヤニヤ

アライしゃん「おねがいなのだはやくしてなのだあああああああ!ぅぁああああー!はたけのおやさいわけてやるからああああっ!はやぐうぅっ!」ビエエエエン

アライしゃんは、自分ができる限りのギブ&テイクを提案し、助けを求めている。

一方的な施しのみを要求するアライさんが多い中、取引を提案するアライさんはなかなか稀有である。


669 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 15:30:16.69 ID:dao9Gu34o
アラアンチ2「…」ジー

アラアンチ2は、アラアンチ1とアライしゃん1をビデオカメラで撮影している。

アラアンチ1「じゃあ、地面に這いつくばりな」

アライしゃん1「う…ぅぅ…!はやぐするのだぁ…!」ペタン

アライしゃん1はうつ伏せになる。
右手は罠へ突っ込んだままだ。

アラアンチ1「誰が助けるかよクソバエがぁ!」ドッガァッ

アライしゃん1「ふぎいぃぃぃっ!?」ガスゥ

アラアンチ1は、アライしゃん1の顔面を思い切り蹴り上げた。

アライしゃん1「ぎび、ひいぃぃっ!?なにすゆのだああっ!?いぢゃいのだあああーーっ!」ドクドク

アライしゃん1は、鼻血が出ている鼻を、左手で押さえている。

アラアンチ1「助けてやるよ!産まれながらに背負った害獣のカルマからなああああっ!」グシャア!グシャア!グシャア!

アライしゃん1「ぎびぃいいぃぃっ!やべるのだああああっ!ふぎぃっ!きゅるるるるっ!!」ガスゥガスゥブンブン

アラアンチ1は、アライしゃん1の顔面、後頭部、側頭部、首の付け根などを、全力で蹴り上げ、体重をかけて踏みつける。

アライしゃん1は、左手で必死に引っ掻こうとするが、鋭い爪は弱々しく空を切るばかりだ。

アラアンチ1「アライフットサルだぜェーーッ!!」ドガァドガァ

アライしゃん1「びぎぃ!ぴぎぃっ!やべ、のだっ、のだぁっ!」グシャアドシャァ

アラアンチ2「屋外だけどな」


670 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 15:44:31.37 ID:dao9Gu34o
アライしゃん1「ううぅーーっ!やべろっでいっでるのだあああーっ!ふぎゅるるっ!」バリッ

アライしゃん1の左手のひっかきが、アラアンチ1の右足に当たる。

アラアンチ1「いてっ…!」

引っ掻かれたアラアンチ1のジーンズは、表面に傷が付いた。

アラアンチ1「何しやがる…この…!ド畜生がァーーーッ!!」ドッガァッ

アライしゃん1「の゛だぁああっ!」ゴロン

アラアンチ1の蹴りが、アライしゃん1のこめかみにヒットした。

アライしゃん1「ぎひぃ、た、だずげ、おがーさん!おがーさあああんっ!おえええええっ!げえええっ!」ゲボゲボ ゴロンゴロン

アライしゃん1はゲロを吐き、ゴロゴロ転がった。
脳の一部が傷つき、平衡感覚を失ったのだろうか。

アラアンチ1「ハァハァ…ゲロ吐きやがって、きったねー害獣だな!小便かけてやらぁ!」ジョボボボボボボ

アライしゃん1「ぎびぃぃぃ!や、やべでえええええっ、おかーさん…おええっ…」ビシャビシャ

アライしゃん1は、アラアンチ1の立ちションを顔面に浴びせられた。

アラアンチ2「OK、この角度なら、発射口は映らないな」ジー

アラアンチ2は、アラアンチ1の背中側にまわって撮影している。


673 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 15:52:44.27 ID:dao9Gu34o
アラアンチ1「もういいや、ぶっ殺すか」ダンッ

アライしゃん1「ぎ、ぎひぃ!」グシャア

アラアンチ1は、左足でアライしゃん1の左手を踏んづけた。

これでアライしゃん1は、両手が拘束された。

アライしゃん1「た、たすけて、ください、なのだ、ごめんなさいなのだぁ」ウルウル

アラアンチ1「お?何にごめんなさいしてるんだお前?」

アライしゃん1「おかーさんは…おこってるとき、ごめんなさいすればやめてくれるのだぁ…!おまえもやめるのだぁ…っ!」グスングスン

アラアンチ1「^^;」

アライしゃん1「なにすればいいのだ…?そうなのだ、はたけのおやさい、ぜんぶやるのだぁ!だから…たすけ…」シッポブンブン

アラアンチ1「第一打ァ!」ドグシャア

アライしゃん1「がふっ!」ベギィ

アラアンチ1は、うつ伏せのアライしゃん1の細い首筋を、全力で踏みつけた。


674 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 15:57:49.71 ID:dao9Gu34o
アラアンチ1「二連打ァ!三連打ァ!四連打ァ!」ドグシャアッ ドグシャア ドグシャアッ

アライしゃん1「」ベギィボギィ

アラアンチ1「グォレンダァアアーーッ!」ドグシャア

アライしゃん1「」ボギィ グッタリ

アラアンチ1「ハァハァ…」スッ

アラアンチ1は、アライしゃんの上から足をどかす。

アライしゃん1「」グッタリ

アライしゃん1の首は、変な方向へ折れ曲がっている。

アライしゃん1「」ビグンビグンジタバタビッタンバッタンビグンジタバタ

アラアンチ1「やったぜ、ゴキガイジムーブ!」

アラアンチ2「いい顔頂いたぜ」ジー




688 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 16:45:43.43 ID:fD2mJQFz0
カイザー亮じゃんwww





675 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 16:01:04.36 ID:dao9Gu34o
アライしゃん1「」グッタリ

アラアンチ1「動きが止まったな。鍵外すか」カチャカチャ

アラアンチ1は、アライしゃん1の右手を罠から外した。

アライしゃん1の右手「」ポッキリ

アライしゃん1の右手は骨折しており、締め付けられて鬱血していた。

アラアンチ1「じゃー面倒だけど、死体は回収するか。マナーだしな」ズルズル

アライしゃん1「」ズルズル…

アラアンチ2「おう。次は俺が仕掛けた罠んとこに行こうぜー」スタスタ

アラアンチ達は、アライしゃん1を引きずりながら、次の罠へ向かった。


676 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 16:07:54.14 ID:dao9Gu34o
やがて、昨日罠を仕掛けた方から声が聞こえてくる。

「助けてぇ…だずけてえぇっ…!」

どうやら泣いているようだ。

アラアンチ1「行ってみるか」

アラアンチ2「死骸は後で回収すればいいから、そいつはここに置いといていいぜ。撮影頼むわ」スッ

アラアンチ1「オーケー」スタスタ

アラアンチ達は、声のする方向へ進む。
やがて、罠のガチャガチャという音と、獲物が泣き叫ぶ声がはっきりと聞こえてきた。



獲物「ひぐっ…ぐしゅっ…だずげで…ぐださいっ…」ウルウル

アラアンチ1「…ん?アライさんに似てるけど~…微妙に違うくね?」

アラアンチ2「あー…でも最近、真っ白い突然変異のアライさんが捕まったってニュースで言ってたぜ。こいつもそうかも」


679 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 16:17:30.56 ID:dao9Gu34o
獲物「たっ…たぬきっ…たぬき…だよぉ…!うぅ…!」ポロポロ

獲物のフレンズは、右手を筒へ突っ込んだままそう言った。

アラアンチ2「自称タヌキらしいが…どう思う?服が違うぞ」

アラアンチ1「アラ信から入れ知恵されてるのかも。服も貸し与えられてるんじゃないか?…そうだ、アライさん裁判しようぜ!」

アラアンチ達は、明らかにアライさんとは異なる姿のフレンズが罠にかかって泣いているというのに、
涼しい顔をして、何か話し合っている。

アラアンチ2「そうだな…でも、どうやって?魔女裁判的な感じか?」

アラアンチ1「うーん…どーすっかな。安全に、」

アラアンチ2「…もしアライさん以外の野良フレンズを、暴行したり殺したことが警察にばれら、どうなるんだっけ?」

アラアンチ1「…多分、捕まる」

獲物「っっっ…!」ポロポロ

罠にかかった獲物は、涙を流しながら激痛に必死に耐えているようだ。

アラアンチ2「マジか…。くそ、アライさんのせいで、とんだ災難だ…」


684 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 16:30:19.25 ID:dao9Gu34o
アラアンチ2「…どうしよ…」

獲物「言わないから…誰にも言わないから…!助けてぇっ…これ、外してぇっ…!…ぁあああああああっ…!」ブルブル

アラアンチ1「…とか言ってるけど…どうする?目がつり上がってなくて可愛いし、声もアライさんのカン高いガイジ声と違うぞ…」

アラアンチ1「ここまであからさまに違ったら、例え遺伝子がアライさんだったとしても…!死体を見せた保健所職員に信じて貰えないぞ!?」

アラアンチ2「ごもっともだ…。もし、こいつがアライさんだったら、万事問題ないんだけど…うーん…」

獲物「言わないからああ!誰にも言わないからあああああああっ!!」ヒグッグスッ

アラアンチ1「…って言ってるぞ。信じるか…?」

アラアンチ2「だが、もし別のフレンズだと演技してるアライさんだったら!害獣を野放しにすることになるぞ!」アセアセ

アラアンチ1「…なんかもう、そういうの…軍に任せた方が良くね?今ここで逃がしても、ほんとにアライさんなら軍が駆除するだろ」


687 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 16:42:50.75 ID:dao9Gu34o
アラアンチ2「…分かった。罠を外すか…」カチャカチャ

自称タヌキ「うぅっ…わかって…くれたっ…ありがとうっ…!うぅうっ…!」プルプル

獲物の右手を締め付けていた罠は解錠された。
アラアンチ2は、自称タヌキのフレンズの右手を、筒から引っこ抜いた。

自称タヌキ「あ゛ぁ゛あ゛ぁああああ!ぁあああーーーーーっ!いだい、痛いよぉぉっ…!」ゴロンゴロン

自称タヌキは大声で泣き、右手首を押さえて地面を転げ回った。
その右手首を見れば、骨折して鬱血していることは一目瞭然である。

アラアンチ1「…どうする…?医者に連れてくか…?」

アラアンチ2「いやでも、野良フレンズの治療費は俺が負担することになるからやだなぁ…。それに医者に連れてったら、俺達がやったってバレるぞ」

アラアンチ1「いやいや俺を巻き込むなよ!やったのはお前だろ!なんで連帯責任にしようとしてんだ!?」

アラアンチ2「ああ、すまん。今のはマジで悪かった。俺が悪かっ…」ピタッ

アラアンチ1「…どうした?」

アラアンチ2「いや…悪いのは、罠を仕掛けるそもそもの原因となったアライさんじゃねえか?」

アラアンチ1「…言えてるな…確かに…」

自称タヌキ「うぅっ…!うぅぅっ…!」フラフラ ズキズキ

自称タヌキのフレンズは、右手を押さえながら、森の奥へ去っていく。
アラアンチ達に迷惑をかけまいと心配し、泣き寝入りしようとしているようだ。


691 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 16:55:06.73 ID:dao9Gu34o
タヌキのフレンズ「ぐ…うぅぅっ…」フラフラ

アラアンチ1「…」

アラアンチ2「…」

アラアンチ達は、森の奥へ去っていくタヌキのフレンズを、無言で見送った。
あの姿を見れば、自称とか付けてアライさんじゃないかと怪しむ必要がないことは明らかである。

アラアンチ1「…帰るか…」ガシィ グイグイ…

アライしゃん1「」ズルズル…

アラアンチ2「だな…。そいつを保健所に運んで、報酬貰いに行こうぜ」スタスタ

アラアンチ1「…今回のは、事故だよ」スタスタ

アラアンチ2「ああ。アライさんのせいで、罪のないフレンズが傷付いた…。アライさんは許せん…!」スタスタ

アラアンチ達は、罠とアライしゃん1を回収し、車で保健所へ向かった。

…

~保健所~

職員「…免許はありますか?」

アラアンチ1「無いっす。でも、無免許でもアライさん殺してる人多いし、問題ないですよね?」

職員「…どこで捕まえました?」

アラアンチ1「森ですね!」

職員「…右手に、罠の痕があるようですが…」

アラアンチ1「あ…じ、自作の罠ですよ!自作の!」アセアセ


693 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 16:58:47.63 ID:dao9Gu34o
職員「罠や火器を使ったアライさん狩りは、無免許では違法ですよ」

アラアンチ1&2「「え!?」」

職員「さらに言うと、免許があっても、市街地や農地以外では罠を使ったアライさん狩りは違法です」

アラアンチ1&2「「ええええええええ!!!!??」」

大きな耳の職員フレンズ「…やっちゃったねー…」スタスタ

奥の方から、大きな耳のフレンズ…キツネがやってきた。


696 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 17:07:25.96 ID:dao9Gu34o
アラアンチ1「やばいっ…」タタッ

アラアンチ2「に、逃げ…!」タタッ

キツネ「駄目だよー!はい、お縄っ!」ガバッ

アラアンチ1&2「「ぎゃふん!」」ドサッ

キツネは、逃げる2人の背中へフライング・ボディプレスを放ち、同時に押し倒した。

アラアンチ1はキツネの胸の下敷きに、アラアンチ2はキツネの下腹部の下敷きになった。

アラアンチ1「わ、罠を使ったのは俺だけだ!アラアンチ2は悪くねえ!車運転しただけだ!」ジタバタ

アラアンチ2「そ、そうだ!俺は悪くねえ!」ジタバタ

タヌキのフレンズを罠にかけたアラアンチ2は、アラアンチ1に擁護されている。

キツネ「犯罪に荷担したなら連帯責任だよー。それにもし嘘だったら、偽証罪でさらに刑期は長くなるねー」ムギュムギュ

アラアンチ1「…」
アラアンチ2「…」


アラアンチ1&2「「さーーせんっしたああああー!」」

こうして、アラアンチ1&2はお縄となった。

もっとも…
アラアンチ2は取り調べの際、『罠は仕掛けたが、何もひっからなかった』と偽証した。
結果、タヌキのフレンズの右手首に重症を負わせたことは、その場ではバレなかったようだ。


697 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 17:15:17.91 ID:dao9Gu34o
…

~3日後、森の中~

タヌキ「はぁ、はぁ…お腹、空いた…」ヨタ…ヨタ…

げっそりとしたタヌキが、森をさまよっていた。

破壊された右手首では、ろくに食べ物を取ることができず、
栄養失調になってしまったのである。

タヌキ「あ…食べ物…だ…」フラフラ

タヌキは、木の実を見つけ、それを取りによたよたと向かう。

タヌキ「もう、少しで…」プルプル

タヌキは、木の実に左手を伸ばした。
その時…

アライしゃん2「どくのだー!たあ~!ほい!」ドカァ

タヌキ「きゃあっ…!」ドサッ

アライしゃん2がやってきて、タヌキの背中にタックルした。
タヌキは倒れた際に、反射的に地面に右手を伸ばした。

タヌキの右手首「」グギィ

タヌキ「ぁああああああっ!ああああーー!」ゴロンゴロン

アライしゃん2「やっとみつけたのだ、きのみどろぼーめ!あらいさんがさがしたきのみ、おまえがとってたのだ!」ブチィ

アライしゃん2は、木から木の実をもぎ取りながら言った。


698 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 17:22:46.30 ID:dao9Gu34o
アライしゃん2「おいしいのだ!まんまるきのみ、おいしいのだぁぁ!」シャクシャク

タヌキ「お…願い…。食べ物…くだ…さい…なんでも…するから…」プルプル

アライしゃん2「いやなのだ!これはあらいさんがみつけたのだ!はやいものがちなのだ!じゃくにくきょーしょくなのだ!くっちゃくっちゃ…」クッチャクッチャ

アライしゃん2「げぇーぷ!おいしかったのだぁ!」サスリサスリ

タヌキ「あ、はあ…」

アライしゃん2「おまえはうえじにすればいいのだ!せーぞんきょーそーにまけたじゃくしゃはしぬさだめなのだー!ふはははー!」ヨタヨタ

アライしゃん2は、向こうへ歩いていった。

タヌキ「はぁ、はぁ…」グッタリ

タヌキは森の中で倒れていた。
もう起き上がる体力も無いようだ。

実際のところ、アライさん達が森の食べ物を食い荒らしていたせいで、
タヌキは罠にかかる数日前からろくな食事をとれていなかった。

揚げパンと筒の罠にあっさりかかってしまったのは、飢えで判断力が鈍ったせいもあるだろう。

タヌキ「…死にたく…ない…よぉ…」ハァハァ

タヌキは、一筋の涙をこぼした。


699 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 17:29:58.63 ID:dao9Gu34o
その時。

「うゆ!?なんなのだおまえ!?じゃまなのだ!あっちいくのだぁ!」

「だあああーーっ!!」ドグシャアア

「ぎびいいぃーっ!?いだいのりゃあああーーーーっ!!?おがーしゃーんっ!」ドサァ

「はあっ!」ズバァ

「やべで!しにだぐな…ぴぎぃっひぃいいいいーーーっ!」ブッシャアアアア

…アライしゃん2の悲鳴が聞こえた。

タヌキ「…?」グッタリ

ヒグマ「そこのフレンズ…大丈夫か!?」スタスタ

返り血を浴びたヒグマのフレンズがやってきた。
大分眠そうだが、そんなことを気にしている場合じゃないといったような表情である。

ヒグマ「しっかりしろ!うっ…酷い怪我だ…!」スッ

ヒグマは、タヌキを抱き抱えた。

タヌキ「…だ、れ…?」

隊員1「ヒグマさん、その子は…!?救急隊員とヘラジカさん呼びますか!?」

ヒグマ「急いでくれ早く!」


700 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 17:41:44.83 ID:dao9Gu34o
ヘラジカ「来たぞ!怪我人はそこか!?」ガラガラガラガラガラガラ

無線で通信を入れてから3分とかからずに、ヘラジカが到着した。

ヘラジカは、奇妙な乗り物に乗っていた。
救急車のような外装だが、車輪のかわりにクローラー(キャタピラー)がついている。

そして何より奇妙な点は、車両のどこにもエンジンがついていないことだ。
運転席には、原動機の代わりに自転車のペダルのようなものがついている。

これぞヘラジカ専用に作られた車両、『足こぎキャタピラー救急車』である。

現在国内に存在する中で、最も速いスピードで走行でき、どんな悪路でも問題なく進むことができ、どんな重いものでも運べる、最強の救急車であった。

タヌキ「あ、あ…」

ヘラジカ「今病院に連れていってやるからな!」ガラガラガラガラ…

タヌキは腕に副え木をつけられ、ヘラジカの足こぎ救急車で搬送された。

車両からはちゃんと救急サイレンが鳴っている。
どうやら運転席のペダルは、発電機でもあるらしい。

タヌキ「…さっきの、アライさんは…?」

ヘラジカ「安心しろ!ひ、ヒグマが…倒してくれたぞ!」ガラガラガラガラ…

タヌキ「…殺したんですか…?」

ヘラジカ「…」ガラガラガラガラ…


701 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 17:52:19.71 ID:dao9Gu34o
…

~取調室~

捜査官「お前が罠を仕掛けた森で、右手首を負傷し衰弱したタヌキのフレンズが見つかったようだが」

アラアンチ2「…し、知らないです」

捜査官「手首の怪我は、どう見てもアライさん用の筒罠だったそうだ。お前がやったんだろう!」

アラアンチ2「ぐ、偶然じゃないですか?その…たまたま骨折した傷が似てたのかも!」

捜査官「シラを切るつもりか」

アラアンチ2「そ、その、怪我してたフレンズは、なんか言ってたんですか!?」

捜査官「…。最初は、怪我について喋ろうとしなかった。転んで怪我したと言ってたよ」

アラアンチ2「じ、じゃあ…!」

捜査官「だが、ここで本当のことを喋らなくては、他のフレンズも同じ目に遭うことになるかもしれない。偽証はしないでほしい。と、…そう言ったら…」

捜査官「お前さんの罠にかかったと証言したよ。お前に何度も謝りながらな…」

アラアンチ2「…」

捜査官「…自分が重症を負わせた女の子にかばわれて、情けなくないのか?恥ずかしくないのか?」

アラアンチ2「…俺が、やりました…」

捜査官「…ちゃんと認められたな。なんだ、タマ付いてんじゃないか。もう偽証はすんじゃないぞ」

アラアンチ2「…すいまでんでした…」

結局、アラアンチ2は、タヌキのフレンズを傷付けた報いを受けることになったのであった。


702 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 18:00:15.83 ID:dao9Gu34o
…

森の雪が溶けた頃。
タヌキの手首は無事完治し、森へ帰ることができた。

当然のことだが、マトモな治療が行われた。
怪しい移植手術などは断じて行っていない。

タヌキ「…」スタスタ

タヌキは、久しぶりの森を散策する。

タヌキ「…アライさん達が、いない…」スタスタ

森にあれだけたくさん溢れかえっていたアライさんが、一匹残らず居なくなっていることに気付いたようだ。

タヌキ「…」ツー…

タヌキは、もうどこも痛くないはずなのに…
涙の滴を、ぽろりと溢した。


703 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/25(土) 18:00:42.37 ID:dao9Gu34o
つづく





最終更新:2017年12月02日 22:54