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山小屋のチェックアウトその2

412 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 00:15:38.70 ID:L7iZ2RQLo
…

~サンドスター科学研究所~

実験室アライちゃん1「なのだー」ヨチヨチ

実験室アライしゃん1「たいくつなのだー!みずあそびあきたのだー!」バシャバシャ

大臣「…」スタスタ

会長「…」スタスタ

パーク管理人「…」スタスタ

大臣と会長が、サンドスター科学研究所を訪れた。
檻の中に閉じ込められている、実験用アライさんの側を通りすぎていく。

大臣「シロウ、いますか。シロウ」コンコン

理科の先生「…はい」スタスタ

大臣「…大久野島のアライさんを始末したこと、もう聞いていますか?」

理科の先生「…存じてます。教授にも伝えました」

理科の先生「教授とは、大久野島の駆除決行までにジャパリミン精製が間に合えば、大久野島のアライさん駆除を止めるという契約をしていましたが…」

理科の先生「…タイムオーバーのようですね」

大臣「…あいつの様子はどうですか?」

理科の先生「…」

理科の先生「教授の心は…ぽっきりと折れてしまいました」

パーク管理人「…やっぱりな…こうなったか…」


419 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 00:28:29.76 ID:L7iZ2RQLo
理科の先生「教授がジャパリミンを精製しようとしていた動機は、『フレンズ達みんなが、人と仲良く暮らせるようにするため』と言っていましたが…」

パーク管理人「それは、戸籍持ちと研究機関以外にアライさんの生存を許さない意思を持つお前さんが相手だから、そう言ったんだよ…」

パーク管理人「本当の動機は、どう考えても…『野良アライさん達に投与し、生殖欲求を抑えさせるため』だろう」

パーク管理人「…研究所でアライさんを育て続けてきた目的も、『ジャパリミン精製でその繁殖欲求を抑えられるか実験するため』だったんだろうよ」

理科の先生「…」

会長「…」

理科の先生「教授は今も、自分の為すべきことを為さねばならないと思い、自分を奮い立たせようとしていますが…」

パーク管理人「…あいつには休養が必要だ。今はもう、休ませろ」

会長「…ジャパリミンは、もういいのです。別の方法で、私は自分を抑えることにしたのです」

会長「そのために、ここに来たのです。シロウ」

大臣「…」


422 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 00:34:28.07 ID:L7iZ2RQLo
会長「お前は言ったのです。『人や他のフレンズを襲わないようにするには、心を失うか、力を失うしかない』と」

会長「私の捕食欲求は、本能からくるもの。失楽薬では抑えられないのです」

会長「だから、シロウ。私は、力を失いに、ここへ来たのです」

理科の先生「…分かりました…」

理科の先生「約束通り。『脚が動かなくなる薬』を処方します。朝昼番、毎日1粒飲んでください」

会長「…分かったのです」

理科の先生「前もって言っておきますが、今回投与する薬剤は、定期投薬をやめ、反作用のある別の薬剤を投与することで、無効化できます」

理科の先生「もしも、いつの日か…、教授がジャパリミンを完成させたら、その時…。あなたは、脚の自由を取り戻せるようになります」

会長「…待っているのです」


425 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 00:39:29.19 ID:L7iZ2RQLo
…

~ブラウンPのアトリエ~

ブラウンP「…そうか。教授は…。分かった。連絡ありがとう、シロウ主任」ピッ

ブラウンPは、理科の先生からの電話を切った。

ブラウンP「…」

ブラウンP「まだ、大丈夫…かな…。もう少し…。あと少しで、漫画が完結するんだ…っ」

ブラウンP「だが、もしも、万が一…。私が、誰かを傷つけたくてたまらなくなったら…」

ブラウンP「…私も、シロウ主任…。あなたの所へ、向かいます…」


433 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 00:47:30.16 ID:L7iZ2RQLo
~数ヶ月後、大久野島~

パーク管理人「ここが第3のジャパリパーク。『フレンズパビリオン』だ」

ヤブノウサギ「うーん、ここが…。…男のお客さんと会える機会が減るなら、私はいいかな…」キョロキョロ

ハムスターのフレンズ「広いねー!いいねここー!」ピョコピョコ

セキセイインコのフレンズ「うわー、すっごーい!」バタバタ

ジャパリパークの窮屈さにうんざりしていたフレンズ達が、大久野島へやってきた。

ロッジアライさん達が植えてきた果樹園や様々な自然が、彼女達を出迎えた。

パーク管理人「ああ。これからは、ここで自由に暮らしていいんだ。そして、ここを観光地としてお客さんを招く」

パーク管理人「きっと毎日、退屈しないはずだ」

ハムスターのフレンズ「こんなにいい所を作ってくれた人達には、お礼言わないとね!」

パーク管理人「っ…」

セキセイインコ「会わせて会わせて!ちゃんとお礼言いたいよー!」バサバサ

パーク管理人「…」


447 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 01:00:56.04 ID:L7iZ2RQLo
パーク管理人「…すまないな。それは…できない。諦めてくれっ…」

ハムスターのフレンズ「なんでー!?」

セキセイインコのフレンズ「お願いお願いー!」

パーク管理人「っ…くそ…っ」

パーク管理人「…ここの管制塔にいる、職員達が…作ったっ…」ブルブル

猫のフレンズ「分かった!」

セキセイインコのフレンズ「行ってみようー!」バサバサ

ハムスターのフレンズ「あ、遊び道具がある!お礼言い終わったら、あの土管の中行ってみよーと!」ピョコピョコ

パーク管理人「…くっ…」

パーク管理人「くそったれっ…」

パーク管理人「っ…はは…。あいつらを殺す側に荷担した私には、あいつらを悼む権利もないな…っ」ワナワナ




会長は、2年前の時点ですべての計画を立て…
そして実際に、ロッジ組の抹殺を決行した。

かつてロッジ組が過ごした大久野島は、フレンズパビリオンとして利用された。
これによりたくさんのフレンズが救われ、観光による収益も得られるだろう。
経済的には、『プラス』の結果となった。

もしもロッジアライさん達が大久野島に住めば、その維持にかかるコストだけが費やされていくことになる。
既にゴミパンダヴィランで無くなった以上、アラ虐をビジネス化することも困難だ。
きっとロッジアライさん達は、経済的には『負債』として永遠に居座ることになったであろう。


経済の数字だけを基準として判断するならば、きっと会長の判断は懸命だったのであろう。


しかし。
経済の数字だけを基準として判断することが、本当に良い判断だったのであろうか…?


450 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 01:01:34.02 ID:L7iZ2RQLo
つづく





最終更新:2017年12月04日 22:26