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ゲームの勇者 白のカービ

508 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 09:52:17.49 ID:L7iZ2RQLo
フレンズパビリオンの青々とした自然には、多くの鳥や虫、小動物が住み着いた。

フレンズ達によって丁寧に整備されているからであろう。

そして何より。フレンズ達が来る前に…。

かつてこの島で、木々や草花を植林し、自然を育てた島アライさん達。
その死骸がフリーズドライ加工の後粉砕され、アライ粉肥料として与えられたからであろう。

乾燥されたアライ粉は、嫌気性分解(腐敗)ではなく、好気性分解(発酵)により、
アミノ酸や糖類などの養分となって、植物へ吸収されていった。
いわば、島の植物へアラジビを与えたような感じだ。

島アライさん達は、ゴミとして焼却処分され捨てられたわけではない。
その死体すらも有効に活用されたのであった。

もっとも、そんな扱いは島アライさん達の本来の望みからは遥か遠い。
島の植物へ、島アライさん達の死体活用方法を語って聞かせたとしても、
彼岸の向こうの島アライさん達への供養にはなりはしないであろう。


509 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 10:15:29.66 ID:L7iZ2RQLo
…

~サンドスター科学研究所~

パルコアライサン「ふはははー」ガチャガチャ

携帯ゲーム機「ズダダダダダダ!ギャオー!ヘヴィマスィンガン!バキュキュキュ!!」

パルコアライサン「たのしーのだぁー」ガチャガチャ

携帯ゲーム機「シーユーインヘール!ミッションクリアー!」

パルコアライサン「やったのだー ついにボスを倒したのだぁ ばんざいなのだぁ」

パルコアライさんが、小さな部屋で携帯ゲームで遊んでいる。
だいぶレトロなゲーム機のようだ。

これはかつて教授が、実験用アライさん達が退屈しないようにと思って、研究員に頼んで
中古ゲーム屋で集めてもらったものである。

もっとも、理科の先生が主任として戻って来てからは、
コスト削減のために実験用アライさん達から没収されてしまったようだが。

パルコアライサン「ふははははー」ガチャガチャ


510 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 10:27:26.59 ID:L7iZ2RQLo
ブザー『ビーッビーッビーッ!警報!警報!モンスターが現れました!勇者は直ちにモンスターを排除してください!』

パルコアライサン「のあぁ またモンスターが来たのだぁ」

パルコアライサンは、ゲーム機を置く。

ブザー『モンスターを倒した勇敢な方には、報酬としてシュークリーム5個が与えられます!』

パルコアライサン「シュークリーム!美味しそうなのだぁ 仕方ないのだ 勇者アライさんがやっつけてやるのだ」

やがて、パルコアライサンの部屋の自動ドアが開く。

ボロ服アライさん1「はぁ、はぁ…!」ゴオオオオ

ボロ服アライさん2「お前を殺せば、アライさんはお外で自由になれるのだぁ…!」ギュイイイイイイン

怪獣の体表ようなデザインの安っぽいワンピースと帽子を着けたアライさんが2匹、部屋へ入ってきた。

ボロ服アライさん1はガスバーナーを、
ボロ服アライさん2はチェーンソー持っている。

パルコアライサン「うぬぬー みんなを困らす怪獣どもめー 正義のアライさんがやっつけてやるのだ」ドタドタ

パルコアライサンは、丸腰で立ち向かった。

パルコアライサン「アライさんは最強無敵なのだぁ たあ~」ダッ

パルコアライサンは、2匹の侵入者へタックルを試みた。


511 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 10:36:27.03 ID:L7iZ2RQLo
パルコアライサン「たあ~」ドカッ

ボロ服アライさん2「のあっ!」ドタッ

ボロ服アライさんは、パルコアライサンからタックルを受ける。

ボロ服アライさん2「…」

パルコアライサン「ふははー恐れ入ったか アライさんのパワーは凄いんだぞぉ」

ボロ服アライさん2「こんな弱い奴を殺すだけで外に出られるなんて、楽チンなのだ!」

パルコアライサン「のあ?」

全力タックルしたはずだが、あまり相手にダメージはない。
単純に、筋力や運動神経がパルコアライサンの方が劣っているためである。

ボロ服アライさん2「くたばるのだあああああ!」ギュウイイイイイン

パルコアライサン「ぎびいいいいいいいぃ!ぐぎゃあああああああ!いだいのだああああ!」ブシャアアアバリバリ

ボロ服アライさん2は、パルコアライサンの腹をチェーンソーで切り裂く。

パルコアライサン「げぼぉ いだいのだああああ!アライさんの内臓があぁぁ ひぎいぃぃ」ドボドボ

パルコアライサンは腹部から大量出血し、内臓が飛び出ている。

ボロ服アライさん2「ふっはは、倒せそうなのだぁ!」

パルコアライサン「ふぬぬ…」ガシィ モゾモゾ コスリコスリ

パルコアライサンは、飛び出た内臓を腹の中へ押し込め、傷口を擦っている。

ボロ服アライさん1「そんなんで治るわけないのだ!お前を殺して自由になるのだああ!」ダッ


513 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 10:48:22.71 ID:L7iZ2RQLo
パルコアライサン「治ったのだー」ピカピカガイジガオ

ボロ服アライさん1&2「「のあああ!?」」

パルコアライサン「よくもやったのだ! 知ってるのだ アライさんはものを投げ飛ばすと強いのだぁ」ガシィ

パルコアライサンは、部屋にあった携帯ゲーム機を投げようとして掴む。

パルコアライサン「うぅ でも、これを投げたら壊れるのだ もうゲームで遊べなくなるのだ 困ったのだぁ」

ボロ服アライさん1「隙だらけなのだ!たあ~!」ボウウウウウ

パルコアライサン「びっ…ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!あづいのだあああああああああああーーーーっ!!」メラメラ

ボロ服アライさん1は、ガスバーナーの青い炎をパルコアライサンの背中へ浴びせかける。

パルコアライサンの背中は、みるみるうちに燃えていく。

パルコアライサン「ぎびいぃ!あづいのだああああ!ぐぎゃぁああああああ!!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

パルコアライサンは、必死で逃げ惑う。
たとえ回復能力の高いパルコアライサンといえど、
高熱で背中の細胞を焼かれ、内皮より下の層のタンパク質を凝固させられたら、ひとたまりもない。

パルコアライサン1「やべるのだあああああ!びぎいいいぃ!ママ!ママぁー!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

パルコアライサン1は、必死で逃げ惑うも…

ボロ服アライさん1「今度は腹を丸焼きにしてやるのだ!」ボウウウウウ

パルコアライサン「ぶごぇええええええええええっ!!あぢゅいのだあああああーーーっ!!」メラメラ

今度はガスバーナーで腹の方を焼かれた。


514 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 10:59:44.32 ID:L7iZ2RQLo
パルコアライサン「うぅー!止めるのだ たあ~!」ポイッ

ボロ服アライさん1「のだっ!」コツン

パルコアライサンが投げた携帯ゲーム機がボロ服アライさん1に当たるが…

ボロ服アライさん1「ぜんぜんきかないのだ!」

パルコアライサン「のあぁ?なんでなのだ」

ボロ服アライさん1「だから何なのだ!このまま焼いてやるのだ!」ボウウウウウ

パルコアライサン「ぎびゃああああがああああああ!だずげで!もうやめるのだぁ!死んじゃうのだあああ!アライさんが可哀想なのだぁ!」ボウウウウウ

どんどん火傷は広がっていくパルコアライサン。
なお、ちょっと前についた火傷は、逐次回復し始めている。

ボロ服アライさん1「こいつっ…何なのだぁ!なんで死なないのだ!?」ボウウウウウ

ボロ服アライさん2「ならば首をはねてやるのだ!」ギュイイイイイイン

パルコアライサン「ぐぎぃぃ!そのグルグル痛いから止めるのだあ!ぐすっ…これ以上アライさんを虐めるのはガイジなのだぁ」ジョボボボボ…

パルコアライサンは、身を焼かれる熱さと激痛と恐怖のあまり泣き出し、失禁した。

ボロ服アライさん2「切ってやるのだ!たあー!」ブンッ

パルコアライサン「嫌なのだああああ!」シュウウゥゥ…

パルコアライサンの体が、サンドスターの光に包まれる。


515 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 11:14:21.43 ID:L7iZ2RQLo
パルコアライサン「のああああああーーーー!」ピカアアア

ボロ服アライさん1&2「「のあっ!?」」ビクゥ

野生解放したパルコアライサンの発光の眩しさに、2匹のアライさんは驚き、体勢を崩した。

すると、何故か運よく…

ボロ服アライさん1「いだいのだあああああああ!」ギュイイン バリバリ

ボロ服アライさん2「あづいのだあああああああ!」ボオオウ

体勢を崩したボロ服アライさん1が持っていたバーナーが、2の顔面を焼き。
2が持っていたチェーンソーが、1の腹を切り裂いた。

ボロ服アライさん1「のぎゃあああああああああっ!いだい!いだいのだあああああっ!があああーーっ!」ブシュウウゥ ボタボタ

ボロ服アライさん2「びぎぢぃぃぃいいーーーっ!顔が!アライさんの可愛い可愛いお顔がああーーーっ!」ジタバタ

…あまりにも、不自然なくらいに、パルコアライサンに都合のいい出来事であった。

パルコアライサン「今なら倒せるのだぁ」ムクリ ハァハァ

パルコアライサンは立ち上がる。
既に火傷は完治していた。

パルコアライサン「とどめなのだぁモンスターどもめ アライキック アライパンチ たあ~!」ドガボガァ

野生解放しているパルコアライサンは、倒れて暴れているボロ服アライさん1&2に、キックとパンチを浴びせた。

パルコアライサン「完全勝利なのだぁ」


517 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 11:26:03.79 ID:L7iZ2RQLo
ボロ服アライさん1&2「「治ったのだー!」」ムクリ

パルコアライサン「うええぇー!?」ビクゥ

パルコアライサンに殴られた途端、ボロ服アライさん達の火傷と傷が治った。

パルコアライサン「なんなのだ いつもいつも アライさんがとどめを刺そうとすると お前達はなんで体が治るのだ 理不尽なのだあぁ」

どうやら、この『モンスターの襲撃』は、過去に何度も行われているらしい。
その度にこの現象が起こっているようだ。

ボロ服アライさん1「よく分からないけど!これであいつを倒せるのだぁ!」ボウウウウウ

パルコアライサン「ぎびいぃぃ!あづいいい!やめるのだあああ!たあー」ガシィ ポイーッ

パルコアライサンは、携帯ゲーム機を掴み、ボロ服アライさん1へ投げた。

ボロ服アライさん1「きかないって言ってるのだぁ!」コツン ボウウウウウ

パルコアライサンが投げた携帯ゲーム機がぶつかっても、ボロ服アライさん1はびくともしなかった。

パルコアライサン「ひ、ひいいぃぃ!なんでなのだあああ!」


518 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 11:37:26.35 ID:L7iZ2RQLo
パルコアライサン「ひぃ、ひいいぃぃ!もうたくさんなのだぁ 逃げるのだぁ!」ドタドタ

ガスバーナーで炙り続けられるパルコアライサンは、『モンスター』2匹が入ってきた自動ドアへ走った。

ボロ服アライさん1「こいつ!」

ボロ服アライさん2「アライさんの自由のために死ぬのだああ!」

パルコアライサン「のあっ、開かないのだぁ!?」グイグイ

しかし自動ドアは開かない。

ボロ服アライさん1「開くわけないのだ!とっとと焼け死ねなのだ!」ボウウウウウ

パルコアライサン「開けなのだぁ!だあああ!」バゴン

自動ドアは、パルコアライサンに破壊された。

ボロ服アライさん1&2「「!?」」

パルコアライサン「壊れたのだ!これで逃げられるのだ!」ポイッ

パルコアライサンは、壊した邪魔なドアをどかすために、部屋の中へ投げ入れた。


520 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 11:43:07.14 ID:L7iZ2RQLo
ボロ服アライさん2「逃がさないのだ!切り殺してやるのだ!たあ~」ドタドタ ギュイイイイイイン

投げられがドアは、猛スピードへ飛んでいき…

ボロ服アライさん1「ぐぼげええぇ!」グシャボギィ

ボロ服アライさん2「ぶぢぃ!」ブシャアアバラバラ

…ボロ服アライさん達を押し潰し、体をバラバラに引き裂いた。

パルコアライサン「逃げるのだああああ」ドタドタドタドタ…

背後で既にモンスター2体が死んでいるとも知らず、パルコアライサンは廊下を疾走した。


521 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 11:55:13.05 ID:L7iZ2RQLo
ブザー『おめでとうございます勇者アライ様。モンスターは無事あなたが倒しました。報酬として、お部屋へシュークリームを5個置いておきます』

パルコアライサン「のあ!?」

パルコアライサンは、部屋に戻った。

ボロ服アライさん1の死骸「」グチャ

ボロ服アライさんの死骸2「」ボロォ

パルコアライサン「死んでるのだ…」チラッ

部屋には既にシュークリームが5個あった。

パルコアライサン「おやつなのだ!食べるのだ」ムシャムシャ

パルコアライサン「くっちゃくっちゃ ぐっちゃぐっちゃ…」クッチャクッチャ

パルコアライサンは、シュークリームを口を開けて音を出しながら食べた。

パルコアライサン「美味しいのだぁ」クッチャクッチャ

…部屋への侵入者を倒しても、パルコアライサンの体からEXP取得の光は発せられなかった。

パルコアライサン「ゲェップゥ 食べ終わったのだ もっとおやつ欲しいのだぁ」

ブザー『では、モンスター襲撃現場の後片付けをしたら、追加でシュークリームを1個あげましょう』

パルコアライサン「うぬぬ~ めんどくさいのだ でもおやつのためなのだ…」ゴソゴソ

パルコアライサンは、部屋の片付けを始めた。


529 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 12:24:58.41 ID:L7iZ2RQLo
~実験監視室~

理科の先生「これまで実験で、あの白いアライさんについて様々なことが分かりましたね」

白衣のフレンズ「はい」

理科の先生「1つ。知能が…平均レベルよりも低い。さらに通常の状態では、レベル65513にも関わらず、運動能力も平均的なアライさんより劣っている」

白衣のフレンズ「…過去幾度も実験でアライさんを殺しているのに、レベルが上がりませんね」

理科の先生「レベルを1上げるのに必要なEXPは、レベルが上がる程どんどん増していきます。そのためでしょう」

理科の先生「2つ。切り裂かれても、焼かれても、すぐに肉体が治癒する。野生解放するとさらに治癒力と防御力が増す」

理科の先生「3つ。野生解放状態では、素手だろうと物を投げようと、自分から攻撃の意図をもって他の生き物や物体を破壊したり、ダメージを与えることができない」

理科の先生「むしろ、相手が生物の場合、なぜか相手に治癒効果が現れます」

白衣のフレンズ「ドアを壊したときは?」

理科の先生「あれは破壊や攻撃の意思がなく、開けようとしていただけのようですね」

白衣のフレンズ「…そして、4つ目」

理科の先生「はい。4つ目は…。野生解放状態のときに、『無生物に対し、攻撃の意思を持たずに叩いたり力を加えると、異常な破壊力が出る』ということです」

白衣のフレンズ「我々が使う、『カプセルドローン』は…。これらの条件では、『生物』として認識されているようですね」チラッ

カプセルドローン「<● >」ギョロギョロ…


530 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 12:43:29.10 ID:L7iZ2RQLo
理科の先生「しかし、この実験。うまくデータを取得できた上に、『白アライさんを敵に回さないこと』という制約まで守れていますね」

白衣のフレンズ「はい。白アライさんをゲーム漬けにして、命にかかわる実験を『モンスター退治』という名目で行い、実験後は『勇者様』と誉め称え、お菓子で報酬を与える…」

白衣のフレンズ「それによって、白アライさんは自らを勇者様だと信じ込み、生死に関わる実験に没頭するようになる。殺すのも殺されるのも、ゲーム感覚で行うようになる」

白衣のフレンズ「…この実験を思い付いた、彼…チヘドロー氏は、本当に恐ろしい男…。まるで化け物ですね」

理科の先生「…彼は研究者としての粘り強さは欠けますが、こういう突拍子のない発想力には驚かされます」

白衣のフレンズ「きっとこういうのは、彼がデスゲーム運営でやっていた…ある意味得意分野なのでしょうね」

理科の先生「彼には毎回、実験のビデオを送っています。現象の解明のために、知見をお借りしています」

白衣のフレンズ「…多分ですけど。チヘドロー氏は、そのビデオを娯楽として観賞してますよ」

理科の先生「そんな馬鹿な…。…いえ、あり得ますね」

白衣のフレンズ「それが目当て、くらいあり得ると思いますよ」


531 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 12:50:12.54 ID:L7iZ2RQLo
理科の先生「あと、彼からはハンディタイプのサンドスターレーダーを返却してもらいました」

白衣のフレンズ「…変なことに使ってなかったでしょうね…?」ジトー

理科の先生「まあ、彼はもうジャーナリストでなくセールスマンになるとのことですし。必要ないでしょう」

理科の先生「衛星からの情報へのアクセス権も、彼には付与していません。猟師でも軍人でもありませんしね」

白衣のフレンズ「変なことっていうのは。その…レーダーを複製したりとか…」

理科の先生「やろうとしても無理でしょう。そもそも原材料が、我々の研究所にしか有りませんからね」

白衣のフレンズ「…ですよね」


538 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 16:09:54.83 ID:VZjgYre/O
白衣のフレンズ「しかしあの白アライさん、やたら運がいいのが気になりますね」

理科の先生「はい…。先程も、眩しさに驚いた2匹の敵が、都合よく武器を落として互いを攻撃し合う結果となりました」

理科の先生「これまでの実験でも同様に、まわりが偶然白アライさんを救うことがありました」

白衣のフレンズ「レベルで65513になっているせいで、ひょっとしたら運勢が良くなっているのかも!」

理科の先生「…あなたは、運の存在を信じているのですか?」

白衣のフレンズ「え…」

理科の先生「私は『運』というものを信じません。この世の出来事は全て決定論的な必然。厳密な意味での『偶然』はあり得ない。神はサイコロを振らない、と考えています」

白衣のフレンズ「カオス理論ですか。…今ここでベルの不等式とかの話を持ち出すのは野暮ですね。続けて下さい」

理科の先生「はい。…しかし、確実に運勢…つまり、『白アライさんにとって、有利な未来が選択される確率』は上がっています」

理科の先生「運確率というのはあくまで『メカニズムが不明確な事象を、統計データに基づき、起こりうる結果を推定する』というものに過ぎません」

理科の先生「故に、もしもフレンズのレベルが、運勢に何らかの作用を及ぼすのであれば…」

理科の先生「それはフレンズが、大変な存在ということに他なりません」

白衣のフレンズ「大変な存在…!?」


540 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 16:19:51.22 ID:VZjgYre/O
理科の先生「はい。それはつまりレベルの高いフレンズは…」

理科の先生「自分にとって有利な事象が発生するように、無意識のうちに『確率』の裏にある『決定論的ダイナミクス』を瞬時に解析し、そこに手を加え改変している…ということになります」

理科の先生「先程の例でいえば、白アライさんは、2匹の敵の脳へ…『思考』へ僅かな改変を加え、『同士討ち』が起こるような行動を取るように仕向けた、ということになります。…無論、無意識のうちに」

白衣のフレンズ「…まるでラプラスの悪魔ですね。それも、改変までしてくるとは…」

理科の先生「あの、ちょっと言わせて貰いますが…。カオス理論とか、ベルの不等式とか、ラプラスの悪魔とか、そういうネットで調べれば出てきそうなワードを軽々しく口に出すのはやめた方がいいですよ」

白衣のフレンズ「そうですか?」

理科の先生「はい。我々科学は、そういう言い回しにどうにも神経が逆撫でされる傾向がありまして」

白衣のフレンズ「…端的に言うと、『ムカつく』と?」

理科の先生「…ご理解頂けて助かります」

白衣のフレンズ「…まあ、イタいですからね。自重しておきます」


542 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 16:27:34.49 ID:VZjgYre/O
理科の先生「ともかく。フレンズは、そういう領域で、周囲の人物の思考やこの世界そのものに、改変ができる存在、ということです」

白衣のフレンズ「…」

理科の先生「思えば、サンドスターによって生まれたフレンズ達。彼女達のけものプラズム製の衣類もまた、あまりにも我々の人類史や経済活動の中で生まれた人間の衣服に酷似している」

理科の先生「ともすれば、衣服の生成ダイナミクスには、確実に人類史で生まれた衣服がリファレンスデータとして取り込まれていることになります」

白衣のフレンズ「…フレンズって…何なんでしょうね…」

理科の先生「…それを調べるのが、我々の役目です」

白衣のフレンズ「気が遠くなるような話ですね」

理科の先生「はい。だが私達には責任があります。私が『理科の先生』に戻れる日は…まだまだ先になりそうですね…」

白衣のフレンズ「…」






最終更新:2017年12月04日 22:31