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駆除対象 残り5匹

133 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/23(土) 23:19:24.95 ID:C/plAi9YO
…

…深夜。

森の前に、御手洗が向かってきた。
子供達をリュックに入れて。

…風が吹いている。

アライさん「…この森なら、幸せになれそうな気がするのだ…」スタスタ

御手洗には、けものプラズムの手足が構成されている。

アライちゃん3「おかーしゃ?どーちたのりゃ?へねっくしゃんは?」キョロキョロ

アライさん「…ちび達。今日からは、この森で暮らすのだ…。人に会わないようにして…」スタスタ

アライさん「こっそり…ひっそり、暮らすのだ…」スタスタ

御手洗は、森へ入ろうとする。




「おや、こんな遅くにどうしました?」



アライさん「…!?誰なのだ!!」クルッ




黒衣のフレンズ「危ないですよ?この森には…猛獣である、アライグマが残っているそうです」バサッバサッ

…黒いコートを風になびかせながら。
一斉掃討中に、『白衣のフレンズ』と名乗っていた彼女が言った。


138 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/23(土) 23:25:48.67 ID:C/plAi9YO
アライさん「だ…誰なのだ…?お前…」

黒衣のフレンズ「只のフレンズですよ。それより、この森へ何をしに?」

アライさん「…あ、アライさんは、敵に追われてるのだ…!だから、ここで暮らすのだ…!」

アライちゃん2「おかーしゃ!!おうちかえりゃないのか!?」コスリコスリ

黒衣のフレンズ「…なぜこの森を選んだのです?」

アライさん「…何となく、幸せになれそうな気がしたのだ」

黒衣のフレンズ「…そうですか。では、どうぞ」

アライさん「ここにアライさんが来たことは…黙っておいてほしいのだ」スタスタ

黒衣のフレンズ「…」



ガキィンと、金属の弾ける音が鳴った。

アライさん「…何のつもりなのだ…」ブルブル

御手洗は、杖で防御している…

黒衣のフレンズ「おや。今ので肝臓を貫くつもりだったのですが」ワキワキ

…黒衣のフレンズが持つ、カプセルドローンの触手の一撃を。


142 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/23(土) 23:31:30.43 ID:C/plAi9YO
アライさん「アライさんを…殺す気なのか!?」

黒衣のフレンズ「ええ、そうです。かつて、あなたの同族達が、私の原種を滅ぼしたときのように」

黒衣のフレンズ「貴女たちアライさんを、一匹残らず絶滅させるつもりです」

アライさん「…まさか、実験用のアライさん達を殺したのは…!」

黒衣のフレンズ「私は餌やり係なので」

アライさん「…チビ達、ここから出ちゃだめなのだ」スッ

御手洗は、子供達を入れたリュックを置いた。

アライちゃん1「おかーしゃ!けんかすゆのか!よくないのりゃ!」

アライさん「これは…戦いっていうのだ」

黒衣のフレンズ「いいえ…」



黒衣のフレンズ「『害獣駆除』というのです」ドヒュヒュヒュゥンッ


黒衣のフレンズが、御手洗へカプセルドローンの触手針を伸ばす。

アライさん「たあー!」シャキッ ガキィンガキィン

…御手洗は杖の先端の鞘をはずし、槍の刃を出して応戦した。


147 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/23(土) 23:42:10.43 ID:C/plAi9YO
黒衣のフレンズ「知っていますよ!我々フレンズは、原種の気配を感じる力があると!」シュババァァ

アライさん「ぐうぅっ!だああ!」ガキィンガキィン

黒衣のフレンズ「あなたは原種アライグマの気配を感じたから、ここへ来たのでしょう!?幸せになれそうな気がするのがそれです!」ドシュゥッ

アライさん「ぐ、うっ…そんなの知らないのだあ!だああー!」ガキィィン

黒衣のフレンズ「あなたをこの森へ入れたら!再びアライグマと交尾し!あなたの高いレベルを受け継いだ子供が繁殖する!」ドシュゥッ

アライさん「くっ…!む、みやみに子作りしないように、言うのだぁ!」ガキィィン

黒衣のフレンズ「あなたの言い伝えは!やがて忘れ去られる!そしてやがて子孫の子孫の子孫が畑を荒らし、人を襲う!」シュバアアッ

アライさん「お前がアライさんを攻撃しなければ!家に帰るのだああっ!」ガキィィン

黒衣のフレンズ「攻撃を止めるものですか!あなた達も、私の原種への攻撃を止めなかった!」ドシュシュゥッ

黒衣のフレンズ「私は、生態調査のために!日本中の森を渡りましたが…!」

黒衣のフレンズ「原種の気配は!無かったッ!」ズガァッ

アライさん「ぐぅっ!」ビシィ

カプセルドローンの鞭が、御手洗の肌を叩く。


151 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/23(土) 23:48:28.40 ID:C/plAi9YO
アライさん「だからって…!こんな事して何になるのだぁ!だあ~っ!」ビュビュンッ

黒衣のフレンズ「何になるですって!?ふざけたことをッ!貴女達アライさんの頭で理解できることではありませんッ!」ガキィン

アライさん「もういいから…!」ズパァッ

御手洗の槍が、カプセルドローンの触手を切り落とした。

アライさん「アライさんを…放っておくのだああっ!」ドガァッ

黒衣のフレンズ「ぐっ!」

御手洗は、槍の刃の腹で、黒衣のフレンズの腹部を叩いた。

アライさん「終わりなのだ!今ので刺していれば、お前は死んでいたのだ!もうアライさんの勝ちなのだ!」ハァハァ

黒衣のフレンズ「…」

流石はレベル41のフレンズ。
日本列島で産まれたフレンズに、そう簡単には負けないようだ。


154 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/23(土) 23:53:32.15 ID:C/plAi9YO
アライさん「お前は知らないだろうけど…!アライさんは、親の言いつけを守るのだ!」ハァハァ

アライさん「アライさんは見たのだ…山の奥で!きちんと親の言いつけを守って!畑を襲わずに、むやみに子供を産まずに!助け合って生きているアライさん達を!」

アライさん「そいつらは!子供が飢え死にしても畑に入らなかった!アライさんが会ったとき、食べ物を分けてくれた!」ハァハァ

アライさん「アライさんの子供達も…そんな風に育ててみせるのだぁ!」ハァハァ

黒衣のフレンズ「そのアライさん達は、どうしたのです?」

アライさん「…アライさんが、この手で殺したのだ…」

黒衣のフレンズ「いい判断です。…今ここでも、その判断を見習わせていただきましょう」

アライさん「往生際が悪いのだ!もう武器が壊れて!武術でもお前は負けたのだっ!」ハァハァ


156 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/23(土) 23:56:54.38 ID:C/plAi9YO
アライさん「お前は…生存競争に負けた!そんなの!逆恨みなのだああっ!」シュバッ

御手洗は、黒衣のフレンズの太腿へ槍をつき出した。

黒衣のフレンズ「…」



黒衣のフレンズ「分かっていますよ」ガシィ

アライさん「のあっ…!?」



黒衣のフレンズは、御手洗の槍を素手で握り…


黒衣のフレンズ「それで納得しろと?負け犬になれと?…勝者に敗者の気持ちは分からないッ!」バキィンッ

アライさん「のだっ…!?」


…槍をへし折った。


160 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/24(日) 00:00:29.43 ID:mMfTbjngO
黒衣のフレンズ「あなた達、勝った者は!敗者は黙って死んでいろと言うのでしょうッ!」ブンッ

黒衣のフレンズ「死んだ仲間の無念…!晴らさずにいられるものですかッ!!」ザグゥウウッ

アライさん「いだいのだああああっ!」グサアアッ

御手洗の太腿に、槍が刺し返された。


166 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/24(日) 00:05:53.96 ID:mMfTbjngO
アライさん「ぐぅっ…!のだああっ!」バッ

御手洗は、爪で引っ掻こうとして襲い掛かる。

黒衣のフレンズ「無駄です!」ズパァッ

黒衣のフレンズは、手刀で御手洗の光の右腕を切り離した。

アライさん「な…あ…!?」

黒衣のフレンズ「あなた程度のレベル…!」ズバァッ

アライさん「ぐぎいぃっ!」

御手洗の左腕が切り落とされ、消えた。

黒衣のフレンズ「超えているのですよッ!」ズパァッ

アライさん「あぎゃあああっ!!」

御手洗の右脚が吹き飛び、光の粒となって消えた。

黒衣のフレンズ「勝ったと思いましたか?再びッ!あのときのようにッ!」ズバァッ

アライさん「うぎゃああああがあああっ!」ドサッ

…とうとう、御手洗の手足が切断された。


170 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/24(日) 00:14:22.03 ID:mMfTbjngO
黒衣のフレンズ「あの白アライさん…。毒殺した時、非常に豊富なEXPが得られました。膨大レベルアップができましたよ」ツカツカ

黒衣のフレンズ「脳を食べれもっとレベルが上がったかもしれませんね…。きっと彼女は、私のレベル上げのために命を授かったのでしょう」ピタッ

アライさん「あ、ぁあああ…」ブルブル

御手洗は、今はもう手足を生やせないようだ。

黒衣のフレンズ「これがアラ虐ですか。ちっとも楽しくありませんね…チヘドローさんの感覚は理解できません」

黒衣のフレンズが、御手洗のリュックへ近付く。

アライちゃん1「こないでなのりゃああ!」ブルブル
アライちゃん2「おかーしゃんはなぁ!いだいなんだぞぉ!」フゥウーッ
アライちゃん3「もうやめゆのりゃああ!ぴいいいいぃーーっ!」ビエエエエンッ
アライちゃん4「おかーしゃんをいじめゆなあっ!」フシャアアッ

御手洗の子供達が、リュックから出てきた。

アライさん「ち、チビ!…う、うぅ…!」



アライさん「逃げるのだぁっ!アライさんの分まで、生きるのだぁっ!」


180 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/24(日) 00:22:12.11 ID:mMfTbjngO
アライさん「アライさんはもうダメなのだ!せめて…お前達だけでも生き延びるのだあ!」シッポブンブン

手足のないアライさんは言う。

黒衣のフレンズ「逃がすと思いますか?害獣の子供を」ザッ

アライちゃん1「お、おがー…しゃんっ…!そだててくれてありがとーなのりゃあっ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん2「おかーしゃんのぶんまでいきゆのりゃーーっ!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん3「ぴいいぃぃーっ!おっきくなって!ぜったいあだうちすゆのりゃあ!ふくしゅーすゆのりゃあっ!」ヨチヨチヨチヨチ

3人の、戸籍を持ち住民登録も済んだアライちゃん達が、森へ逃げようとした。

アライちゃん4「うゆぅーっ!にげゆもんかあああーーーっ!おまえなんかぶっこよちてやゆのりゃああっ!きゅるるるるるぅぅっ!」ヨチヨチヨチヨチシッポブンブン

…しかし、1人だけは、逆に黒衣のフレンズへ立ち向かってきた。

アライさん「チビ!馬鹿、逃げるのだぁっ!」

アライちゃん4「ふしゃああああっ!きゅうるるうっ!おがーしゃんをはなせええええっ!」ヨチヨチヨチヨチ ガブゥ

アライちゃん4は、黒衣のフレンズの脚へ噛みつく。

アライちゃん4「はぐうぅっ!がぶがぶぅぅっ!ふぅーっ!ふしゅううーーっ!」バリバリ

…そして、爪で黒衣のフレンズの脚を引っ掻いている。


183 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/24(日) 00:32:05.59 ID:mMfTbjngO
黒衣のフレンズ「…」ゲシィ

アライちゃん4「ぴぃっ!」ポテッ

…しかし、いくら御手洗の高いレベルを継承していようとも。
この体格差は覆せない。

アライさん「ちびいいいぃっ!ふぐうううぅぅーっ!はえろおおおおおっ!アライさんの手足っ!生えろおおおーーーっ!ふんぐーーーっ!」シッポブンブンブンブンブンブン

アライちゃん4「ぴぃぃぃーーーっ!いぢゃいのりゃああーーーっ!のぁああーーーんっ!のぉぉーーーぁああーーーんっ!」ピイイィィ

黒衣のフレンズ「かつて私の兄妹たちも、このように果敢に戦い…負けました」ガシィ

黒衣のフレンズは、アライちゃん4の頭を掴んで持ち上げる。

アライちゃん4「ぎびいいいいいいいいいいいいいーーーーーーっ!くびいいいいいーーーっ!くびいぢゃいのりゃあああああーーーっ!」ジタバタ

この小ささのアライちゃんは、まだ完全に首がすわっていない。
そのため、このように頭を掴んで持ち上げる行為は、アライちゃんの首へ大きなダメージを与える、極めて危険な行為だ。

アライさん「やめるのだああああああっ!アライさんを殺していいから!チビだけはあああっ!」

黒衣のフレンズ「何を言っているのです?皆殺しですよ。逃げた子供もレーダーで追って殺します」ニギニギ

アライさん「レーダー…!?お、お前…!そもそも、何でアライさんの居場所が分かったのだぁ!」

黒衣のフレンズ「おや。あなたは清掃員だから、レーダーの存在は知らなかったのでしたね」スッ

黒衣のフレンズは、携帯電話を取り出し、パークキーパー信号受信アプリを起動する。


185 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/24(日) 00:39:37.05 ID:mMfTbjngO
黒衣のフレンズ「私のアプリは改造済みです。たとえシロウ主任でも、私のアクセス権は剥奪できな…」ピタッ

黒衣のフレンズ「…!?これは…。反応がない…!?」

アライさん「…?」

黒衣のフレンズ「受信できない…というよりも…」

黒衣のフレンズ「パークキーパーが、信号を発信していない」

黒衣のフレンズ「…まさか」ガシィ

アライちゃん4「ぎびゅぃいいいいいいい!ぐげえええええっ!おがあーーーしゃあああーーーんっ!だぢゅげでえええーーーーっ!」シッポブンブンブンブン

その時。

上空から、なにかが飛んできて…
アライちゃん4を抱えあげている、黒衣のフレンズの右腕にぶつかった。

黒衣のフレンズ「ぐっ!?」ビシュゥッ

アライちゃん4「ぴいいぃぃーっ!」ヒューッ

アライちゃん4は、落下して…

黒いゼリー状物質「」ブニュンッ

アライちゃん4「のりゃっ!」ムニィ

…放たれた黒いゼリー状物質がクッションとなって、受け止められた。

黒衣のフレンズ「…まさか…!」チラッ

黒衣のフレンズは、上空を見上げる。


187 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/24(日) 00:46:55.01 ID:mMfTbjngO
上空から飛んできたのは…






パークキーパー「#< ●>< ●> < ●> < ●> < ●> < ●>」シュゴオオオオオオォーーーッ


…144個の目のようなパーツがずらりと並んだ、正十二面体の飛行物体。

それが、黒衣のフレンズめがけて、上空から突っ込んできたのであった。


黒衣のフレンズ「これはッ!バカなっ
ッ!パークキーパー!?サンドスタージェットを使ったのですか…教授ッ!!」

黒衣のフレンズ「こんな…!こんなフレンズ1匹のためにッ!フレンズ省にも秘密の、研究所の切り札を使ったと!?」

やがて、パークキーパーの正十二面のボディがぱかっと展開し…

…内部の、黒いゼリー状の部分が露出した。


黒衣のフレンズ「教授…とうとうッ!狂いましたねッ!!」

パークキーパー「#< ●>」ギュルルルルッ

パークキーパーは、黒い部分をドリルのように変形させ、黒衣のフレンズ目掛けて降下した。





最終更新:2017年12月25日 23:13