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女子中学生VSアライさんー夕食

777 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 1f1d-e9pC)[sage] 投稿日:2018/02/15(木) 23:32:39.73 ID:0zcumOgP0 [8/11]
女子中学生 VS アライさん 夕食


私「アライさんと夕食を食べようと思うの」

メイド「お嬢様ついに頭が…これもメイドである私の責任です…」

私「待って、ちゃんと考えがあるから泣きながら包丁を向けないで」

私は図書館で借りてきた本をメイドに見せた。それは何の変哲もない植物図鑑。

私「来月パーティーがあるじゃない。なんとか工業の社長さんの。お土産にアライさんの剥製を持って行こうと思うんだけど」

メイド「それなら注射とかでチューっとやっちゃえば良いんじゃないんですか?」

私「そんな都合の良い毒薬を私が持ってるわけないでしょ。」

メイド「お嬢様なら持ってると思ってました。それで、どうやってアライさんを傷つけずに殺すおつもりで?」

私「アライさんを食事で殺すのよ。アライさんの死ぬ様を見ながら夕食を食べるわけ。」

メイド「なるほど毒を混ぜるわけですね。」

私は首を横に振る。当然そんなつまらないことはしない。

私「いいえ、私はアライさんと同じメニューを食べて、アライさんだけ殺すの。じゃあこのメニューでよろしく。私は剥製映えのするアライさんを探してくるわ。」

メイド「ちょっとまってください。これ今手に入りませんよ?」

私「科学の力ってすごいのね。この時期でも手に入るって聞いて注文しておいたわ。今日クール便で届くから。それじゃ」

私はメイドにメニューのメモを渡すと。剥製用のアライさんを探しに出かけることにした。


とはいったものの剥製映えしそうなアライさんは中々いない。出来れば成体ですらっとしてて大きな怪我をしていないアライさんがいいのだが。
田舎ならともかく、都会では交通事故や残飯漁りで店の人に殴られたりしてしっぽや耳が欠けているアライさんもいるのだ。
しばらくアライさん漁りをしていると自動販売機の横にあるゴミ箱をあさっているアライさんを見つけた。どうやらジュースの飲み残しをあさっているようだ。

アライさん「ふはははは、この場所はあたりなのだ!コーヒーとかいうまずい飲み物じゃなくて、コーラがいっぱい残ってるのだジュルジュルジュル」

アライさんは飲み残されたコーラをなめとりながら次々と空きペットボトルを外に散らかしていく。両耳がそろっていて、しっぽもある。しかも最近成体になったアライさんらしく毛並みもつやつやしている。
さらに運が良い事に、このアライさん残飯漁りをしていならいしく体も他のアライさんに比べれば清潔そうに見える。よし、このアライさんにしよう。
私はアライさんに近づくとできるだけ笑顔で話しかけた。

私「アライさん。散らかしたらだめだよ」

アライさんがこっちを向く。顔中ジュースまみれでベタベタだ。特に口の周りがひどい。

アライさん「何かアライさんに用があるのだ?」

私「アライさんお腹空いてない?」

アライさん「空いてるのだ。アライさんは最近大人になってすばなれしたのだ。ちょっと前まではお母さんが色々持ってきてくれたのだが、これからはアライさんひとりでやっていかなければならないのだ。」

私「そういう事なら私の家で何か食べる?アライさんは特別なアライさんだから、私が招待するよ。」

アライさん「なに!アライさんは特別なアライさんなのだ?」ピカピカガイジ顔

そう特別なアライさんなのだ。しかしアライさんは少し考えるとペットボトルをこっちに投げつけてきた。

アライさん「しかしそうはいかないのだ!どうせアライさんに毒を食べさせるつもりなのだ!」

私「特別なアライさんにそんなことはしないよ。アライさんの食べる料理は私も食べる。取り分けて食べるの。」

アライさんはおだてに弱い。特に自分が褒め称えられる事に弱いのだ。アライさんはピカピカガイジ顔を浮かべて私を指さした。

アライさん「わかったのだ!とくべつなアライさんをでぃなーにしょうたいするのだちっちゃい奴」

私「はーいではこちらにどうぞ特別なアライさん。私の家にご招待いたします。」

振り返った私の姿がショーウィンドウに映る。その顔は満面の笑顔だった。

778 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 1f1d-e9pC)[sage] 投稿日:2018/02/15(木) 23:33:40.91 ID:0zcumOgP0 [9/11]
流石にアライさんをそのまま家に入れるわけにはいかないのでまずはアライさんをお風呂場で洗っておいた。剥製にするのだ、どっちにしても洗わなければいけない。

アライさん「お風呂というのはいいものなのだ。体中良い匂いがするのだ。おいところででぃなーはまだなのだ。」

私「そろそろできてるはずだよ。さぁここに座って。」

私はテラスにある椅子にアライさんを座らせた。対面には私が座る。私は風下に座った。ここが大事なところである。
さてメイドに作らせた料理の一品目は私の大好物のシナモンたっぷりのアップルパイ。私は丸いアップルパイを半分に切ると片方を自分に、片方をアライさんに渡した。脇にはバニラアイスを添えておいた。

私「じゃあ頂きまーす。」

流石メイド。とてもおいしいアップルパイだ。私が順調にアップルパイを片付けている前で、アライさんはアップルパイを目の前に持ってきては皿に置くという奇妙な行動を繰り返している。

私「どうしたの?おいしいよ?」

アライさん「そ、それはそうなのだ…わかってるのだ…」

アライさんはバニラアイスを食べたり、アップルパイの端っこをちぎって食べたりはするものの、アップルパイ自体には中々かじりつかない。もちろん私と同じ甘いアップルパイ。
アライさんの大好きな甘い味だ。
そうこうしている間に私はアップルパイを食べ終えた。

私「アップルパイは気に入らなかった?アライさんは甘い物が好きだと聞いてたから。じゃあお肉とかどうかな?チキンは大丈夫?」

アライさん「肉!鶏肉は大好物なのだ」ニコニコ

アライさんの表情がぱっと明るくなる。鶏肉なら食べることができる。そう思ったのだ。

そして運ばれてきたのはチキンソテー。味付けは秘伝のスパイスとたっぷりの黒コショウだ。添え物はニンジンとジャガイモ。
ニンジンはキライなのだが何故入れてくるのか。私は文句をいいつつチキンソテーにレモンをかけ、二つに分ける。

私「いただきまーす。」

アライさん「チキンなのだー!やったのだー!」

そう言ってピカピカガイジ顔でよだれを垂らしていたアライさんの顔が目の前に皿を置かれた瞬間曇った。

アライさん「うっ…ううう…」

私「どうしたのアライさん?鶏肉だよ?しかもこれすっごい高い奴。おいしいよ?あ、そうか!アライさん一口にしないと食べられないよね。ごめんなさい」

私はアライさんの皿のチキンソテーを一口大にするとアライさんの目の前に置いた。

私「どうぞアライさん」

アライさん「た…たべるのだ…」

アライさんは何度もチキンソテーを口に運ぼうとするが結局、何とも言えない悲しそうな顔をすると添え物だけしか食べなかった。
さて、なぜアライさんは私と同じ料理のはずなのに食べられないのか。
それはアライさんの嗅覚と性質にある。アライさんはアライグマのフレンズ。当然アライグマの性質を受け継いでいる。
そしてアライグマの嫌いな匂いは3つある。一つはシナモンのようなハーブ。二つ目はコショウや唐辛子といったスパイス。そして3つ目は燻煙剤、木酢液の匂い。
つまりアライさんにとってはとてもおいしい食べ物が本能的に嫌いな臭いを放っていたわけだ。嗅覚は食事においてとても重要な要素。かき氷のシロップが匂い以外は同じ味というのが有名な例だ。
空腹で目の前には絶対おいしいはずの料理。しかも自分が人生でもう二度と食べられない程の高級な料理だ。なのに食べることができない。本能が嫌がっているのだ。
私が風下に座ったこともポイントだ。いくら鼻の良いアライさんでも長時間匂いを嗅いでいると匂いになれてくる可能性がある。しかし風上にいれば、当然匂いは風下へ。アライさんは口に近づけるまで強い匂いにさらされることはないのだ。
嗅覚による虐待はどうやら成功のようだ。目の前のアライさんはツライさんじゃないかと言うくらい悲しそうな顔をしている。

779 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 1f1d-e9pC)[sage] 投稿日:2018/02/15(木) 23:34:00.35 ID:0zcumOgP0 [10/11]
アライさん「にんげん…できれば次はもう少し…においのしないものがいいのだ…」

私「じゃあこんなのどうかな?甘い木の実。自然のままの木の実だよ?」

アライさん「それは甘いのだ?」

私「それはもう、とてもおいしい木の実だよ。特別な方法で用意した特別な木の実。」

アライさん「ふふふ…早く持ってくるのだ!アライさんはお腹ペコペコなのだ!」

さてこの皿は私が自分で持って来るとしよう。ガラスのボウルに入れられたそれは真っ赤な木の実だった。種が真ん中にあり、それを包むように真っ赤な実がある。

アライさんはその木の実を見ると一粒口に入れた。次の瞬間アライさんは今日一番のピカピカガイジ顔でムシャムシャとその実を手に取り食べ始めた。

アライさん「こここここれはうまいのだ!なんなのだこの実は!最高なのだ!もっと、もっと食べるのだ!」

空腹に甘いおいしい実。アライさんは食べ散らかしながら次々とその実を口に運ぶ。さて私も食べるとしよう。その木の実を口に運ぶと実だけを食べて種を小皿に捨てる。

私「おいしいでしょこれ。」

アライさん「はぐはぐはぐはぐうまいのだ!あまいのだ!がぐはぐ」ムシャムシャガリガリボリボリムシャムシャ

テラスにしておいてよかった。アライさんはその実を噛み砕きながら満足げに食べている。辺りには実や種のかけらが散乱して掃除が少し大変そうだ。

嬉しそうに笑顔で食べていたアライさんだったが突然手が止まった。アライさんは両手を痙攣させると不思議そうな顔でこちらを見つめた。

アライさん「う…うぐ両手がしびれるのだ…それにお腹が痛いのだ…た…たすけるのだ…」

私「それは大変。アライさん横になりなよ。」

私はアライさんを抱き上げるとそっと床に横たわらせた。アライさんはお腹を押さえたまま力なく痙攣し始める。

アライさん「あ…のだ…アライさんの…ききなのだ…たすけて…たすけ…げぷっ」

アライさんはその場で今まで食べていた実を吐き出し始めた。痙攣はさらに強くなっていく。恐らくは激しい腹痛にも襲われているだろう。

アライさん「おなかが…おなかが…う…の…のだ」

私「アライさん大丈夫?食後のお茶は…もういらないか。」

メイドが持ってきてくれミントティーを一口飲んだ私は、対面に置いてあるアライさんが飲む予定という設定のティーカップをメイドに勧めた。
メイドはおとなしく私の体面に座るとミントティーを口に運ぶ。ちなみにミントもアライさんの苦手な臭いだ。

メイド「もっとのたうち回ると思ってました。」

アライさんは痙攣はするものの、ジタバタと暴れたりはしなかったのだ。その痙攣ももう弱くなっていく。

私「イチイの実はね、果肉は食べられるけどそれ以外、特に種は猛毒なの。そして症状に筋力低下があってね、アライさんは激しい腹痛や痙攣の中痛みにのたうち回ることもできずに死んでいくの。」

メイド「むごいですね。」

私「下痢で漏らすのは予想外だったけど。それ以外は完璧。キレイなアライさんの死体が出来上がったわ。」

メイド「え?多分生きてますよ?ビクビクしてますし」

私「いいのよ、どうせそのうち死ぬのだから。これ剥製師に送っておいて。掃除は私がしておくわ。」

私は掃除をするための高圧洗浄機を取りに行こうして、メイドに振り返って言った。

私「ニンジンは余計だったわ」

メイド「なんで中学生にもなってニンジン食べられないんですかねお嬢様。ほんとうは小学せ…あっ!やめてください!」

アライさん「の…だ…」ゲロハキビクビク

おわり


781 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 1f1d-e9pC)[sage] 投稿日:2018/02/15(木) 23:35:33.51 ID:0zcumOgP0 [11/11]
アライさんを嗅覚で虐待したかった(遺言
イチイは9~10月に赤い実をつける北海道から九州まで生育するおいしい実なのでみんなも食べようね!
ただ果実以外は葉も種も全身毒のすごい奴だぞ!


782 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 9f88-zg7q)[sage] 投稿日:2018/02/16(金) 00:03:42.04 ID:++vyR8JO0
乙。今回も面白かったです
こういう雑学で虐待する話は地味に好き


最終更新:2018年04月30日 17:11