アライさんトラップラボ―『アライさんダンゴ・遅効性の確認』




344 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:02:58.67 ID:Ou/MdIhJ0
みなさん、こんにちわ。

アライさんトラップ研究所、通称、ATLです。

今回は「アライさんダンゴ」について見て頂こうと思います。

「アライさんダンゴ」については以前公開してます。
その時の毒物を即効性のものでしたが、今回は遅効性のものを使用して実験をしています。

また、毒物については他の動物にも影響を与えることが確認されました。
そのため、手先の器用なアライさんしか食べることが出来ないような工夫をすることにしました。
そちらも併せて見て頂こうと思います。


345 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:03:33.29 ID:Ou/MdIhJ0
工夫というのは、このようなものです。

まず、麻の袋を用意して、その中に「アライさんダンゴ」を入れます。
麻の袋には「アライフレグランス+」を吹きかけてあります。

麻の袋に「アライさん駆除用ダンゴ入り」と明記しておけば、人間が間違って中身を食べるということもないでしょう。

これを透明なケースの中に入れておきます。
ケース自体の開閉は、そんなに難しくはありません。

ちなみに、ケースの設置場所にはカメラを設置しますが、袋の中にまでカメラを仕込むと重くなってしまいます。
そのため、袋の底にGPS発信機と小型の盗聴器を入れておきます。

ここまでが事前準備となります。

では、実際にどのような結果となったのか見ていただきましょう。


346 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:04:08.19 ID:Ou/MdIhJ0
まずは、都市で生きるアライさんの場合です。

アライさんは人目を避けて行動する傾向があります。
それは自分の身を守るためであると考えられています。
そのため、設置場所は路地裏にしています。

何ヵ所か設置をしましたが、そのうちの一つを見ていただきましょう。


347 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:06:12.33 ID:Ou/MdIhJ0
では、カメラの様子から見てみましょう。

時間は深夜ですね。

おや、路地の奥から何かが近づいてくるみたいですよ。

アライさん「この辺りからいい匂いがするのだ。」キョロキョロ

アライさん「ん? この箱みたいのが怪しいのだ。」

アライさんは、ケースの存在に気付いたみたいですね。

アライさん「これはどうやって開けるのだ?」バンバン

上の蓋を開けるだけで中身が取り出せるようになっています。
ゴミステーションの要領と同じですね。
そのため、生ゴミを漁ることが普通のアライさんであれば、問題ないはずなのですが。

アライさん「これは何なのだ?」

お、ようやく取っ手の存在に気付いたみたいですね。

アライさん「これを持ち上げれば、開くのだ?」

カチャ

アライさん「おぉ、開いたのだ!」

ゴソゴソ

アライさん「フハハハハ! アライさんの手にかかればこんなの、どうってことないのだ!」ピカピカガイジガオ

始めに苦戦していたとは思えない言葉ですね。

アライさん「この中に何が入っているのだ?」

ゴソゴソ

アライさん「これは、おダンゴなのだ! ...ちょっと味見なのだ。」

パクッ クチャクチャ

アライさん「こ、これは、おいしいのだ! どんどん食べちゃうのだ!」

パクッ クチャクチャ
パクッ クチャクチャ

アライさん「はっ!? このままでは、チビ達の分が無くなってしまうのだ...」

ゴソゴソ

アライさん「早速、お家に帰るのだ。」

こうして、アライさんは再び路地の闇へと消えていきました。
ここからは、カメラから切り替えて追跡することにしましょう。


348 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:07:06.80 ID:Ou/MdIhJ0
まずは、GPSですね。

入り組んだ路地をどんどん進んでいますね。

おや、大通りに出ましたよ。
大通りを進んでいますが、所々で止まりながら進んでいますね。

音声を交えながら、GPSの動きを見てみましょう。

「この道は、危ないヒトが多いのだ。」

タッタッタッ ザッ
ブオーン

「ヒトが乗っている変な乗り物は危険なのだ。」

タッタッタッ

お、道路を横切って再び路地に入っていきましたね。

「何とかここまで戻ってきたのだ。」

このまま路地を抜けるのでしょうか?

路地を抜けましたね。

さて、また道なりに進んで行きますね。
おや、ある場所に入っていきましたね。

「ようやく帰ってきたのだ。」

ここは、公園のようですね。
奥の木の辺りでGPSが止まりましたね。

ここには木に穴が空いている、という報告は無いため、おそらく根元に穴を掘って、巣としているのでしょう。


349 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:08:11.19 ID:Ou/MdIhJ0
「チビ、戻ってきたのだ。」

「おかーしゃん、おかえりなのりゃー!」ヨチヨチ
「おそかったのりゃー!」ヨチヨチ
「おなかすいたのりゃー!」ヨチヨチ
「はやくたえるのりゃー!」ヨチヨチ
「のりゃー!」ヨチヨチ

声的に5匹ぐらいのアライちゃんがいるようですね。

「今日はごちそうなのだ!」

ゴソゴソ

「これを見るのだ!」

「これはなんなのりゃ?」
「おいしそうにみえないのりゃ!」
「おいしいのりゃ?」
「なんれもいいから、たえるのりゃー!」
「のりゃー!」

「これは『おダンゴ』というもので、とってもおいしいのだ。」

「このままでは食べにくいから、小さくしてあげるのだ。」

ゴソゴソ

「おダンゴ、おダンゴ...」
「ほんとうに、おいしいのりゃ?」
「おかーしゃんがゆうから、おいしいとはおもうのりゃ。」
「はやくたえたいのりゃ!」
「のりゃ、のりゃりゃ!」

「さぁ、準備できたのだ。 いっぱい食べるのだ。」

「「「「「のりゃーーーーー!!」」」」」

クッチャクッチャクッチャクッチャ
クッチャクッチャクッチャクッチャ
クッチャクッチャクッチャクッチャ
クッチャクッチャクッチャクッチャ
クッチャクッチャクッチャクッチャ

粗食音だけ聞かされるのはかなりの苦痛ですね。

「チビ達も夢中になって食べてるのだ。」クチャクチャ

「おダンゴ、おいしいのりゃ!」クッチャクッチャ
「これ、おいしいのりゃ!」クッチャクッチャ
「おかーしゃんのゆうとーりだったのりゃ!」クッチャクッチャ
「おいちいのりゃ!」クッチャクッチャ
「のりゃりゃ!」クッチャクッチャ


350 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:08:59.43 ID:Ou/MdIhJ0
「このままチビ達が大きくなって、アライさんのて、」

バターン

「ア、ア、ア... くるしい、のだ...」

「ぴぃ!! おかーしゃんがおかしくなったのりゃ!」
「のりゃ、のりゃ...」バタン
「いもーともおかしくなったのりゃ!」
「なにがおきたのりゃ!?」
「もっとたえたいのりゃ!」

どうやら、毒が回ってきたようですね。
母親と思われるアライさんは、ここに来るまでにダンゴを複数個食べているため、その分毒の効きが早かったようですね。

「チビ...、チ、ビ...」

「おかーしゃんがまっかになって、こわいのりゃ!」
「のりゃ...」
「いもーとのうごきがよわくなったのりゃ!」
「いもーと、がんば、りゅ!!」バタン
「もっとたえた、い!!」バタン

さぁ、どんどん毒が回ってきたようですね。
会話から察するに、何匹かのアライちゃんも毒が回っているようですね。

「あ、あぁ... チ、チビ... ここは、危ない、のだ...」

「からあ、うおか...」
「もっと、たえた、い...」

「おかーしゃん!! あぶない、っていって、ぐもぉ!!」バタン
「あぁ、どうすればいいのかわから、ぬぁぁ!!」バタン

んー、声だけなので分かりにくいですが、今のが最後のアライちゃんになるのでしょうか?

「チ、チビ... ど、し、こんな...」

「あぁ...、からだが、うごかな...」
「きっと、これは、ゆ、め...」

この後しばらく待っていましたが、音声は聞こえてきませんでした。


351 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:09:26.89 ID:Ou/MdIhJ0
我々はGPSの情報をハンター協会へ伝えました。
その後の話では、GPSのポイントに血塗れのアライさんが1匹、アライちゃんが5匹いたそうです。

観察結果としては上々の出来と言えるのではないでしょうか?


352 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:10:08.21 ID:Ou/MdIhJ0
では次に、自然の中で生きるアライさんの場合です。

不自然ではありますが、何ヵ所かにケースをそのまま設置をします。
我々であれば不自然に思いますが、アライさんの思考では不自然に思うことは無いでしょう。

今回も、設置したうちの一つを見ていただきましょう。


353 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:11:14.66 ID:Ou/MdIhJ0
こちらもカメラの様子から見て頂きましょう。

時間帯は夕方、まだ暗くなっていない時間帯ですね。

アライさんA1「こっちからいい匂いがするのだ!」ガサガサ

アライしゃんA1「たしかにこっちから、いいにおいがするのら!」ガサガサ
アライしゃんA2「いままでこっちには、なにもなかったのら。」ガサガサ
アライしゃんA3「それは、アライしゃんたちのひごろのおこないがいいにきまっているのら!」ガサガサ
アライしゃんA4「おねーちゃんのゆうとーりなのら!」ガサガサ

アライさん一家がやってきましたね。
どうやら、アライしゃんを引き連れているようですね。

アライしゃんA1「あ! あそこになにかあるのら!」

アライさんA1「ホントなのだ! さすが、チビなのだ!」

アライしゃんA2「ますますあやしいのら...」ジーッ
アライしゃんA3「おねーちゃんは、うたがいぶかいのら!」
アライしゃんA4「これはアライしゃんたちへのごほうびなのら!」ピカピカガイジガオ

一匹のアライしゃんを除いて、一目散にケースへと駆け寄りましたね。

アライしゃんA1「これはどうやってあけるのだ?」キョトン
アライしゃんA3「はやくあけるのら!」バンバン
アライしゃんA4「そこにあるのにさわれないのら!」バンバン

アライさんA1「フハハハハ! アライさんにお任せなのだ!」

アライしゃんA2「たしかにいい匂いなのら... でも、あやしいのら...」

疑っているアライしゃんは離れたところで観察していますね。

アライさんA1「ここを開ければいいと思うのだ。」

カチャ

アライさんA1「思った通りなのだ!」

ゴソゴソ

アライさんA1「この袋からいい匂いがするのだ!」

アライしゃんA1「はやくなかがみたいのら!」シッポブンブン
アライしゃんA3「はやくするのら!」シッポブンブン
アライしゃんA4「のら、のらら!」シッポブンブン

ゴソゴソ

アライさんA1「この白いのは、何なのだ?」キョトン

アライしゃんA1「おかーさんでもわからないのら?」キョトン
アライしゃんA3「なんでもいいから、たべたいのら!」シッポブンブン
アライしゃんA4「おなかすいたのら!」シッポブンブン

このアライさん一家は、ダンゴというものを知らないようですね。

アライさんA1「とりあえず、食べてみるのだ!」

アライしゃんA1「ごはんなのら!」
アライしゃんA3「いっぱいたべて、はやくおおきくなるのら!」
アライしゃんA4「アライしゃんは、まだまだせいちょうするのら!」

クッチャクッチャクッチャクッチャ
クッチャクッチャクッチャクッチャ
クッチャクッチャクッチャクッチャ
クッチャクッチャクッチャクッチャ
クッチャクッチャクッチャクッチャ

アライさん一家はその場で食事を始めてしまいましたね。


354 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:12:28.73 ID:Ou/MdIhJ0
アライしゃんA2「あれがなにかわからないのにたべはじめたのら...」

グゥー

アライしゃんA2「おなかすいたのら... でも、あやしいのだ...」

疑い深いアライしゃんは涎を垂らしながら、アライさん一家の食事風景を見ていますよ。

アライさん一家はというと、おいしそうにダンゴをドンドン食べていますね。

アライさんA1「これはおいしいのだ!」クチャクチャ

アライしゃんA1「はたけのまんまるくらい、おいしいのら!」クッチャクッチャ
アライしゃんA3「こっちのほうが、すごくおいしいのら!」クッチャクッチャ
アライしゃんA4「もっとたべるの、ぐはっ!」バタン

どうやら、一匹が血を吐いて倒れたみたいですね。

アライしゃんA2「ぴぃー!! やっぱり、あぶないものだったのら!!」

アライさんA1「チビ、急にどうしたのだ!」ユサユサ

アライしゃんA1「いもーとがたおれたのら!」ビクッ
アライしゃんA3「そんなのどうでもいいの、ばっ!」バタン
アライしゃんA4「あ、あぁ... しおいお...」ピクピク

次々に、アライしゃんが倒れていきますね。

アライしゃんA2「お、お...、おうちにかえるのらー!!」

遠巻きに見ていたアライしゃんは恐怖のあまり、逃げ出してしまったようですね。

アライさんA1「チビたち、しっかりするのだ!」ユサユサ

アライしゃんA1「しっかりするのら!」ビクッ
アライしゃんA3「な、で、アラ、しゃ、は...、ないも、わる...」ピクピク
アライしゃんA4「お、か...」ピクピク

逃げ出したアライしゃんには気付いていないみたいですね。

アライさんA1「あわわわ! どうすればいい、のぼぉ!!」バターン

アライしゃんA1「おかーしゃ、んぐっ!」バタン
アライしゃんA3「ぐぇ!!」ビクン
アライしゃんA4「ぎゃ!!」ビクン

あぁ、先に血を吐いて倒れたアライしゃんの上にアライさんが倒れこんでしまったみたいですね。

アライさんA1「チ、チビ... ど、こな、のだ...」ピクピク

アライしゃんA1「おか、しゃ...」ピクピク
アライしゃんA3「...」シーン
アライしゃんA4「...」シーン

潰されたアライしゃんは、白目をむいてだらしなく舌を出していますね。

このアライさん一家が息絶えるのも時間の問題でしょう。


355 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:13:00.08 ID:Ou/MdIhJ0
この後も観察を続けましたが、生き残ったアライしゃんが戻ってくることはありませんでした。

ですが、匂いに釣られて別のアライさん一家が来たみたいです。

その映像を見て頂きましょう。
356 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:13:34.83 ID:Ou/MdIhJ0
アライさんB1「こっちからいい匂いがするのだ。」ガサガサ

どうやら、アライさんが一匹だけのようですね。

アライさんB1「ん? 何か落ちているのだ。」

アライさんが近づいてきていますね。

アライさんB1「のだぁぁぁぁ!! ア、アライさんたちが死んでいるのだ!!」

アライさんB1「ここは危険なのだ!!」

こうしてアライさんも逃げていき、その後、ここに来ることはありませんでした。


357 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:14:36.91 ID:Ou/MdIhJ0
如何だったでしょうか。

遅効性のダンゴによって、巣に持ち帰ったところで死んでもらう。
これが本来の目的になります。

その場で死んでしまうと、カラスが寄ってくる、など面倒なことが確認されているため、このようなものを開発しました。

ここだけの話をするなら、ゴキブリ駆除の宣伝で、毒餌を食べた個体が巣で死んで共食いした個体が死ぬ、というものを見たことがありませんか?
それからヒントを得て、開発しました。

こちらもまだ改良の余地がありそうなため、商品化はしばらくかかってしまうかもしれません。


358 : ◆cOAKBMeRl6 [saga]:2018/05/11(金) 23:15:08.80 ID:Ou/MdIhJ0
今回は、久しぶりに罠らしい話が出来たのではないでしょうか?

まだ、トラップの商品化の話は時間がかかりそうですが、もう少し待っていただければ、朗報をお届けすることが出来るかもしれません。
それまで、お待ちください。

では、これで失礼します。


361 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 00:19:39.91 ID:lxW5tZjn0
乙です。食べて翌日に効果を発揮できればちょうどいいかも?でも調整が難しそう


最終更新:2018年05月12日 00:58