ペットアライちゃんのつくりかた―工場編おまけその2

778 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/03/29(木) 18:59:45.39 ID:tNhWhxz7O
…食事中…

アライちゃん6~10「「いただきましゅなのりゃ~!」」

アライちゃん達に、あまり美味しくない餌が与えられた。

飼い主の餌に文句を言わないように、工場ではわざと餌に不味い味付けをしている。

飼育員「…」ジーッ

飼育員は、アライちゃん達の咀嚼音を耳を澄ませて聞いている。

アライちゃん6「…」モグモグ

アライちゃん7「ふぐ、もぐ…」モグモグ

アライちゃん8「あぐあぐ、くっちゃくっちゃ…」クチャクチャ

アライちゃん9「もぐっ、くちゃ…んんっ!?も、もぐ…!もぐもぐ!」モグクチャモグモグ

アライちゃん10「あむあむあむあむっ!くちゃくっちゃっ!おいちーのりゃああっ!くちゃくちゃっ!(≧'ω(≦ )」グチャグチャ

アライちゃん10の咀嚼音だけ、妙に大きい。


779 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/03/29(木) 19:01:17.01 ID:tNhWhxz7O
アライちゃん10「あぐあぐっ!ぐちゃっぐちゃっ!くちゃっ!んおぉ~おいちぃ~のりゃあ!ほっぺたとよけゆのりゃあ~っ!≧∀≦」クチャクチャグチャグチャ

飼育員「そこの2匹!8と10!クチャクチャ音鳴らした!飼い主が嫌がるって言ってるでしょ!ごはんおあずけ!」

アライちゃん8「うゆうぅ!?う、うしょなのりゃあ!ありゃいしゃんくちゃらーちてないのりゃ…」ピタッ

飼育員「うん?」

アライちゃん8「うゆぅ…うぬぬぅ…はんこーしちゃだめなのりゃ…がまんなのりゃ…!しーくいんしゃん、ごめんなのりゃ…」ムスー

アライちゃん8はよくしつけられているようであり、反抗をやめた。

アライちゃん10「くちゃくちゃっ!くちゃ……ぴいぃい!?かいぬししゃん、ご、ごめんなしゃいなのりゃあ~っ!」ビエエエン

アライちゃん10は、何故かその場にいるはずのない飼い主に謝っている。

…アライちゃん8と10の餌は没収された。

飼育員「アライちゃん6を見習いなさい!言われた次の日にはもうクチャラー直してたよ!」

アライちゃん6「もぐもぐ…。わけわかんないけど、やめないとごはんとりあげられるからゆーとーりにしゅゆのりゃ…。もぐもぐ…」モグモグ

アライちゃん8「うゆぅ…ごはんいっぱいたべれてうらやまちーのりゃあ…」コスリコスリ

アライちゃん6「ごはんいっぱいたべないとおーきくなれないのりゃ。ありゃいしゃん、はやくおーきくなっていちにんまえになりたいのりゃ。もぐもぐ…」モグモグ

アライちゃん6は、やはり他のアライちゃんよりも学習能力…というか知能が高いようだ。


780 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/03/29(木) 19:03:24.54 ID:tNhWhxz7O
アライちゃん9「…」ドキドキ

飼育員「アライちゃん9は、途中で自分で気付いて直したね。ごはん没収しないよ」ナデナデ

アライちゃん9「え、えへへ…やったのりゃ~」モグモグ


やがて、アライちゃん7~9はクチャラーでなくなり…
大分遅れて、アライちゃん10もクチャラーを卒業した。


784 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/03/29(木) 19:28:31.15 ID:tNhWhxz7O
…遊びの時間…

アライちゃん10「みゆのりゃ!ありゃいしゃんたまのりしゅゆのりゃ!」ヨジヨジ

アライちゃん7「いーぞー!やれやれー!」

アライちゃん10は、ボールの上に乗った。

アライちゃん10「よっ!ほっ!≧∀≦」グラグラ

アライちゃん8「あはははは!」

アライちゃん7~9は、玉乗りを披露するアライちゃん10を見ている。

アライちゃん10「のりゃ!?」グラッ

しかし、他より明らかに学習能力が低いアライちゃん10。
当然、運動神経も鈍い。

アライちゃん10は、すぐにバランスを崩し…

アライちゃん10「ぴぃっ!」ボテッ

顔面から落下した。

アライちゃん10「のぉーーーぁああああーーーんっ!のぉーーーぁああああーーーんっ!」ビエエエン

アライちゃん7~9「「「あははははは!≧∀≦」」」ゲラゲラ

アライちゃん10「うゆぅ…もーいっかいやゆのりゃ…」ヨチヨチ

もう一度ボールに乗ろうとするアライちゃん10。

そこへ…

アライちゃん6「そのぼーゆ、ありゃいしゃんにかすのりゃ」ガシィ

アライちゃん10「うゆ?いーのりゃ」シッポフリフリ

いつもはパズルを解いて一人で遊んでばかりのアライちゃん6がやってきた。


785 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/03/29(木) 19:33:34.09 ID:tNhWhxz7O
アライちゃん6「よ、ほっ…」ヨジヨジ

アライちゃん6は、ボールに乗る。

アライちゃん6「のりゃっ」グラグラ ポトッ

当然ながら、一発でうまくいくはずがない。
アライちゃん6は、脚(膝)から床に落ちた。

アライちゃん6「ふむふむ、うんしょ、うんしょ…」グラグラ

アライちゃん6は、再度玉乗りを試みている。

アライちゃん6「のあ…」ポテッ

アライちゃん10「うゆぅ~、うまくなりたいのりゃ?こちゅをおしえてあげゆのりゃ!」ヨチヨチ

アライちゃん6「うゆしゃいのりゃ!おまえなんかにおそわりたくないのりゃ!ひとりでできゆのりゃ。うんしょ、うんしょ…」ヨジヨジ

アライちゃん6は、ボールに乗り…

アライちゃん6「ほっ!」ヒョイ

アライちゃん7~10「「お、おぉ~!」」

…たくさん練習したであろうアライちゃん10よりも早く、より上手にバランスをとった。


786 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/03/29(木) 19:40:57.96 ID:tNhWhxz7O
アライちゃん7「おい、おまえよりあいつのほーがずっとじょーずだぞぉ!」グイグイ

アライちゃん10「の、のりゃ!すごいのりゃあ!どーやったのりゃ~!?おちえておちえて~!≧∀≦」ヨチヨチ

アライちゃん6「おちえないのりゃ、おまえもじぶんでやゆのりゃ」ピョンッ ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん6はボールから降り、パズルの方へ戻った。

アライちゃん6「こんどはめをつぶってぱじゅゆやゆのりゃ」カチャカチャ

知恵の輪をすべてクリアしたアライちゃん6は、今度は目をつぶってトライしているようだ。

アライちゃん7「すごいのりゃあ!ゆーしゅーなのりゃあ!」

アライちゃん8「いっぴきおーかみでかっこいーのりゃあ!」

アライちゃん9「ありゃいしゃんも、あいつみたいにかっこよくなりたいのりゃあ!」コスリコスリ

アライちゃん10「う、うゆうぅ…。みんなもたまのりしゅゆのりゃ?」

アライちゃん7~9「「やゆのりゃ~!≧∀≦」」

飼育員「…」


805 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 20:40:16.88 ID:ZwLp3ApQo
…お勉強の時間…

飼育員「皆さんは、何のために作られたのでしょうか?本心を言ってください」

アライちゃん7~9「「かいぬししゃんをよよこばせゆためにつくられたのりゃ!!」」

アライちゃん6「…かいぬししゃんをよよこばせゆためにつくられたのりゃ…」

アライちゃん6~9は、教わった通りの文言を暗記して言った。

アライちゃん10「うゆ?う~…、かいぬししゃんと、しゅきしゅきどーしになって!まいにちなかよちしあわせぐらししゅゆのりゃ~!≧∀≦」シッポフリフリ

アライちゃん10は、どうやら暗記していなかったようだが…
近いニュアンスの発言をした。


806 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 20:44:19.05 ID:ZwLp3ApQo
飼育員「ふーん…。ねえ、アライちゃん6。本当にそう思ってる?」

アライちゃん6「…おもってゆのりゃ…」

飼育員「…本当は、誰かに支配されずに…。自由に生きたいって思ってるんじゃないの?」

アライちゃん6「…!」

飼育員「もしかしたら、その望み叶えてあげられるかもしれないよ?」

アライちゃん6「ほ…ほんとなのりゃ…?」

飼育員「本当だよ」

アライちゃん6「…」

アライちゃん6「…ほんとに、しんじていーのりゃ?うしょじゃないのりゃ…?」

飼育員「うん」

アライちゃん6「…っ…。もし、そーだっていったら、どーしゅゆのりゃ?…さつしょぶんしゅゆのりゃ?」

飼育員「…」


807 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 20:51:37.40 ID:ZwLp3ApQo
飼育員「そうだよ」ガシィッ

アライちゃん6「ぴいぃっ!?」ブラーン

飼育員は、アライちゃん6の尻尾を掴んで逆さ吊りにした。

アライちゃん7~10「「≦∀≧」」!?

アライちゃん6「ぴいいぃぃぃっ!ち、ちっぽいぢゃいのりゃああああっ!なにしゅゆのりゃああっ!?」ジタバタジタバタ

飼育員「…今までずっと、あなた達を見てきたけど…。君だけ、『不良品』なんだよねぇ」

アライちゃん6「ふ、ふりょーひん!?なんでなのりゃあ!ありゃいしゃん、いーこにちて、ちゃーんとゆーこときーてたのりゃあああっ!はなちてええっ!」ジタバタジタバタ

飼育員「そうだね。でも、言うことを聞くようになるのが『早すぎた』。早熟すぎたんだよ」

アライちゃん6「わけわかんないのりゃああっ!ありゃいしゃんはなあ!このなかでいーーーっちばん!いーっちばんゆーしゅーなんだぞぉ!」フゥーッ

アライちゃん6「そ、それに!いちばんふりょーなのは、そこのちっちゃいやちゅなのりゃああっ!できそこないなのりゃああっ!」ジタバタジタバタ

アライちゃん10「う、うゆぅ…。ありゃいしゃん…やっぱちふりょーでできしょこないなのりゃ…?」ウルウル

飼育員「…何言ってるの…」


808 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 20:59:21.49 ID:ZwLp3ApQo
飼育員「アライちゃん10は、ここにいる誰よりも、いっちばん優秀な子だよ?」

アライちゃん6~9「「!?」」

アライちゃん6「う、うしょなのりゃあ!ありゃいしゃんのほーがうーんとゆーしゅーなのりゃああっ!」アセアセ

飼育員「へえ、どこが?言ってごらんよ」

アライちゃん6「う、うゆぅ…!ありゃいしゃんはなぁ!あーんなにいやなつめきりを!ひとりでできゆんだぞぉ!すごいだろぉ!」エヘン

飼育員「大きくなったら誰でも覚えるよ。それって飼い主が成長を見守る楽しみを減らしてるだけだよね」

アライちゃん6「…!で、でも、そこのちびしゅけは、いやなちゅめきりちててもへらへらわらってたのりゃあ!あたまおかちーのりゃあ!」

アライちゃんの爪は、木登りなど生き残るために絶対必要不可欠な部位。
本能的に嫌がることが『動物としては』自然である。

アライちゃん10「うゆ!だって、しーくいんしゃんにいっぱいさわってもらえゆのりゃ!ちゅめきりしゅきしゅきなのりゃー!≧∀≦」シッポフリフリ

アライちゃん6「な、なにいってゆのりゃ…!」

飼育員「爪切りを嫌がらずに、むしろ人と触れあえることを喜ぶアライちゃん。なんて優秀なんでしょう」

アライちゃん6「うゆゆぅ…!あたまおかちーのりゃああっ…!」


809 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 21:06:52.89 ID:ZwLp3ApQo
アライちゃん6「そ、そーだ!そいつおべんきょーのじかんだって!はんこーちたやつがさつしょぶんされても、ひとごとみたいでぜーんぜんわかってなさそーだったのりゃあ!」

アライちゃん6「かいぬししゃんからにげたやつが、いぬにくわれゆのみても!ぜんぜんわかってなさそーだったのりゃ!あたまわゆいのりゃ!」ジタバタ

アライさんは、小さい頃は人に媚びて育てて貰おうとするが、
大きくなったら独り立ちして単独で暮らそうとする本能をもつ。

アライしゃんになる頃には、親に世話されることを『恥』だと思うようにすらなるという。

『動物として』優秀なアライちゃんであれば、小さい頃から自分が独り立ちするところを想像することであろう。

アライちゃん10「うゆぅ~、だって、ありゃいしゃんは、いっしょーはんこーもしないし、おそとににげないのりゃ。なんでこわがゆのりゃ?」キョトン

飼育員「最初から反抗する気がないアライちゃん。こんなにいい子はめったに見つからないよ」

アライちゃん6「ぴぃっ…!?」


810 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 21:13:46.70 ID:ZwLp3ApQo
アライちゃん6「あ、ありゃいしゃんは!といれをいーっちばんはやくおぼえたし!くちゃらーもいっちばんはやくなおちたのりゃ!そいつはどっちもずーっとおそかったのりゃ!」

学習能力の高さは、すなわち生きるための知恵を身に付ける能力の高さ。
『野良の』アライちゃんであれば、その生存能力は抜群であろう。

飼育員「ここにいる間に、最終的に覚えればいいの。早い遅いは関係ない」

アライちゃん6「あ、ありゃいしゃんは、ぱずるとくのうまいんだぞぉ!てんしゃいなんだぞぉ!」

飼育員「誰とも関わらず独りで遊ぶのが好きだなんて、飼い主に好かれるわけないでしょ?アライちゃん10は人と遊ぶのが大好きで、すっごく好かれるよ」

アライちゃん6「う…うゆゆぅ~!なんでありゃいしゃんのほーがゆーしゅーだってわかんないのりゃああーーっ!」ピギイイィィジタバタジタバタ

アライちゃん6「こんなわけわかんないことで、さつしょぶんなんておかちーのりゃああああっ!」ビエエエエンッ


811 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 21:22:22.79 ID:ZwLp3ApQo
飼育員「そうだね…。じゃあ、あなたをこの場で殺さなくっちゃいけない一番の理由、教えてあげるよ」

アライちゃん6「な…なんなのりゃあ!」

飼育員「あなたはいつも、独りでいようとする。早く独り立ちして、一人前になろうとする」

アライちゃん6「いーことなのりゃ!」

飼育員「わかんない?あなた達愛玩動物は、独り立ちする必要ないの。一人前になる必要ないの。一生飼い主に可愛がられてればいいの」

飼育員「だのに、あなたはそれを拒む。つまり早く反抗期が来る…。いわば、『ペットアライちゃんとしての寿命が極端に短い不良品』ってこと」

飼育員「というか…。あなたはぜんっぜん可愛気がない。ペットとして最低最悪と言う他ない」

アライちゃん6「うゆぅ!?」

飼育員「そして、他の子達が、あなたに憧れ始めている。粗悪な不良品のあなたを『優秀』だと勘違いして、あなたのようになりたいと思い始めている。そうでしょ?」

アライちゃん7「う…!」
アライちゃん8「うゆぅ…」
アライちゃん9「お、おもってたのりゃ…」アセアセ

飼育員「だから、この子達が!貴方のような不良品になる前に…!」カチッ

シュレッダー「」ギュィイイイイインッ

飼育員は、かつて大アライちゃんを粉々にしたシュレッダーの電源を入れる。

アライちゃん6「ま、まつのりゃあああああ!まってぇーーーっ!やなのりゃあああああっ!いーこにしゅゆかりゃあああああっ!かわいがられるよーにしゅゆかりゃああああああああーーーっ!だぢゅげでえええええーーーーっ!ぴぎいいぃーーーっ!」ビエエエエンジタバタジタバタシッポブンブンブンブンジョボボボボ

シュレッダーの真上で中吊りになっているアライちゃん6は、失禁しながら泣き叫び、暴れている。


812 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 21:32:54.48 ID:ZwLp3ApQo
飼育員「殺処分」パッ

飼育員は、アライちゃん6の尻尾から手を離した。

アライちゃん6「ぴぎいいいいいいいいいいいいーーーーーーーっぎゃあああああああああああーーーーーーっ!!いいいいいーーぢゃあああああああああああいいいいいいーーーーっ!!!だあああああぢゅげでええええええええええーーーーーっ!!!」ギュウイイイインッブシャブシャグシャグシャアアアッ

アライちゃん6はゆっくりとシュレッダーに飲まれていき、血飛沫をあげている。

アライちゃん6「だぢでえええええーーーーーっ!なんで!ありゃいしゃんずっとずっといーこにちてたのにいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーっ!!ぴぎゅううううるるるるるるうるるるぅううっ!」グシャグシャドシャブシャアアッ

アライちゃん7~10「「ひ…ひいぃっ…!」」ブルブルジョボボボボ

アライちゃん達は失禁している。

飼育員「みんな!この子みたいになりたい?」グイイイ

アライちゃん7~10「「「な…なりたくないのりゃあああっ!」」」

飼育員「じゃあ、誰みたいになりたい?」

アライちゃん7「そ…そこのやつなのりゃあ!」アセアセ

アライちゃん8「そいつがいちばんゆーしゅーなのりゃああっ!」ガクガクブルブル

アライちゃん9「そいつをみなりゃうからぁ!ありゃいしゃんはこよしゃないでええーーっ!」ブルブルジョボボボボ

アライちゃん10「のぉおおおおおーーーーーぁあああああああーーーーーんっ!のぉおおおおおーーーーーぁあああああああーーーーーんっ!」ビエエエエンッ

阿鼻叫喚の地獄絵図とはまさにこのことである。

アライちゃん6「な…んで…」グシャベギボギィッ

肉片「」ドチャアアッ

知能が高く、言うことをきちんと聞いた利口なアライちゃん6は、皆の目の前で物言わぬ肉片となった。


813 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 21:40:40.39 ID:ZwLp3ApQo
やがて、アライちゃん7~10もペットショップへ出荷されていった。

高い知能をもつアライちゃん6だけが、『不良品』として殺処分されていった。

アライちゃん6は、もしも野良として生まれていたら極めて優秀な個体であっただろう。

ひときわ高い独立心は、インターンシップで早くから親離れしてもやっていけるたくましさという長所である。

高い知能は、インターンシップで様々なことを学び、大人になるためのサバイバル知識を素早くたくさん習得できるという長所である。

だが、だから何だというのであろうか。
それが、ペットとして何の役に立つというのであろうか?

早くから独立しようとするアライちゃんなど、飼い主から見れば可愛気がないだけである。

いくら知能が高かろうと、そんなことはペットとしての価値とは一切無関係である。

ただ、楽園送りが早くなる以外の意味はない。


815 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 21:43:18.29 ID:ZwLp3ApQo
…動物の世界は『適者生存』。
強い者でなく、環境により適応した者が生き残る。

紛れもない強者として生まれたアライちゃん6は、5匹の中で誰よりも短く生涯を終えた。

紛れもない弱者として生まれたアライちゃん10は、きっと5匹の中で誰よりも長く生き延びることであろう。


816 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 21:48:23.09 ID:ZwLp3ApQo

飼育員「しかし、毎度思うけど、ああいう子を処分するの勿体無いよなあ…」

飼育員「絶対何かしら、役立てる用途はあると思うんだけど…」

工場長「やあ、飼育員」スタスタ

飼育員「あ、ども」

工場長「最近お客さんと話してさぁ。さっきのアライちゃん6みたいな子を活かすビジネスを新たに始めようかと思ってるんだ」

飼育員「ビジネス?どんな?」

工場長「…『落ちこぼれアライちゃんオークション』っていうんだ」

飼育員「…?」

工場長「…可愛くなくてもいいし、優秀でなくてもいいから…。そこそこペットらしい教育を受けた落ちこぼれのアライちゃんを、安く売って欲しい…っていう需要があるんだ」

飼育員「…どういう客層なんです?それ…」


817 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/04/03(火) 21:48:55.52 ID:ZwLp3ApQo
つづく


814 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 21:42:09.89 ID:Uqr1f5Pf0
乙。

まさか、その場で殺処分だとは思わなかったなぁ。


823 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 22:49:57.61 ID:R6omgBP60
乙でしゅ
6みたいな個体は何%くらいの確率で出現するのか気になるね


824 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 22:53:27.16 ID:Ql+HVc6f0
10は愛玩用としてなら花丸二重丸だもんなぁ・・・


825 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 23:00:21.54 ID:e6AWfR+20
ヨチラー化手術しているのに一人立ちする気だったって、自分を客観的に見れないだけだよなあ
一番賢いかもしれないけど一番愚かだった


830 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 18:53:17.42 ID:rW6cHtMI0
何故かフライングマンを連想してしまった てかちゃんとsageようね


832 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/05(木) 22:36:45.39 ID:s3gmJL2Z0
830
ぐう聖フライングマンとハエガイジを間違えるのは遺憾の意






最終更新:2018年05月26日 01:00