Hell Junpers

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HALO3 ODSTクロス Hell Junpers 曇天の空の下を一機の輸送機が飛んでいた。 鉛色に垂れ込める暗雲の下を、双発のエンジンが唸りを上げながら飛び続ける。 ずんぐりとした丸みを帯びたボディの内部―――唯一の出入り口に付けられた赤いランプのみが照らす部屋で「彼等」は待っていた。 左右対面に設けられた席に座り、黒いフルフェイスのヘルメット、胸に『ODST』と書かれた黒いボディアーマーに、黒い編み上げの軍用ブーツ、黒尽くめの彼等の手には黒く光る鉄の塊―――サブマシンガン。 ある者は腕を組み俯き、ある者は手に持った得物のチェックを行い、ある者は後頭部に腕を組んで退屈そうに機体の壁に寄り掛かっていた。 「なぁ」 「ん?」 黒尽くめの一人が隣の黒尽くめに話しかける。フルフェイスヘルメットに同じ姿をした黒尽くめが映った。 「あと、どれくらいで降下ポイントだっけ?」 「もうじき…としか言いようがないな。緊張すんなって」 笑いながら黒尽くめは向かいの黒尽くめの肩を叩く。叩かれた方はヘルメットの中で溜息を一つ付くと肘を、パットを装着した膝に乗せ、その上で指を組み、額に当たる部分を押し当てる。 突然、天井に付けられた黒い板が動いた。アームの付いた板は部屋の端まで移動し、黒尽くめ達の列の間で止まり片面を向けた。 一瞬砂嵐が映り、次には髭面の男の顔が映し出された。 「諸君、君たちは今、地獄という名の戦場に向かっている」 先程まで思い思いに過ごしていた黒尽くめたちは今や全員が板、モニターに顔を向けていた。 誰もが静かに耳を傾け、次の言葉を待つ。 「前線では我々の同志が必死に闘っている、本局から増援は来るが、到着した頃には既に全滅しているだろう」 徐々に、徐々に言葉に熱がこもる。 「そこで諸君らの出番だ、味方を助け、我ら地上本部の力を見せつけるのだ!」 「無論だ」 黒尽くめの一人が静かに呟く。 「選び抜かれた諸君ら、『ODST』ならば必ず期待に応えられるとこの私レジアス・ゲイズは信じている!!」 「当り前さ」 別の黒尽くめが呟いた。 「敵は圧倒的だ、しかし、我々は決して断じて諦めない!! 我々の底力を見せつけるのだ!! 諸君らの健闘を祈る!!」 その言葉を最後にモニターは黒い板に戻った。出入り口が開き部屋に明かりが差し込む。 出入り口には顔に傷を負った男が立っており、部屋の黒尽くめたちを睨みつけている。 「さぁ、時間だぞ野郎ども!! 準備はいいか!!」 「Sir,Yes Sir!」 「声が小さい!!やる気があるのか!!」 「Sir,Yes Sir!!!」 威勢のいい返事を聞くと、ニヤッと男は笑った。 「ようし、その意気だ!!今日は気分が良い、ブルート3匹の戦果をあげた奴にはビールを奢ってやる!!」 「隊長、たった3匹でいいんですか?」 「ああ、3匹だ。不満か?」 「ヘッ、おーい皆、今日は俺が戦果を上げて皆の分まで隊長に奢らせてやるぜ!!」 「期待しないで待ってるぜ、逆に酒のつまみにされるなよ」 誰かが飛ばした冗談にその場にいた全員が笑った。一しきり笑ったあと、隊長と呼ばれた男が口を開く。 「アルファ、ブラボーはポイントAに降下、チャーリーとエコーはポイントBに降下だ、降下後は味方を援護しつつエリアを制圧しろ、制圧後は合流し次の指示を待て」 「Sir,Yes Sir!!」 「よし、降下ポッドに乗り込め!!」 隊長が出口の奥に消え、黒尽くめ達が一斉に動き出す。 出口を抜けた先には、左右に円柱状の物体が固定された空間が広がっていた。黒尽くめ達は淀みない動きでそれぞれのポッドに乗り込む。 上に開いたハッチをしっかりと閉じ、ロックを確認する。次にサブマシンガンのマガジンを取り出し、マガジンの尻を手の平に叩きつけライフルに装着、コッキングレバーを引いて安全装置をかけた。 ポッド内のスピーカーに声が響く。 「ポイントAに接近中、アルファ、ブラボーは準備を」 「じゃあな、お先に」 耳の通信機で無線を入れた、向かいのポッド越しに手を振っていた黒尽くめが一瞬で消えた。後には戦火と狼煙が点在する灰色の大地が見える。 「ポイントBに接近、チャーリー、エコー、スタンバイ」 ポッド内の手摺をしっかりと握る。次の瞬間、襲い掛かってくるだろう衝撃に備えて。 「準備はいいか?」 「ああ」 そしていつもの言葉を叫んだ。 「地獄へダイブだ!!」 [[目次>第22SAS連隊隊員氏]]
HALO3 ODSTクロス Hell Jumpers 曇天の空の下を一機の輸送機が飛んでいた。 鉛色に垂れ込める暗雲の下を、双発のエンジンが唸りを上げながら飛び続ける。 ずんぐりとした丸みを帯びたボディの内部―――唯一の出入り口に付けられた赤いランプのみが照らす部屋で「彼等」は待っていた。 左右対面に設けられた席に座り、黒いフルフェイスのヘルメット、胸に『ODST』と書かれた黒いボディアーマーに、黒い編み上げの軍用ブーツ、黒尽くめの彼等の手には黒く光る鉄の塊―――サブマシンガン。 ある者は腕を組み俯き、ある者は手に持った得物のチェックを行い、ある者は後頭部に腕を組んで退屈そうに機体の壁に寄り掛かっていた。 「なぁ」 「ん?」 黒尽くめの一人が隣の黒尽くめに話しかける。フルフェイスヘルメットに同じ姿をした黒尽くめが映った。 「あと、どれくらいで降下ポイントだっけ?」 「もうじき…としか言いようがないな。緊張すんなって」 笑いながら黒尽くめは向かいの黒尽くめの肩を叩く。叩かれた方はヘルメットの中で溜息を一つ付くと肘を、パットを装着した膝に乗せ、その上で指を組み、額に当たる部分を押し当てる。 突然、天井に付けられた黒い板が動いた。アームの付いた板は部屋の端まで移動し、黒尽くめ達の列の間で止まり片面を向けた。 一瞬砂嵐が映り、次には髭面の男の顔が映し出された。 「諸君、君たちは今、地獄という名の戦場に向かっている」 先程まで思い思いに過ごしていた黒尽くめたちは今や全員が板、モニターに顔を向けていた。 誰もが静かに耳を傾け、次の言葉を待つ。 「前線では我々の同志が必死に闘っている、本局から増援は来るが、到着した頃には既に全滅しているだろう」 徐々に、徐々に言葉に熱がこもる。 「そこで諸君らの出番だ、味方を助け、我ら地上本部の力を見せつけるのだ!」 「無論だ」 黒尽くめの一人が静かに呟く。 「選び抜かれた諸君ら、『ODST』ならば必ず期待に応えられるとこの私レジアス・ゲイズは信じている!!」 「当り前さ」 別の黒尽くめが呟いた。 「敵は圧倒的だ、しかし、我々は決して断じて諦めない!! 我々の底力を見せつけるのだ!! 諸君らの健闘を祈る!!」 その言葉を最後にモニターは黒い板に戻った。出入り口が開き部屋に明かりが差し込む。 出入り口には顔に傷を負った男が立っており、部屋の黒尽くめたちを睨みつけている。 「さぁ、時間だぞ野郎ども!! 準備はいいか!!」 「Sir,Yes Sir!」 「声が小さい!!やる気があるのか!!」 「Sir,Yes Sir!!!」 威勢のいい返事を聞くと、ニヤッと男は笑った。 「ようし、その意気だ!!今日は気分が良い、ブルート3匹の戦果をあげた奴にはビールを奢ってやる!!」 「隊長、たった3匹でいいんですか?」 「ああ、3匹だ。不満か?」 「ヘッ、おーい皆、今日は俺が戦果を上げて皆の分まで隊長に奢らせてやるぜ!!」 「期待しないで待ってるぜ、逆に酒のつまみにされるなよ」 誰かが飛ばした冗談にその場にいた全員が笑った。一しきり笑ったあと、隊長と呼ばれた男が口を開く。 「アルファ、ブラボーはポイントAに降下、チャーリーとエコーはポイントBに降下だ、降下後は味方を援護しつつエリアを制圧しろ、制圧後は合流し次の指示を待て」 「Sir,Yes Sir!!」 「よし、降下ポッドに乗り込め!!」 隊長が出口の奥に消え、黒尽くめ達が一斉に動き出す。 出口を抜けた先には、左右に円柱状の物体が固定された空間が広がっていた。黒尽くめ達は淀みない動きでそれぞれのポッドに乗り込む。 上に開いたハッチをしっかりと閉じ、ロックを確認する。次にサブマシンガンのマガジンを取り出し、マガジンの尻を手の平に叩きつけライフルに装着、コッキングレバーを引いて安全装置をかけた。 ポッド内のスピーカーに声が響く。 「ポイントAに接近中、アルファ、ブラボーは準備を」 「じゃあな、お先に」 耳の通信機で無線を入れた、向かいのポッド越しに手を振っていた黒尽くめが一瞬で消えた。後には戦火と狼煙が点在する灰色の大地が見える。 「ポイントBに接近、チャーリー、エコー、スタンバイ」 ポッド内の手摺をしっかりと握る。次の瞬間、襲い掛かってくるだろう衝撃に備えて。 「準備はいいか?」 「ああ」 そしていつもの言葉を叫んだ。 「地獄へダイブだ!!」 [[目次>第22SAS連隊隊員氏]]

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