Lyricals;Gate~失われた13番目の理論~ それは、あったかもしれない世界線の物語… 「過去を正しい流れに戻す?」 一人の男に課せられた宿命。 「そう、だからこそ私は君を呼んだのだよ。岡部倫太郎君…いや、鳳凰院凶魔の方が通りが良いかな?」 無限の欲望との邂逅。 「原因不明のタイムパラドックスが過去で発生している。過去に生じた『歪み』を直して、正しい流れに戻すんだ」 「タイムマシンだの、過去だの未来だの…、もう、うんざりだ!! 放っておいてくれ!! 俺はもう誰も失いたくないんだ!!」 「今、ここで君が動かなければ、その『誰か』を失うことになるかも知れないんだぞ?」 「…ッ!」 そして男は時の階段を昇り始める。 過去へ赴き、現在を修復し、未来を掴むため。男は孤独な時間の旅を始める。 「岡部さんはどうしてそんな悲しい顔をしてるの?」 「それは…」 「悲しいことがあったら、甘いものを食べると良いよ。翠屋自慢のシュークリームはいかが?」 過去の歪みを正す、それは即ちその時間の『想い』の消滅も意味する。 多くの時間を旅し、多くの人々と出会い、多くの別れと出会う。男は苦悩する。 「あと何回…、あとどれくらい俺は思い出を消せばいいんだ…、だれか教えてくれ…」 そして明かされる真実。 「ドクター、彼は…岡部倫太郎は…」 「ああ…、彼は本来『存在しない存在』、彼自身こそ『歪み』から生まれた『歪んだ存在』…」 「…」 「『歪み』を修復することは、同時に彼の存在の消滅に繋がる。歪みを治せるのは彼のみ。全ての歪みが正された時、彼は…」 「ああ…」 「ウーノ、私を責めても構わない。これしか方法が無かった、なんて言い訳はしないよ…」 「ドクター…」 男は遂に辿りつく、己の真実に。 「俺が、存在しない存在…だと?」 「最後の歪みが修復された時、あなたの存在は消滅する…。それでも貴方はこの時間の旅を続けるの?」 「俺は…」 「俺は?」 「俺は狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶魔!! それが何だ!! そんなもの、乗り越えて見せる!!」 提示された一つの可能性、それは希望か絶望か。 「認知外世界…?」 「そう、貴方が存在し、尚且つ正しい時間が流れている世界線。そこに辿り着けば、貴方は生きることが出来る」 「…」 「でもそこに辿り着けるかは貴方次第。確立も五分と五分。失敗すれば全ての世界が崩壊する。どうする?」 「やってやるさ…、その世界に辿り着いて見せる!!」 そして男は時の扉の前に立つ。未来を掴むため、自らの存在を証明するため。男は一歩を踏み出した。 「俺は勝ち取ってみせる!! 未来を世界を!!」 失われた13番目の理論、それは――― Steins;Gateクロス。『Lyricals;Gate~失われた13番目の理論~』 2036年4月1日、連載開始――― しません!! という訳で以上、エイプリルフールネタでした!! 読んでくださってありがとうございます! [[目次>第22SAS連隊隊員氏]]