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日本が日米安保条約を破棄したらどうなる?

日本が日米安保条約を破棄したらどうなる?


日本が日米安保条約を破棄したらどうなる? 安保条約には「有事に際してアメリカは日本を守る」とは一切書かれていないようです。 (「日本国内のアメリカ領事館や米軍基地などは守る」とは書いてあるようですが)

だったら、安保条約はいらないのでは? 集団的自衛権うんぬんも自然消滅するし。

もし日本が日米安保条約を破棄したらどうなるんでしょう?


安保条約にアメリカが日本を守ることが明記されていないというのは質問者様の認識違いではないでしょうか?

本文第五条には「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」と書かれています。

確かに曖昧な表現のような気もしますが、日本が攻撃を受けた際にはアメリカと共同で防衛するということだと解釈されている以上、日米どちらかが解釈を事前に変更しない限りは従来の解釈通り共同防衛が実施されます。

ちなみに基地と大使館の防衛は条約にするまでもなく米軍の担当です。海外基地は他国領のなかに自国施政下の土地があるという認識ですし、大使館は外交に関するウィーン条約において接受国官憲の不可侵や施設防衛の権利が保証されています。

例えば海上自衛隊のジブチ基地は陸上自衛隊が警備・防衛していますし、他国にある日本大使館には防衛省の人員が配置されています。

それでは本題の「もし日米安保を破棄したら」についてです。

まず防衛費が跳ね上がります。現在のGDP1%枠など吹き飛んでしまうでしょう。

日本の国土の防衛に関して米軍が負っていた抑止力を補充しなければならない(敵基地攻撃能力)のは言うまでもなく、極東地域への海外派遣能力も獲得しなければなりません。

日本の国防は日本本土が安全であることのみならず、東南アジアの資源輸送海路(シーレーン)が安全であり、台湾・韓国などの「友好国」が緩衝地帯として存在し続けることが重要です。

台湾と韓国に関してはそれぞれが独自にアメリカと同盟を結んでいますが、東南アジアの安全保障については日本本土・フィリピン・台湾を結んでできる三角形の中心にある沖縄の米軍基地の果たしている機能に頼り切っている状態です。

もし沖縄から米軍がいなくなれば、それは即ちこれまで米軍基地だったものがそっくりそのまま自衛隊基地になるだけなのです。

次に集団的自衛権については今よりも更に真剣に議論しなければいけなくなります。

集団的自衛権行使の問題に関しては、賛成派も反対派もアメリカとの共同出兵ばかり見ていますが、個人的にはアメリカとの出兵よりも東南アジア諸国や台湾・韓国が攻撃を受けた際の共同防衛が起こる可能性の方がはるかに高いと思います。

実際台湾の新聞は集団的自衛権行使容認の閣議決定を受けて「台湾が中国から攻撃された時に日本が助けに来てくれる」という内容の記事を発表しました。(台湾から見た日台関係は安部首相の言う「緊密な関係」に当たるようです。)

安保を破棄すれば米軍の負っていた機能を代替しなければならないのは先述しましたが、これは集団的自衛権行使を容認すべきかそうでないかという問題に適用できる国を増やすか増やさないかという新たな問題を付随させます。

「そんな遠い国のことなんて知らないよ」と東南アジアに関わらないという選択肢は事実上存在しませんから、今のような中途半端な議論は過去のものとなるでしょう。

以上のことを纏めると、日米安保を破棄しても変わるのは日本の財政赤字の額だけであり、他には極東の安全保障が多少今よりも頼りなくなる程度でしょう。


大変ていねいに説明していただき、ありがとうございます。

ネットのこの↓ページに http://club.pep.ne.jp/~nonoyama/Anpo.htm

「安保条約には「有事に際してアメリカは日本を守る」とは一切書かれていない」とあったので、「だったら破棄すればいいのでは?」と思い質問してみました。

ご説明、とても参考になりました。

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最終更新:2018年02月17日 10:42
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