GM:場所はネロのダンジョン。
 みんながわちゃわちゃ話している最中です。

ヘリオス:グラン。…その、具合はどうだ?

グラツィア:具合ですか?私はなんともありませんが。

ヘリオス:…(心:思ったより元気そうだな)
 いや…。アルティアスの頭領と話して、なんかこう…気分悪くなったりしてないかと…。

ヘリオス:グラツィア:いえ、思ったよりもいい人でした。

ヘリオス:(苦笑)いい人、ではねえな。

グラツィア:そうでしょうか。

ヘリオス:あれは、自分の利益に繋がるなら何百人でも殺すような人間だ。
 その代わり、数千人…数万人を救うんだろうが。

グラツィア:あの方は、自分の利益で動く人ではないと思いますよ。

ヘリオス:国イコール自分みてえな存在だから、余計に厄介だろう。

グラツィア:厄介?分かりやすいのではないですか?

ヘリオス:厄介だぜ。…過去、仕えてたオレが言うんだから。
 感情なく合理性だけで動く奴は、本当に厄介だ…。(ほぼ独り言)
 そういや、あいつに菓子をやっちまったんだったな。今のうちにとりにいくか。

グラツィア:はい、行きます。

GM:イア、知覚チェック。

グラツィア:1D100<=120 知覚能力
Cthulhu : (1D100<=120) → 11 → スペシャル

GM:なぬ!?

グラツィアプレイヤー:勘いいなぁ。

GM:この部屋は、大きく見えて幻影で、ぼーっとしてたら頭をうつ部屋でしたよね
 ヘリオスは、「幻影の中のドアの位置が見える」と言っていました。
 その彼が、右手で壁をさぐり、ドアをさぐり、右手でドアを見つけて開けました。

グラツィア:ヘリオス?何をしているのですか?

ヘリオス:ん?ここは見えてるほど広くねえぞ?前は森だったろ。

グラツィア:そうですけど…見えているのではないのですか?

ヘリオス:…!!!
 あ、ああ、そうだったな。警戒しすぎたか。
 景色が変わっても、ドアの位置は同じだよな。

ヘリオス:(お菓子の部屋へ)

グラツィア:(お菓子の部屋へ移動)

グラツィア:1D100<=115 魔力感知 何か隠してますね?
Cthulhu : (1D100<=115) → 96 → 成功

GM:ヘリオスの腕は、そのものがすごい魔力物質なのですが、なんだか弱くなった気がします。
 数値がよければ、もっと解ったのに。

グラツィア:ヘリオス、何か隠してますか?

ヘリオス:(ドアを後ろ手で閉めて)…まいったな。速効見抜かれちまうとは…。

グラツィア:?

ヘリオス:ああ、隠してる。

グラツィア:何をですか?

ヘリオス:言わない、と言ったら?

グラツィア:(冷気放出)(故意ではない)

ヘリオス:さ、さむ!待て、ちょ、待てって!!
 言葉で返事しろよ!!

グラツィア:…どうして言わないのですか?

ヘリオス:お前が心配するからだよ(笑)

グラツィア:(冷気放出中)心配するような事なのですね。

ヘリオス:さ、さぶっ!!!落ち着け!!(ぎゅっと抱きしめるが、左手を使わない)

グラツィア:…ヘリオス?

ヘリオス:………はあ。

グラツィア:(冷気が少し治まる)左手、おかしいのですか?

ヘリオス:言っても言わなくても心配されちまうか…。
 グラン。握手。(左手を出す)

グラツィア:はい(握手)

GM:弱々しく、包むような握手です。

グラツィア:?(首かしげ)

ヘリオス:これが今の俺の、「左手の握力」だ。ほぼ全力だな。

グラツィア:どうしてですか?

ヘリオス:カスケが眠りについたせいだろう。

グラツィア:!!
 カスケ様を起こさないとっ!

ヘリオス:落ち着け。(チョコをイアの口にぽい)

グラツィア:(むぐむぐ)

ヘリオス:いいか、グラン。左手と右目は、確かに使い物にならなくなるだろう。
 でも、核があるかぎり、俺は死にはしない。
 カスケがもし目覚めなくても、まあ、隻腕隻眼で生きていけるだろう。
 ただ…。さすがに、お前らの旅に同行するのは無理かも知れない。足手まといすぎる。

グラツィア:え…。
 どこに行くのですか!?

ヘリオス:気にするな。もうしばらくは動けるし。
 さっき、魔晶石でチャージしたからな。重量もマシになった。
 この腕、下手したら100キロこえてるんじゃねえか?(苦笑)
 カスケが重さをちょうど良くしてくれてたんだなあ。
 俺が生きてる間、俺の面倒見るつもりだったとか…。
 あの梟は思ったより世話焼きだったみてえだ。

グラツィア:あの、私は…。

ヘリオス:グラン。
 ……。
 俺が離れても、大丈夫か…?

グラツィア:…嫌です。

ヘリオス:…そっか。
 でもな、俺はこの腕の重さが本来に戻ったら、歩くこともできねえんだぞ?

グラツィア:でしたら、一人でいても何もできないのではないのですか?

ヘリオス:ま、寝たきりだろうな。

グラツィア:私が介護します。

ヘリオス:はははは!

グラツィア:どうして笑うのですか!?

ヘリオス:「世界が無事だったら」、お願いするか。
 お前らは、先にメルリースに向き合え。
 アルティアスの頭領が言ったとおり、お前らしか今、現状把握ができて対処できる奴はいないんだぞ?

グラツィア:でも、私は…。

ヘリオス:なんだ?

グラツィア:何よりもヘリオスが大事ですから、傍にいたいです。

ヘリオス:それで数日後に世界が終わったら困るだろ。
 長く一緒にいようぜ。どうせなら。

グラツィア:それでも構いません。
 離れていた5年より、一緒にいられる数日が良いです。
 ただ、それはフォルト様との約束を破ることになってしまいますね…。

ヘリオス:それはダメだな。

グラツィア:はい。でも…。

ヘリオス:フリーズフォルト、怒ったら怖そうだし(笑)

フォルト:(心:………)

グラツィア:フォルト様…私は…。

フォルト:(心:あなたは、どうしたいのですか?)

グラツィア:私は、ヘリオスを助けたいです。
 でも、それでフォルト様との約束破る事もできません。

フォルト:(心:カスケの意識が戻ればいいのですが…)

グラツィア:フォルト様にも分からないのですか?

フォルト:(心:もしかしたら、このままかも知れません)

グラツィア:そんな……。

ヘリオス:まあ、俺にもやることがあるから、大丈夫だって。

グラツィア:やることってなんですか?

ヘリオス:動けなくなる前に首都に戻る。

グラツィア:戻ってどうするんですか?

ヘリオス:俺は今、国王陛下の斥候だからな。王の下に向かう。
 そして、万一の時は王を守る。

グラツィア:……。
 ヘリオス、嫌いです

ヘリオス:仕方ないだろう、そればっかりは。
 俺がアルティアス領から戻って、それでも許されたのは陛下の恩情あってこそだ。

グラツィア:(ぷーっ)

ヘリオス:騎士の交代という形で、俺をメルリースに関わらせてくれたのも陛下だ。
 …でなきゃ、一生会えなかったかも知れない。
 あの時の俺は、記憶の混濁が激しかった。
 自分が誰なのか、思い出せないままだったかも知れない。

グラツィア:それでも…。
 ヘリオスが王様を守って死んでしまったら、私は王様を殺さなければならなくなります。

ヘリオス:おいおいおいおい!!!!!
 フェルネリアンの父親だからな!?
 というか俺にとって恩人だからな!?

グラツィア:私には関係ありません。

ヘリオス:いっぺん俺を殺したアルティアス頭領は許して、そっちは駄目なのかよ!!

グラツィア:はい。

ヘリオス:はあ…。

グラツィア:私はすべてを敵に回しても構いません。

ヘリオス:(ちゅ)

グラツィア:!!!

ヘリオス:……わかった。
 動けなくなったら、ちゃんと言う。

グラツィア:動けなくる前に言って下さい。

ヘリオス:シャボンなんたらだっけ?あれで俺を運んでくれ。

グラツィア:!
 はいっ!(満面の笑み)

ヘリオス:ただし。

グラツィア:はい。

ヘリオス:もし、「メルリース」がどうしようもなくなったら、俺はお前を守って死ぬだろう。
 その時、絶対、後追いするなよ。

グラツィア:嫌です。

ヘリオス:じゃあ首都に行く。(ぷいっ)

グラツィア:!!!
 Σ(□‾; )Σ(    ;)Σ( ;‾□)Σ(‾□‾;)

ヘリオス:(くすくす)

グラツィア:フォルト様、どうしましょう…。

フォルト:(心:恋路の助言を求められても困りますわ!!照)

グラツィア:ここここ、恋路!?

フォルト:(心:それより、私は、「守って死ぬ」の真の意味が気になります)

グラツィア:真の意味ですか?

フォルト:(心:寝たきりでは、動けないのでは…?)

グラツィア:Σ(゜□゜(゜□゜*)
 動けませんね。

フォルト:(心:ということは、まだ何か隠しているのかしら。あの殿方)

グラツィア:ヘリオス、動けないのにどうやって守るのですか?(冷気放出)

ヘリオス:寒いって!!あー、言おうと思ったけど寒いからやめようかなー?

グラツィア:(ぴた)言ってください。

ヘリオス:(くすくすくす)

グラツィア:どうして笑っているのですか?

ヘリオス:他の奴らには内緒、な。
 …っつーか、一番お前に黙ってたかったんだが!!

グラツィア:…はい。

ヘリオス:俺の腕には、「盾」が仕込まれてるのは知ってるよな。
 戦闘でたまに出してるだろう。

グラツィア:………。

ヘリオス:あれは、カスケの切り札、隠し球だ。

ヘリオス:カスケは自分と、もうひとりの「獣の協力者」を募って、自分たちの存在を丸ごと炉心にした「世界の盾」を出現させるつもりだったようだ。
 もう、どうしようもなくなったときにな。

グラツィア:もうひとりの獣の協力者?「世界の盾」??

ヘリオス:カスケ一人じゃ発動が不完全だってことだ。力が足りない。

グラツィア:それは誰ですか?

ヘリオス:誰かを説得してたのかもしれないし、今から説得するつもりだったかもしれない。
 ブルーあたりは、その場で頼んでも引き受けそうな気もするし。

グラツィア:フォルト様、何かご存知ですか?

フォルト:(心:いえ。そんな話、はじめて聞きます…!)

グラツィア:そうですか。でしたらフォルト様ではないのでしょうね…。

ヘリオス:世界の盾は、文字通り、世界を守るもの。
 メルリースが暴走したとき、その被害を最小限に食い止めるものだ。
 あくまで最小限。被害の無効化はできねえ。

グラツィア:カスケ様がほぼいない状態の今でも、それは出現するのですか?

ヘリオス:そうなんだよな。
 その「発動トリガー」を引けるのはカスケだけだったんだよ。
 もちろん、俺も「トリガー」をひける。
 俺を媒体にして使う神の大魔術だから、仕組みは聞いてる。

グラツィア:ヘリオスを媒体に…?

ヘリオス:媒体って言っても、俺の腕だけだ。
 しかも腕が破損するわけでもない。そこに仕込んであるってだけだ。

ヘリオス:俺は、トリガーを小出しにして、個人レベルを守る盾を使う方法をカスケから学んでいる。
 しかし、面倒くさいんだが、「世界の盾を起動させた場合、トリガーを引いた張本人は無条件で消滅する」ってことだ。

グラツィア:トリガーを引いた人が消滅?

ヘリオス:起動スイッチを押した奴が爆発する、みたいに思ってくれ。
 実際は、起動トリガーをひいた奴の生命、全魔力が盾に還元されるってことなんだがな。

グラツィア:…そんな…。

ヘリオス:カスケは自分がやる気でいた。
 でも今は…できるのは俺だけだ。

グラツィア:……。

ヘリオス:カスケは、自分ともう一人、心中する相手を探してた。
 まあ、カスケに、「世界がそんなふうにならないよう、人間の力でどうにかする」って俺はちゃんと言ったぜ?

グラツィア:……。

ヘリオス:…だから。
 俺が「世界の盾」にならなくてすむよう、頑張ってくれよ?(頭ぽんぽん)

グラツィア:ヘリオス。

ヘリオス:ん?

グラツィア:もし、ヘリオスが世界の盾になるのなら、私もその時ともにトリガーを引きます。

ヘリオス:ははは。気持ちは嬉しいが、そりゃ無理だ。

グラツィア:無理?

ヘリオス:俺が俺自身の核をぶっ壊すんだからな。
 カスケみたいに、見事な大魔術で媒体無傷の発動はできねえよ。

グラツィア:……。

ヘリオス:そして、トリガーの糧にならなかったものは、無条件で世界に守られる。
 そういう仕掛けなんだよ。

グラツィア:(ノд・。)

フォルト:(実体化で出現)ヘリオス。

ヘリオス:うわ!!!

グラツィア:フォルト様!?

フォルト:私が、もうひとりになりましょう。

グラツィア:え!?

フォルト:あなたがトリガーを引いたとき、私は、あなたとともに盾になります。

グラツィア:そんな…。

フォルト:(念話:イア。あなたも一緒にね。私達だけの秘密ですよ)

グラツィア:(心:はい)

ヘリオス:それは…確かに嬉しいが。俺一人じゃ不完全な盾にしかならねえからな。
 でも、できたら残って、グランの世話をやいてやってくれたらなって…。

グラツィア:それはダメです。

フォルト:そんな心配をするのでしたら、這ってでも愛しき人をお守りなさい。

グラツィア:フォルト様っ!(わたわた)

フォルト:口だけですか?愛しているとイアに告げたのは?

ヘリオス:へ?あ、いやそのっ!?

グラツィア:(照)

フォルト:「世界の盾」は最終手段でしょう。
 そんなものに頼るなと私は言いたくて、そういう意味も込めて、私が一緒に消滅してもいいと進言したのです。
 自己犠牲などに頼ってどうします!
 あなたは今、生きて、目の前の守るべきものを守る盾におなりなさい!!!(おこ)

ヘリオス:は、はい、すみません…。

グラツィアプレイヤー:おこ、可愛い!

ヘリオス:最終手段はほんと、最終手段なんで…。
 マジで世界がやばくならないとやらないんで…。
 (心:グランの母親に怒られた気分だ)

グラツィア:フォルト様。ありがとうございます

フォルト:いいえ。私の可愛いイアの幸せのためです(にこ)

ヘリオス:(心:怖え~)

グラツィア:(ぱあぁぁぁ)

ヘリオス:じゃ、お菓子回収したら戻るぞ。
 …内緒だからな!!

グラツィア:はい。
 ヘリオス。

ヘリオス:ん?

グラツィア:一緒に行きましょうね。

ヘリオス:ああ、一緒に。
 でも、たぶんすぐに歩けなくなるぜ?

グラツィア:どんな姿になっても愛しています。

ヘリオス:ありがと、な。(ちゅ)

グラツィア:はい。(ちゅ)

フォルト:!!!(回れ右)

GM:では、好きなだけ甘い時間を堪能して、甘いお菓子をゲットしたら戻ってくださいね。

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最終更新:2018年05月11日 19:54