フェンネル:ルナ? 少し話をしてもかまわないか?

ルナ:うん。

フェンネル:とても大切な話なのだ…。

ルナ:?(首かしげ)

フェンネル:今から一週間もしなうちに、世界は、ルナは、大変なことになるだろう。

ルナ:(びくっ)

フェンネルプレイヤー:なんか話の振り方間違えた…。 ごめんルナ…。

フェンネル:だからちょっと、話をしないか?

ルナ:…ん。
 こわいもの…?

フェンネル:こわくないよ。とても、きれいなものだ。

ルナ:きれい?
 たいへんで、きれい?

フェンネル:(ちょっと笑って)そうだな。
 人の想い、願いというものはとてもきれいなものだと、余は思っている。

ルナ:ん。
 どこ、いくの?

フェンネル:一度首都に戻ろうと思っている。
 余のお気に入りの場所がいくつかあるんだ。

ルナ:ん。

フェンネル:まずは先に、話をしよう。
 誰にも話したことのなかった、とっておきの話だ。
 とある国に、王子がいた。
 過不足なく満ち足りていたが、ただ唯一、ひどく孤独だった。
 彼には、家族も、友人も居なかったからだ。

ルナ:ひとりぼっち?

フェンネル:そう、独りぼっちだ。けれど、彼は幸せだった。

ルナ:ひとり、しあわせじゃない。
 ひとり、こわい。

フェンネル:ルナは、ルナはとても優しいな。(ぎゅっと抱きしめる腕に力をこめます)

ルナ:…。(ぎゅ)

フェンネル:王子にとって、孤独こそが友であった。
 当たり前にそこにあるものであった。
 そうして13歳の時、王子は、自分を育ててくれた「おうけ」の風習で旅に出ることになった。

ルナ:おうけ。なに?

フェンネル:おうけは、そうだな。人々を護るために存在している、えらい人だ。

フェンネル:旅の中で王子は、様々なことを知った。
 美しい踊り子の女性からは、美への讃嘆を学んだ。
 勇敢な女戦士からは、姉のようなぬくもりを教えられた。
 風のような薔薇からは、理由もなく湧き上がる自然な、信頼というものを学んだ。
 月のような神官からは、様々な考え方とそれを敬う敬意を学んだ。
 流れゆく武人からは、あるがまま、自分自身を卑下しないことを学んだ。

ルナ:(こくこく頷いて聞いている)

フェンネル:はちみつ色の瞳からは兄のようなぬくもりを。
 銀の光からは初めての愛を。
 初めての親友からは、存在してくれるだけで世界が素晴らしいということを学んだ。

ルナ:(こくこく)

フェンネル:旅に出るまで、王子は何も望まなかった。
 望むべきものなどないと思っていたからだ。
 しかし、とある少女の存在を知って、王子は初めて、あることを自ら望んだ。

ルナ:なにを?

フェンネル:彼女の生きてきた中で、得られなかっただろう当たり前のものを、埋めて余りある愛情を、その月のような少女に捧げたいと思ったんだ。
 銀色の光に捧げるような、一番深くて、燃え盛るような愛情ではない。もっと…。

ルナ:…むずかしい。

フェンネル:難しいか。すまない。貴女にわかるように言葉を紡ごう。
 つまりその王子は、その少女を、深くいつくしむようになっていた。
 自分より長く生きているのに、自分よりも幼いその少女を。
 彼女の兄に、父に、友に、時には弟に。そういったすべてになりたいと望むようになった。

ルナ:ぜんぶに、なる…?

フェンネル:つまり、ずっと一緒に、そばにいたいと思った。
 彼女とともに笑いたいと思った、ということだ。

ルナ:ん。(理解したらしく、にこにこしている)

フェンネル:彼女に差し出せないものもあるだろう。
 王子は、銀色の光以上に愛せるものはないから。
 しかしその少女のためなら、総てを投げ出せる。そういった感情だ。
 ……その少女は、ルナ、貴女なのだ。

ルナ:(きょとん)

フェンネル:王子というのは、余のことなのだ。わかるか?

ルナ:(こくん)

フェンネル:つまり、余は、ルナに、余のお姫様になってほしいのだ。
 そうして、これからもずっと一緒にいたい。だから…。

ルナ:もう、いるよ。
 いっしょにいる。
 いっしょに、わらう。(にこ)

フェンネル:ルナ……(ぎゅっと抱きしめる)

ルナ:るな、おひめさま、なってもいい。ならなくてもいい。
 るなは、ふぇるといっしょ。ふぇる、ひとりじゃない。
 それだけで、るなは、しあわせ。

フェンネル:ルナ、ありがとう。
 これから、何が起こっても、離れていても、ルナと一緒にいるから。

ルナ:ん!

フェンネル:これからもそばで笑ってくれているのなら、貴女が幸せなら、余は嬉しい。
 ルナは、とても、かしこくて素晴らしい女性だ。

ルナ:ふぇる。(顔を見上げる)

フェンネル:なんだ?

ルナ:あのね。
 るなが、おほしさまになっても、おうたうたうから、いっしょ?
 さみしくない?ひとりじゃない?

フェンネル:寂しくない。一人じゃない。
 けれど、そうならないように、いつだって呼びかけ続けるから。
 ルナとは、同じ高さから、同じものを見ていたいのだ。

ルナ:るな、もうすぐ、るなじゃなくなる。
 おなかになるの。
 めるのおなかになるの。

フェンネル:(頷きます)

ルナ:しーかがね。
 そのとき、けんがこわれたら、るなはいなくなるって。
 いなくなると、おほしさまになるんだよね?

フェンネル:(頷きます)お星さまになっても、いつだって、あなたを見つけるから。
 余を信じていてほしい。

ルナ:(にこっ)よかった。
 じゃあ、ふぇる、ずっとずっとひとりじゃない。
 わたしのかわいいこ。こもりうたの、いとしいこ。

フェンネル:(泣くのをこらえながら)そうだ。
 疑ったことはなかった。あなたは余をいつだって愛してくれていた。

ルナ:うん。ずっと、ずっと、ふぇるがふぇるじゃなくて、まだ、おなかのなかにもいないときから。
 るなは、いたよ。
 さいしょのことわかれてから、あいにきてくれたこは、ふぇる、だけ。(ぎゅ)
 (にっこり)

フェンネル:ルナ……(ぎゅっと抱きしめてそっと優しくおでこにちゅーします)

ルナ:(くすぐったそうに笑う)

ルナ:るなは、いつでもいるんだよ。みえてなくても、みえてても、いたんだよ。
 ふぇるのおとうさんにも、そのおとうさんにも、きっと、いたの。るなはいたの。
 まってたの。さがして、みつからなくて、でも、ふぇるは、ちゃんときてくれたの。
 ありがとう。(満面の笑顔)

フェンネル:あなたがどうなっても、その笑顔を、余は何があっても忘れない。
 出会ってくれて、待っていてくれて、ありがとう。

ルナ:うん!
 けんがこわれなかったら、また、るなとあそんでね?

フェンネル:約束だ。(指切り)

ルナ:ん!(指を絡める)ゆーびきーりげーんまーん♪
 うーそついたら、……うそついたら…。……なく!
 ゆびきーった♪

フェンネル:(指切りして、自分も満面の笑顔)

GM:では、ルナに、銀の光さんのところに移動したいと頼みましょう。

フェンネル:ルナ、あなたを、余のただ一人の銀色の光に紹介したい。構わないか?

ルナ:うん!
 …なまえは?
 ぎんのひかりさん?

フェンネル:「フォロン」というんだ。

ルナ:ふぉろん…。

フェンネル:フォルトのいた神殿の近くに住んでるんだ。わかるか?

ルナ:(目を閉じて、急に言葉が流暢になる)フォロン。神の山を守る銀の鎧。
 かの民でありて郷を知らぬ姫、人との愛を選びし希有なる姫。
 かつての崩壊を生き延び、崩壊から立ち上がる人々を見守り続けた守護の者。

フェンネル:(じっと見守っている)

ルナ:ロアにまつられし銀の姫……。
 開け、光の窓。彼方と此方を繋げ。

GM:光に包まれた窓が出現し、窓の向こうにはロアの山の景色が…!

ルナ:ん。
 むこう、いる。

フェンネル:(久しぶりすぎて感動)

GM:窓を開いて向こう側に行ってください。

フェンネル:(窓を開ける)フォロン!?

フォロン:…!?
 あなたさま…?
 どうやって、ここへ…。魔法でございますか?
 (満面の笑顔で顔を真っ赤にして駆け寄ってくる)

フェンネル:フォロン!(何も言わず駆け寄って抱きしめます)
 そういったものだ。メルリースの力だ。

フォロン:ああ…!お久しゅう御座います!
 愛しいあなた。ずっと待っておりました、待っておりました…!!
 (ぎゅううううう)
 あなたさまが来るのを待つのは慣れているはずなのに、人間の一日が、長くて、長くて…!(ぽろぽろぽろ)
 でも、信じて、ずっと信じて待っておりました…!!

フェンネル:まだ一年経ってはいない。
 けれど、どうしてもあなたに会いたくなってしまったのだ。
 いつだってあなたを感じていた。それでも会いたくて仕方なかった。

フォロン:いいえ、いいえ、私も感じておりました。
 いいのです。いくらでも待ちます。
 でも、さみしくて、だから今、嬉しくて…!!

シィカ:(姿を隠しつつ)(心:変わった「かの民」。かなり異端。理解不能)

フェンネル:シィカちゃんまでいたw

GM:シィカは、対価を支払い終わるまでくっついてますからねw

フェンネル:フォロン。ただしばらく、しばらく抱きしめさせてくれ。
 あなたの鼓動を、存在を、この耳と体に、永遠に刻みたい。

フォロン:はい、はい…!
 この姿ですか?それともまことの姿ですか!?(←真剣)

フェンネル:あなたの真の姿に抱かれて眠るのは、総てが終わるまでの楽しみにしておくことにしよう(柔らかく笑って)

フォロン:では、人のかたちで。(ぎゅうううう。もちろん全裸)

フェンネル:…愛している……。
 (その言葉に全ての事情や想いを込めました。ほかに言葉が見当たらない)

フォロン:ああ…。久しぶりのあなたさまの、かたち、におい。なにもかもが愛しくて…苦しいほどに愛しいです…!
 愛しております、フェル様…。愛しております…。

フェンネル:余に愛を教えてくれた人。余の全ての愛である人。
 必ず、またあなたの腕に抱かれるから、今は何も聞かないでくれ。(ぎゅぅうう)

フォロン:はい…。でも、これ以上触れていると…。
 私の愛が溢れて、子作りをしてしまいそうです…。

フェンネル:(笑った)気持ちは同じだ。同じ気持ちだ(真顔)

GM:春はいろんな動物の発情期☆
 いいですけどね、子作りするくらいの時間はありますからw

フェンネルプレイヤー:王子も同じこと思ってたので大丈夫w っていいんですか?w

GM:ワイルドに森の中とか洞窟の中でよければどうぞ!
 ルナに観察されながらw

フェンネルプレイヤー:それすごい羞恥プレイです。
 兎もHだと聞くので別にいいのだろうか…。

GM:まだ発情期来てない赤子ですよ、ルナはw

フェンネルプレイヤー:とりあえず、フォロンちゃんの銀の髪が最高のベッドだから大丈夫です。

GM:それでは、どうぞ、小一時間ほど熱烈に愛し合ってくださいませ。

フェンネルプレイヤー:ではまあいろいろあったのでしょう。暗転!隠すものがないけれど暗転!

GM:その後は、フォロンの瞬間移動(フォロンは自分の陣地は移動できる)で、泉で身を清めてください。

フォロン:少し水が冷たいですが…。
 すぐ、私の体温で暖めますので、身をすすいでくださいませ。

フェンネル:ありがとう(にこっと笑って)

GM:水に濡れたフォロンはまさに精霊のような美しさです。
 長い髪が水滴できらきらと。

フォロン:あなたさま。…最後の死地へ、赴かれるのですね。

フェンネル:(頷いて)必ず生きて帰るが。

フォロン:止めはしません。殿方の決意を、妻が邪魔をするなどもってのほかです。
 私は…。
 そちらへ参上します。

フェンネル:フォロン!?(真面目にびっくり)

フォロン:もちろん、長くはいられません。
 でも、その腕輪の真の力を使うのは、今しかありませんわ。

フェンネル:真の力?

フォロン:腕輪は私の髪。一瞬だけその場を陣地とみなし、瞬間移動で舞い降ります。
 あなたさまが命の危機に瀕したら、いつでも、どこでも、駆けつけるつもりでお渡ししたのです。

フェンネル:そうだと思っていたが、幸い、あなたがいつだって守ってくれていた。

フォロン:此度のいくさは、これを纏うだけでは、きっと足りないでしょう。
 今ぞ、というとき、私をお呼びください。

フェンネル:(しっかり頷きます)

GM:3ターン、フォロン召喚が可能になりました。
 ちなみに3ターン後も居続けることができますが、
 4ターン以降はフォロンちゃんが少しずつ崩壊していきます…。

フェンネル:それはだめーー!

GM:一回召喚すると腕輪は破損するので、1回のみ、3ターンのみとおかんがえ下さい。

フェンネル:腕輪破損したら防御効果もなくなりますね。

GM:防御効果なくなります。なので、ここぞって時にどうぞ。

フォロン:私は…ここから動けぬ存在ですが…。それでも、愛はなにより、誰より一番と思っております。
 あなたさまが城に帰還した際には、種や苗木を送ります故、年月をかけて、私の陣地にしてくださいましね。
 いつか、ずっとずっとお側に居られるように…。
 愛しいあなた…。

フェンネル:誰よりも、なによりも、愛している。
 また必ず会おう。必ずだ。(ぎゅっと抱きしめます)

フォロン:そして、そちらの娘様。

ルナ:!?(耳ぴーん!)

フォロン:初めて会うのではありませんわね。あなたは、ずっとフェル様の剣にいましたから。
 目覚めて、力になってくださるのですわね。
 私の愛しいひとを、どうか守ってくださいませ。

ルナ:(もじもじ)

フェンネル:ああ、紹介しようと思っていたのだ。余のメルリース…、ルナだ。

フォロン:メルリース…?
 とうとう、望みのものを見つけたのですか?試練のものを?

フェンネル:複雑な話だが、戦いに行く先もメルリースだ。
 とはいえ、望むものを完全に得る日も近いだろう。

フォロン:メルリースは、うさぎだったのですね…。(心:おいしそう)

ルナ:(寒気がして木の後ろに隠れた)

フェンネルプレイヤー:フォロンちゃーーーん!!??

フォロン:え?な、なんでございましょう?
 うふふ、私、野生のままに襲いかかったりしませんわよ。
 ちょっと、ちょっと、お肉がやわらかそうだなって…思ってしまっただけですわ…。

ルナ:(ぶるぶるぶるぶるぶる)

フェンネル:フォロン、まだ時は早い。
 必ずまた会いに来るから、それまで貴女も、御身、大事にな。
 たぶん、貴女だけの身体ではなくなるであろうし

フォロン:はい。…きっと、やや子が宿るでしょう。あなたさまの子が。

フェンネル:それでは、名残惜しいが…。貴女に会えて覚悟ができた。
 そろそろ時間も迫ってきたので、帰らなくてはならない…。

フォロン:(唇にキス)いってらっしゃいませ。あなた。愛しいあなた。

フェンネル:(キスを返す)

フォロン:そして、娘様。ああ、食べません、食べませんわ。
 私の願いを言ってもいいでしょうか。

ルナ:…?

フォロン:私は、妾の存在に悋気をするような心はありません。動物は皆、多くのものとつがいますから。
 私が一番であれば、それだけでいいのです。
 あなたは、私が傍にいられない分、フェル様を愛してくださいませ。
 いつか、私のやや子と、あなたが産んだフェル様のやや子が、一緒に遊べたら嬉しいですわ。(にこにこ)

ルナ:???

フェンネル:(言葉が出てこないくらい感動)

ルナ:あい…。
 ん。ふぇるのこと、すき、だよ!
 よくわかんない。けど、わかった!

フォロン:ええ。成熟すれば、その体は発情期とともに子作りを知りますから、今はそれでかまいません。(にこにこ)

ルナ:(心:やっぱりわかんない)

フェンネル:(声にならない声で笑いながら)ゆっくりわかっていけばいい。
 だから、必ずあなたを守る。その先の未来ごと。
 ルナ、帰ろう。(そういって手を引きます)

ルナ:ん。
 ふぉろん、あくしゅ。

フォロン:ええ、握手を。死んではいけませんよ。

ルナ:がんばる。(握手)

フェンネル:(ルナをつれて窓から戻る)

GM:窓は消えました。その直前までフォロンは手を振っていました。

ルナ:もらった。(フォロンの髪を一本。長い)

GM:ナマモノではプラスになりませんが、フォロンの気持ちです。

フェンネル:大切にするといい。(にっこり笑いかけます)
 ルナ、ありがとう。

フェンネルプレイヤー:感無量だ…。

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最終更新:2018年09月02日 18:57