「Love well, trip well」(よく愛し、よく旅せよ) 【作者:月狐】

【目安プレイ人数】4人
【目安レベル】1~2
【シナリオ概要】
温泉街ルネスに巨大な屋敷を構えている大富豪、ノーマン・アウスバッハ。
最近、彼は骨董品収集に凝っており、世界各地の物珍しい宝物を見つけては買い取ったり、または物々交換によって手に入れている。
冒険者たちは、宝物の対価である「氷」を公国ウィンディアに無事に届けることが目的となる。
氷を運ぶための特殊な馬車を借りて、旅立つ冒険者達。
しかし、その馬車に乗っていたのは氷だけではなく……。

【今回予告】
お父さまったら、ちかごろは「ぼうけんしゃ」に夢中なの。
「ぼうけんしゃ」っていうのはね、うちによく来るお客さま。
めずらしくて、おもしろそうなたからものを、いっぱい持ってくるの。
あ、お父さまのたからものを持っていくこともあるわ。とーってもとおい国に持っていくんだって。
 今日こそ、ぜったいお父さまのひみつをあばいてやるんだから!
あたしにだって「しるけんり」があるわ!
あーあ。それまでなにしよう。おそとへ出たいけど、しつじのシャークスが許してくれないし。
つまらないつまらないつまらないつま
(以降、色とりどりの「つまらない」という文字が、まるまる1ページを埋め尽くしている)

~エルーラン王国シュペンガー伯爵領ルネスの大富豪、ノーマン・アウスバッハの娘、レイン嬢の日記帳より抜粋~

アリアンロッド2E「Love well, Trip well」
冒険の舞台が君達を待つ!



チャート

【オープニングフェイズ】
1、温泉街ルネスに到着。宿(兼酒場)を取る冒険者達。酒場の客から仕事の話を持ちかけられる。
2、富豪、ノーマン・アウスバッハの家へ。正式に依頼を受ける。
  ・依頼内容は、ウィンディアのライアという富豪へ氷を届ける事である。
  ・馬車GET。馬車内に筵で包まれた氷が入っているのを見る。
  ・その他、ツボ。あやしい魔法がかけてあり、冷却効果が期待されるのだとか。あとは少しばかりの非常食。
  ・レインがどこかに潜んでいる。一応ツボやらタルやらに居る設定にするけど、この辺臨機応変に対応。
【ミドルフェイズ】
ミドルフェイズは、1日の内容を、旅の様子を描写する昼シーンと、野営の様子を描写する夜シーンの2つに分ける。
特定のイベントが起こらないシーンは、フリーイベントを起こす。
※昼シーンは全員登場。ランダムイベントチャートをふって、何が起こったかを決める。
※夜シーンは、シーンキャラクターを設定し、各自やりたいことをやらせること。場合によってはイベントチャートを振っても構わない。
3、旅路1
  ・昼:怪我をした動物がいる
  ・夜:フリーイベント
4、レイン見つかる。
  ・昼:盗賊団に襲われる
  ・夜:レイン発見。引き返すか、連れて行くかはプレイヤー次第だが、氷の制約上できれば連れて行くほうが望ましい。
5、旅路2(GMはレインがPCの行動に驚く描写を積極的にすること)
  ・昼:フリーイベント
  ・夜:フリーイベント
6、氷をお届け。旅に掛かった日数によっては溶ける。
7、旅路3
  ・昼:フリーイベント
  ・夜:フリーイベント
【クライマックスフェイズ】
8、盗賊団の仕返し
  ・昼:マギーとファルドーが現れる(ユニコーンの恩返し)
  ・夜:フリーイベント
【エンディングフェイズ】
9、ルネスに無事帰り、レインがいる場合はきちんと送り届ける。
  ・レインを連れてきている場合は、一瞬怒鳴られるが、レインがノーマンを諫める。
   娘が世話になったとお礼され、依頼金と共に温泉に滞在する費用を賄ってくれる。
10、温泉をひとしきり堪能したPC達、ルネスを後にすると、馬に乗った誰かが後を付けてくる。

NPC

■レイン・アウスバッハ(10歳/女/ヒューリンとフィルボルのハーフブラッド/100cm)
ノーマンの娘。ノーマンのあまりの過保護っぷりによって、お屋敷の外に出ることが少なく、代わり映えしない日々にうんざりしている。
性格は天真爛漫、わがままで活発で好奇心旺盛。
外の世界をあまり知らないがノーマンが度々屋敷に招き入れてる冒険者に興味津々。
荷運びのための馬車に紛れ込む。

■ノーマン・アウスバッハ(45歳/男/ヒューリン/168cm)
ルネスの富豪で、大きな問屋の旦那。外見は、金髪、小太りで、やや背が低い。少々頭の禿が目立ってきている。
また、珍品コレクターで、冒険者を集めては彼らが持ってきた物を買い取っている。
性格は度量が広く陽気。偉ぶってはいるが、仕事に対して対等な対価を払う為、評判は悪くない。
奥さんは数年前に他界。奥さんを愛していたが故に、レインをとても大事にしている。

■執事のシャークス(180歳/男/ネヴァーフ/150cm)
アウスバッハ家の執事。ネヴァーフにしては背が高く、珍しく物静かで、おっとり。低姿勢である。
お嬢様のレインには、些か手を焼いている。

■ライア・トーティス(61歳/女/ヴァーナ・アウリク/145cm)
氷のお届け先でウィンディアの富豪。銀髪をきっちりと結い上げ、鋭い眼光を持った冷たい眼差しの女主人。
ヴァーナとしては高齢ではあるが、頭は冴えており、今なお商売に対する才覚を発揮している。
生活は富豪にしては質素で、財布の紐は堅く無駄遣いが大嫌い。
人への態度が冷酷に見えるせいか、周りから気むずかしいと思われがちだが、誠実な者には寛容。
あまりに度が過ぎる態度を取っていると、至近から得意の弓矢で牽制されるので注意。
猫耳老婆。

【ボス】
■追いはぎのファルドー(50歳/男/ドゥアン(セラトス)/257cm)
マッチョでガタイのいいドゥアン。最近ルネス周辺を騒がせている盗賊団セント・ウルフのトップその1。肉体派担当。
粗野で暴力的な性格。気に入らないモノ、ほしいモノ、欲求すべてを暴力で解決する傾向にある。
そのくせ、中身はホモ。特にガタイのいい男ほど好きなんだとか。
ドゥアン特有の大柄な体を存分に使い、斧を振り回す。頭は悪いが力は強い。
マギーの弟分で、彼?をマギーの兄貴もしくは姉貴と呼んでいる。
【アンデット属性と腐臭を無くしたブルーマンの改造……ルール②P220】

■追いはぎのマギー(180歳/男/エルダナーン/180cm)
細マッチョのムチ使いのオカマ。盗賊団セント・ウルフのトップその2。一応頭脳担当。
本名はマグナスだが、マーガレットだと言い張っている。
高飛車な性格で、サディスト。オカマでバイ。中でも、子どもがものすごく好き。
エルダナーンだが、サディストな趣味を爆発した結果、生粋の鞭使いとして開花する。
愛用の鞭には毒が塗られており、敵対する者を苦しめる。
使える魔法は、逃げる時に使うテレポートのみ。
ファルドーの兄貴(姉貴分)で、彼とは仲がよい。細身の為に、ファルドーから特定の対象としては見られていない様だ。
【植物属性のないポイズンワインダーの改造……ルール②P220】

■うっちゃりちゃん1号(スティールゴーレムの改造)
マギーのつくったゴーレム。
【スティールゴーレムの改造……ルール②P239】


オーニングフェイズ

  • シーン1(温泉街ルネスに到着し、酒場の客から仕事の話を受ける。時刻は昼。)
■町中
【描写】
「旅の途中、あなた達はルネスという温泉街にたどり着いた。
 ここはエルーラン王国でも有数の観光都市として有名で、温泉街ともあってか、
 そこかしこの排水溝から湯気がモウモウと立ち上っている。
 沢山の温泉宿が建ち並び、多くの観光客らしき人々が賑やかに行き交っている」
【方針】:何の旅かはPLに任せること。温泉満喫したいなら温泉イベントに。
   PL達が宿を探し始めると、ある一件の酒場兼宿「山神の温もり亭」が見つかる。
  ・街にあるオブジェクト……温泉、温泉饅頭?、宿屋兼酒場、お土産屋とか

■温泉イベント
 PLのすきにさせてやれ。覗くなり、牛乳飲むなりコロ助なり。
 牛乳一気のみイベントとか

■宿屋兼酒場
【描写1】
 「君達は山神の温もり亭に辿りついた。
  1階のロビーは酒場となっており、沢山の人々が思い思いに酒を飲んでいる。」
【方針】:酒場にて客と会話させること。これによってノーマンが冒険者を捜している情報を伝える。
【セリフ】
マスター(40代半ばヒューリンの女)
「いらっしゃい。ウチは温泉つきの宿だよ。1泊かい?ちょっと待ってね」
「丁度良かった、今丁度部屋が1つ空いてるよ。お客さんツイてるね。待っておくれ。今手配するから」

【描写2】
「丁度酒場のカウンターの席を陣取って話している若者達がいる。
 身なりから察するに、この町で働く者達の様だ。」
【セリフ】
「最近ウィンディアの町に行く街道に、野盗が出没してるらしいぜ。どうやら3人組だとか」
「おっそろしいねぇ」

「聞いたかよ。またノーマンの野郎が冒険者を捜しているらしいぜ」
「またなんか、珍しいお宝でも見つけたのかなぁ」
「さぁ。そりゃ知らないけど、例の如くホラ……」
「本当……?」
「おお、あんたら冒険者かい? あんたら、よかったら仕事をしないか」
「この町に、ノーマンっていう金持ちがいるんだけど、腕の良い冒険者を捜しているらしいんだ」
「腕の良い冒険者を紹介したらさ、俺たち、小遣いが貰える訳よ。あんたらは仕事が手に入る。
 俺等は金が手に入る。どうだ、WINWINだろ?」

【情報一覧】
 ・ルネスの大富豪ノーマンが、腕の立つ冒険者を捜しているらしい。
 ・最近街道で野盗がでているらしい。
◆若者と連れだってノーマンの家に向かったらシーン1終了


  • シーン2(富豪、ノーマン・アウスバッハの家へ。正式に依頼を受ける)
■ノーマンの屋敷
【方針】ノーマンと会話させ、依頼を受ける様にし向けること。レインと会わせること
【描写1】
「君達はノーマンの屋敷にたどり着いた。ノーマンの屋敷は立派なレンガ造りの塀でぐるりと囲まれている。君達を門番に仲介すると、若者達は去っていった。そして、君達の前に眼鏡をかけた白髪の老人が話しかけてきた。」
執事のシャークスが登場。ノーマンの元へと案内してくれる。
【セリフ】
シャークス「お初お目に掛かります。私はシャークス。アウスバッハ家の執事をしております。」
シャークス「この度は、依頼を受けて下さり……誠に至極感謝致す次第で……」
シャークス「旦那様は、冒険者にえらくご執心でしてな。世界中の珍しい品物を集めておいでなのです。
 そのため、名だたる冒険者を集めては、持ってくる宝物を買い取っていらっしゃるのです。」
シャークス「いえ、今回はその珍品を手に入れるために、あなた方を呼んだのではありません。それは……旦那様の口から直接聞いて下さいませ」
【描写2】
「屋敷の中に招かれた君達の目には、色とりどりの花々で彩られた大きな庭園が飛び込んでくる。
 その巨大な庭園の一画に作られた、テラスに案内された。テラスには硝子のテーブル、そして椅子に座って茶を飲んでいる小柄な太った男が待ちかまえていた」
【セリフ】
ノーマン「おぉ! お前達が私の依頼を受けてくれた冒険者か!まっとったぞ!!」
ノーマン「まぁまぁ、そこの椅子に座るがよい。よくきてくれた、ローズティーを飲みたまえ。ワハハハ」
(誰かにダイスを振ってもらう。1D6。1~3:美味しいローズティー。 4~6:まずいローズティー)
ノーマン「わはは!うまかろう! 私自作のローズティーだ!この庭園の薔薇を使っておるのだよ」
ノーマン「さあさ、遠慮せずにその薔薇菓子も食べてくれ。食べながら話をしよう」(君達の目の前には綺麗な紅色の薔薇菓子が置かれている)
ノーマン「それで、あー。依頼の話だったな。実は、ここから西にあるウィンディアへの届けてほしいものがあるのだ」(ここからウィンディアは馬車で2日の距離)
ノーマン「最近は物騒だと言うし、ものがものだけにな、普通の配達はできんのだよ。まぁ、見せたほうが早いな」

【描写3】「ノーマンに連れられて、庭園の一画にある小さな倉庫へと連れて行かれた。分厚い扉を開けると、冷気が君達の足下に流れてくる。そこに収められていたのは、2~3mはある巨大な氷の塊だ」
【セリフ】
ノーマン「これだ。これをウィンディアのライア・トーティスというばあさんに届けて欲しい。何、報酬はたんまりと出す」
ノーマン「ウェンの泉から取れた、天然の貴重な氷だ。これを、かき氷にすると素晴らしく美味でな。遠方からも注文が来るのだよ。私は方々の貴族にこれを渡して、珍しい物を取り寄せたりしておる」
ノーマン「ああ、心配にはおよばん。運ぶ為の馬車は私が貸そう。それで……」

◆ここで感知判定をしてもらう。【難易度:11】
後ろの樹木の上に気配を感じる。(失敗した場合、近くの木の上から女の子が転げてくる)調べると、小さな女の子が出てくる。
【セリフ】
ノーマン「こら、レイン。お前何をやっとるんだ。そんなところで、はしたないではないか」
レイン「あ、あやしい冒険者じゃないか見張ってたのよ!お父様ったら、冒険者といえばすぐにウチにあげちゃうんだもん!」
ノーマン「そんなことを言うものではない。早く部屋に行って勉強していなさい。シャークス、レインを部屋へ」
ノーマン「あれはうちの娘でな。かわいいだろう。透き通った橙色の目なんか私そっくりでなぁ……。しかし、まったく近頃は悪戯盛りで……悪気はないから、許してやってくれ。ワハハ。それで報酬はなんと1200Gでどうじゃ」
ノーマン「おぉ!やってくれるか!さすがは冒険者だ。それでは、明日、ここへ又来てくれ。馬車を用意して待っておるぞ!」
ノーマン「そこに魔法のツボを置いて、ちょっとした冷気の結界を作るのだ。まぁそれも、2~3日しか持たないのだがな。知り合いの魔術師に作ってもらったのだが、その魔術師は所用でここにはおらん。大事に使ってほしい」

※馬車は二重構造で、内のしめきった部屋に氷が安置され、差し入れの食料の入った壺(肉×3)が置かれている。
レインはこの中に隠れている予定だが、PLが怪しんで調べる時は、任意の場所に設定すること。

◆PCが旅立つところでシーン2は終了。

ミドルフェイズ

ふがふが

クライマックスフェイズ

ぴよぴよ
最終更新:2014年06月07日 23:44