どらましなりおのすすめ

どらましなりおのすすめ
YenSid
 
 どうも、お久しぶりですYenSidです。あっ、はじめましての方ははじめ……、ちょっと、ちょっと待って!読み飛ばさないで!大丈夫、今度はまじめにやりますから!名前のところも「MS明朝」から「JS明朝」に変わってますからどうか許して!?まあ、本文はいつもどおり「MS明朝」ですけどね。
 はい、気を取り直して本当に『ドラマシナリオ』のすすめを書きたいと思います。最初に言っておくとこの文章はろくに資料も使わずに独自の見解で書き進めていきますので、「てめぇ、そんな文章で『このミス』大賞が取れるか!」と思っても優しく読み進んでください。
 あっ、ちなみにまじめな文章しか書かないYENIDは死にましたが、まじめな文章しか書かないYenSidはこれからも末永く生き続ける予定です。
 
 
第一章 『ドラマシナリオ』とは
 我がTRPG部内でも時々議論の的になるのですが、一口に『ドラマシナリオ』といってもなかなかに定義が難しい。ある意味でストーリーさえあえば全部ドラマとも言えますし。もしかしたらネットとかを見ればそれらしい定義があるのかもしれませんが、あいにく家にネット環境がないので僕の独断と偏見で定義したいと思います。
 
『ドラマシナリオ』…PC・NPCを問わず、シナリオ中に登場するキャラクター間での人間関係を主軸に置いたシナリオ。
 
 まあ狭義のドラマシナリオの定義ということで、今回の文章ではドラマシナリオと言ったらすべて上の意味で使用します。広く考えすぎるのもあれなので。あと、シナリオの種類といえば他にも『シティシナリオ』とか『ダンジョンシナリオ』とかありますよね。これも詳しく定義を知っているわけではありませんが、そのシナリオでのPCの行動場所・範囲による区分になってくるかと思います。つまり、ドラマシナリオと上の二つのようなシナリオの種類は重複することができるということですね。
 ちょっと話がずれますが、ドラマシナリオのよさってなんでしょね?僕は二つあると思っています。一つは単純に人間関係が主軸であるということ。やはり人と人との間に生まれるドラマというのは無限にありますし、どんなに似ているような話でも面白いです。もう一つはTRPGであるがゆえに、そのドラマに自分も入れるということですね。自分自身がキャストのときはもちろん、他の誰かが中心であってもいくらでもちょっかい出せます。読書ではただ話の筋を追っていくだけですから、そこに自分が入れたら楽しさもひとしおというものですよね?「TRPG」というぐらいですから、やっぱりロールプレイしないと!それが他人にとって複雑なドラマであるほど、ちょっかいしがいがあるものです(ニヤリ
 
 
第二章『ドラマシナリオ』の種類
 ではドラマシナリオを少しだけ区分していきましょう。先の定義から三つに分けたいと思います。シナリオ上の利点・欠点なども合わせていきましょう。
 
①NPC間のドラマ
利点…PCに関係なく、自由にドラマを設定できる。
欠点…PCをそのドラマにからませるのが難しい。
 
 やっぱりこの形が一番スタンダードですよね。利点にあるようにPCがどのようなキャラクターであっても、NPC間でドラマが出来上がっていればなんの問題もありません。単発やソードワールドでパーティが村から村へ旅していく、なんていう形だとこの状態がスムーズですね。さらに、自分の好きなようにドラマを設定できるというのも大きな利点です。
しかし、この種類の最大の欠点は上にあるようにPCをからませることが難しい(太字下線ですよ!)ということです。NPC間でのドラマですから、下手をすればPCの必要性というのがない場合も出てきてしまいます。うまく引きずりこめたとしても、途中で「そこは俺たちが関わる必要はないじゃん」といわれておしまいです。僕も何度言われたことか…。麻布生は冷たいです。でも、PCにしてみればそれも当然、所詮他人事ですから。GMは自分の描いたドラマに乗ってもらうように、うまく誘導する必要があります。GMもPLも楽しんでこそのTRPGですから。
 
②PC・NPC間のドラマ
利点…PCをドラマに組み込める。
欠点…PCの設定により難易度が非常に上がる。PCの行動によりシナリオが大きく変動する。
 
 僕の経験では、この種類はNPCの人数が極端に少ないとき(それこそシナリオの主軸に絡むのは一人とか)に使用しています。人と人との関係、特にPCとNPCの間となってくれば、なるべくそのドラマに入り込む人数が少ないほうがわかりやすく密度の濃いドラマになります。利点の通り、なんといってもPC本人をドラマに組み込むのですから、くみこまれたPCはそのドラマにスムーズに入ることが出来ます。
 欠点はPLが作成したキャラクターにより、ドラマに組み込みにくくなってしまうことが十分に考えられるということがあります。これの解決法は「ハンドアウト」を使用することです。キャラクター作成時におおまかなキャラ設定を指定するということですね。ドラマのないよう如何によっては、性格まで指定する必要が出てくるかもしれません。自由度が高いことがメリットのTRPGですから「ハンドアウト」を嫌う人もいますが、ある程度の指針があった方がキャラ作はしやすいものです。心優しい人や、キャラ作に悩んでいる初心者、なんでもやる気のある上級者などに渡してみましょう。
 もう一つの欠点はなんといってもPCのロールプレイがそのままシナリオの動きに直結してしまうということです。PCが自分が予想していたのとは違う解釈をして、全然別の方向に進んでしまう、単純にロールプレイが苦手、テンションが低いなどなど危険要素はたくさんあります。ドラマに直接関わるPCはよく選びましょう。観察眼を養うのです。
最後に一つ、これは利点と欠点が同時に存在するものなんですが、PCの一人がドラマに関わる人物であった場合、PCがパーティを組んでいれば他のPCは直接ドラマに関わっていなくても問題なくドラマにからめます。しかし、ドラマに関わるPCが一人であるがゆえに、他のPCがシナリオに参加できなくなってしまう可能性もあります。これは上に上げた危険要素を持った人が関わりづらいのはもちろん、あまりに「君が主人公!」みたいに一人に集中して話を作ってしまえば他の人が絡めないのはあたりまえです。①にも書いたようにその人にとっては他人事になってしまうわけですから。どんな時でも、全員がシナリオに参加できるように細心の注意を払わなくてはいけません。
③PC間のドラマ
利点…もう何も考えなくてもPCをドラマに取り込める。
欠点…②の欠点がさらに致命的になる。
 
 理論上はありえる第三のパターンです。皆さんもお察しの通り、こうなってしまえば完璧にPCまかせです。キャンペーンの最中にPC間のドラマが生まれてくる、市販のリプレイの中ではPC間でもドラマがある(色恋沙汰とか)とは言うものの、それは本筋の話があった上で生まれてきているものです。それをいざ一つのシナリオにするというのは大変難しいと思います。②の欠点がそのまま当てはまるので、人選には相当な注意が必要です。密度の濃いハンドアウトも必要かもしれません。
 しかし、PCが一つのパーティと考えた場合難しい(パーティというのは得てして何か外への目的を持っているので、話の筋を内側に向けにくいため)ですが、それぞれ設定を持ったキャラクター同士を引き合わせるようにすれば、自然な形になるのではないでしょうか。ソードワールドなんかは、やっぱりファンタジーですし旅人御一行様みたいな形が王道でしょうけど、パーティというよりも一人一人が何か目的を持って生きているという形のルールも全然ありますから、そういうのだと面白くなるかもしれません。(ダブルクロスなんていくらでもできそうですよね?)いずれにしても、PLにかなりのロールプレイ力(?)が必要であるため難易度の高いものになるでしょう。いや、GMはPCがどう動いたって見てるだけで楽しいかも…。神様ですから…。
 
 
第三章『ドラマシナリオ』の作り方
 いちよう『どらましなりおのすすめ』と銘打っているのでドラマシナリオの作成方法も書きたいと思います。これも僕の勝手な作り方で、特に③は「こんなのできるか!」と思われても仕方ないので、まあ参考程度に。
 
注!!以下の事柄は常に『起承転結』を念頭に置いた上での作成となります。以下の事柄を踏まえた上で起承転結を調整しましょう。
 
①まずは『きっかけ』から
 ドラマというぐらいですから、そのシナリオにはGMが意図した展開上の最大の見せ場というものが存在するでしょう。ですから、まずはそういったシチュエーションを思いつくことから始めましょう。こればっかりは、天性と時の運ですね。
 
②『見せ場』に誰が必要なのか
 きっかけが思い浮かんだ時点でほぼ確定されていると思いますが、その見せ場に必要なキャラクターを考えましょう。その見せ場に至るのに必要なキャラクターの背景設定・性格を確定させないと、シナリオ全体から見た時に見せ場が薄くなってしまいます。逆にこの最低限必要な確定を色濃く描くことが出来れば、鮮やかにフィナーレを迎えられるでしょう。
 
③あとは『キャラクターまかせ』
 見せ場を思い描けても、『起承転結』の残りの部分を考えなくては話になりません。見せ場以外の残りの部分というのは、つまり見せ場に至る過程ですよね?ということは、キャラクター達が確固たる意志を持って見せ場に終着するように動くならば、おのずとその過程も決定されるのではないでしょうか?これが『キャラクターまかせ』です。
 たとえば男の子(NPC)と女の子(PC)がそのドラマの主役で、『見せ場』が『女の子の誕生会を女の子にばれないように男の子が開く』とします。見せ場の何日か前からシナリオをスタートさせれば、見せ場に至るまでに男の子は女の子にばれないようにあの手この手を尽くすでしょう。男の子の目的は決まっているわけですから、その目的に沿うように動くのは当然ですよね。さらにGMは神様ですから動いた結果というのを多少調整できます。男の子の隠蔽工作が一瞬ばれそうになる、という男の子と女の子の動きが交差する場面も作れるのです。このように主に男の子の行動が決まっていき、シナリオ製作段階での女の子の予想される動きとの交差やアドリブでの微調整を入れて、男の子はめでたくびっくり誕生会を開くことが出来、二人はゴールイン(?)となることでしょう。
 ここで、男の子の設定に「隠し事が苦手」とか「頭のキレる友人がいる」とか「最近告白されたらしい」といったふうに付け加えていき、その男の子のキャラ設定を濃厚にしたり、行動が交差するポイントを増やしていけば、ますます男の子の動き方は明確になるでしょう。(PCからの見方もよくなりますし)
 さらに今回の場合だと、『女の子(PC)にばれないように』というのがよく効いています。つまり、PC側から見たら男の子の行動はわけわからない上に不自然です。その男の子の不明瞭な行動の一つ一つが、『見せ場』に至るまでの一要素となっているのですから、いざ真相がわかった時の感動は計り知れません、たぶん。
 このようにキャラクターの設定を濃くしていき、頭の中で勝手に動いてもらうことが『キャラクターまかせ』なのです。しょうもない例ですいません。
ただし、この『キャラクターまかせ』をする際には二つ注意点があります。一つはキャラクターの設定が濃すぎて収拾がつかなくなる。違う言い方をすれば伏線を張りすぎて回収できなくなるというのと同じかもしれません。いくらキャラクターを濃くするといっても、シナリオにまったく関係ないところまで考えていたらきりがありません。PL側での情報の混乱にもなりますし、GMも把握しきれないなんてことが起きるかもしれません。キャラ設定もほどほどにしましょう。もう一つはキャラクターを出しすぎて収拾がつかなくなる。さっきの男の子にもいた「頭のキレる友人」のように、キャラクターが増えればそのキャラクターごとに動き方が出来て、動きと動きが交差して行きより深みが増します。けれども安易にキャラクターを出し過ぎれば、本当に重要なキャラクターが薄れますし、これもまたPL・GM双方の負担になります。何事も適度にやりましょう。
 
まあ簡単に言ってしまえば、このシナリオ作成方法は「結➡起➡承➡転」という順番で作っているんですね。
 
 
第四章『ドラマシナリオ』の欠点
 これまでにドラマシナリオの種類、作成方法を見てきました。GMがドラマシナリオを作成するにはこれまでのことを一厘くらい参考にされれば大丈夫でしょう。最後に、ドラマシナリオの欠点についてお話したいと思います。
 第二章のドラマシナリオの種類で述べた欠点はシナリオ進展上の欠点でしたが、この欠点はドラマシナリオ自体に言われている欠点です。それはシナリオが『一本道』であること。
 つまり「PLが行動する➡イベントが起きる」という繰り返しが、途中で何の分岐もなく何回も繰り替えされてゴールするというスタイルですね。これに関しては僕もあまり突っ込んでは書けません。いろいろな観点からさまざまな意見があるでしょうから。ちょっと考えただけで意見が押収しそうです。ですが、ドラマシナリオを作成される場合には常に考えていただけるといいのではないでしょうか。
これは個人的な意見なのですが、PLがその卓に対して満足する時というのはどういう時でしょうか?僕はPLがその卓に対して大きな決定をもたらした時が一意見として挙げられると思います。その大きな決定をもたらすというのがドラマシナリオ、ひいては一本道のシナリオに欠けているがために、ドラマシナリオは一本道だ、なんていうことが言われるのではないでしょうか。特にNPC間のドラマでしたら、そのシナリオの主人公はNPCとなるのですから。
 
 
長々と書いてきましたがここらで筆…、いやむしろマウスとかキーボードか?とにかくそこら辺のものを置かせていただきたいと思います。ドラマシナリオに関する問題点は多々ありますが、みなさん作ってみてください。やっぱり自分の考えたドラマが完璧に成功したらとてもうれしいです。
それでは、またどこかで。
 
決してドラマシナリオの火を
絶やすことなかれ!!
 
 
Fin
最終更新:2008年05月21日 12:16
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