ピース語の態は受動態と能動態の二種類で、状況に応じて両方の態を使い分けます。
○受動態
動作の対象に視点を置いた態です。動作主を能格、動作の対象を絶対格で表します。直訳すると「~は~に○○される」という意味になりますが、日本語よりも受動態の使用頻度が高いので能動態で訳した方が自然な場合もあります。
○能動態
動作主に視点を置いた態です。動作主を絶対格、動作の対象を分離接頭辞u+属格で表し、動詞に能動態用の接頭辞を付けます。直訳すると「~は~を○○する」「~は~に○○させる」という意味になります。接頭辞の形状は動詞の変化型(6種類)ごとに決まっています。
・接頭辞一覧
第1変化型…na-/n-(前後の音素配置によって変動)
第2変化型…eş-/ş-(同上)
第3変化型…co-/cox-(語頭が子音で始まるときはco-、母音で始まるときはcox-)
第4変化型…aĭ-
第5変化型…ruv-
第6変化型…ģeù-
【例】
lazunoラズーノ(消される)→nalazunoナラズーノ(消す)
nebuđescoネブヅェスコ(クリックされる)→eşnebuđescoエシュネブヅェスコ(クリックする)
jeìĭubiħoジェイユビーモ(ナンパされる)→cojeìĭubiħoコジェイユビーモ(ナンパする)
poţodoポツォード(凍死する)→aĭpoţodoアイポツォード(凍死させる)
zehcoņòoゼフコーニョー(批判される)→ruvzehcoņòoルヴゼフコーニョー(批判する)
ţepfajoツェプファージョ(取り戻される)→ģeùţepfajoヂェウツェプファージョ(取り戻す)
受動態の動詞と能動態の動詞は厳密には別の単語扱いになりますが、能動態はこのように規則的に作れるので辞書には載っていません。
能動態の接辞を動詞の変化型に関係無くna-/n-で統一していた時期があるので、古い例文にはそちらが出てくることもあります。
・能格の扱い
能動態では能格の出番はあまりありません(受動態で能格を取っていた語が絶対格に移るから)が、動作主を使役するものがある場合、それに能格をあてることがあります。
・人称変化
絶対格と能格の人称によって動詞の人称語尾が決まるという仕様は受動態と変わりません。上記の使役者(能動態の能格)にあたる語が無い場合は絶対格と能格を同じ語(=同じ人称)として扱い、人称変化を行います。使役者がいるときはそちらの人称を変化に反映させます。
最終更新:2014年06月08日 00:35