分離接頭辞は、単語が表す意味を拡張・限定する助詞の一種です。他言語の前置詞や指示詞に相当しますが、こちらはその名が示すように単語ではなく助詞の一種として扱われます。
○配置場所
単語ではないので好きな場所に配置することはできません。配置される場所は文中の名詞、もしくはその名詞を修飾する形容詞、副詞の直前(=1つの名詞節に属する単語どれかの直前)となります。この条件を満たす場所であれば、どこに配置しても問題ありません。分離接頭辞が持つ意味を強調したいときなどは、名詞と形容詞に1つずつ付けるなども可能です。
○名詞との同調
分離接頭辞は名詞と同じ変化語尾(もしくは原形語尾)を持とうとします(語尾の一致)。そのための手段として、
①分離接頭辞が名詞に、決まった語尾を強要する。
②名詞の変化語尾に、自らの語尾を合わせる。
の2種類が存在します。どちらの手段を取るかは分離接頭辞の種類によって異なります。①の場合、どの分離接頭辞がどの母音を要求するかが決まっているので、名詞の変化語尾をその母音に合わせます。②の場合は、名詞の変化語尾と同じ母音を分離接頭辞の末尾に連結させます。
○種類
名詞の文中における格、話し手からの距離(こそあど言葉)、他の名詞との相関関係の3つを表します。
・格
ピース語には格変化が6種類しか無いので、分離接頭辞が名詞の役割を補完します。このとき、分離接頭辞は名詞に決まった格を要求(格支配)します。
ļatn-aリャトナ(祖国)+分離接頭辞l-a(~のために、属格支配、-aの変化語尾を要求)=l-a ļatneş-aラ・リャトネーシャ(祖国のために)
・距離
話し手からの距離に応じて、近称(この~)、遠称(あの~)、不定(どの~)の3種類が存在します。日本語の「その~」に当たる分離接頭辞は存在しないので、近称か遠称で代用して下さい。
ruņađ-aルニャーヅァ(言語製作者)+分離接頭辞ảt-(この~、変化語尾不要求)=t-a ruņađ-aタ・ルニャーヅァ(この言語製作者)
duĭarħ-iドゥヤルミ(包丁)+赤色具格語尾-et-o(変化語尾-o)+分離接頭辞ảş-(あの~、変化語尾不要求)=ş-o duĭarħet-oショ・ドゥヤルメート(あの包丁で)
・相関関係
名詞で名詞を修飾するために用いられます。都合上2つの名詞を必要とし、この分離接頭辞を配した名詞は別の名詞の修飾語として扱われます。その際、修飾語となる名詞は修飾先の名詞に初音、格、変化・原形語尾を完全に一致させます(他に類を見ない厳重な体制です)。
Caldì-aカルディア(カルディア)+ŭitoģ-uウィトーヂュ(異世界)+分離接頭辞ẻv-(~である、変化語尾不要求)=Caldì-a v-u ŭitoģ-uカルディア ヴ・ウィトーヂュ(異世界であるカルディア/カルディアは異世界だ)
Citáĭ-øキタイ(中国)+青色絶対格語尾-ủm-e(変化語尾-e)+Careĭ-a feùss-aカレーヤ・フェウッサ(韓国)+分離接頭辞zo-(~と、変化語尾不要求)=Citaĭ-m-e zo Cireĭ-edè-e feùss-edè-eキタイメ ゾ・キレイェーデ・フェウッセーデ(中国と韓国が)
※「-edè-」は第1変化型(-a)名詞の青色絶対格語尾の1つ。Citáĭ-øに連結された格語尾と同じ色・格を取っています。
最終更新:2013年12月10日 21:15