子音

 
ピース語には30個の子音があります。各々の子音に1種類の文字が割り振られ、1つの文字が1つの子音を表します。子音の発音は、前後に現れる音素によって変動することがあります。
 
・Ă,ă [-],[ɴ] 無し/口蓋垂鼻音
音を持たない子音です。
この音を挟んで母音が配置されると、前後の母音が形式上、別の音節として発音されます。このとき、この子音は日本語の「ン」に近い発音を持つことがあります(義務的なものではありません)。
また、この音が他の子音と隣接した場合、その音素群は形式上「子音連続」として扱われます。
 
・C,c [k] 無声軟口蓋破裂音
日本語の「カ行」に近い性質を持つ子音です。後舌と軟口蓋によって作られた閉鎖を開放することで発音されます。このとき、声帯の振動は伴いません。
ピース語では、「C,c」の文字は必ず[k]の音素を表します。よって「ci」、「ce」は「キ」、「ケ」に近い発音となります。
 
・G,g [g] 有声軟口蓋破裂音
日本語の語頭の「ガ行」に近い性質を持つ子音です。後舌と軟口蓋によって作られた閉鎖を開放することで発音されます。このとき、声帯の振動を伴います。
 
・Ň,ň [ŋ] 軟口蓋鼻音
伝統的な日本語の語中の「ガ行」に近い性質を持つ子音です。後舌と軟口蓋で閉鎖を作り、鼻腔に呼気を抜くことで発音されます。
 
・S,s [s] 無声歯茎摩擦音
日本語の「サ行(ただし、シを除く)」に近い発音を持つ子音です。舌端と歯茎によって作られた間隙に気流を通すことで発音されます。このとき、声帯の振動は伴いません。
この子音の直後に[i]の母音(または[j]の半母音及び子音)が現れた場合、子音の調音点は変化せず、「スィ」とでも表記すべき独特の発音となります。
 
・Z,z [z] 有声歯茎摩擦音
日本語の語中の「ザ行(ただし、ジを除く)」に近い発音を持つ子音です。舌端と歯茎によって作られた間隙に気流を通すことで発音されます。このとき、声帯の振動を伴います。
この子音の直後に「i」の母音(または「ì」の半母音、「ĭ」の子音)が現れた場合、子音の調音点は変化せず、「ズィ」とでも表記すべき独特の発音となります。
 
・Ş,ş [ʃ] 無声後部歯茎摩擦音
舌端と歯茎後部によって作られた間隙に気流を通すことで発音される子音です。このとき、声帯の振動は伴いません。日本語の「シャ行」に似た音ですが、こちらは調音部位がより前方となります。
 
・J,j [ʒ] 有声後部歯茎摩擦音
舌端と歯茎後部によって作られた間隙に気流を通すことで発音される子音です。このとき、声帯の振動を伴います。日本語の語中の「ジャ行」に似た音ですが、こちらは調音部位がより前方となります。
 
・T,t [t] 無声歯茎破裂音
日本語の「タ行(ただし、チとツを除く)」に近い性質を持つ子音です。舌端と歯茎によって作られた閉鎖を開放することで発音されます。このとき、声帯の振動は伴いません。
この子音の直後に「i」、「u」の母音(または「ì」、「ù」の半母音、「ĭ」、「ŭ」の子音)が現れた場合、子音の調音点は変化せず、「ティ」、「トゥ」とでも表記すべき独特の発音となります。
 
・D,d [d] 有声歯茎破裂音
日本語の「ダ行(ただし、ヂとヅを除く)」に近い性質を持つ子音です。舌端と歯茎によって作られた閉鎖を開放することで発音されます。このとき、声帯の振動を伴います。
この子音の直後に「i」、「u」の母音(または「ì」、「ù」の半母音、「ĭ」、「ŭ」の子音)が現れた場合、子音の調音点は変化せず、「ディ」、「ドゥ」とでも表記すべき独特の発音となります。
 
・Ç,ç [ʧ] 無声後部歯茎破擦音
舌端と歯茎後部によって作られた閉鎖をゆっくりと開放することで発音される子音です。このとき、声帯の振動は伴いません。日本語の「チャ行」に似た音ですが、こちらは調音部位がより前方となります。
 
・Ģ,ģ [ʤ] 有声後部歯茎破擦音
舌端と歯茎後部によって作られた閉鎖をゆっくりと開放することで発音される子音です。このとき、声帯の振動を伴います。日本語の語頭及び「ン」の後の「ジャ行」に似た音ですが、こちらは調音部位がより前方となります。
 
・Ţ,ţ [ʦ] 無声歯茎破擦音
日本語の「ツ」の子音に近い性質を持つ子音です。舌端と歯茎によって作られた閉鎖をゆっくりと開放することで発音されます。このとき、声帯の振動は伴いません。
この子音の直後に「a」、「i」、「e」、「o」の母音(または「ì」の半母音、「ĭ」の子音)が現れた場合、「ツァ」、「ツィ」、「ツェ」、「ツォ」とでも表記すべき独特の発音になります。
 
・Ð,đ [ʣ] 有声歯茎破擦音
日本語の語頭及び「ン」の直後の「ザ行(ただし、ジを除く)」に近い性質を持つ子音です。舌端と歯茎によって作られた閉鎖をゆっくりと開放することで発音されます。このとき、声帯の振動を伴います。
この子音の直後に「i」の母音(または「ì」の半母音、「ĭ」の子音)が現れた場合、子音の調音点は変化せず、「ズィ」とでも表記すべき独特の発音となります。
 
・N,n [n] 歯茎鼻音
日本語の「ナ行(ただし、ニを除く)」に近い性質を持つ子音です。舌端と歯茎で閉鎖を作り、鼻腔に呼気を通すことで発音されます。
この子音の直後に「i」の母音(または「ì」の半母音、「ĭ」の子音)が現れた場合、子音の調音点は変化せず、「ヌィ」とでも表記すべき独特の発音となります。
 
・Ņ,ņ [ɲ] 硬口蓋鼻音
日本語の「ニャ行」に近い性質を持つ子音です。前舌と硬口蓋で閉鎖を作り、鼻腔に呼気を通すことで発音されます。
 
・H,h [h],[ç],[χ] 無声声門摩擦音/無声硬口蓋摩擦音/無声口蓋垂摩擦音
日本語の「ハ行(ただし、フを除く)」に近い性質を持つ子音です。直後に「a」、「u」、「e」、「o」の母音(または「ù」の半母音、「ŭ」の子音)が現れた場合、狭められた声門に気流を通すことで発音されます。直後に「i」の母音(または「ì」の半母音、「ĭ」の子音)が現れた場合、前舌と硬口蓋によって作られた間隙に気流を通すことで発音されます。直後に「ĭ」、「ŭ」以外の子音が現れた場合、後舌と口蓋垂によって作られた間隙に気流を通すことで発音されます。いずれの場合も、声帯の振動は伴いません。
この子音の直後に「u」の母音(または「ù」の半母音、「ŭ」の子音)が現れた場合、子音の調音点は変化せず、両唇に摩擦は発生しません。
 
・X,x [ɦ],[ʝ],[ʁ] 有声声門摩擦音/有声硬口蓋摩擦音/有声口蓋垂摩擦音
ぞんざいに発音された日本語の語中の「ハ行(ただし、フを除く)」に近い性質を持つ子音です。直後に「a」、「u」、「e」、「o」の母音(または「ù」の半母音、「ŭ」の子音)が現れた場合、狭められた声門に気流を通すことで発音されます。直後に「i」の母音(または「ì」の半母音、「ĭ」の子音)が現れた場合、前舌と硬口蓋によって作られた間隙に気流を通すことで発音されます。直後に「ĭ」、「ŭ」以外の子音が現れた場合、後舌と口蓋垂によって作られた間隙に気流を通すことで発音されます。いずれの場合も、声帯の振動を伴います。
この子音の直後に「u」の母音(または「ù」の半母音、「ŭ」の子音)が現れた場合、子音の調音点は変化せず、両親に摩擦は発生しません。
 
・P,p [p] 無声両唇破裂音
日本語の「パ行」に近い性質を持つ子音です。上下の唇によって作られた閉鎖を開放することで発音されます。このとき、声帯の振動は伴いません。
 
・B,b [b] 有声両唇破裂音
日本語の「バ行」に近い性質を持つ子音です。上下の唇によって作られた閉鎖を開放することで発音されます。このとき、声帯の振動を伴います。
 
・F,f [f] 無声唇歯摩擦音
上歯と下唇によって作られた間隙に気流を通すことで発音される子音です。このとき、声帯の振動は伴いません。日本語の「ファ行」に似た音ですが、調音部位として上歯が使用される点が日本語と異なります。
 
・V,v [ʋ] 唇歯接近音
上歯と下唇で広めの間隙を作ることによって発音される子音です。日本語の「ワ行」に似た音ですが、調音部位として専ら上歯と下唇が使用される点が日本語と異なります。
 
・M,m [m] 両唇鼻音
日本語の「マ行」に近い性質を持つ子音です。上下の唇で閉鎖を作り、鼻腔に呼気を通すことで発音されます。
 
・Ħ,ħ [ɱ] 唇歯鼻音
上歯と下唇で間隙を作りつつ、鼻腔に呼気を通すことで発音される子音です。日本語の「マ行」または「ワ行」に似た音ですが、調音部位として上歯と下唇及び鼻腔が使用される点が異なります。
 
・Ĭ,ĭ [j] 硬口蓋接近音
日本語の「ヤ行」に近い性質を持つ子音です。前舌と硬口蓋で広めの間隙を作ることによって発音されます。ただし、この子音の直後に「i」の母音が現れた場合、その音素群は独立した音節としての性質を保ちつつ、子音の発音を失い「i」の母音のみの場合と同様に発音されます。
 
・R,r [ɾ] 歯茎弾き音
日本語の「ラ行」に近い性質を持つ子音です。舌端で歯茎を弾き上げる(瞬間的な閉鎖を作る)ことで発音されます。
 
・L,l [l] 歯茎側面接近音
舌端の中央部と歯茎を密着させ、その両側面に広めの間隙を作ることで発音される子音です。日本語の「ラ行」に似た音ですが、調音部位として舌端の一部を使用し、閉鎖を生じさせない点が日本語と異なります。
 
・Ŗ,ŗ [ɹ] 歯茎接近音
舌端と歯茎で広めの間隙を作ることで発音される子音です。日本語の「ラ行」に似た音ですが、舌端と歯茎が密着しない点が日本語と異なります。
 
・Ļ,ļ [ʎ] 硬口蓋側面接近音
前舌の中央部と硬口蓋を密着させ、その両側面に広めの間隙を作ることで発音される子音です。日本語の「リャ行」に似た音ですが、調音部位として前舌の一部を使用し、閉鎖を生じさせない点が日本語と異なります。
 
・Ŭ,ŭ [w] 両唇軟口蓋接近音
上下の唇及び後舌と軟口蓋で広めの間隙を作ることで発音される子音です。ただし、この子音の直後に「u」の母音が現れた場合、その音素群は独立した音節としての性質を保ちつつ、子音の発音を失い「u」の母音のみの場合と同様に発音されます。日本語の「ワ行」に似た音ですが、調音部位として上下の唇を使用し、円唇性を伴う点が日本語と異なります。
 
最終更新:2013年09月12日 23:18