06-095 :まるマ女体1:2008/07/23(水) 04:01:49 ID:DkMnCVnc
 パジャマの最後のボタンを留めながら、おれは、どでかい天蓋付き魔王ベッドの上に置
いてある、桃色の枕に目を落とした。
 思わず顔がにやけるのを止められない。
 眞魔国のマッドサイエンティストならぬマッドマジカリスト、フォンカーベルニコフ卿
アニシナの発明品、『魔導抱き枕戦隊・あなたの胸で眠りたい』の一つ、眠り隊・桃。
 一見ただの桃色の枕にしか見えないそれは、その名の通り、抱いて眠ればピンク色の大
人の夢が見られるという、嬉しすぎる機能を持ち合わせているらしかった。年齢=彼女い
ない歴の高校生男子にとっては、ホテルでこっそり有料チャンネルと同じくらい、魅惑的
なアイテムなのだ。
 以前手に入ったときは、幼い愛娘に添い寝するために使用を控え、結局それ以来使えず
終いのまま、開発者に回収されてしまった。
 しかし今日、おれの名付け親にして護衛兼保護者であるコンラッドが、量産タイプの改
良型をアニシナさんから渡され、おれに届けてくれたのだ。
 ついでに彼は、最近毎日のようにおれのベッドで寝ているヴォルフラムにも、今夜は気
を利かせて客室で寝るように忠言してくれた。お陰でおれは、久々に一人で寝ることがで
き、心おきなくムフフな夢を楽しむことができるのだ。

「さあ~、今夜は一人っきりだし、存っ分にピンク・ドリームを見てやるぞ!」
 我知らずガッツポーズを取ってしまいながら、端から聞けば果てしなく下らない宣言を
し、おれはいそいそとベッドの中に潜り込んで、桃色の枕を抱きしめた。
 そして、逸る気持ちをなんとか落ち着かせつつ、ゆっくりと眠りに落ちていった。


 おれはそのとき、二つの意味で油断していた。
 一つは、あのアニシナさんの発明品が、そうそう上手くなんの問題もないまま、人に恩
恵をもたらしてくれるはずがない、ということ。
 そしてもう一つは、ヴォルフラムとコンラッドがおれの部屋から出て行く前に放ってい
った、あの言葉。
『お前の夢の中に入ってでも、必ず邪魔してやる!』
『それはいい。じゃあ俺も、陛下の夢の中にお供して、温かく同行を見守ることにします
よ』
 あの言葉が、知らず知らずの内に頭の中にしっかりとこびり付いていた、という重大な
事実に、おれは気付かないまま桃色枕で寝てしまっていたのだった。
 それが一体、どういう結果をもたらすかも知らずに……。

06-096 :まるマ女体2:2008/07/23(水) 04:04:42 ID:DkMnCVnc
「……りっ……ユーリ! 起きろ、ユーリ! 婚約者を差しおいて、さっさと先に寝てし
まうとは何事だ!」
 聞き慣れた声と、横になった身体をガクガク揺すられる衝撃に、おれは無理やり意識を
覚醒させられ、ゆっくりと目を開けた。
 未だ焦点の合わない目に映り込んできたのは、予想通り、輝くような金髪と、湖底を思
わせるエメラルドグリーンの瞳を持つ、怒れる天使とでもいうべき愛らしい顔だった。

「なんだよヴォルフラム……今夜は客室で寝ろって言っといただろ? なのになんでここ
に居て、しかもいきなり怒ってるわけ?」
 寝ぼけ眼を擦りながら上体を起こし、おれは理不尽な怒りをぶつけてくる美少年に文句
を言う。

「お前の婚約者であるぼくがこの部屋に居るのは、当然のことだろう」
 いつもながら尊大な口調で言いつつ、ふんぞり返るヴォルフラム。その動きで、見慣れ
たピンクのネグリジェの下にある胸の膨らみが、意外な豊かさを主張する。
 って、胸の『膨らみ』!?
「な、なんだコレっ!?」
 思わず叫びながら、目の前にある件の膨らみを、両手で鷲掴みしてしまうおれ。
 や、柔らかい……ってことはこれ、本物!? いや、本物をこんな風に触ったことは一
度もないわけだが(腕にツェリ様のバストを押しつけられた、とかならあるけど)、明ら
かにこれは詰め物の感触ではない。

「んっ……な、なにをするんだ、いきなり……」
「へっ!? あ、ああ、ごめんっ!」
 ヴォルフラム(?)が妙に色っぽい声を上げるのを聞き、おれは慌てて手を離す。

「ばか、そんなにがっつくな……」
 さっきまで掴まれていた胸を両腕で覆いながら、白い頬を朱に染めて目を伏せるヴォル
フラム。

「が、がっついてなんか、ねえよ」
 そんな彼(?)の仕種や表情が妙に色っぽく見え、つい声が上擦ってしまう。両手にま
だ柔らかい感触が残っていることも手伝って、確実に、全身の血液が身体のある一部分に
集中し始めるのを感じていた。
 やばい、やばすぎる。一体なんなんだ、この状況は!?
 っていうか、そもそもこの子は誰っ!? ヴォルフラムなのか!? それとも、似てる
だけの別人!? 仮に本当にヴォルフラムだとしたら、なぜ彼は自分がこんな身体になっ
てるのに、当たり前のように平然としているんだ?
 ……はっ、夢か!? これは夢っ!? だとしたら、この不条理な事態にも全部納得が
いく……。
 と、そこまで考えて、おれは気が付いた。

 もしかして、これが噂の、ピンクドリーム?

 そうだ、おれは眠り隊・桃を抱いて寝て、気が付いたらこの状況だったのだ。そう考え
ると、これが魔導装置の見せているピンクな夢であると考えるのが、一番自然だ。
 なるほど、ヴォルフの奴、夢に出てきて邪魔してやるなんて言ってたが、邪魔するだけ
では飽きたらず、自ら相手しようとしてきたのか……。
 ……って、冗談じゃない。
 『女の子になったヴォルフラムとエッチしちゃう夢』って……いくらなんでも、性質悪
すぎだろ。そんな夢を見ようものなら、目覚めた後に本人と顔を合わせたとき、どれだけ
気まずい思いをすることか。

06-097 :まるマ女体3:2008/07/23(水) 04:06:36 ID:DkMnCVnc
「ユーリ……」
 あれこれ考えているうちに、いつの間にかヴォルフラムが距離を詰めてきていた。今ま
で聞いたこともないような甘い声で、おれの名前を囁いてくる。

「ま、待て、そんなに近づくなヴォルフラム……」
 熱っぽく潤んだ瞳で見つめてくる彼(彼女)の顔をなるべく見ないようにしながら、お
れはそこから離れるように少しずつ体をずらしていく。
 いくら夢だからって、いくら体が女の子になってるからって、現実では男友達である(少
なくともおれはそう認識している)ヴォルフラムと、このまま一線を超えてしまうわけに
はいかない。
 頭ではそうわかっているのに、体の方は健康な男子高校生として正直な反応をしてしま
っていた。体温を感じるほど間近に来られると、女の子特有のいい匂いが鼻孔をくすぐり、
いやが上にも心拍数が上がってしまう。

「何故だ? 近づかないと何もできないだろう」
「だ、だから、何もするつもりないから言ってるんだってばっ。うぅっ、た、頼むから身
体を押しつけないでっ……首に腕を回さないでっ……!」
 欲望と理性の狭間で必死に戦っているおれをますます煽るように、ヴォルフラムは柔ら
かな身体を密着させてくる。

「今更なにを言っているんだ……いつも、あんなに激しくぼくを求める癖に」
「いや、も、求めてません! ぜんっぜん記憶にありませんから、そんな事実!!」
 おれにもたれかかり、胸に指先をつつーっと這わせながら放ったヴォルフラムの妖しい
台詞を、力いっぱい頭を振って否定する。

「記憶がないだと!? なにを言ってるんだユーリ! まさか今までのことは全部遊びだ
ったなどと言う気じゃないだろうな!? お前から求婚してきた癖に!!」
 途端に目を吊り上げ、おれの胸ぐらを掴んでガクガク揺すりはじめるヴォルフラム。

「ちっ……ちがっ……ごほごほっ……ご、ごめん、悪かったっ、おれが悪かったからっ…
………」
 その剣幕を見て、自分がよく考えてみたら相当マズイことを言ってしまっていたことに
気づき、おれは息が詰まる喉を絞って必死に謝った。

「まったく……そんなことだから、いつまで経ってもお前はへなちょこだと言うんだ!」
 掴まれていた襟ぐりを放り出されるように解放され、おれは起こしていた上半身を再び
ベッドに倒れ込ませた。
 そんなおれを見下ろし、ヴォルフラムは小さく舌打ちしたかと思うと、何を思ったか、
ネグリジェの裾を捲り上げておれの腰の上に馬乗りになってくる。

「おわっ!? ちょ、ちょっとっ……」
 上擦りまくった声で抗議するおれだが、まともな抵抗はできなかった。今まで以上に一
気に血流が下半身に移動しているのを感じる。
 触れ合っている部分から、柔らかな感触と、しっとりとした熱が、じわじわと伝わって
くる。
 パジャマや下着の布越しとはいえ、自分の股間に、柔らかな太股やら、おまけにその…
…女の子の秘密の部分までが密着しちゃっているのである。所詮は夢、所詮現実では男…
…とわかってはいても、生まれてから十六年間モテない人生が続いたおれにとっては、あ
まりにも強すぎる刺激だったのだ。

「これでもまだ……嫌だと言う気か?」
 心なしか震えているような声でそう言いながら、ヴォルフラムはおれの手を取ると、自
分の胸へと導いた。手の平に柔らかな弾力が返ってきて、心臓が跳ね上がる。
 とうとう誘惑に負け、おれは手の中に包んだ柔らかいものを、やんわりとだが揉みしだ
き始めた。

06-098 :まるマ女体4:2008/07/23(水) 04:08:05 ID:DkMnCVnc
「ん、やっと……その気になり始めたか……」
 ヴォルフラムがピクンと小さく体を震わせ、密着していた腰が僅かに動いた。そのせい
で、既に完全に勃ち上がってしまっていたモノが擦られ、背筋に痺れるような感覚が走る。

「ヴォルフ…………」
 お互いの体温が上がっていき、呼吸が乱れていくのを肌で感じとる。薄桃色に上気した
自称婚約者の顔は、今までに見たこともないくらい綺麗に見えた。
 夢とか現実とか、本当は男同士とか、そういうことは意識の片隅に追いやられ、どうで
もよくなってしまっていた。おれはただ、込み上げてきた衝動に任せてヴォルフラムを抱
きすくめると、そのまま横に転がるようにして体勢を変え、彼――――彼女を、自分の下
に組み敷く。
 そして、密着させていた体を一旦離すと、ネグリジェの裾を掴んでたくし上げ、そのま
ま上から剥ぎ取るように脱がしてしまう。そのとき、なにも言わなくてもヴォルフラムは
両手を上げて協力してくれた。
 露わになった華奢な体には、繊細なレースの装飾が施された、薄いブルーの可愛らしい
下着が未だ巻き付いていた。
 先ほど布越しに揉みしだいた胸に、今度は直に触れてみたくなったおれは、ヴォルフの
背中に手を回してブラジャー(眞魔国流に言うと乳吊り帯)のホックを外す。形の良い膨
らみが、ふるんと揺れながら露わになった。
 ヴォルフの手が反射的に隠そうとするより速く、おれはその膨らみを両手の中に包み込
んでいた。行き場を失った手が、おれの手の上に重ねられる。手の平と甲の両側から、ヴ
ォルフの体温を感じた。
 布越しに触れるのとは全く違う、吸いつくような滑らかな感触に、頭の奥が痺れそうに
なった。やわやわと揉みしだくと、半開きになったヴォルフラムの唇から、深く、悩まし
い溜め息が洩れる。

「は……あ、ユーリ…………」
 桃色に色づいた頂きの部分を、おれはそっと指で弾く。思いの外硬い感触がしたかと思
うと、ヴォルフの体がビクッと震え、甘い声が上がった。

「あっ、ん! んン、んっ、ン…………」
 人差し指の腹で何度も擦ってやると、ヴォルフラムは身を捩り、その刺激に耐えるよう
に唇を噛み締めて、押し殺した声を漏らした。

「あんまり噛むなよ……痕残っちまうぞ」
 その様子がちょっと痛々しかったので、おれは片手を伸ばしてヴォルフの顎を抓むと、
下唇を親指の先で軽く引っ張り、突き立てられている歯から解放する。

「ふぁっ、あぁっ……あ、ぁっ…………」
 半ば強引に開かされた唇から、押さえの利かなくなった嬌声が洩れる。さっきよりも硬
さを増した突起を二本の指に挟んでこね回してやると、ヴォルフラムはおれの手首を握り
しめ、ますます切ない声を上げた。

06-099 :まるマ女体5:2008/07/23(水) 04:09:08 ID:DkMnCVnc
「あっ、あぁっ……ユーリ……ユーリぃ……」
 滅多に聞かないような甘えた声を出して、ヴォルフラムがおれの首に両腕を回す。その
腕に引き寄せられるまま、おれはヴォルフと口づけを交わしていた。滑り込んできた彼女
の舌に自らの舌を絡め合わせ、頭がぼうっとするような快感を味わう。
 息が続かなくなってきたところで漸く唇を放すと、名残惜しげに離れた二人の舌と舌と
の間に、唾液が糸を引いた。
 唇と舌での愛撫に味を占めたおれは、そのまま唾液まみれの口でヴォルフラムの白い首
筋にむしゃぶりついた。きめ細かい肌に吸いついて舌を這わせ、その滑らかな感触を愉し
む。
 徐々に唇の位置を下降させて、硬く尖った胸の突起に吸いつく。赤ん坊のように音を立
ててしゃぶると、ヴォルフラムは一際高い声を上げた。

「ああっ……あっ……ユーリっ……やっ、ユーリぃっ…………」
 口は乳首に吸いついたまま、体の支えに使ってない片手だけを、ヴォルフの体を撫で下
ろすように下に移動させていく。
 そして、脚の付け根の間、未だ下着に包まれているその秘密の部分に指を忍ばせる。レ
ースで飾られた薄い布地は既にじっとりと湿っていて、指が触れた瞬間、ビクリと腰が震
えたかと思うと、中心からますます愛液が染みてくる。

「あっ! や、ああっ……」
 クロッチ部分の横から指を滑り込ませ、秘裂を直になぞる。そこはもう十分に潤ってい
て、柔らかく蕩けた襞の内側に、指先が難なく入り込んでいく。粘着質な水音を立ててそ
こを掻き回してやると、ヴォルフの腰が揺れ、甘い声が上がった。

「ああっ……はあっ、んっ、あぁっ……ああぁっ…………」
 耳に届いた声があまりにも切なげで、背中にゾクッと痺れが走った。下半身で膨れあが
るものの重さに、そろそろ耐えきれなくなってきている。早くこの熱くて柔らかい場所に、
硬くなったそれを埋め込みたくてたまらなくなってきていた。
 秘部から指を引き抜き、胸に埋めていた顔を上げて、おれはヴォルフの腰で結ばれてい
る下着の紐を引っ張ってほどいた。
 紐パンは脱がせやすいって言ってたのは誰だっけ。両側の紐をほどいて軽く引っ張るだ
けで、透明な糸を引きながら、それは本当に簡単に引き剥がされていった。
 白く柔らかそうな内股と、髪と同じ金色をした薄い毛が、愛液で濡れて光っている。そ
の奥に、生まれて初めて見る(夢だけど)女の子のアソコが…………。
 ありがとう紐パン。素晴らしい紐パン。例え夢でもおれはこの光景を一生忘れないだろ
う…………。

「あっ…………」
 ヴォルフラムが小さく声を上げながら頬を朱に染め、少し開いていた脚を慌ててきつく
閉じる。
 恥ずかしいのかヴォルフ。フッフッフ、でも見たもんね。バッッッチリ見ちゃったもん
ね。…………ダメだ、気分が高揚しすぎて、思わずなんか変なノリになってしまう。落ち
着け、おれ。
 逸る気持ちを抑えつつ、おれは自分のズボンに手をかける。
 おれも眞魔国に滞在中は、貴族御用達の黒紐パン着用だ(魔王だと言うことで半強制的
に穿かされているだけで、断じて趣味ではありません。ええ、決して)。したがって、と
っても脱ぎやすーい。いや、全く嬉しくはないんだけど。初エッチのときに自分が紐パン
着用ってのは、どっちかっていうと悲しいシチュエーションである。

「ヴォルフラム…………いいか?」
 昔兄貴の部屋からこっそり持ち出して読んだ、何かのエロ漫画のような台詞で、おれは
目の前に全裸で横たわるヴォルフラムにそう確認をとった。
 ヴォルフラムは、ちょっと恥ずかしそうに目を伏せて、小さくこくんと頷く。可愛いな
ぁ……本当に可愛いなぁ……これで現実でも男じゃなかったら、結婚だろうがなんだろう
が、いくらだってするのになぁ…………。
 微妙にしょっぱく切ない気持ちになりながら、おれは、先ほどより少し力を緩められた
膝に両手をかけ、ヴォルフの脚を開こうとした。

06-100 :まるマ女体6:2008/07/23(水) 04:10:19 ID:DkMnCVnc
「はっ! ダメだ!」
 そこでおれは、重大なことに気が付いてしまった。

「は、駄目? なにが駄目だと言うんだ?」
 ポカンとした表情のヴォルフを尻目に、おれは試しにベッド脇のサイドボードを探って
みる。抽斗の中には、用途のわからない怪しい小道具もちらほらあったが(恐らくこの部
屋の前の所有者である、ツェリ様の私物だろう)、アレはなかった。夢なんだから、ご都
合主義的に脈絡もなく、ここに入ってたりしてくれたっていいのに……。
 上体を起こし、不思議そうにこちらを見つめていたヴォルフラムの方へ、おれは振り向
いて項垂れるように頭を下げる。

「ごめん、ヴォルフ……残念だけどっ……本っっっ当残念だけどっ……これ以上のことは
できないよ……。いくらなんでも高一の身で、明るい家族計画もなしにエッチしちゃうな
んてことは、おれにはできない……」
「明るい家族計画?」
 耳慣れない言葉に眉を顰めるヴォルフラムだが、やがて納得したように頷いた。

「なるほど……それは確かに大事かもしれないな」
「うう……だよなぁ…………」
「ぼくは、少なくとも子どもは三人は欲しいな。ああ勿論、グレタも入れて三人、という
意味だぞ。うちのように女だけで三人でもいいが、一人くらいは男がいてもいいかもしれ
ないな。どちらにしても、ユーリに似た可愛らしい子が生まれてくれたら、ぼくはそれだ
けで幸せだがな」
「いや、どっちにしろ多分お前に似た方がずっと可愛いと……って、そうじゃなくて! 
フツー明るい家族計画って言ったら避妊のことだろ。なんで生む気満々!?」
「ヒニンってなんだ?」
「そこからかよ!? ……ほら、避妊っていうのはあれだよ、エッチはしたくても、子ど
もができちゃったら経済的にとかなんとかで色々困るなー、ってときに、道具とか薬とか
使って、エッチしても子どもができないようにすること……」
「なにぃ!? お前、ぼくとの間に子どもができたら困るっていうのか!? そう遠くな
い将来、夫婦になることが決まっているというのに!」
「いや、だって、おれたちまだ……いや、お前はもう82歳だけどさ、おれはまだ16歳、
高校生一年生の未成年だよ!? そんな年で子ども作っていいわけないじゃん!」
「じゃあ、グレタはどうなるんだ。お前が15歳のときにできた娘じゃないか」
「グレタはだって……血が繋がってないし……」
「なんだそれは!? 将来生まれる血の繋がった自分の子どもに対してと、グレタに対し
てとは、責任の重さが違うとでもいうつもりか? お前はグレタを本当の娘も同然に思っ
ているのだと、ぼくは信じていたのに……見損なったぞ、ユーリ」
「いや、そういう問題じゃ……」
 反論しかけたが、言われてみれば確かにそんな気もしてくる。そうだ、おれには既にグ
レタという娘がいるんだし、もしもこれで子どもができちゃったとしても、一児の父が今
度は二児の父に変わるだけで、実際、大した問題じゃないのかも…………そして、それを
否定することは、グレタに対して失礼なことなのかも…………段々そんな気がしてくる。

「……確かに、ヴォルフの言うとおりかもな」
「そうだろう。やっとわかったか、このへなちょこめ」
 言って、裸の胸をふんぞり返らせるヴォルフラム。

06-101 :まるマ女体7:2008/07/23(水) 04:11:28 ID:DkMnCVnc
「……へくちっ」
「ああ、寒かったよな。ごめんごめん」
 可愛らしいくしゃみをするヴォルフラムの肩に、今まではね除けていた毛布をかけてや
る。ふと冷静になってみると、今までかたや全裸、かたや下半身マッパの状態で口論して
いたのだから、端から見たら相当滑稽だっただろう。

「お前が変なこと言って中断するからだっ」
 不機嫌そうな声で言いながら、ヴォルフがおれの胸に額を押し付けてくる。少し冷えた
体が密着してきて、心臓が高鳴る。一連のやりとりの間に萎えかけてきていたアレが、再
び頭をもたげてきた。

「ごめん……続き、してもいい?」
 苦笑いしながら訊くと、ヴォルフラムは無言のままおれの背中に腕を回した。……多分、
OKってことなのだろう。

「……あっ」
 もう一度そこに手を滑り込ませて秘裂を探ると、ヴォルフラムの肩がびくりと震えた。
 ……ちょっと、乾いてきちゃってるかもな。もう一度濡らした方がいいのか……。
 このまま手で刺激して濡らすんでもいいんだが、ちょっと悪戯心が芽生えたおれは、ヴ
ォルフの両膝を抱えて、その場に彼女を押し倒した。

「ばかっ、なにするんだ!」
 脚を開かされた状態で寝かせられたヴォルフは、真っ赤になって抗議の声を上げるが、
おれはそれには答えず、股の間に顔を埋めた。

「ひあっ……や、ああぁっ……」
 抱えている脚が何度も引き攣れるのを感じた。舌先で割れ目をなぞるだけで、愛液が滾
々と溢れてくる。顔を押し付けて襞の内部まで舐め回すと、甘酸っぱい蜜で顎までベトベ
トになった。

「やあっ……ユーリ、もうっ、もう……」
 絞り出すような声で『おねだり』されて、股間のモノが再び限界近くまで膨れあがるの
を感じる。

「いいの、ヴォルフ?」
「……いいっ……早くっ、もう……」
 顔を上げて尋ねると、存外素直にヴォルフはそう答えた。本当にけっこう切羽詰まって
いるらしい。
 おれはヴォルフの脚を更に大きく開かせると、唾液と愛液で濡れそぼった秘所に勃ち上
がったモノを押し当て、ゆっくり身を沈めていった。

06-102 :まるマ女体8:2008/07/23(水) 04:12:09 ID:DkMnCVnc
「ああああっ…………」
 求めていたものを得られた悦びからか、ヴォルフは恍惚とした表情を浮かべ、体を弓な
りに反らせて喘いだ。
 柔らかい襞に自分の最も敏感な部分を締め付けられて、痺れるような快感が背筋を上っ
てくる。
 最初は要領が掴めないのも手伝って、ゆっくり抜き差しを繰り返していた。それでも充
分、気持ちよかった。しかし、緩慢な動きに焦れてきたらしいヴォルフが、もどかしげに
自ら腰を揺らし始めたのを皮切りに、自然とおれの腰の動きも速くなっていく。

「ああっ……ユーリっ……ユーリっ…………」
 お互いにリズムを合わせて体を揺すり合う中、ヴォルフラムがいつになく甘えたような
仕種でおれの首に腕を回してきて、しがみついてくる。桃色に染まった可愛い顔が息のか
かるほど間近に来て、おれは何も考えないまま、途切れ途切れに吐息と嬌声を洩らす形の
いい唇を、自分の唇で塞いでいた。
 まるで、ずっと以前から何度もそうしてきたかのように、ものすごく自然に口づけてい
たのだった。
 こちらが舌を差し入れると、すぐに応えるようにヴォルフの柔らかな舌が絡みついてく
る。腰の動きに合わせてくぐもった嬌声が洩れ、互いの舌を貪り合う音と共に室内に響い
た。
 ときどき息継ぎを繰り返しながら、二人で長いこと唇を重ね合っていた。段々、酸欠の
せいなのか快楽のせいなのか、頭が朦朧としてきて、腰の辺りに気怠さが溜まる。
 それを振り払うように、おれは一旦唇を離してしまってから、力いっぱい腰を打ち付け
る。激しい動きにヴォルフは一際高い嬌声を上げて、白い喉を仰け反らせた。

「ああっ、あっ……ああああっ」
 ヴォルフの体が何度も大きく痙攣し、おれのモノを包み込む襞が強く締まった。ほぼ同
時に、下半身の気怠さが最高潮に達し、おれは無意識のうちに腰をヴォルフラムに押し付
けていた。
 次の瞬間、頭が真っ白になりそうな快感とともに、溜まっていたものが残らず吐き出さ
れていく。おれが精を放つのに合わせて、ヴォルフラムの体もびくびくと震えた。

「熱い…………」
 うわごとのように呟かれたその言葉が、艶めかしくいつまでも耳に残った。

 ……っていうか、避妊もなにも、そもそも夢の中なんだから、生でしようが中出ししよ
うが、別になんの問題もなかったんじゃん。
 そのことにようやく気が付いたのは、快感の余韻が徐々に消えて、射精直後の冷静モー
ドに入ってしまってから、しばらく経ってのことだった。

最終更新:2012年01月24日 09:50