06-362 :第三次性徴:2009/04/16(木) 15:53:28 ID:RSvfyq2p
宏文は学校で一番男前といわれている、陸上部のエースだった。

宏文の体がおかしくなったのは、関東予選で負けた後のことだった。

「宏文くん、残念だったね。」
「でも、来年こそは絶対全国に行ってやる。」
「来年こそはね!」
そう約束した矢先のことであった。

ある月曜日のことだった。

「よお、宏文。」
「おう。」
「あれ?風邪でもひいた?宏文にしては珍しいな。」
風邪ではないことはなんとなく分かっていた。
そう、声変わりのときに味わったアレだと・・・。
だが、そんなはずはない。宏文はこのことから目を伏せたのだった。

一週間後・・・。

「宏文、どうした?まだ風邪治らないのか?」
「いや、友達とカラオケ行っちゃってさ。」
もちろん、カラオケなど行っていない。
宏文の声は高くなる一方だった。

その日の夜、宏文はシャワーを浴びていると、あることに気が付いた。
自分のペニスが萎縮している。
確実に1週間前よりも・・・。

これは、まずいと思い、宏文は次の日、学校を休んで病院にいった。

「今日はどうされました?」
「最近のどの調子がおかしいんです。」

「あれ?声変わりはもうされました?」
「とっくにしましたけど。」

「じゃあ、部屋が埃っぽいとかは?」
「ないです。部屋はいつも片付いてるんで。」

「蒸し暑いから乾燥ってことはありませんね。ほかに症状は?」
「実は、ちんこが小さくなってるんです。」

「え?ちょっと見せてください。ベッドに腰掛けて。」
「はい。」
宏文は医師にペニスを見せた。

「こんな症状見たことがない。新種の病気である可能性があります。」
宏文は愕然とした。

「じゃあ、どうすれば?」
「もっと大きな病院、できれば、大学病院で見てもらった方がいいかもしれないですね。」

医師の紹介で、次の日、大学病院にいった。
血液採取のほか、いろいろな検査を受けた。
そして、俺はある重大なことを宣告された。

「男性ホルモンが急激に減少し、女性ホルモンが増え続けています。このような病気はまだ報告されていません。」
「女性ホルモン・・・?ってことは、俺、女になっちゃうんですか・・・?」
「なってしまわないと分かりません。」
「これから俺はどうすればいいんですか?」
「研究という名目で、入院していただくことになります。」
入院するのは、来週の日曜日に決定した。

06-363 :第三次性徴:2009/04/16(木) 15:55:09 ID:RSvfyq2p
その晩。

「ただいま。」
「おかえり。遅かったわね。どうしたの?」
「母さん、俺風邪じゃないんだ。」
「あら、よかったじゃない。」
「いや、よくないんだ。風邪じゃない別の病気みたい。」
「ちょっと、なんていう病気なの?」
「分からない。病気とすら断定できないって先生が言ってた。これ・・・。」
メモには次のことが記されていた。

男性ホルモン・・・減少
女性ホルモン・・・急増

体に起こった症状・・・
喉の異常(声が掠れる。変声期と似ている。)
ペニスの萎縮(性的刺激に反応せず)



毎朝、毎晩、その症状を目の当たりにした。
脚や腕から毛が抜けた。
髭も生えなくなった。
髪の毛が異常に伸び始めた。
症状を身近な人に見られたくないので、部活も休んだ。

一週間後の日曜日、俺はいよいよ入院した。

走りたくてたまらないが、病院にいなければいけない。
練習時間が惜しいのに、練習も筋トレもさせてもらえない。
入院時の身長は172、体重は45だったが、病気の症状と運動不足で、体重は増え、身長が縮んだ。
時々、パンツに手を突っ込んで、今ペニスがあるかどうかも確認した。
第一、このパンツが後どれぐらい履けるかも分からなかった。

同じような毎日が続く。
朝起きると、検査のために採尿。
検査を受けたあと、メシ。自習。
メシ。
自習。
・・・。

ある日のことだった。

「高木君、バストとウェストが=じゃなくなったよ。」
「え?マジですか?」
「マジです。」
「明日は外出許可を出しますから、お母さんといっしょに服を買いに行きなさい。」
「え・・・。そんな・・・。」
自分の体が変わっていくことが、宏文には信じられなかった。
ペニスもあるかないか分からないぐらいになってしまった。

そして、次の日、俺は母さんと買い物に出かけたが、なんか違うものが引っ付いてきた。

「宏文君、心配したんだよ。」
「酒井!」
陸上部マネージャーの酒井弥生がなぜかついてきたのだった。

「宏文君聞いたよ。体が女の子になっちゃうんだって。」
「母さん、言うなって言ったじゃん。」
「彼女ぐらい、言ったっていいじゃない。」
「彼女じゃないし。」

ということで、ほとんど酒井に先導され、服を買った。

06-364 :第三次性徴:2009/04/16(木) 15:55:56 ID:RSvfyq2p
そして、運命の朝、俺が目覚めると、もう股間に感覚がなかった。
案の定、パンツを下ろすと、あるはずのものがなかった。
喉のイガイガも完全になくなっていた。

「高木さん、どうされました?」
「お・・・女の子になっちゃいました。」
やっぱり、声も女だった。

「はい、これ。」
「ちょっと。性転換後の患者さんじゃないんだから。」
「同じでしょ?」
看護婦さんに手鏡を渡された。
まず、初めての女子トイレに入って、尿検査の尿を採取した。

「へぇ。こうやって出るんだ・・・。」
これから女の子になるというのに、(というか、もうなったというのに、)女の子についての勉強は一切していなかった。

採取した尿を持って、朝の検診に向かった。

「先生、なっちゃいましたぁ」
「え?ちょっと見せてごらん!」
「女の子の体なんだから丁重に扱ってくださいよ。」

「どれどれ・・・」
医師は割れ目に中に指を入れた。

「あら、本物だ。」
「先生。気持ちいい・・・。」

まだ小さい胸を揉み解した。

「ほら、ほらほら・・・。」
「あはっ・・・んふっ・・・。」

「おっと、別の研究になるところだった。」
「ごめん。カメラに収めるよ。」
「じゃあ、まず立って。」
「ベッドに横たわって。」
「性器を撮ります。」

写真を撮影し終えると、病院では普通食べられないものが俺、改めあたしを待っていた。

「俺が医者じゃなかったら、受精卵をプレゼントするところなんだけど・・・。」
「先生のえっち。」

「あっ、ケーキ!」
「いや。計算がずばり当たっちゃったね。今日、完全に女体化するって言う兆しはあったんだ。」
「何で言わなかったの?」
「いや、驚くかなって。」

Happy birthday Ayaka!

次の日、私はやっと退院を許可された。
初めて穿くスカートに少し照れ、少し戸惑いながら、私は最後の診察を受けた。

「うん。熱もないし、健康状態も問題ない。退院を許可します。」
「先生。ありがとうございます。」

これで、文香の入院生活が終わった。だが、元の身体は二度と戻ってこなかった。

最終更新:2012年01月24日 10:02