- 06-376 :散らされた光・1:2009/04/27(月) 18:44:41 ID:lzJ6QNxe
- 「……」
事実は小説よりも奇なりという格言があったかどうか。
誰が信じるだろう? あのウォーリア・オブ・ライトが女性の身体を持つなどと――。
記憶があやふやなのは幸か不幸か。
自分は男だったのか、それとも女だったのか。その感覚すらたまにあやふやになるのだ。故に、とりあえず今までは男性として振舞ってきた。
だが鎧の中に隠れた二つのふくらみが、男と言うには少し細すぎる線が、股間の感覚が、自分の性別を狂わせる。
コスモスに直接聞いたこともある。そうしたら彼女はなんとただ一言だけ言ったのだ。
「性別を間違えたかも知れません」
……自分ひとりにだけ言ってくれたのは幸いか。
とりあえずコスモスは償いと言うかせめてもの処置というか、兜に声色を変える魔法をかけてくれた。これを脱がない限り、自分は男性として振舞える。
しかし、処置は処置。自分の性別を完全に固定してくれたわけではない。
現にいまだに自分は女性の身体。女性特有の周期や、口調に振り回されそうになった事は一度や二度ではない。
それでも何とか持ち前の前向きさでこの状況を乗り切ることを決め、周りからは「寡黙だが仲間想いで責任感が強い」と思わせることに成功した。
これなら大丈夫。自分が男性か女性かは後に考える事にして、今は「女性の身体を持つだけの男性」として振舞おう。そう決めていた。
……そう、それで上手く行くはずだった。
過去のカオス神殿。そこで宿命のライバルとも言えるガーランドを見つけ、戦いとなった。
拮抗する者同士、その戦いは長く続いた。どちらも有利に立とうと動くが、いまいち決定打に欠けている。それでも一撃を食らわそうと剣を振るうが。
「うおりゃあっ!」
「っ!?」
鉄塊のごとき巨大剣が、ブレストプレートを剥がし、兜を弾き飛ばした。青みがかった銀髪がふわりと広がる。
- 06-377 :散らされた光・2:2009/04/27(月) 18:45:33 ID:lzJ6QNxe
- 「……ん?」
「! 隙あり!」
敵が動きを止めたのと焦りから、一気に突っ込む。光を帯びた剣がガーランドの装甲を貫くかと思われたが。
「甘いわっ!!」
一瞬早くガードされ、ふらりとよろめいてしまう。たたらを踏むこっちに対し、ガーランドが猛攻を仕掛けてきた。剣と盾で防ぐものの、勢いは止められない。
ついに、巨大剣の一閃で大きく吹っ飛ばされてしまった。剣も盾も弾き飛ばされ、身体を起こした瞬間ガーランドがのしかかってきた。
「捕まえたぞ」
「くそっ……!」
のしかかられた状態では動く事すらおぼつかない。何とか剣に手を伸ばそうとするが、その手も抑えられてしまった。
空いた手が、自分の顔に触れられた。金属越しなので、その手は冷たい。
「しかし、今まで散々敵対してきた貴様が、まさか女性だったとはな……」
「黙れ! 私はそのようなものは……」
「とうに捨てた、か? わざわざ声を変えてまで男として振舞うとは、ご苦労な事だ」
男として振舞うというより、元は男だったのでそうしていたと言った方が早い気がする。まあそれを言うつもりは無いが。
そんな悠長な事を考えてしまっている間にも、ガーランドの手は動く。――ブレストプレートという守りの無くなった胸の方に。
「貴様……っ!」
「ほう、さすがにいきなりは拙かったか。なら」
そう言うとガーランドは器用にも、片手で自分の顔を覆う兜を外す。声から想像できる通りの、壮年の男の顔がそこにはあった。
「宿命の好敵手が素面を晒したのだ。こちらも晒さねばなるまい」
「なっ……んんっ!」
一体どういうことだ、という言葉は、相手からの強引な口付けで止められた。予想していなかった事に思考が真っ白になる。
ガーランドはその隙を逃がさない。無防備に開いていた口に舌を入れられ、入念にかき回してきた。
「ふ……ぅ」
生まれてこのかた、こういう経験は一度もしたことがない気がする。一応知識として頭にはあるものの、実際の感覚など未知の領域だった。
頭の芯が徐々に痺れ、意識が少しぼやけてくる。それを何とか理性で押し止め、引き剥がそうとするものの、空いた手は力が入らない。
唇が離れると今までくっつきあっていた舌から、唾が糸を引く。何故か息も荒く、落ち着かせようとするだけで精一杯だ。
「随分と感じやすい体質だな?」
「…そんな事、は……」
ない、と言いたかったが、それよりも先にガーランドの手が動く。最後の障壁であった衣服が破かれ、柔らかな曲線を描く乳房が晒されてしまった。
常人より少し大きめなそれが、無骨な手で鷲掴みにされた。
「あっ!」
「ほう?」
「……っ!」
ここで声を上げたら悦ばせるだけだと気づき、慌てて口を固く閉じる。しかし、徐々に熱くなる身体にどこまで抵抗できるのか。
- 06-378 :散らされた光・3:2009/04/27(月) 18:46:18 ID:lzJ6QNxe
- ガーランドも、自分の抵抗を嘲笑うかのように手で柔らかな感覚を楽しんでくる。ついには舌まで加わり、乳房が散々に嬲られる。
固くしこった部分を舐められた瞬間、身体が自分の意思に反してびくりと動いた。
「ふん、身体の方は随分と正直のようだな?」
「黙れ……ッ! こんな事に私は屈しない……!」
「そうか、なら耐えて見せるのだな」
「ぐっ……」
言われなくても、と思うが、正直どこまで耐えられるか自信がない。既に身体は熱していて、性的感覚に振り回されるようになっていたのだ。
その証拠に、空いた手はもうぴくりとも動かないし、思考はロクにまとまらない。ガーランドに無理やり足を開かされても、抵抗ができない。
服や下着によって隠されていたそこが露わになった瞬間、とうとう目を固く閉じてしまった。
――故に、そこに指が入れられた瞬間、声を出しそうになった。
「う……」
目を閉じたからか、入れられる感覚に敏感になってしまったらしい。口から喘ぎ声が漏れそうになるのを、必死になってこらえた。
ここで感じているのに気づかれれば、ますます相手は調子に乗る。それだけは避けたい。しかし、相手はそんな自分の思惑をすぐに察したらしい。
濡れた場所を執拗に攻められ、わざと湿った音を立てられる。ひくひくと動きそうな腰は、足を踏ん張らせることで耐えた。
「しぶといな」
そんな強情な自分を見て、さすがにガーランドも焦れたらしい。濡れて熱くなった場所に、熱く猛々しいモノをつけた。
「や、やめ……」
「やめろ? 女性の身である以上、もはや受け入れるしかあるまいよ」
「そ、それでもダメだっ……!」
今までの快感が一気に消え、心にこびりつく「男性」としての嫌悪感と、純潔を失う恐ろしさが頭を占める。もはや舌を噛み切るしか手は無いのか。
しかし舌を出そうとした瞬間、また唇を塞がれる。舌を噛み切るという方法は、もうこれで使えなくなってしまった。
……そして、とうとうそれは来た。
「っっっ!!」
押し入られ、引き裂かれそうなほどの痛みが駆け巡る。今まで閉じられていた目が見開かれるが、もうその目に映るのは白い何かだけだ。
今まで数々の戦いを潜り抜け、様々な痛みを受けてきたものだが、今の痛みはそれら全てを上回っている気がする。舌を噛み切るどころではない。
ガーランドの方はと言うと、こっちの苦しみなどお構いなしと膣内へと入っていく。そっちも力がいるのか、腕を押さえる手に力が入っていた。
(い、痛……い……)
言葉にならない泣き言が、口の中で霧散する。凄まじい痛みに耐え切れず、足ががたがたと震え始めた。
やがて最奥に達したか、ぴたりと動きが止まった。そのまま、軽くゆすって肉壁をこすれさせる。あわせて濡れた音が、かすかに聞こえ始めてきた。
そしてじわじわと戻ってくる快感。動きが少しずつ激しくなっていくにつれ、それは今まで以上な波となって押し寄せてくる。
「ん……んぁ……っ」
口を塞がれていて助かった。抜き差しの激しい律動は、ぎりぎりのラインで保ち続けていた理性やプライドを、強引に削り取っていくのだ。
- 06-379 :散らされた光・4:2009/04/27(月) 18:47:02 ID:lzJ6QNxe
- これで口が開いていたら、嘲笑われるのが解っていても喘ぎ声を出していたに違いない。
(ダメだ……もう……!)
ちかちかとする白い何かに耐え切れず、固く目を閉じる。それでも目の前は真っ白で、思考も同じように真っ白でしかなかった。
「んっ、んんんっっ!!」
限界を超えた時、自分の膣内で何かが溢れる。そう認識した瞬間、意識が急に遠のいていった。
ふと気がつくと、柔らかな光が自分に降り注いでいた。
「……ん?」
光の先を追うと、そこには自分が追い求めていた物――クリスタル。
何故これがここにあるのだろう。手に入るのは嬉しいが、何故かそこまでの流れが思い出せない。
「……まあ、いいだろう」
しばし思い出そうと努力するが、諦めた。今はこれを持って仲間の元に行くのが先だ。
身体を起こして、クリスタルを手に取る。何故か身体の節々が痛いが、それも気にする事ではないと思い、ふらりと立ち上がった。
そしてそのまま外への道を歩く。仲間は、もう既にクリスタルを手に入れているだろうか。
――戦士は気づいていなかった。
腰布に、ほんの少しの赤い染みが出来ていることに。
最終更新:2012年01月24日 10:02